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ストレッチ目標とは?能力を最大化する設定方法とメリット・事例も紹介

自社従業員の成長を促す、新しい目標設定手法「ストレッチ目標」が注目されています。

頑張れば達成できる目標として、個人と自社の成長を促す効果が期待される一方で、目標管理の難しさや、部下のモチベーションの低下を懸念する企業も多いようです。

今回の記事では、ストレッチ目標の概要とメリット・デメリット、目標設定の仕方と達成する方法について、詳しく解説します。ストレッチ目標の設定成功事例も紹介していますので、ぜひ自社従業員の目標設定・管理にお役立てください。

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目次

ストレッチ目標とは

ストレッチ目標とは、通常の目標よりも高く、少し背伸びすれば達成できる難易度に設定された目標のことです。ストレッチ目標は、自身や組織の限界を広げる意味合いで導入されることが一般的です。

始めに、ストレッチ目標の重要性と目的について解説します。

ストレッチ目標の重要性

ストレッチ目標の重要性
ストレッチ目標の重要性

ストレッチ目標とは、通常の目標よりも高いレベルで設定される目標です。現在の力量で遂行できる領域以上の職務を経験することで、個人が現状を超えた力量を習得でき、組織のステップアップにつながる期待ができます。

従来は達成可能な目標だけを掲げる組織が多い傾向でしたが、それでは目標達成に向けた新たな工夫が生まれません。しかし、実力よりも少し高い目標を設定することで、各自が達成のために創意工夫を働かせた結果、時に思いもよらぬ潜在能力を発揮できます。

さらに従業員に高い目標への挑戦を促すことで、新しいアイデアが生まれやすくなるため、イノベーションにより組織が活性化することも、ストレッチ目標の効果です。

通常、イノベーションは従業員に負荷がかかるため、挫折のリスクをともないます。ストレッチ目標を設定していれば、目標達成までのロードマップがあるため、各自がモチベーションを維持できます。そして目標到達後の達成感で、さらに次の目標へと進めるようになるのです。

近年は少子高齢化や働き方の変容により、優秀な人材の確保が困難になっています。そのため、企業は今いる人材の能力を最大限に発揮させるために、適切なストレッチ目標を設定することが重要です。

ストレッチ目標の目的

ストレッチ目標を設定する目的は、従業員の新しい才能や可能性を発見し、従来以上の能力を発揮させることと、組織の成長を促すことです。

人間にとっては、少し背伸びした努力が成長の引き金となることがあります。近年の研究からも、ストレッチ目標を設定した人ほど、想像を超えるパフォーマンスを発揮することが分かっており、能力開発のためにストレッチ目標を設定する企業も増えています。

個々のモチベーション向上のためにも、ストレッチ目標の設定と管理は有効です。実現可能な目標であるため、達成への道筋を立てやすく、従業員が達成による充実感を得やすいためです。

目標達成へのプロセスで考案された新しい発想や、仕事の進め方は、再現性のあるナレッジとして組織にストックされます。そのため、ストレッチ目標は組織の生産性を高め、創造性の高い組織文化を生み出したい企業に多く導入されています。

ストレッチ目標のメリット

ストレッチ目標のメリット
ストレッチ目標のメリット

ストレッチ目標を設定するメリットは、個々の挑戦心を引き出し、進化の機会を提供することです。その結果、個人の成長を促進し、組織の成果を向上させ、高いイノベーションを維持できます。

ここでは、ストレッチ目標を設定するメリットについて、詳しく解説します。

個人の成長促進

ストレッチ目標を設定するメリットは、個人の成長を促進できることです。

やや高いレベルの目標を設定することで、従業員は新しいスキルや知識の習得に向け、意欲的に取り組むことができます。目標が努力次第で届きそうなものであれば、各自が達成のための手法やプランを自ら考え、工夫することが可能です。

また、個人の目標を設定するプロセスにおいて、会社や組織の目標とすり合わせを行うため、目標達成の先に得られるものが明確です。目指すものがはっきりすれば、次に取るべき行動も明確になるため、決断力の強化ができます。

目標が明確であればあるほど、挑戦中の逆境に対し主体的に克服する努力を行えるため、職務従事者としての耐久性・適応能力が増強されます。結果的に、個人として大きく成長できます。

組織の成果向上

従業員のストレッチ目標を設定することで、組織の成果向上にも結びつきます。

一人ひとりが目標に向け、実践と改善を繰り返すことで、個々の新しい手法やノウハウが組織に蓄積されます。個々の目標とノウハウを共有すれば、組織全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。

また、従業員それぞれが成果を出すために、新しいアプローチを試すようになり、自分の現状を超える成長を遂げます。その結果、組織全体にイノベーションを生む文化が醸成され、変革や改革を生む組織へと成長するのです。

イノベーションを推奨する組織文化からは、多くの成果が生まれます。

高いモチベーションの維持

ストレッチ目標を設定するメリットは、従業員が高いモチベーションを維持できることです。

個々の従業員が主体的にストレッチ目標を設定することで、目標達成への意識づけや動機づけを高められます。個人の目標を設定する過程で、組織と本人の長期的ビジョンを共有するため、目標を設定する目的が明確化されます。ビジョンの明確化により、目標を達成した先に得られるベネフィットを把握しているため、仕事への動機づけが高まることも、ストレッチ目標のメリットです。

また、ゴールが明確なほど進捗を可視化できるため、挑戦する過程で従業員のモチベーションが向上します。さらに目標達成時には組織のミッションに貢献できたと感じ、組織へのエンゲージメントが高まることも、ストレッチ目標のメリットです。

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ストレッチ目標のデメリットと注意点

ストレッチ目標のデメリットと注意点
ストレッチ目標のデメリットと注意点

ストレッチ目標を設定するデメリットは、過度なプレッシャーとストレス、目標達成の困難さ、無理な目標設定のリスクにより生じるものです。ストレッチ目標を設定すると期待値が高くなるため、失敗のリスクも増大するのです。

このあと詳しく解説します。

過度なプレッシャーとストレス

ストレッチ目標の設定方法によっては、従業員に過度なプレッシャーとストレスを与える可能性があります。

目標設定が高すぎると、従業員は目標未達への不安や恐れを抱きます。また、タイトな達成期限や、具体的な成果に対する圧力により、従業員が心身の健康を損ねることも少なくありません。

また、目標設定が適切でない場合には、コミュニケーションが上司から部下への一方通行になり、与えられた目標に対し、部下の「やらされ感」が強くなってしまいます。

部下が主体的に目標達成に向け取り組めるよう、上司と部下が日頃から信頼関係を築いておくことが大切です。

目標達成の困難さ

ストレッチ目標を達成するまでには、さまざまな困難があります。

まず、目標達成に必要な人員や時間などのリソースが不足することはよくあります。具体的には、関係者から達成に向けての適切なサポートが得られなかったり、必要なツールや手段がなかったりするケースなどです。

また、従業員間や上司と部下の間で、スキルや知識のギャップが大きい場合にも、目標達成に向け適切なサポートを提供できない可能性があります。

リソース不足やギャップを防ぐためには、目標設定と管理の方法を標準化し、目標への進捗が把握できる方法を確立することが必要です。

無理な目標設定のリスク

無理な目標設定は、組織にさまざまなリスクをもたらします。

目先の利益のみに焦点を当てた目標設定をすると、当面の成果を出すことはできても再現性がありません。結果的に、成功によるスキルやナレッジの蓄積が行なわれず、組織の将来的な生産性を下げてしまいます。結果的に根本的な改善のために予算や人員を割けず、長期的な費用対効果が低下します。

また、無理な目標設定により、従業員が主体性を持って取り組めず、士気が低下してしまうことがあります。会社が決めた目標をトップダウンで部署と個人へ分割した場合に、多く生じるリスクです。

こうした事態を防ぐためにも、目標設定は長期を見据えて行うこと、会社の目標と個人の目標をリンクさせること、個人が主体的に目標設定することが大切です。

ストレッチ目標を設定する方法

ストレッチ目標を設定する方法
ストレッチ目標を設定する方法

実現可能かつ挑戦的な目標を設定するには、SMARTの法則などのフレームワークを利用することが有効です。

ここでは、ストレッチ目標を設定する際の分析方法とフレームワーク、フィードバックについて解説します。

現状の評価と分析

ストレッチ目標は、自分の現状分析と、企業の置かれている環境変化の両方を考慮し、現実的に設定しましょう。

自分の現状を把握するには、過去の成果や失敗を分析し、評価することから始めます。具体的には、過去に成果を出した時のプロセスから、成功に至った理由を検証し、再現性のある施策を策定します。反対に、失敗に終わったときの原因についても検証し、改善の材料にすることが重要です。

ただし、目標に向かう間には計算外の事態も発生します。そのため目標設定の際には、市場や自社の周辺環境が将来どのように変化するのか、想定しながら目標設定しなければなりません。途中で大きな変化があった場合には、元の目標に固執するよりも変化への適応を重視し、柔軟に対処することが必要です。

一度設定した目標でも、環境変化や問題があれば軌道修正し、修正目標へ切り替えることが大事です。また、進捗が順調で目標達成が早まりそうであれば、ワンランク上のストレッチ目標を再設定すると、個人と組織の成長にいっそう貢献できます。

SMARTの法則の活用

ストレッチ目標の設定指標には、次の「SMARTの法則」を活用することが有効です。

意味意識すべきこと
Specific明確・具体的な・目標を可能な限り数値化する
Measurable測定・計測できる・定期的に目標の達成度を測定する
Achievable達成可能な・達成できる目標にする
Relevant関連性のある・会社・チームに貢献する目標を考える
・自分の利益に関連する目標を考える
Time-bound期限がある・目標の期限を細かく設定する

「SMARTの法則」とは、目標設定のフレームワークとして多くの企業で導入され、従業員のモチベーション向上と具体的な成果を挙げさせてきた目標設定手法です。目標達成に向けての行動分析と評価を行いやすくするための、明確な指標として利用されます。

1.Specific

ストレッチ目標を設定する際には、まず何を、どの水準で達成するかを明確にします。目標が明確であるほど、アクションプランに落とし込みやすいためです。

2.Measurable

目標を設定する際には、数値で表せる目標は数値化し、誰が見ても同じ解釈になるよう設定します。目標を数値化していれば、定期的に達成度を測定でき、進捗を確認することが可能なためです。

効果測定により、課題を把握でき、改善案を考えることにもつながります。

3.Achievable

達成可能な目標を定めることで、モチベーションの維持・向上を図ることが可能です。設定した目標が非現実的なものでは、目標達成に向け取り組む間にモチベーションが低下してしまいます。

4.Relevant

自分が掲げる目標と会社・チームの目標とをすり合わせ、チームの貢献に関連する目標を考えて設定します。「目標を達成した先には何があるのか」「何のために目標を達成するのか」が明確になっていないと、従業員は主体的に目標達成に取り組むことができないためです。

5.Time-bound

目標には約束としての意味合いもあるため、期限の設定が必要です。期限があることで達成度の進捗確認ができ、適切な評価ができます。

なるべく目標を四半期などの短いスパンで設定すると、進捗確認から即時性のある改善案を策定でき、より効果的です。

フィードバックの実施

ストレッチ目標を設定したら、期限まで放置することなく、定期的に進捗のチェックと本人へのフィードバックを実施しましょう。

目標への進捗確認の際には、上司と部下とでプロセスと結果を客観的に評価し、上司からフィードバックを実施します。納得性のあるフィードバックを実施するためには、評価者の主観を排除し、事実のみに基づき行われる必要があります。そのため、評価に関連する事実を、事前にチームメンバーや仕事上の関係者から収集しておくことが大切です。

フィードバックを実施することで、部下との認識がズレていないか確認でき、仮にズレがあった場合にも修正が可能です。この際に、部下を指導するのではなく、本人に気づかせるスタンスで取り組みましょう。

フィードバックにより、部下は自分で気づかなかった課題や改善点に気づくことができます。課題を明確化したら、主体的な改善計画の策定を支援し、目標達成までサポートしましょう。

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ストレッチ目標の事例紹介

前述したとおり、ストレッチ目標の設定にはさまざまな課題がありますが、中には導入と運用に成功している企業もあります。

ここでは自社でのストレッチ目標導入の参考にできるよう、3社の成功事例を紹介します。

Google

Google
出典:Google

Google社では、達成可能な数値よりも少し高い「ストレッチゴール」を従業員の目標設定として推進し、企業の目標とリンクさせながら運用しています。

必達目標ではなく、敢えて簡単には達成できない目標を設定することで、組織を成長させパフォーマンスを最大化することが導入の目的です。さらに、目標設定をチーム統一でなく、個人の価値観に基づいて定めていることも同社の特徴です。

Google従業員の目標設定における重視ポイントは「具体的」「客観的」「達成する価値がある」「達成の確率が50%程度」の4点。数値的な目標達成よりもポテンシャルに焦点を当て、挑戦を促していることが分かります。

Google社では、定期的に上司と部下が1on1ミーティングを行い、上司が部下の目標を把握することに努めているため、従業員一人ひとりが企業の戦略や目標に対し、理解と納得をしています。それぞれが自分の定めた目標に対して納得し、企業と従業員の目標が同じ価値観でつながっていることがGoogle社の特徴で、その結果、現在でもスタートアップと同様の成長を続けています。

(出典:Google について、Google の文化、企業ニュース

Chatwork株式会社

Chatwork株式会社では、従業員に自らストレッチ目標を設定させ運用しています。

同社では企業規模が大きくなるにともない、会社の経営戦略を従業員に伝えにくくなったことから、2017年に目標設定のフレームワークとして「OKR(※)」を導入し、従業員による主体的な目標設定を促しています。

しかし当初は目標達成度が人事評価に結びついていたため、目標未達の際に社内が保守的なムードに転じ、従業員が挑戦的な目標を立てなくなった時期もあったそうです。

これを機に、同社は人事評価と目標管理とを分離し、チャレンジを重視した評価方法への切り替えを実施。同時に、評価制度の刷新および経営者と従業員の目線のすり合わせを図りました。

OKRによる目標管理を四半期に1度の運用とし、トップが従業員の目標を共有するようになってから、主体的にストレッチ目標を設定する従業員が増えました。現在同社では、従業員同士の会話でお互いのOKR(目標)を確認し合い、共有する文化が生まれています。

※OKR(Objective and Key Results)とは、達成すべき目標(Objective)と達成度を測る主要な成果(Key  Results)を設定し、企業と従業員の目標をリンクさせる目標設定・管理手法。企業と従業員が同じ方向性で計画を進行するために用いられる。

(出典:Chatwork株式会社

株式会社メルカリ

日本最大のフリマアプリを提供する「株式会社メルカリ」では、独自の従業員ストレッチ目標管理により社内の変革を遂げています。

従業員数が50~100人の段階からOKRを導入。企業規模が大きくなるほど、企業の目標と個人の目標にズレが生じるとの判断から、早い段階で従業員との目標の共有を図ったとのことです。

従業員のストレッチ目標管理では、達成度以上に達成に向けたプロセスを指標として重視しています。

同社では、1週間ごとにチームメンバーと進捗や障害の共有を行うミーティングを実施。評価のプロセスは、四半期の終わりに自己評価をし、マネージャーとの振り返りを行います。その後マネージャーのミーティングでメンバーの評価を共有・目線あわせをし、最終的な評価を決定しています。

Chatwork社と同様に、メルカリ社でも人事評価とOKRを別建てで運用し、従業員のストレッチ目標設定を促進しています。また独自に構築した人事管理システムで、従業員のOKRを入力・管理できることも特徴的です。

同社ではストレッチ目標の設定と評価・再設定のサイクルにより、従業員が目の前の業務にとどまらず、プラスアルファのチャレンジができるよう成長したとのことです。

(出典:メルカリ

ストレッチ目標を達成するための方法

ストレッチ目標を達成するための方法
ストレッチ目標を達成するための方法

ストレッチ目標を達成するために具体的なアクションプランを立案・実行するためには、従業員のモチベーション維持と一定のスキル・知識が必要です。

最後に、ストレッチ目標を達成するためのモチベーションを維持するコツや、必要なスキルと知識を習得する方法を紹介します。

モチベーション維持のコツ

ここでストレッチ目標を達成するまで、モチベーションを維持するための方法を紹介します。

まず、目標達成へのマインドセットを作るために、達成するビジョンを明確に持つことです。目標を達成した先に、どのような価値が手に入るのか、どのように成長するのか、どのような可能性が生まれるのかを具体的にイメージします。

そして目標を行動に落とし込み、実践を行う中で、自己評価とフィードバックを繰り返し行います。フィードバックを活かした改善を行い、再度自己評価を行うプロセスを通じて、モチベーションがさらに高まります。

たとえ小さな成功体験でも、積み重ねることで自信が生まれるため、目標を達成するまでのタスクをできるだけ細分化し、一つずつ達成していくことが望ましいです。小さな成功体験を積み重ねることで、最終的なゴールまでモチベーションを維持しやすくなります。

スキルや知識の習得

ストレッチ目標を達成するためには、達成に必要な知識やマインドを習得し、ノウハウを収集することも重要です。

特に、目標を達成するマインドセットを作るためには、専門の研修を受講することが有効です。研修の受講により、受講者は講師の専門家や先輩にアドバイスを求めることができます。

さらに実践を通じて経験を積み重ねながら、定期的に進捗フォローとフィードバックを受けることで、目標達成に向けて効果的な改善が行えます。

侍エンジニアBizの研修では、専任のインストラクターが事前面談からカリキュラム作成、質疑応答、アフターフォローまで、一貫してサポートします。カリキュラムは企業の課題にあわせて、オーダーメイドすることが可能。受講者への適切な進捗フォローとフィードバックを支援し、企業の目標達成まで伴走します。

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「ストレッチ目標」に関するよくある質問(FAQ)

よくある質問
よくある質問

最後に、ストレッチ目標に関するよくある質問についてまとめました。

ストレッチ目標への反対意見、言い換え、チャレンジ目標との違い、英語での表現について回答・解説していますので、参考にしてください。

「ストレッチ目標」に反対する意見や考え方はどのようなものがありますか?

ストレッチ目標に対する反対意見として、部下が過度なプレッシャーを感じる可能性があることや、リソースの過剰消費、取り組み者の疲弊などが挙げられます。

こうした反対意見の多くは、ストレッチ目標に対する理解不足や、評価指標の切り替えによる混乱、浸透までに時間とリソースがかかることが原因です。

「ストレッチ目標」という言葉を別の言葉やフレーズで言い換えられますか?

ストレッチ目標は「ストレッチゴール」ともいわれます。難しすぎず簡単すぎず、手が届くよりも少し高い位置に定める目標で、少し背伸びをしないと届かない目標と言い換えられます。

似た言葉に「チャレンジ目標」がありますが、より難易度の高い目標であるため同義語ではありません。

「ストレッチ目標」と「チャレンジ目標」の違いは何ですか?

ストレッチ目標は少し頑張れば達成できそうな目標です。対するチャレンジ目標は、達成できない可能性もある難易度の高い目標を設定することです。

ストレッチ目標を達成したあとに目指す、もう一段上の目標としてチャレンジ目標が設定されるケースが多いです。

英語で「ストレッチ目標」はどのように表現されますか?

ストレッチ目標は英語で「Stretch goal」といいます。米国GE(ゼネラル・エレクトリック)の元CEO・ジャック・ウェルチ氏が導入し、大きな成果をあげたことで、世界中で注目されるようになりました。

Stretch goalは次のような文脈で使用されます。

  • Is there a target or stretch goal for this KPI?
    (このKPIには目標またはストレッチ目標はあるか?)
  • In other words, Welch’s stretch goal set off a chain reaction that remade how  engines were manufactured in ways no one had imagined.
    (つまり、ウェルチのストレッチゴールは連鎖反応を引き起こし、エンジンの製造方法を誰も思いつかなかったものに変えてしまったのだ)

まとめ

適切なストレッチ目標の設定は、従業員の主体性強化と能力開発を促進し、組織の成長に貢献します。

ただし目標が高すぎても低すぎても、従業員の成長にはつながらず、かえってモチベーションを低下させるため注意が必要です。モチベーションと成長性を維持するためには、ストレッチ目標を個人が主体的に設定し、企業と個人で目標を共有することが求められます。

従業員と組織が目標に向け挑戦を続けるためには、振り返りと改善を行えるよう、目標に対する定期的な進捗フォローとフィードバックを徹底しましょう。

本記事を参考に、ぜひ自社と従業員のストレッチ目標の設定をご検討ください。

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