ラポールとは?信頼関係構築とビジネスでの活用法・事例も紹介
信頼関係を構築する心理学的手法「ラポール」が現在、組織の成長を促すマネジメント手法として注目を集めています。
ラポール形成をチームビルディングに活用すべく、導入を考える企業が増えている中、本当に生産性向上の効果があるのか、疑問を持つ方も多いでしょう。
今回の記事では、ラポールの重要性と構築方法、維持・強化方法、ビジネスでの活用法と注意点を解説します。活用の成功と失敗の事例も紹介しますので、自社組織への導入でのラポール形成にお役立てください。
ラポールの基本概念を解説
ラポールとは、もともとセラピストと治療を受ける側の間にある温かい信頼関係を指す言葉で、近年はビジネスにおいても注目されている概念です。
変化の速い近年のビジネス環境では、従来のトップダウンのマネジメント手法が見直され、組織内で信頼関係を構築できる、ラポール形成が求められるようになっています。
始めに、ラポールの概要と社会に認知された背景について解説します。
ラポールとは
「ラポール(Rapport)」とは、話し手と聴き手の間に築かれる信頼関係のことです。ラポールが築かれていると、話し手は安心して自由に振る舞うことができ、素直な感情を表現できるといわれます。
ラポールの語源は「橋を架ける」という意味のフランス語で、ここから「調和した関係」「心が通じ合う関係」を意味する言葉になりました。近年ラポールは、主にカウンセリングや医療におけるカウンセラー・セラピスト側と、カウンセリングおよび治療を受ける側との、信頼関係を表す言葉として使われます。
話し手と聴き手の間にラポールを構築するためには、カウンセリングの基本的態度である「純粋性・受容的態度・共感的理解」が必須です。ラポール構築の技法には、聴き手が積極的に傾聴の姿勢を示す「かかわり行動」や、かかわり行動をベースに話を深めていく「基本的傾聴の連鎖」を使います。
聴き手は上記の技法を用い、話し手に適切な質問を投げかけ、様子を観察し、励ましや相槌、感情の反映などを行いながら、ラポールを構築します。一連の関わりを通して、話し手に心の底の感情に気づくきっかけを与えるため、話し手が葛藤に向き合い、自己理解を深めることができるのです。
ラポールが形成され、お互いの信頼関係ができれば、話し手が心の内面を明かすことができ、カウンセリングや治療の効果が上がると考えられています。
「自分の話を受け入れてもらえる」という心理的安全性を構築できるラポールは、近年ビジネスでも注目を集め始めています。顧客との信頼関係構築だけでなく、社内の社員同士の信頼関係構築も、企業の安定的成長のために必要とされているのです。
(参考: 信頼関係(ラポール)構築のスキル 厚生労働省)
ラポールが認知された社会的背景
組織において、かつてはトップダウンで一方通行のマネジメントが主流でした。「売上目標〇〇億円」のような、答えの明確な目標に向かって進む場合は、トップダウンのほうが生産性を高め、スピーディーに成果を出せるためです。これまでの日本企業の組織マネジメント手法がこれにあたります。
しかし、近年は変化の激しく正解の見えない市場環境において、試行錯誤しながら、現場で答えを探り出す必要性が生じています。1人ひとりが自ら考え、自律的に行動することが求められているため、試行錯誤が許される心理的安全性と、双方向コミュニケーションが組織に求められるようになりました。
試行錯誤と失敗のできる、心理的安全性の高いチームづくりにより、組織の創造性と生産性を高める必要性が生じたことから、ビジネス社会においてもラポールによるマネジメント手法が必要です。
ラポールの重要性
人間関係におけるラポールは、警戒心を解き、相互に心理的安全性を生み出します。ラポールが形成されている組織では、お互いを受け入れるコミュニケーションが図られるため、生産的・建設的な会話が生まれやすいのです。
ここでは人間関係におけるラポールの必要性と、コミュニケーションにおけるラポールとその重要性について解説します。
人間関係におけるラポールの役割
ラポールは信頼関係を構築し、円滑かつ中身の濃いコミュニケーションを取るために必要不可欠なソフトスキルです。
ラポールが形成されている状態とは、双方が相手を尊重している関係です。お互いが相手に興味を持って話を傾聴するため、相手を深く理解することが可能です。このような関係では警戒心が解かれ、相手を自分の味方と感じているため、安心感と親和感が生まれます。
さらに、深い相互理解があるため信頼関係を築きやすくなります。何を言っても受け入れてもらえる心理的安全性があるため、本音を言い合うことができ、心地よい関係性を築けるのです。
コミュニケーションにおけるラポール
ラポールが形成されている状態では、不要な駆け引きがなくなるため、生産的な会話が可能です。
相手を社会の属性に当てはめず、1人の人間として見るため、例えば社内においても上司と部下といった立場を超えて、お互いを仕事で協力する仲間と捉えるようになります。
組織内でラポールが形成されることにより、本音ベースで意義のあるコミュニケーションが自然発生し、組織のパフォーマンスが向上します。
コミュニケーションにおけるラポールの価値
ラポールが形成されていると、心理的安全性が働くため、コミュニケーションの障壁を減らすことが可能です。
ラポールが形成されている組織では、コミュニケーションの絶対量が増え、チームワークが生まれます。同時に、遠慮や気兼ねのない建設的な会話が生まれ、コミュニケーションの質が向上するのも、こうした組織の特徴です。建設的でポジティブな相互関係からは、創造的なアイデアやイノベーションが生まれます。
さらにラポールが形成された人は信頼性が高まり、その発言に説得力が増すため、社内外での提案や助言を受け入れられやすくなります。社内においても信頼できる上司から提案やフィードバックを受ければ、部下も心から聞き入れることができ、モチベーションが向上します。
侍の法人サービスがわかるお役立ち資料セット(会社概要・支援実績・サービスの特徴)をダウンロードする⇒資料セットを確認する
ラポールを構築する方法
ラポールを構築するうえで、聴き手の姿勢や、非言語コミュニケーション、共感とフィードバックの技法が重要です。ここでは、ラポールを構築するための具体的なステップとテクニックを紹介します。
聴き手としての姿勢
ラポール形成に最も必要とされるのは、相手の話を否定せず肯定的に聴く「傾聴」の姿勢です。
まずは相手の立場に立ち、共感することが大切です。相手の話に興味を持って聞き、自分に言いたいことがあっても反論や否定をせず、まず最後までしっかりと話を聞くことが求められます。この態度を取るだけでも、相手は自分が尊重されている、認められていると感じ、聞き手に信頼を寄せるのです。
さらに「それからどうしたの?」「もっと詳しく話をしてもらえる?」と質問を入れることで、相手の本心を引き出しやすくなります。相手が悩んでいる場合は、本人の思考を整理し、解決の糸口を見出すきっかけにもなります。
必要に応じて話の内容を反復し、続きを促す質問を組み合わせていけば、相手の抱える本質的な問題を明確にすることが可能です。
非言語的コミュニケーションの活用
傾聴をする際に、うなずきや相槌、アイコンタクトといった非言語コミュニケーションを交えると、聞く姿勢の真剣さがいっそう相手に伝わります。
ラポール形成の代表的なテクニックには、相手の表情や姿勢、仕草、声のトーンをあわせる「ミラーリング」があり、相手との距離感を縮め、親近感を持たせる効果があります。また、相手の話すスピードや声のトーンを合わせる「ペーシング」を用いれば、相手の共感を得やすくすることが可能です。
さらに、相手の言葉をそのまま返す「バックトラッキング(オウム返し)」の手法を用いると、相手に安心感と信頼感を与えられます。
こうした手法は、相手をよく観察し、適切に使われれば信頼関係構築に効果を発揮しますが、相手の心理を理解しないまま使用したり、多用したりすると逆効果になるため注意が必要です。
共感とフィードバックの技法
人間は誰かが共感してくれたと感じると、心が満たされるため、ラポール形成には、お互いが共感し理解しあうことが不可欠です。
育ちや価値観などの異なる相手の考え方・置かれている状況を、相手の心を基準にして理解しようとする態度を「共感的理解」といいます。相手に「自分のことを理解してくれている」と感じてもらうことで、共感的理解が生まれ、お互いが満たされるのです。
共感的理解の最初のステップは、相手をそのまま受け入れる「受容」の姿勢を示すことです。例えば、相手の話を要約し「それは〇〇ということですね」と、相手の話を繰り返すことで、相手に安心感を与えます。
続いて、「傾聴」を行います。相手の気持ちの核心を突き「そのように考えていたんだね」「それは辛かったね」とフィードバックを行うことで、自分が相手の気持ちを正確に理解していると示すことが可能です。
受容と傾聴のステップを経て、「話をしてくれてありがとう」など、共感を示す言葉をかけると、相手は自分を受け止めてもらえたと感じ、信頼感が増すのです。
ラポールの強化と維持
ラポールの形成と持続、質の向上は、組織の成長戦略にも活用が可能です。
ここでは、 継続的なコミュニケーションの重要性と、 ラポール形成の障壁となる要因および克服方法について解説します。
継続的なコミュニケーションの重要性
組織内にラポールを形成すれば、長期にわたり良好で温かい関係を継続でき、継続的なコミュニケーションが可能です。
ラポールが形成されている組織では、心理的安全性が確保されているため、安定的な信頼関係が継続します。お互いリラックスした関係にあるため長く一緒に居たいと感じ、チーム員どうしの関係が強固になります。結果として組織からの離脱が少なくなり、離職率を下げることが可能です。
長期の信頼関係構築は、営業においてもリピート化や紹介を促す効果が期待できます。ラポールを形成していると、すぐには成約しない顧客でも、思いがけないタイミングで支援してくれることがあります。このように、ラポールには長期的な相互利益を生み出す効果があるのです。
障壁となる要因とその克服方法
ラポールには障壁や誤解が存在します。
「幼少期に信頼感を獲得できなかった人は、生涯人間不信となり改善は不可能」という先入観を持つ人がいます。しかし実際には、適切なアプローチを用いれば、大人になってからでもラポールの形成は可能です。本人が自己否定をしているケースが多いため、自分を受容するプロセスを学び、実践することで新たな信頼関係を構築できます。
ラポールに対するもうひとつの誤解は、単なる対人・外交スキルと捉えられてしまうことです。自分の利益のために、対人スキルとしてラポール形成のテクニックを使用した場合には、相手への尊重が二の次になり、かえって信頼を失いかねません。
実際にはうわべだけのテクニックでラポール形成をすることは不可能です。ラポール形成や傾聴スキルは短期間で身につけられると誤解されがちですが、長期的な関係を構築するための向き合い方であることを忘れず、共感的理解を念頭に置きましょう。
侍の法人サービスがわかるお役立ち資料セット(会社概要・支援実績・サービスの特徴)をダウンロードする⇒資料セットを確認する
ラポールとビジネス
ラポール形成はビジネスにおいても多くの成果をもたらします。特に営業や交渉の場、チームビルディングにおいて効果は顕著です。
ここからは、ビジネスにおけるラポールの適用と影響について解説します。
営業や交渉におけるラポールの活用
営業においては、できるだけ短時間で相手とラポールを築くことが求められます。社内の上司と部下のシチュエーションとは異なり、商談相手の時間を可能な限り割いてはならないという前提があるためです。
営業パーソンがラポールを形成するメリットは、顧客から信頼を得られることで成約しやすくなることです。共感と傾聴のできる営業パーソンは、顧客のニーズを的確に引き出せるため、顧客をロイヤルティの高いリピーターへと育成することが可能です。
短時間でラポールを形成するためには、身だしなみや表情などの第一印象も重要な要素となります。さらに、もともと味方でない相手の信頼を得るためには、言語・非言語コミュニケーションのテクニックを、研修などで習得しておくことも必要です。
チームビルディングとラポール
ラポールが形成されているチームでは、オープンでストレートなコミュニケーションが進むため、円滑なチームビルディングが可能です。
特に日頃から1on1ミーティングや、360度評価などで、上司と部下、同僚間にフラットな関係が構築されていれば、ラポールの形成も行いやすくなります。ラポールが形成されると相手との心理的距離が近づくため、お互いが自己開示でき、相手を思いながら本音で話せるようになります。
駆け引きや気兼ねなく意見を言い合えるため、建設的な話し合いが可能になり、組織の創造性と生産性が高まるのです。
ラポールの注意点と誤解
ラポールには人間関係を円滑にする利点がありますが、誤解や誤用には注意が必要です。ここではラポールの誤解や誤用と、それらを回避する方法について解説します。
ラポールの誤解とは
ラポールは相手への共感の立場に立つことが必須ですが、相手と同一化するほど良いとは限りません。過剰なラポール形成により、相手と同一化し過ぎた状態を「オーバーラポール」といいますが、こうした状態はかえって客観的な判断を阻害する恐れがあります。そのため、面接時は適度な距離感を保つ関与を心がけ、なれなれしくならないように注意することが必要です。
また、ラポールは、対人スキルやテクニックとしての「アイスブレイク」と混同されることがしばしばあります。アイスブレイクとは初対面の人の緊張を解消する方法のことで、必ずしも共感や信頼関係をともなうものではありません。ラポールを単なる対人スキルとして捉え、人間関係構築の先にある成果を意識してしまうと、相手への尊重が二の次になり、かえって信頼を失います。
「自己一致」「需要的態度」「共感性理解」の3つの必要な考え方をベースに、共感を言語・非言語で示しながらも適度な距離感を保つことで、適切なラポールを形成できるのです。
ラポール構築時の過ちとその回避方法
ラポール構築時に起こりがちな過ちとして、テクニックの多用や乱用があります。
特にミラーリングやペーシングの過度な使用は逆効果です。不自然に相手を真似し気づかれたら、ラポールを形成する以前に不信感を持たれてしまう可能性があります。また、バックトラッキングで相手の言葉を反復する手法も、やり方によっては慇懃(いんぎん)無礼で不快感を与える場合もあるため、注意が必要です。
また営業パーソンに起こりがちな過ちに、短時間で相手の心をつかもうと、相手の心情よりも外交テクニックを優先してしまうケースが多々あります。
ビジネスにおいては、ラポール構築にもついタイムパフォーマンスを求めがちです。しかしラポールが構築されるには、相手に興味を持って話を聴く姿勢を示すこと、共通の興味を見つけること、相手にわかるよう丁寧に話すことが前提です。
侍の法人サービスがわかるお役立ち資料セット(会社概要・支援実績・サービスの特徴)をダウンロードする⇒資料セットを確認する
ラポールの成功事例と失敗事例
ここで、ビジネスにおける実際の場面で、ラポール形成により成功した事例と失敗した事例を紹介します。
成功と失敗の理由を解説しますので、適切なラポール形成の参考にしてください。
ラポールを利用した成功事例
訪問営業に携わるAさんは、以前商品の説明を突然始めたことで顧客に敬遠された経験から、今度は顧客との会話を重視する手法に切り替えることにしました。
初めての顧客には、まず会話をして、現在抱えている問題や悩みを聞くことから始めます。会話の際には、ミラーリングやペーシングの手法を用いて、顧客が安心して話せる環境を整えました。
会話の中から、顧客の本音とニーズを十分に引き出したAさんは、顧客の課題を解決する最適なプランを提案しました。商品の一般的な優位性の説明ではなく、顧客本人のニーズに合致したプランを提示したのです。その結果、すぐに納得してもらうことができ、契約に至りました。
Aさんの成果はそれだけに留まらず、顧客がリピートしてくれたほか、自社商品を紹介もしてくれるようになりました。
この事例でAさんは、顧客の話を相手の立場に立ちじっくり聞くことで、ラポールを形成したために大きな信頼を得て、人脈を広げることにも成功しています。
ラポールの欠如が引き起こした問題
ラポールを形成することの重要性を理解しているにも関わらず、失敗することがあります。ここでは、営業パーソンBさんが信頼関係構築に努めるものの、失敗した事例を紹介します。
Bさん「ミーティングルームにお通しいただいたとき、エレベーターで御社の別の階にきましたが、2フロアあると広くていいですね」
顧客「そうですか、実は会議のためにいちいち移動するのが大変だと思っていまして」
Bさん「そうなんですね……あと、本日〇〇駅からこちらへ伺ったのですが、この時期桜並木がきれいですね」
顧客「私は別の駅から通勤してるので、桜並木の道は通らないんですよ」
Bさんは何とか共通の話題を作ろうとしたものの、相手に関心のない話題しか提供できず、会話が止まってしまいます。
このケースでは、Bさん側に顧客と共通の話題を作るための下調べが不足していました。事前に先方の関心事を調べておけば、アポイント当日の会話が進むだけでなく、顧客も「自分に興味を持ってくれている」と好意を持ち、Bさんを信頼してくれるはずです。
ラポールを形成するうえでは、これから対面する相手のことを理解するために、事前に相手に関する情報収集をしておくことも大切です。
今後の展望
近年、医学やリハビリの領域でラポールに関する研究が進んでいます。例えば、理学療法士が親和的な表情や態度をするかどうかにより、相手の不安や疼痛をつかさどる神経活動が変化すると認めた研究などがあります。
ビジネスについても、テレワークの増加を背景に、オンラインでのラポール形成に特化した研究やノウハウ構築も進みました。オンラインでは対面と同様のボディランゲージが使えないため、視覚情報を重視した表情や姿勢、画面映り、身だしなみや背景まで含めた視覚情報と、声のトーンから、ラポール形成を行うノウハウが研究されています。
今後はオンラインに特化したラポール形成がいっそう進み、時と場所を選ばない良好なコミュニケーションが生まれ、チームビルディングにもポジティブな影響を与えるでしょう。
侍の法人サービスがわかるお役立ち資料セット(会社概要・支援実績・サービスの特徴)をダウンロードする⇒資料セットを確認する
「ラポール」に関するよくある質問(FAQ)
- ラポールは心理学でどのように定義されていますか?
-
心理学におけるラポールとは、セラピストとクライアントの間にある相互信頼関係を指します。安心感があるため心を開きやすく、温かい関係のことです。
- ラポールを活用する営業のテクニックは?
-
ラポールを営業で活用するテクニックとして、ミラーリングやペーシング、バックトラッキングなどの技法があります。
相手の立場で話を傾聴する際に、上記の技法を活用すれば、顧客の本音とニーズを聴き出しやすくなり、信頼獲得につなげられます。
- ラポール形成の際に避けるべき行動は?
-
ミラーリングやペーシング、バックトラッキングの多用や不自然な使用は、かえって不信感を与えてしまうことがあります。
また、相手の心情を無視したうわべだけのテクニックでは、ラポール形成による信頼関係構築は不可能のため、避けるべきです。
- オーバーラポールとは何か、それは問題なのでしょうか?
-
ラポール形成が深くなりすぎた結果、被面接者との距離感が近づきすぎて同一化された状態をオーバーラポールといいます。
被面接者とのなれあい感が強まり、客観的な判断ができなくなることがオーバーラポールの問題点です。
- フランス語の「ラポール」と英語の “Rapport” は同じ意味ですか?
-
ラポールの語源であるフランス語「rapport」は、もともと「架け橋」の意味で、近年は「対人関係、関連、報告、比率」の意味も持ちます。
英語の「rapport」はフランス語から派生し、「良好な関係」「心が通い合っている」という意味です。同じく結びつき・関係を意味する「relationship」よりも、考えが一致し相互理解がある状態を指し、次のように使われます。
- Good salespeople is good at building rapport with their customers.
(良い営業パーソンは顧客と親密な関係を築くことに長けている) - She has an excellent rapport with her staff.
(彼女はスタッフと素晴らしい信頼関係を築いている)
- Good salespeople is good at building rapport with their customers.
- 医療現場でのラポールの重要性は?
-
ラポールにより医師やリハビリ施術者と患者との信頼関係が構築されることで、治療やケアに対する患者の抵抗感が減り、コンセンサスを得やすくなります。患者自身も治療に前向きになれるため、自らできる努力を行い、治療効果を高めることが期待できます。
まとめ
ラポールを活用した信頼関係構築は、今や組織と企業の長期的成長に欠かせないマネジメント手法のひとつです。現代の多様化したビジネス環境では、あらゆるチームメンバーとの密接な関係構築と、円滑なコミュニケーションが求められるためです。
ラポールは相手への共感と尊重を前提として、非言語テクニックを含むさまざまな技法を用いて形成されます。チームの各自がラポール形成を意識し、非言語コミュニケーションのスキルを習得すれば、創造的で建設的なチームビルディングが可能です。
ぜひ自社に、ラポールに基づくマネジメントの導入をご検討ください。