DX資格とは?資格の種類やおすすめの学習方法を紹介
ビジネスを取り巻く環境変化が激しい現代、ほとんどの企業にとってDX推進は避けて通れない課題です。社内のDX化を進める場合、DX資格取得をひとつの目標として従業員に課すケースも多いでしょう。
この記事では、DX資格の種類や取得メリット、おすすめの学習サービスについて具体的に解説します。
DX資格とは
DX資格とは、DXやITスキルに関する知識を証明する資格の総称です。DXの概要の理解を問うものと、個々のITスキルに特化したものと、大きく2種類に分かれます。
ここでは、DX人材に必要なスキルとDX資格の概要を解説します。
DX人材に求められている能力
DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略であり、従来のアナログな業務プロセスをデジタル技術によって革新的に改善し、ビジネスの競争優位性を高めることを指します。
2018年9月、経済産業省は「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」を発表し、日本企業でデジタル化が進まなければ、2025年から2030年にかけて年間12兆円の経済的損失が発生すると試算しています。
(出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」)
DX人材に求められている能力としては、ビジネス戦略とITの融合能力が重要です。ビジネスの要件を理解し、適切なデジタルソリューションを提案・導入することで、効果的なDXを実現できます。
次に、変化に適応する柔軟性や創造性が求められます。デジタル環境は常に進化し続けており、新たなテクノロジーやトレンドが現れます。DXを推進するためには、変化に対応できる柔軟性と創造性が必要です。
さらに、データ分析やAI(人工知能)・機械学習などの技術スキルも重視されるでしょう。企業が集積したデータを活用して価値を生み出すためには、データ分析やAI、機械学習などの技術スキルが不可欠です。
そのほか、顧客目線やUXデザインなど、ユーザー中心設計の考え方も重要です。顧客の声やフィードバックを収集し、サービスの質を上げていくことが求められます。
DX人材に必要なスキル
DX人材には、ITスキルとビジネススキルの両方が必要です。技術的な知識とビジネスの視点を組み合わせることで、デジタル技術の活用が可能になるためです。
代表的なIT技術スキルとしては、クラウドコンピューティングやビッグデータなどの基礎技術が挙げられます。デジタル化を推進するためには、クラウド環境や大量のデータを処理する能力が重要です。
また、プログラミング言語やフレームワークの知識も必要です。これによって、デジタルソリューションを開発し、ビジネスの課題解決に活かせます。さらに、セキュリティやプライバシー保護などの技術的課題の解決能力も求められるでしょう。
一方、DXに必要なビジネススキルは、プロジェクトマネジメントやチームマネジメント能力などが該当します。DXは全社的に行う必要があるため、複数のチームやステークホルダーを統合する能力が求められます。
また、ビジネスモデルの理解や改革の提案能力も重要です。さらに、マーケティングや営業などのビジネス戦略を理解し、それに基づいて戦略的な意思決定を行う能力も必須でしょう。
DX資格とは?
DX資格とは、大きく分けて2種類存在します。
DXそのものが対象の資格
DXそのものが対象の資格としては、日本イノベーション融合学会DX検定委員会が主催する「DX検定」や、一般財団法人全日本情報学習振興協会が運営する「デジタルトランスフォーメーション検定」などがあります。
これらの資格のメリットは、DX全体を体系的に理解できる点です。
(出典:DX検定、デジタルトランスフォーメーション検定)
DXに関連するITスキルの資格
DXに関連したITスキルの資格としては、「応用情報技術者試験」や「ITストラテジスト試験」などがあります。ITスキルの資格を取得すると、個別のITスキルに関する深い知識を習得できます。
たとえば、クラウドコンピューティングやビッグデータ、セキュリティなど、DXに不可欠な技術領域における知識や能力を評価する資格です。
DX資格を取得する5つのメリット
従業員がDX資格を取得すると、会社にとってどのような利点があるのでしょうか。ここでは、DX資格取得のメリットについて具体的に紹介します。
従業員がDX資格を取得すると、会社にとってどのような利点があるのでしょうか。ここでは、DX資格取得のメリット5つについて具体的に紹介します。
社内での課題解決が可能に
従業員がDX資格を取得すると、外部に頼らず社内で課題解決ができるというメリットがあります。
資格取得に伴う学習を通じて、従業員はデジタルトランスフォーメーションにおける重要な概念やベストプラクティスを習得可能です。DX資格の取得によって得たスキルや知識を実務に活用すれば、効果的なデジタル戦略の立案や実施、新たなテクノロジーの導入などに取り組めるでしょう。
また、DXに関する業務を、外部のITベンダに依存せずに社内で解決できるようになります。そのため、外部委託にかかるコストや時間の削減につながります。
企業のDX推進を担える人材育成
DX資格を取得することによるメリットのひとつは、企業のDX推進を担える人材育成が可能となることです。
DX資格を持つ従業員は、企業内でのDX推進でリーダー的な役割を果たせます。DXに関する最新のトレンドやベストプラクティスを把握し、実務への応用方法を提案できるためです。また、DX教育専用の部署を設けることで、組織全体のDX戦略の一翼を担えるでしょう。
デジタル技術の発展スピードは早いため、継続的にDX教育を実施して常に知識をアップデートする必要があります。社内にDX推進を担う人材がいれば、低コストで全社的に従業員のリスキリングを実施できます。
求職者へのアピール
DX資格取得を推進することによるメリットのひとつは、求職者へのアピールができることです。
従業員のDX資格取得を支援する制度を導入すると、求職者に対して従業員のスキルアップに力を入れている会社であることをアピールできます。求職者は、自身のスキルやキャリアアップに関心を持っており、向上心の高い人材が多いです。そのため、会社が従業員のスキル向上を支援している姿勢を示すことは、求職者の応募意欲を高める可能性があります。
さらに、DX資格の取得は、成長性がある企業だという社外からのイメージ強化にも有効です。求職者は、将来性や挑戦的な環境で働ける可能性がある企業に興味を持ちます。そのため、DX資格取得を推進することで、求職者に対して魅力的なイメージを与えられるのです。
企業価値が高まる
DX資格を取得することで、企業価値を高められます。DX資格を持つ人材は、デジタル技術を活用した業務改善や新しいビジネスモデルの構築を推進できます。これにより、企業は競争力を強化し、効率性を向上させることが可能です。
さらに、DXの推進は市場での評価を高め、投資家や顧客からの信頼を得やすくなります。DX資格を持つ人材が増えることで、企業全体のデジタルリテラシーが向上し、迅速かつ柔軟な対応が可能になります。結果として、企業の成長と持続可能な発展につながり、企業価値の向上が期待されるでしょう。
中小企業は支援が受けられる
DX資格を取得すると、中小企業は様々な支援を受けられる可能性があります。政府や自治体、経済産業省などはDX推進のために、企業に対して補助金や助成金プログラムなどを提供しています。
例えば「IT導入補助金」は、中小企業向けにIT製品の導入にかかる経費の一部を補助し、DXをサポートする制度です。これらの支援を活用することで、IT製品導入にかかるコストを削減し、効率的に企業内のDXを推進できます。
政府や自治体が提供している支援を受ける条件は異なるため、まずは自社が条件に該当しているか確認しましょう。
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DX資格の学習方法
DX資格の学習方法としておすすめの手法を3つ紹介します。
オンラインスクールを活用する
メリット | デメリット |
---|---|
・時間や場所の制約がない ・最先端の講義を受講できる | ・勉強の日程を自分で管理する必要がある ・モチベーションの維持が難しい |
オンラインスクールは、自宅や職場などからインターネット接続さえできれば、いつでもDXについて学習できます。時間や場所の制約がないため、自分の都合に合わせて学習を続けられる点がオンラインスクールの強みです。
例えばヒューマンアカデミーでは、ブロックチェーンやIoT、データサイエンスなど最先端の内容をオンラインでいつでも受講できます。講義を視聴するだけでなく、実際にコーディングする機会もあり、実践的なスキルを身に付けることも可能です。
講義のカリキュラムなどはオンラインスクールによってさまざまです。オンラインスクールを活用する際には、各社のカリキュラムや料金プランを事前に確認しましょう。
書籍や動画を活用して独学する
メリット | デメリット |
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・理解度に応じて学習を継続できる ・学習コストを抑えられる | ・不明点があった際に解決しにくい ・モチベーションの維持が難しい |
書籍や動画は幅広い内容を網羅しており、基本から専門知識まで一貫して学べます。特定の分野に特化したリソースを選ぶことも可能であり、自身の理解度に応じて学習を進められます。
また、学習コストを抑えられる点は独学の強みと言えるでしょう。YouTubeなどの動画サイトを活用すれば学習コスト0円でDXについて学習できます。YouTubeでは「IPA Channel」や「SAMURAI ENGINEER」などがDXについて詳しく解説しているため参考にしましょう。
DXについて学べる専門学校に通う
メリット | デメリット |
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・経験豊富な講師からDXについて学べる ・条件によっては助成金などの支援がある | ・支援を受けられない場合、費用が高額 |
「DXの学習を続けられるか不安…」という人は、DXについて学べる専門学校に通うのも1つの手段です。専門学校では経験豊富な講師からDXについて学習できます。
例えば「侍エンジニアBiz」では、企業に課題に合わせたオーダーメイド型の研修を提供しています。DX資格の取得に関する講義をはじめ、プログラミング研修やAI活用研修なども用意しており、さまざまな資格・スキルを習得可能です。
なお、専門学校の場合、条件を満たすことでIT研修助成金などの支援を受けられる場合もあります。専門学校にかかる費用をなるべく抑えたい人は、まずは政府や自治体の支援を受けられないか確認しましょう。
DX資格取得におすすめのスクール3選
ここでは、DX資格の取得におすすめのスクールを3つ紹介します。
侍エンジニアBiz
侍エンジニアBizは、企業の持つIT課題に合わせたオーダーメイド型の研修を提供するサービスです。DX関連の資格はもちろん、応用情報技術者試験などのITスキル資格の取得にも対応しています。
SMART合格講座
SMART合格講座は、全日本情報学習振興協会が主催のDX推進アドバイザー認定試験向けのオンライン講座を提供しています。講義を通じて、DXの概要や、DX人材育成のための方法論が学習可能です。
(出典:SMART合格講座「DX推進アドバイザー対策講座」)
Udemy
Udemyでは、DX推進アドバイザー認定試験および、DXオフィサー認定試験の取得を目指す『「今こそ取るべき資格!」デジタル人材育成講座』が提供されています。DXの概要や経済産業省によるDX推進施策の内容について体系的に学べます。
(出典:Udemy 「今こそ取るべき資格!」デジタル人材育成講座(DX認定取得編))
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自習向けおすすめWebサイト3選
DXへの理解を深めるための自習向け教材もネット上に多く公開されています。ここでは、おすすめのWebサイトを2つ紹介します。
マナビDX
マナビDXは経済産業省が運営するDX教材の紹介サイトです。経済産業省の審査基準を満たした教材のみが紹介されているため、全体的に質が高いのが特徴です。無料で受講できる講座も含まれています。
(出典:マナビDX)
数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム
数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムのサイトでは、東京大学や滋賀大学、筑波大学などが提供しているスライドや動画を無料で視聴できます。特に、データサイエンスやAIに関する資料が豊富なのが特徴です。
(出典:数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム「リテラシーレベルモデルカリキュラム対応教材」)
ミルマナ
ミルマナは内定者向けのDX学習サービスです。入社まで内定者のITリテラシーやDXの知識を高めるために、さまざまな講義を用意しています。
また、ミルマナでは受講者に対してIT・DXレベルの測定を行い、その結果を元にeラーニングにて学習を進めます。事前にeラーニングを実施することで、入社時にはIT・DXレベルを高めた状態で業務に取り掛かることも可能です。
(出典:ミルマナ)
情報収集におすすめのサービス3選
DX資格の取得に役立つ情報を収集するには、セミナーやコミュニティに参加するのも1つの方法です。ここでは、おすすめのサービスを2つ紹介します。
TECH PLAY
TECH PLAYは、IT系のイベントや勉強会の情報サイトです。DX関連のIT勉強会の開催情報もまとめて紹介されており、エリアや開催日でフィルタリング検索が可能です。
(出典:TECH PLAY)
DX実践コミュニティ
DX実践コミュニティはDX推進に携わるビジネスパーソン向けのオンラインコミュニティです。Slackを利用し、メンバー間での知見共有やオンラインイベントに参加できます。
(出典:DX実践コミュニティ)
NTTアドバンステクノロジ
NTTアドバンステクノロジは、情報通信技術を活用して、企業や組織のDXを支援する情報を発信しています。実例を交えながら情報を発信しているため、DX資格の勉強だけでなく、実際に業務で活かせる知識やスキルも身に付けられます。
(出典:NTTアドバンステクノロジ)
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DX資格取得時に起きやすい5つの失敗
DX資格取得時には以下の5つの失敗に注意しましょう。
1.資格取得自体が目的になってしまう
資格の取得自体が目的にならないよう注意しましょう。資格取得自体が目的になってしまうと、実際の業務やキャリアに活かせないケースもあります。
例えば、試験勉強に専念しすぎて実務経験を積む機会を逃してしまい、いざ資格を取得しても現場での応用力や実践力が不足している場合も少なくありません。
また、資格を取得しただけで満足してしまい、継続的な学習やスキルアップを怠り、技術の進歩に追いつけなくなるケースもあります。DX資格を取得する目的は、あくまで実務に活かすための知識やスキルを身に付けるためであることを忘れないようにしましょう。
2.必要なタイミングでスキルが足りない
資格を取得したものの、必要なタイミングでスキルが足りない場合はあります。資格勉強と実務経験が乖離しているため、資格取得時には理解していた知識や技術が、実務において求められる際にうまく活用できない場合があります。
試験対策に特化した学習方法では、実際の業務で遭遇する複雑な問題や状況に対処する力が不足しがちです。また、資格取得後に継続的な学習やスキルの更新を怠ると、技術の進歩についていけなくなり、最新の知識やスキルが求められる場面で対応できなくなります。
資格取得はスタート地点であり、身に付けたスキルや知識を活かすためには、実務経験と継続的な学習が重要です。
3.社員の知識にばらつきがある
研修を活用してDXの知識やスキルを身に付ける場合、受講する社員の知識にばらつきがあると、研修の効果が低下する恐れがあります。
例えば、基礎知識が不足している社員に対してレベルの高い研修を実施しても内容についていけず、十分に理解できないまま研修が進んでしまいます。一方で初歩的な内容から研修を始めた場合、既に知識がある受講者は退屈してしまい、モチベーションの低下にもつながります。
社員の知識にばらつきがある際には、研修のグループを分けたり、eラーニングなどを活用したりして、レベルに合わせた研修が実施できるよう心がけましょう。
4.受講する社員のモチベーションが低い
DX資格取得のための研修を実施した際に受講者のモチベーションが低いと、学習効果が低下する恐れがあります。モチベーションが低い場合、受講者は講義内容に集中せず、重要なポイントや理解すべき技術やスキルを聞き逃すことが多くなります。
また、質問やディスカッションが少なく、研修が一方的なものとなってしまい、深い理解や応用力の習得も難しくなるでしょう。
DX資格を取得するための研修を実施する際には、「なぜDX資格を取得する必要があるのか」「資格を取得することでどんな効果があるのか」など目的や効果を事前に受講者に説明してモチベーションを高めることが重要です。
5.受講だけで満足してしまう
社員が研修を受講しただけで満足しないよう注意しましょう。DX資格の研修の目的はDXに関する知識やスキルを身に付け会社のDX推進につなげることです。受講だけで満足してしまうと、研修で学んだ内容が実務で活かせません。
研修の内容を最大限に引き出すためにも、研修後はフォロー体制を整えDXに関する知識やスキルの定着に努めましょう。
DX研修を成功させるための5つのポイント
DX資格は取得者のDXスキルを証明するものではありますが、DX資格がなければDX推進ができないという訳ではありません。資格取得だけが目的化しないよう、取得の際のポイントや注意点について説明します。
1.資格の選び方に気をつける
DX資格を選ぶ際には、自社のDXの目的に合わせて適切な資格を選ぶ必要があります。
まず、自社のDX戦略や目標を明確にしましょう。DX資格の種類は多岐にわたり、それぞれが異なるスキルや知識をカバーしています。自社のDXの取り組みに必要なスキルや領域を特定し、それに合致する資格を選ぶことが重要です。
資格取得は、従業員のDXスキル学習の目標としては非常に有効です。しかし、資格取得そのものを目的化すると本末転倒になりかねません。資格はあくまでスキルや知識の証明であり、それを実践に生かすことが重要です。資格取得には学習や試験が必要ですが、それは自社のDXの推進や課題解決のための手段として位置づけるべきです。
自社でDXに関連するスキルを必要とする人材を明確化しましょう。どの部署や役職の人材がDXの推進や実装に関与するのか、どのようなスキルが求められるのかを把握することが重要です。それに基づいて、資格の取得を支援する方針を策定しましょう。
DX資格の取得には費用や期間が必要
DX資格の取得には、一定の費用や期間が必要です。
まず、資格取得には費用がかかります。受験料や教材、学習支援サービスなど、取得する資格や研修プログラムによって費用は異なります。自社が従業員のDX資格取得を支援する場合、予算を十分に確保しておく必要があります。費用に関しては、事前に明確な情報を収集し、予算内で計画を立てることが重要です。
また、資格取得には一定の期間が必要です。資格試験の日程や学習の進行に合わせてスケジュールを調整する必要があります。特に、従業員の業務負荷やプロジェクトの進行に影響を与えないよう、適切な期間を確保することが求められます。資格取得を計画する際は、費用だけでなく時期も考慮しましょう。
さらに、受検対象者のモチベーションを維持する施策も重要です。長期的な学習や試験勉強はハードルが高く、モチベーションの低下や挫折の可能性があります。従業員の成果を認める制度や報酬、学習支援プログラムなどを検討すると良いでしょう。
資格取得後も継続的に学習できる環境を作る
DX資格を取得した従業員に対しては、資格取得後も継続的な学習環境を整えることが重要です。
資格取得後もDXの領域は進化し続けています。技術やトレンドの変化に追従し、最新の知識を習得することは不可欠です。そのためには、定期的なアップデートや研修の提供が必要です。内外の講師によるセミナーやワークショップ、オンライン学習プラットフォームの活用など、様々な方法で学習機会を提供しましょう。
さらに、DX資格取得者をDX推進チームに配属することで、組織全体のDX知識を底上げできます。彼らは自身の専門知識を活かしながら、他の従業員に対しても学習の支援やアドバイスを行う役割を果たします。また、チーム内での情報共有やディスカッションを通じて、相互に学び合う文化を醸成しましょう。
学習環境を整えるためには、社内のリソースを活用するだけでなく、外部の専門家やパートナーとの連携も重要です。定期的な交流や情報共有の場を設けることで、多様な視点や知見を取り入れることができます。
4.社員のモチベーションを維持する仕組みがあるか
DX研修を成功させるためには、社員のモチベーションを維持する仕組みを作ることが重要です。モチベーションが高い状態で研修を受けることで、社員は積極的に学習に取り組み、内容を深く理解しやすくなります。
これにより、新しい技術や知識を効果的に吸収し、実務での応用力が向上します。さらに、モチベーションが高い社員は自主的に課題に取り組み、他の社員と協力して問題を解決する姿勢も生まれるでしょう。
モチベーションを維持するためには研修の目的や意義を明確に伝え、成果を評価するシステムを設けることが有効です。また、フィードバックの機会を増やし、進捗状況を共有することで達成感を得られるようにすることも重要です。
5.研修後のフォロー体制が充実しているか
DX研修を成功させるためにも、研修後のフォロー体制を充実させましょう。研修で得た知識やスキルを実務に活かすためには、継続的な支援と環境が不可欠です。
フォロー体制が整っていると、社員は研修で学んだ内容を職場で試行錯誤しながら実践でき、疑問や問題が生じた際にすぐに相談できるため、より理解度が深まります。
また、進捗状況の確認やフィードバックすることで、モチベーションを維持し、目標達成に向けた具体的なアクションを継続的に支援できます。これにより、DX研修の効果が持続し、企業全体のDX推進にもつながるでしょう。
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DX資格を活用するには
DX資格は社内のDX化を進める上での有効な手段です。ここでは、DX資格を通じてよりDX推進を効果的にする方法について紹介します。
企業内での教育・研修プログラムの充実化
企業内での教育・研修プログラムの充実化は、DX資格の活用において非常に重要です。
従業員のスキルアップやキャリアアップを促進するために、企業内での研修を積極的に実施しましょう。DXに関連する最新の知識や技術を学ぶことで、従業員の能力向上が期待できます。
ただし、企業内でのDX研修を計画し、カリキュラムを作るのは業務量的にハードルが高い場合もあります。そんなときは、外部の研修会社のサービスを利用することを検討しましょう。
たとえば、侍エンジニアBizは企業の課題をヒアリングし、それをもとにオーダーメイドでカリキュラムを作成するサービスです。対象者や期間を問わず柔軟に対応可能な点が特徴です。
外部のセミナーやイベントへの参加や情報収集の方法
DXを推進するためには、外部のセミナーやイベントへの参加や情報収集が重要です。
外部のセミナーやイベントに参加することで、他社の事例や最新の技術動向を学べます。これにより、自社のDX取り組みに新たな視点やアイデアを取り入れられるでしょう。
また、外部で得た情報を企業内で共有することも大切です。参加したセミナーやイベントの内容や気づきを報告し、チームや部署間で情報の共有を行うことで、全体のDX推進力を高められます。
この記事ではDXの情報収集に役立つおすすめサイトも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
DX推進に向けた従業員の意識・モチベーション向上
従業員の意識・モチベーション向上は、DX推進の鍵です。
従業員がDXに興味を持ち、主体的に取り組むためには、まずは情報提供が必要です。定期的にDXに関する情報を共有し、最新のトレンドや成功事例を伝えることで、従業員の興味や関心を引き出しましょう。
また、報奨制度の導入も効果的です。DXに積極的に取り組んだ従業員には、成果や取り組みの貢献度に応じたインセンティブや特典を与えることで、モチベーション向上が見込めるでしょう。
さらに、従業員が自身の取り組みを発表できる場を提供することも重要です。内部報告会や勉強会など、社員同士でアイデアや成果を共有し合う機会を設けることで、新たなDX活用方法が発見される可能性もあります。
社内で資格取得補助制度を検討する
社員がDX資格を取得しやすい環境を作るために、社内で資格取得補助制度を検討しましょう。資格取得補助制度を導入することで、資格取得に対する社員のモチベーションを高められます。
例えば、資格取得に必要な経費を会社が負担したり、資格取得時には報奨金を出したりすることで、社員の学習意欲が高まり自主的なスキルアップが促進されます。
DX資格を持った社員が増えることで、社内のDX推進力の向上にもつながるため、積極的に資格取得補助制度を導入しましょう。
適性のある社員を選定する
効率的にDX資格を取得するためにも、適性のある社員を選定しましょう。適性のない社員に無理に資格取得を求めると、モチベーションの低下やストレスの原因にもなります。
一方、適性のある社員を選ぶことで、学習内容を効率的に吸収し、実務に活用できる可能性が高まります。適性のある社員は、デジタル技術に対する興味や基礎知識を持っていることが多く、資格取得に向けた勉強も意欲的に取り組みます。これにより、学習成果が高まり、短期間でのスキルアップも可能です。
まずはアンケートなどを実施し、DXに対して興味や関心があるかを確認し、適性のある社員を選定しましょう。
よくある質問(FAQ)
ここでは、DX資格に関するよくある質問と回答を紹介します。
- DX資格の一覧を教えてください。
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DX関連資格であれば、日本イノベーション融合学会DX検定委員会による「DX検定」や、一般財団法人全日本情報学習振興協会の「デジタルトランスフォーメーション検定」などが挙げられます。
その他、個々のITスキルに関連した資格に関しては、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する「応用情報技術者試験」「ITストラテジスト試験」が代表的です。IPAでは15種類のITスキルに関する資格試験を主催しているため、IPAサイトも参考になるでしょう。
(出典:IPA「試験区分」)
- DX資格のおすすめ資格は何ですか?
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DX資格のおすすめ資格は、自社の目的によって異なります。DX推進を担う人材育成が目的ならば、DXについて体系的に問われる「DX検定」などがおすすめです。
一方、エンジニア職であれば各職種に必要なIT系スキル取得を目指すとよいでしょう。
- DX資格を取得するために必要なスキルは何ですか?
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資格によって異なりますが、DXに関するものであれば次のようなスキルが必要とされます。
- DXに関する知識
- IT技術に関する基礎知識やビジネスへの活用方法
- DX人材育成に関する制度や方法論
- DX資格の種類について教えてください。
-
DX資格には、DXそのものが対象の資格と、DXに関連するITスキルの資格の2種類があります。
DXそのものが対象の資格としては、「DX検定」や「デジタルトランスフォーメーション検定」などがあります。DX全体への体系的な理解が問われる点が特徴です。
一方、DXに関連したITスキルの資格としては、「応用情報技術者試験」などがあります。ITスキルの資格を取得すると、個別のITスキルに関する深い知識を習得できます。
侍の法人サービスがわかるお役立ち資料セット(会社概要・支援実績・サービスの特徴)をダウンロードする⇒資料セットを確認する
DX資格を活用して社内のDX化を推進しよう
DX資格は、DX全体への理解を問うものや、個別のITスキルに特化したものなど多種多様です。
DX資格は従業員にとって、DX学習のマイルストーンやキャリアアップの機会となるものです。従業員に必要な資格を選定し、取得を支援することで社内のDX人材育成を効率的に行いましょう。