AR研修で学習効果を高めるには?種類・導入方法・活用事例のご紹介
AR研修は、単なる文章や講義といった従来の研修に比べ、実業務に近い学習効果が得られることから、多くの教育・企業の研修現場に普及し始めています。
しかし、いざAR研修を導入しようと思っても、目新しい技術だから何から準備を始めたらいいのか分からない……という方も多いのではないでしょうか。そうした挫折がないよう、この記事ではAR研修の種類や導入方法、実際の活用事例をご紹介していきます。
AR研修とは? 定義やVRとの違いを解説
AR研修の導入を検討する際、「AR研修という言葉は知っているけれど、その定義はいまいち分かっていない」「VRとは何が違うのだろうか」というご意見をよく耳にします。まずは、AR研修が何を指すのかについて、概要やメリットを詳しくご紹介します。
拡張現実技術を利用した研修
AR研修とは、AR(拡張現実)技術を利用した教育・研修のことです。
ARは、スマートフォンやスマートグラスといったデバイス画面に、デジタル情報を視覚的に重ね合わせることで、現実世界を拡張するような技術を指します。似た用語であるVR(仮想現実)は、ヘッドセットなどを被り、コンピュータで作られた仮想空間を現実のように疑似体験する技術です。
AR研修では、デバイスを通じて実際に存在している空間に業務マニュアルなどを表示させ、参加者がそれを見ながらシミュレーションやトレーニングを行うことが可能です。文字や動画では伝わりにくい技術系の研修や、複雑な操作が必要な作業を、実際と近い形で追体験できる、効果的な学習手法です。
リアルな学習体験が可能 メリットを解説
AR研修のメリットは、従来の研修手法に比べてよりリアルで身近な学習体験を提供できるところにあります。文字や動画から受動的に学ぶ方法よりも、AR研修では自分自身の目で見たという実感が高まります。さらに、自分の動作によってインタラクティブな反応が得られるため、実務経験により近い体験を得られ、研修内容への理解が深まるでしょう。
加えて、AR研修では災害や事故現場での対応方法といった、現実での再現が難しい内容を実施することも容易です。また、デバイスを用意すれば研修を実施できるため、屋外でなければ実施できないといった地理的な制約からも解放されます。
新型コロナウイルス感染拡大を背景に、非接触での研修もできるという点でも注目が高まっています。
AR研修の方法3種類
AR研修には、大きく分けて3種類の方法があります。
種類 | 利用デバイス | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ハードウェア型 | AR用デバイス(スマートグラスやヘッドマウントディスプレイ) | 高い操作性とリアルな体験が可能 | 高価な機材が必要でコストがかかる |
ソフトウェア型 | スマートフォン、タブレット | 汎用的なデバイスを利用でき、コストを抑えられる | 操作性・リアルさはやや落ちる |
ハイブリッド型 | AR用デバイス、スマートフォン、タブレット | 現場・オフィス間の遠隔研修が可能 | 高価な機材が必要でコストがかかる |
この3種類の方法について、詳しく説明します。
ハードウェア型:高い操作性とリアルな体験の提供
ハードウェア型は、スマートグラスやヘッドマウントディスプレイなどのAR機能を持つハードウェアを装着し、ハードウェア越しに見える映像に情報を表示することでARを実現する方法です。
ハードウェア型ではハンズフリーになるため物理的な操作性が向上し、さらに視界全体にARを表示させられるので、よりリアルな体験を提供できるのがメリットです。また、ヘッドマウントディスプレイではVR機能をもつ製品もあり、ARとVRを組み合わせたMR(復号現実)型コンテンツが利用できます。
一方、高価な機材を用意する必要があるため、初期コストがかかってしまうデメリットも考慮すべきでしょう。
ソフトウェア型:安価かつ簡単に導入できる
ソフトウェア型のAR研修は、スマートフォンやタブレット端末などのデバイスにARコンテンツをダウンロードして実施する方法です。
ARコンテンツはアプリケーション形式で提供されるため、ダウンロードするだけの簡単な手順で実施できます。また、スマートフォンやタブレット端末は持ち運びも容易なので、現場での実践的な研修向きです。専用デバイスを用意する必要もなく、導入コストも比較的低く抑えられます。
ハイブリッド型:ハードウェア型とソフトウェア型のいいとこどり
ハイブリッド型のAR研修では、ハードウェアとソフトウェアの両方が使用されます。
ハイブリッド型は、オフィスにいる指導役が現場にいる新人に遠隔で指導する、といった用途に用いられます。例えば、新人側はスマートグラスなどハードウェアを装着し、指導役はソフトウェアをダウンロードしたデバイスから新人の見ている映像を確認して指示を出したり、必要なマニュアルを表示させたりすることが可能です。
ハードウェアを利用している側は実物とARで表示されたマニュアルを同時に見て作業ができ、ソフトウェアを利用する指導役側は非接触で複数の参加者を一度に指導することができます。ハイブリッド型は、ハードウェア型とソフトウェア型のメリットを組み合わせた方式です。
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ARを企業に導入するには?
「わが社でもARを導入しよう」と思い立っても、実際に何から始めればいいのか疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。さらに、AR研修を実施したあとも、「結局AR研修はどれくらいの効果があったのか」を把握したいですよね。
ここでは、AR研修の導入・実施・効果測定の方法をご紹介します。
その1 AR研修の導入プランを策定
AR研修の導入を検討する際は、最初に導入プランを策定することが重要です。
まずはAR研修サービスの提供会社のWebサイトなどから情報を収集し、「どのような目的で、どんな内容の研修を行うのか」といった基本的なことを決めましょう。同業種や自社に近い企業規模の他社事例を参考にしたり、AR研修の体験会に参加したりするのも有効的です。
その後、「ハードウェア・ソフトウェアのどちらを選ぶか」「研修コンテンツを内製・外注どちらにするか」「研修期間をどのくらいに設定するか」など、予算やスケジュールも含めた実践的な部分を検討していきます。判断に迷う場合は、ARコンテンツの外注先候補となる企業に相談し、見積りや制作期間について教えてもらうのも一つの方法でしょう。
その2 ARコンテンツ・デバイスの準備
導入が決まったら、ARコンテンツの制作(または発注)を行いましょう。
ARコンテンツ開発ソフトウェアを利用した自社制作では、コストを抑えつつ、現場からの意見をより柔軟に反映させたコンテンツ制作が可能です。
一方、外注であれば自社側で開発期間を割く必要なく、クオリティの高いものが制作できます。なお、基本的なビジネスマナーなど、汎用的なコンテンツはパッケージとして購入・レンタルしてすぐに導入することも可能です。
その他、AR研修用のデバイスを用意し、研修の実施形式(場所・日時の選定)、講師の選出、受講者への通知といった準備も必要です。また、実施後に受講者のフィードバックを集める方法に関しても事前に検討しておきましょう。
その3 実施後の効果測定
AR研修を実施した後は、実際にその研修が会社の成長・発展に対してどのように貢献したのか、また社員はどれくらい成長したのかといった効果測定も行いましょう。
まず、実施前に「知識習得」や「スキル開発」など、研修の目的に沿った評価指標を設定しましょう。その上で、研修を実施する前後の比較を行うと効果測定の結果が明確になります。
例えば、「従来の新人研修を、AR導入でより短期間に抑えたい」という場合は、「従来の研修にかかっていた日数を、AR研修ではどれだけ短縮できたか」を調べれば効果が測定できます。
また、受講者・講師からの定性的なフィードバックを収集することで、数値では測りづらい参加者のモチベーションなどを知ることができるでしょう。
AR研修おすすめ3選!
ここで、AR/VRの制作技術に関する研修を提供する企業を3つご紹介します。
- 株式会社SAMURAI:現役エンジニアによるオーダーメイド研修
- Winスクール:初心者でも5分でARアプリ制作を体験できるセミナー
- VRアカデミー:ヘッドマウントディスプレイを使ったARアプリ開発を学ぶコース
それぞれについて、詳しく説明していきます。
株式会社SAMURAI:現役エンジニアによるオーダーメイド研修
株式会社SAMURAIでは、開発経験の豊富な現役エンジニアによるAR研修を提供しています。カリキュラムをオーダーメイドで組めるのが特徴で、研修実施前にクライアントの抱えるIT課題をしっかりヒアリングして研修プログラムを提案してくれます。また、実務に直結するスキルだけを選んで授業内容をカスタマイズするため、効率的にスキルアップが可能です。例えプログラム未経験者であっても、AR開発に携われるレベルまでスキルアップできます。
更に、オンラインでの独自学習システムを利用できるため、好きな時間・場所で研修に参加可能で、「平日は実務が忙しく、研修時間を捻出できない……」という方にもぴったりです。
株式会社SAMURAIは経済産業省が定める「DX認定事業者」にも認定されており、AR/VRなどIT技術によるビジネスプロセス改善へのノウハウがあります。「AR研修を通じて、自社の抱えるIT課題を解決したい」という方はぜひご検討ください。(株式会社SAMURAI「AR/VR研修」より)
Winスクール:初心者でも5分でARアプリ制作を体験できるセミナー
Winスクールでは、ゲーム開発エンジンの「Unity」を使ってARアプリ開発を体験できる3時間のハンズオンセミナーを開講しています。Unity用のARライブラリを利用するので、初心者であっても5分ほどで簡単にARアプリ制作を体験できます。基本的なプログラミングから解説してくれるので、プログラミング経験が無くてもパソコンの基本操作ができれば受講可能です。
半日で開発の流れや利用できるアプリを掴めるので、「ARを自社開発してみたいけれど、何から始めればいいのか分からない」という方におすすめです。(Winスクール「UnityではじめるラクラクARアプリ開発ハンズオンセミナー」より)
VRアカデミー:ヘッドマウントディスプレイを使ったARアプリ開発を学ぶコース
VRアカデミーでは、ヘッドマウントディスプレイ用のARアプリ開発を5ヶ月で学べる「ARエキスパートコース」を実施しています。このコースで習得できるのは、「HoloLens2」や「Meta Quest Pro」といった最新のデバイス向けアプリ開発です。
ヘッドマウントディスプレイによるAR研修は、受講者の両手が自由な状態に保たれるので、現場作業が必要になる業界でよく利用されています。製造業・医療分野でAR研修を検討しているという方は、ぜひ「ARエキスパートコース」の受講を検討してみてください。
なお、プログラミング未経験者・Unity初心者向けには12ヶ月間のAR総合コースも開講されています。IT未経験スタッフ用の研修を探している場合はこちらもおすすめです。(VRアカデミー「ARエキスパートコース」より)
AR研修の成功事例を3つ解説!
AR研修を導入するにあたっては、自社と同じ業界や規模の事例を知るとより参考になるでしょう。また、導入の決裁を取るときにも、他社の成功事例があると自社の上層部を説得する有力な材料になります。
そこで、ここからはAR研修の成功事例をご紹介します。
企業でのAR研修導入事例
ご紹介するのは以下の3社の事例です。
- トヨタ自動車株式会社:作業工程の可視化により効率化を実現。
- 三菱電機株式会社:メンテナンスの研修にAR技術を取り入れ、修理時間を削減。
- 株式会社ナイキジャパン:商品の魅力を高めるためにARを使ったデジタルショップを開設。
それぞれについて、より詳しく解説していきます。
トヨタ自動車株式会社:整備士研修にAR研修を活用
トヨタ自動車では、自社の自動車販売・整備を行う店舗に「HoloLense2」というARデバイスを順次導入し、自動車の整備作業効率化や研修での活用を実施しています。
トレーニングでは、ARデバイス上に自動車のパーツの取付マニュアルを実際の自動車と重ね合わせて表示させ、取付手順を学べるようになっています。また、店舗の従業員が付けた「HoloLense2」の映像を販売店本社のPCに表示させ、リアルタイムで会話しながら指導を実施するシステムも利用されています。(Microsoftプレスリリース「トヨタ自動車が全国の GR Garage に HoloLens 2 を導入開始」より)
三菱電機株式会社:事故・危険な状況の再現にAR研修を利用
三菱電機では、エレベーターの設置についての研修にARを利用しています。ARデバイスを利用して、実際の設置現場で起こり得る事故や、重量物搬入や高所作業など危険な状況を受講者に追体験させ、安全技術の向上に活用しています。また、画面上にフィードバックを表示させ、作業中の注意点・ルールの定着を図っています。(三菱電機ニュースリリース「稲沢製作所 昇降機据付実習棟建設のお知らせ」より)
株式会社ナイキジャパン:AR技術でユニークなプロモーションを展開
シューズメーカーのナイキでは、ARを利用したユニークなプロモーションを行っています。例えば、ブラジルでは、街中で同社の人気製品「AirMax」の形をした雲をARアプリで撮影した人だけがアクセスできるECサイトを開設し、注目を集めました。
その他、公式アプリで自分の足を撮影すると、AR技術によって足のサイズが測れる機能を公開したりと、ナイキはARを利用したユーザーエクスペリエンスの向上に注力しています。(PR EDGE「空に浮かぶ“雲”が売り場?! ARを駆使したNIKEの仰天EC」より)
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AR研修で注意するべき点は?
AR研修のメリットとして、リアルな学習体験ができることをご紹介してきましたが、導入にあたっては注意点もあります。ここでは、AR研修のもつ課題やかかる予算・費用をご紹介した上で、留意しておきたいポイントを解説していきます。
AR研修の課題と解決策を3点解説
まず、AR研修の課題と対応策として、3点ご紹介します。
- 導入側にAR技術に関する知識が必要
AR研修を導入するには、どのARデバイスを利用するか、コンテンツを内製・外注するかなどを決定するため、AR技術への知識が必要になります。さらに、利用者側もARデバイスの操作に慣れていないことが予想されるため、受講者および講師も含めてトレーニングを実施することが重要です。
- ARデバイスの購入・コンテンツの制作にコストがかかる
ヘッドマウントディスプレイなどのハードウェア型を購入するには、数万円から数十万円かかります。そのコストを抑えるためには、ソフトウェア型を検討するとよいでしょう。
しかし、AR研修導入には、ARコンテンツ制作のコストもかかります。これはハードウェア型・ソフトウェア型・ハイブリッド型のいずれにおいても数十万円〜数百万円ほど必要です。
- 研修の効果測定が難しい
AR研修では拡張現実を利用した体験を行えますが、あくまでも疑似的なものに留まります。そのため、実際の作業とのギャップが出てくるリスクが発生し、なおかつ受講者がARデバイスの利用に慣れていない場合はかえって学習効果が下がる可能性もあります。
こうしたリスクをふまえ、AR研修でどのような効果を得たいのかを企画段階ではっきり明確にしておくことが重要です。
AR研修導入はコストがかかる?予算と期間について
AR研修の導入にあたって、最も大きなハードルとなるのは開発予算です。先ほども述べた通り、
AR研修には機器導入・コンテンツ制作に数十万円以上はかかります。
また、AR研修の期間自体も、従来の研修方法より長くなる可能性があります。従来は現場で行っていた研修を、ARアプリを用いてオフィスで行うなどといった場合は特にそのリスクが高くなるでしょう。
AR研修導入にあたっては、かかる予算や期間を把握した上で、目的や効果を最大化するための適切なプランを策定することが非常に重要となります。
AR研修導入にあたって注意すべきポイント3点
AR研修の課題やコストをふまえ、導入にあたって注意すべきポイントは以下の3点です。
- 資格や経験を持った講師から研修を受けることが重要
業務スキルを身に付けるには、ARコンテンツだけに頼らずベテラン社員など経験者のもとで指導を行うことが重要です。また、講師側がAR機器の扱い方等について熟知しておく必要もあるため、実施前に技術面でのサポートをすることを忘れないようにしましょう。
- 研修内容と実践のバランスを確認することが必要
ARコンテンツでできるのは、あくまでも疑似体験です。研修コンテンツを企画する上で、どこまでの作業ならAR研修でカバーでき、どこからは実務経験が必要となるのかをしっかりと検討しましょう。
- 研修後のフォローアップやサポートがあるか確認することが大切
AR研修実施後、ARと実務のギャップにつまづく受講者がいるかもしれません。そのため、受講後のフォローアップやサポートも欠かさずに行う体制を作ることが重要です。
また、時間が経つにつれ、一旦作ったARコンテンツを更新したり、また新たなデバイスに対応させたりと、AR研修の維持管理にもコストがかかります。自社でそうした業務に割けるリソースがあるのかも忘れず検討しましょう。
AR研修を成功させるには?
高いコストをかけて制作したAR研修は、何としてでも成功させたいですよね。ここでは、AR研修を成功させるポイントとして、トレーニング内容のカスタマイズや社員のモチベーション向上方法について解説します。
自社に合わせてトレーニングをカスタマイズ
AR研修を成功させるには、コンテンツ内容を自社のニーズに合わせてカスタマイズすることが重要です。例えば、レジ作業などのパターン化した単純作業を扱うのか、あるいは危険な作業などの再現が難しい状況の対応について研修するのかによって、必要なコンテンツは変わってくるでしょう。
さらに、研修を受ける人のレベルや経験に合わせたトレーニングを実施することが必要です。対象者が新卒なのか入社5年目なのかで、学ぶべき内容は異なるでしょう。
そして、AR研修だけに頼らず、研修後の実践的な支援やトレーニングも提供して受講者をフォローアップしていくことも重要です。
実務に役立つ内容で社員のモチベーションアップ
研修の効果には、スキルや業務内容の習得だけではなく、社員のモチベーション向上といったものもあります。座学など、従来の研修ではどうしても受講者が受動的になり、モチベーションを高めることに難しさがありましたが、疑似体験が可能なAR研修では能動的に学習ができます。AR研修を実施する際は、こうしたARのメリットを最大限利用しましょう。
よりモチベーションを高めるには、コンテンツ内で実践的な課題やプロジェクトを設定することがポイントです。「業務に役立ちそう」と感じるような内容にすることで、研修後の成果・成長が認知されやすくなり、参加者の意欲向上につながります。
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今後もAR研修の需要は拡大する?
すでにさまざまな企業が導入を進めているAR研修の需要は、今後も拡大されていくことが予想されます。ここでは、AR研修の将来性や、今後期待できる効果について解説します。
AR技術が進化する可能性
AR技術は急速に成長が進んでいる分野で、2028年にはAR・VRを合わせて4000億米ドル(46兆円、1米ドル=115円換算)の市場規模になると予想されています。(引用元:日経XTECH「28年に46兆円市場、メタバース支えるVR/ARの特許分析」)今後数年でより高クオリティな体験が可能になり、AR研修の学習効果や需要が増加するでしょう。
さらに、ARデバイス開発も発展し、日常利用に違和感のないスマートグラスや、AR・VR機能双方を使えるヘッドマウントディスプレイが安価な価格で手に入るようになるでしょう。今後ユーザーが安易にコンテンツ制作ができるソフトウェアも普及し、AR研修にかかる費用・期間が抑えられると考えられます。
AR技術の進化によって期待できる効果
AR技術の進化によってAR研修の質・内容が向上すれば、より学習効果も高まるでしょう。
より実体験に近い研修が可能になることで、AR研修で身につけたスキルがより実務に役立つようになることが予想されます。また、AR研修で従来のトレーニング方法よりも必要期間を短縮できれば、その効果は導入後も毎年得られるため、現段階でのAR研修導入は長期的に考えるとよりよい投資となると考えられます。
また、AR研修では1人の指導者に対して複数人の学習者間でコミュニケーションできるため、社員のエンゲージメントを高め、チームのコラボレーションを改善する効果も期待できます。
よくある質問(FAQ)
AR研修はまだ導入例もそこまで多くはなく、導入を検討するにあたってさまざまな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ここでは、AR研修に対してよくある質問と回答をご紹介します。
- AR研修の教育的メリットは何ですか?
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AR研修の教育的メリットとしては、下記3点が挙げられます。
- 実践的なトレーニングを提供し、現実に近い環境でスキルを身につけることができる。
- 一度導入すれば毎年活用できるため、長期的に成果を生み出すことができる。
- 指導者・受講者間のコミュニケーションが可能となり、社員のエンゲージメントを高め、より深い学習体験を提供することができる。
- AR研修で成功した事例を教えてもらえますか?
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AR研修はさまざまな業界での事例があります。
小売業界では、宝くじ販売店舗のスタッフ研修でARを導入し、従業員の研修満足度向上に成功した例があります。また、医療分野では実際に練習することが難しい手術にAR研修を使用し、より安全で正確な技術習得を実現しています。その他、製造業で工場作業員の訓練にARを使用し、作業の精度とスピードを向上させた事例もあります。
- AR研修に活用できるアプリはありますか?
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日本のAR研修アプリには、knewton AR、HoloStudy、WizARd、QRART、OTEC ARなどがあります。これらのアプリは、教育、医療、製造、建設、観光などの分野でAR研修に使用されています。ただし、各アプリの提供する研修内容や特徴は異なるため、用途に合わせて選ぶ必要があります。
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今後も進化するAR研修は目標を明確にして活用しよう
AR研修は、参加者が能動的にリアルな経験を得られ、学習効果が高まるためさまざまな業界で導入されています。今後も技術の発展により、安価で質の高い研修方法としてますます注目されるでしょう。
実施にあたっては、「AR研修で何を実現したいのか」をまず決定し、利用できるデバイスや予算・期間を考慮しながらプランを立てていくことが重要です。