【成功事例あり】ビジネスにおけるエンゲージメントの重要性とは
エンゲージメントの意味は?
エンゲージメントがビジネスで重要な理由は?
エンゲージメント向上の成功事例を知りたい!
ビジネスにおけるエンゲージメントとは、熱心さや責任感のことです。従業員満足度や顧客満足度と異なり、自発性や主体性を表す指標となります。
エンゲージメントは、企業やブランドにとって重要な指標であり、従業員の定着率の向上や生産性の向上を目指すうえで欠かせません。しかし、エンゲージメントの重要性や高める方法がわからず、どのような施策を行えばいいか悩まれている方も多いのではないでしょうか。
このようなお悩みをお持ちの方向けに、本記事ではエンゲージメントの重要性や高める方法について解説していきます。
本記事を読むことで以下のことが分かります。
- エンゲージメントの意味と重要性
- エンゲージメントを高める方法
- エンゲージメントに関する誤解と真実
エンゲージメント向上の成功事例についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
エンゲージメントとは
エンゲージメントとは、従業員や顧客の企業やブランドに対する熱心さや責任感のことです。近年では、フレキシブルワークの働き方が浸透しつつあり、従業員のパフォーマンスや企業の売上向上との関連性が深いと認識されています。
本章では、エンゲージメントの概要について以下の内容を解説していきます。
エンゲージメントの意味
ビジネスにおける「エンゲージメント」とは、熱心さや責任感のことです。
例えば、従業員が企業の掲げるビジョンの達成に向けて、自発的に行動している場合は、従業員エンゲージメントが高いといえます。このように、エンゲージメントは企業に対していかに熱意を持っているかという度合いを表す言葉でもあります。
ビジネスシーンにおけるエンゲージメントには、主に以下の3つの種類があります。
従業員エンゲージメント | 従業員が会社に貢献したいと思う熱意や責任感のことで、企業と従業員の関係性の深さを表したもの |
顧客エンゲージメント | 企業やブランドと顧客の関連性の深さを表したもの |
デジタルエンゲージメント | アプリやウェブサイトなどのデジタルプラットフォームで、どれだけ親密なコミュニケーションを行っているかを示す指標 |
- その1. 従業員エンゲージメント
従業員エンゲージメントは、企業と従業員の関係性の深さを表したものです。
従業員が企業に対して愛着心や帰属意識を持ち、意欲的に行動している状態を指します。従業員エンゲージメントを上げるためには、職場環境や待遇、仕事内容など、従業員が誇りを持って仕事ができる環境を整えることが重要です。
従業員エンゲージメントを向上させることで、帰属意識や愛着心の増大による離職率の低下や自発的な行動による生産性の向上などの効果が期待できます。
- その2. 顧客エンゲージメント
顧客エンゲージメントとは、企業やブランドと顧客の関係性の深さを表したものです。
企業は、さまざまな施策を講じて顧客獲得を図ります。その中で、継続的に利用してくれる顧客は、企業やブランドに対して、感情的な思いや愛着を持ちます。
企業やブランドは、顧客エンゲージメントを高めることで、売上やブランドイメージを維持できます。
- その3. デジタルエンゲージメント
デジタルエンゲージメントとは、企業と顧客がアプリやウェブサイトなどのデジタルプラットフォームで、どれだけ親密なコミュニケーションを行っているかを示す指標です。デジタル広告を実施している場合は、広告のターゲットとなる顧客に、どれほど結びついているかを示す指標となります。
デジタルエンゲージメントを向上させるためには、ユーザーフレンドリーなインターフェースや関連性の高いコンテンツを提供することが重要となります。
エンゲージメントの歴史
エンゲージメントの概念は、20世紀後半に人間の心理学と労働研究の分野で初めて登場しました。
しかし、日本では生涯1つの企業に勤め上げる「終身雇用」が素晴らしいとされていたため、エンゲージメントの概念が広まることはありませんでした。
ただ、近年では「年功序列」や「終身雇用」といった言葉が死語になりつつあります。また、インターネットが普及したことによりグローバルに活躍する人材が増え、従来の価値観にとらわれない人が増えてきています。
その中で、エンゲージメントはビジネスにおけるキー指標となり、従業員のパフォーマンスや組織の成功との関連性が広く認識されるようになりました。
エンゲージメントはなぜ重要なのか
エンゲージメントは、企業やブランドにとって非常に重要な指標です。エンゲージメントを向上させることで、従業員の満足度や生産性を向上できるメリットがあります。
本章では、エンゲージメントはなぜ重要なのかについて以下の内容を解説していきます。
ビジネスにおけるエンゲージメントの役割
ビジネスにおけるエンゲージメントは、
- 従業員のモチベーションや自発性を高めることができる
- 企業の生産性を高めることができる
- 従業員の離職率を低下させることができる
などの役割があります。
エンゲージメントを向上させることは、従業員にとって働きやすい環境を整えることでもあるため、モチベーションや自発性の向上に期待できます。従業員のキャリア設計に携わり資格取得を援助するなど、従業員に寄り添う意向を示していれば自然と離職率を低下させることができます。
また、エンゲージメントは顧客との深い関係性を構築し、ブランドロイヤリティを促進させる役割もあります。
エンゲージメントと顧客満足度の関連性
エンゲージメントの高い顧客は、企業の製品やサービスに対する満足度が高い傾向にあります。
顧客は、満足度の高い製品やサービスを継続的に利用し、後に製品やサービスに対して感情的な思い入れや愛着を持つことになります。また、製品やサービスの営業担当やサービス提供者に対して、そのような思いを抱く場合もあります。
エンゲージメントの高い顧客は、結果的に企業やブランドの推奨者となり、口コミによる新規顧客の獲得を促進してくれます。
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エンゲージメントを高めるためには
エンゲージメントを高めるためには、どのような施策を行えば従業員・顧客の満足度が向上するのかなど、分析と実施を繰り返す必要があります。また、ツールやテクノロジーを活用することで、効率的にエンゲージメントを改善できます。
本章では、エンゲージメントを高めるための方法やツールについて以下の内容を解説していきます。
エンゲージメントを向上させるためのベストプラクティス
エンゲージメントを向上させるためのベストプラクティスは、以下の通りです。ベストプラクティスとは、効率の良い方法を意味する言葉です。
- 目標設定
エンゲージメントを向上させるためには、明確な目標設定が重要です。
目標を明確にすることで、やらなければいけない施策や環境の整備が明らかになります。
- 透明性の確保
エンゲージメントを向上させるためには、企業のビジョンを広く理解してもらうなど、透明性を確保する必要があります。透明性を確保することで、企業と従業員の認識にズレが生じなくなり、ビジョンの実現に向けてエンゲージメントを向上させることができます。
- 個々の成長と環境の整備
エンゲージメントを向上させるためには、従業員の満足度を向上させる必要があります。たとえば、公平な報酬システムや評価制度などです。また、キャリア設計や資格取得など、個々の成長を支援することもエンゲージメントの向上につながります。
これらの戦略は、企業のビジョンに対する個々の関与を刺激し、自発的な行動を促すことにもつながります。
エンゲージメントを測定するためのメトリクス
エンゲージメントを測定するためのメトリクスは、以下の通りです。メトリクスとは、さまざまな活動を定量化し、データを管理に使えるように加工した指標のことです。
- エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイとは、従業員のエンゲージメントを数値化するための調査やツールそのものを指します。エンゲージメントサーベイを使用することで、企業の課題を可視化することができるため、エンゲージメント向上に向けた施策方法を選定しやすくなります。
- ネットプロモータースコア(NPS)
ネットプロモータースコアとは、顧客ロイヤルティ(顧客が企業やブランドに対して感じる信頼や愛着のこと)を数値化している指標の1つです。「この企業・ブランドを友人や知人にすすめる可能性はありますか」などの質問を行い、0〜10点の11段階で解答してもらいます。
その結果、企業やブランドにどの程度の人が愛着を持っているのかをスコア化できます。
- 顧客満足度(CSAT)
顧客満足度とは、その名の通り企業やブランドに対して、どの程度満足しているかを数値化した指標です。満足度という、顧客の感情的な部分を数値化しなければいけないため、実際に顧客にアンケートを実施して測定します。
顧客満足度と同様に、顧客の心理状態を数値化するネットスコアプロモーター(NPS)という指標があります。NPSは将来性を見込んだ満足度を示す指標であるのに対して、顧客満足度は現時点での満足度を示す指標であるという違いがあります。
これらの数値は、定期的に測定する必要があります。定期的に測定することで、エンゲージメント向上のために行った施策を素早く軌道修正できます。
エンゲージメントを改善するためのツールとテクノロジー
エンゲージメントを改善するためのツールとテクノロジーは、以下の通りです。
- 社内コミュニケーションツール
社内コミュニケーションツールとは、従業員同士や上司など、企業内のコミュニケーションを円滑にするためのツールです。社内コミュニケーションツールを活用することで、従業員同士の情報交換が促進され、透明性を確保することができます。代表的な社内コミュニケーションツールとしては、SlackやChatworkなどがあります。
- 顧客関係管理(CRM)システム
顧客関係管理システムとは、顧客情報を一元管理するためのシステムです。顧客情報の管理以外にも、マーケティング活動の支援や顧客とのコミュニケーション改善など、さまざまな機能があります。代表的な顧客関係管理システムとしては、SaleaforceやSAP CRMなどがあります。
- 人材管理システム(HRMS)
人材管理システムとは、企業が従業員の情報を一元管理するためのシステムです。一般的には、従業員の勤怠や給料、能力開発などを管理するために使用されます。従業員情報の管理以外にも、評価制度の構築や研修活動のアイデアなどの機能があります。代表的な人材管理システムとしては、Workday HCMやSAP SuccessFactorsなどがあります。
これらのツールはエンゲージメントを効果的に管理し、向上させることを可能にします。
エンゲージメントの誤解と真実
エンゲージメントは満足度とは別物です。エンゲージメントは、満足度に加え自発性や主体性が求められます。満足度の向上よりも難しい施策が必要となりますが、その分大きなメリットがあります。
本章では、エンゲージメントの誤解と真実について以下の内容を解説していきます。
よくある誤解
エンゲージメントは、単なる満足度と同様のものだとよく誤解されます。
例えば、従業員満足度は、仕事内容や職場環境、給料などに「満足しているか」だけを測る指標であるのに対し、従業員エンゲージメントは満足度に加えて「自発性」や「主体性」を意味します。
つまり、従業員エンゲージメントは、「企業の仕事内容や環境に満足しており、貢献するためにやる気に満ちあふれている」という心理状態なのです。一方、従業員満足度は「企業に満足をしているが、自発的に行動するほど貢献したいわけではない」という心理状態だといえます。
エンゲージメントに関する研究と真実
エンゲージメントに関する研究において、エンゲージメントは従業員のパフォーマンスと関連性が深いことが示されています。エンゲージメントが高い企業は、エンゲージメントが低い企業と比較して生産性が高く、従業員の離職率も低い傾向にあります。
顧客エンゲージメントは、顧客忠誠度や口コミの増加に関連しています。エンゲージメントの高い顧客は、企業やブランドに対する感情的な思い入れや愛着が強く、周りに企業やブランドを推奨してくれる傾向にあります。
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エンゲージメントで成功した企業事例
本章では、エンゲージメントで成功した企業事例を紹介します。
Zappos(ザッポス)
Zapposは、ラスベガスに所在する靴のネット通販会社です。
顧客エンゲージメントを重視し、顧客との積極的な関与に注力してきました。特に彼らが行うカスタマーサービスは、”神対応”と大きな話題を生んでおり、他社には真似できない独自の企業文化を築いています。
以前までは「靴は試着をしてから購入する」が基本でしたが、Zappsでは以下のようなサービスを実施して、ネットで靴を売ることを可能にしています。
- 送料・返品無料
- 返品は購入から365日以内であれば何回でも可能
- 基本的に翌日配送
- 24時間365日対応の顧客対応サービス
顧客は靴の購入に失敗する恐れがないため、安心してネットで靴を購入できます。このサービスが顧客満足度に大きな影響を与え、顧客エンゲージメントを向上させることに成功しました。
Googleは、カリフォルニアに所在するインターネット関連のサービスと製品に特化した企業です。
従業員エンゲージメントを重視しており、自由な働き方や創造的な環境を提供しています。企業と社員を主従関係とするのではなく、両者がともに支え合うパートナー関係という認識を持っていることも特徴的です。
特に、Googleの働きやすい環境や福利厚生は、常識を逸脱するものがあります。オフィスには、ジムやボーリング場などがあり、オフィス内でも自転車が乗れるルールがあります。また、飲料無料のカフェテリアやお昼寝スペースを設置するなど、従業員が働きやすい環境を整えています。
従業員にとって働きやすい環境は、モチベーションや生産性の向上につながり、エンゲージメントを向上させることに成功しました。
Airbnb(エアビー)
AIrbnbとは、アメリカのサンフランシスコで創業された宿泊サービスです。空き家や一時的にしか利用しない別荘などを宿として貸したい人(ホスト)と宿泊施設を利用したい人(ゲスト)をつなげてくれます。
Airbnbでは、従業員エンゲージメントを重視しており、人間性を重視した採用と協力関係の構築に努めています。創業者によって選ばれた”コアバリュー面接官”による面接では、会社のビジョンに共感し、一緒に働ける「人間性」を持っているかを見極めます。また、同期入社した従業員は、1週間のオリエンテーションを受講することになっており、ランチや通常のミーティングを通じて、協力関係を構築していきます。
会社のビジョンに共感してくれる人材の採用や、働きやすい環境の整備により、エンゲージメントの向上に成功しました。
将来展望
エンゲージメントは、将来においても重要な指標となることが予測されます。また、AIやビックデータの活用により、いっそう効率的にエンゲージメント向上を目指せるようになります。
エンゲージメントの将来性
エンゲージメントは、将来においても重要な役割を果たすことになります。
企業は従業員エンゲージメントを向上させることで、生産性や品質を向上または維持できます。また、従業員の定着率や満足度の向上に伴い、より強力な組織文化の構築を実現できます。
顧客エンゲージメントの面でも、ほかの企業やブランドとの差別化や、顧客満足度の向上などの効果に期待できます。
今後のトレンド予測
今後はテクノロジーの進化により、デジタルエンゲージメントがますます重要になると予測されます。AIやビッグデータ、マーケティングオートメーションなどのツールが、エンゲージメントの向上に活用されるようになるでしょう。
また、フレキシブルワークやリモートワークの普及に伴い、従業員エンゲージメントの向上にはワークライフバランスや柔軟性が重要となってきます。顧客エンゲージメントにおいては、個別化とパーソナライゼーションを重視し、カスタマイズされたアプローチを行う必要があります。
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「エンゲージメント」に関するよくある質問(FAQ)
- 従業員エンゲージメントは、ビジネスにどのような影響を与えますか?
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従業員エンゲージメントの向上は、ビジネスに以下のような影響を与えます。
- 品質の向上
- 従業員の定着率の向上
- 生産性の向上
- チームワークの強化
従業員エンゲージメントの向上により、自発的に行動する従業員が増え、結果として企業のビジョン実現に貢献します。
- 顧客エンゲージメントは、ビジネスや売上にどのような影響を与えますか?
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顧客エンゲージメントは、ブランドロイヤルティや顧客満足度の向上につながります。エンゲージメントの高い顧客は、リピート購買や口コミによる新規顧客獲得に寄与し、売上や収益の増加に深く貢献します。
- ワークエンゲージメントとは何を意味しますか?
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ワークエンゲージメントとは、従業員が仕事に対してポジティブな感情を持ち、積極的に関与している状態を指します。ワークエンゲージメントが高い従業員は、企業に対する満足度が高いため、自発的に仕事に取り組む姿勢が強い傾向にあります。
- エンゲージメント率とは何ですか?
-
エンゲージメント率とは、企業や従業員、顧客などのエンゲージメントのレベルを数値化した指標です。エンゲージメント率は、一般的にアンケートや調査を通じて測定され、パーセンテージとして表されます。
- エンゲージメントが高い組織や個人の特徴は何ですか?
-
エンゲージメントが高い企業や個人は、必ず明確な目標設定を行っています。また、企業の全員が同じ方向性を持ち、透明性のあるコミュニケーションを行っています。従業員は自身の成長とキャリア設計をサポートしてくれる環境を持ち、企業のビジョン実現に向けて、自発的に行動します。
エンゲージメントの向上は、企業に大きなメリットをもたらします。従業員の育成や売上の向上を目指すうえでも、決して見逃すことができない指標だといえるでしょう。
この記事の「エンゲージメントを向上させるためのベストプラクティス」を再度紹介します。
- 目標設定
- 透明性の確保
- 個々の成長と環境の整備
エンゲージメントの向上を実現するには、上記のベストプラクティスが重要となります。また、ツールやテクノロジーを活用することも効果的です。エンゲージメントを向上させ、企業の成功につなげていきましょう。