研修準備は学習効果向上に必須!効果的な研修準備方法やチェックリストを紹介
研修効果を上げるには、入念な準備が必要不可欠です。分かりやすい研修資料の作成や、研修時のトラブル対応をしっかり練ると、受講者が学びやすい環境を作れるでしょう。
この記事では、研修準備の方法や成功事例、便利なツールを紹介します。
研修準備の重要性
研修を成功させるには、準備をしっかり行う必要があります。綿密な計画を立てて準備することで、受講者の学習効果が向上するためです。
ここでは、研修準備の目的やメリットについて詳しく説明します。
研修準備の目的
研修準備の目的は、受講者の能力向上や知識習得を支援することです。研修準備をしっかり行うと、受講者の学習体験を充実させ、研修効果を最大化できます。
具体的には、研修資料の作成、研修会場や講師の確保などが含まれます。準備段階で漏れがあると、最悪の場合、受講者が参加できないケースもあるため、決して準備をおろそかにしてはいけません。研修準備を実施することで、受講者が有意義な学習を行えるようになります。
研修準備するメリット
研修準備を十分に行うことで、研修のスムーズな進行が可能となります。受講者がストレスなく学習に取り組めるため、満足度と参加意欲を高められるでしょう。加えて、研修で得た知識の定着も期待できます。
さらに、不測の事態で受講者が受講できないというリスクも減らすことができます。たとえば、オンライン研修時は機材トラブルによって一部の受講者が講義を受けられないケースもあります。そうした場合に備え、事前にトラブルシューティング方法を調べておくといった準備が必要です。
効果的な研修準備のポイント
研修の準備内容は多岐にわたるので、抜けや漏れがないよう進めていく必要があります。ここでは、具体的な研修準備のポイントを解説します。
研修資料の作成
研修資料の作成は、明確で分かりやすい記述を心がけることが大切です。重要なポイントや具体的な例を組み込むことで、受講者が理解しやすくなります。
また、内容を盛り込み過ぎず、簡潔な表現を使うようにしましょう。文字を詰め込み過ぎると受講者が読みにくいと感じるためです。詳細な情報は参考文献として別途まとめ、後から受講者が必要に応じて参照できる状態にしましょう。
研修会場の確保
研修会場の確保は、受講者が快適に学習できる環境を整えるために重要な役割を果たします。社外の会場を選定する際には、オフィスからアクセスしやすい場所を探しましょう。また、予約や設備の確認なども行う必要があります。
社内の会議室を利用する場合も、必要機材の用意は忘れずに実施しましょう。リモートでの受講者がいる場合は、事前に接続テストをしておくと安心です。
研修方法の選定
内容やニーズに合った研修方法を選ぶのも重要です。近年、デジタル化によってオンライン研修が一般的になり、研修方法の選択肢は増加しました。ここでは、以下4種類の研修方法のメリット・デメリットを表にまとめて紹介します。
- オフライン研修(集合型)
- オンライン研修(ライブ配信型)
- オンライン研修(eラーニング型)
- オンライン研修(マンツーマン型)
研修方法 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
オフライン研修(集合型) | 社外・社内で複数名が集まって実施する | 受講者間の交流がしやすい(グループワークなど)その場で講師に質問しやすい | 講師人件費や会場費、会場への交通費といったコストが高い |
オンライン研修(ライブ配信型) | オンライン上で、リアルタイム配信される講義を受講する | 受講者・講師が離れた環境にいても実施が可能会場費がかからず、コストを抑えられる | 受講者・講師のインターネット環境が整っているか、事前に確認が必要受講者同士の交流がしにくい |
オンライン研修(eラーニング型) | あらかじめ録画された動画教材などを受講者が視聴する | 受講者が自分の好きなタイミング・場所で視聴できるコストがかからない | 研修担当者が受講者の学習進捗を管理する必要がある受講者のモチベーション維持が難しい |
オンライン研修(マンツーマン型) | オンライン上で、メンターから1対1での講義を受ける | 受講者それぞれに合ったペース・カリキュラムで学習できるモチベーションを維持しやすい | メンター人材を探すのが難しい人件費などのコストが高い |
各研修方法にメリット、デメリットがあります。研修の受講者数やカリキュラム、予算に応じて適切なものを選びましょう。
特にオンライン研修は、受講者の状況に応じて柔軟に対応できる方法です。一方、進捗管理やインターネット環境整備、メンター人材の調達といった研修担当者側でのコストがかさみがちな方法といえるでしょう。
ただ、外部研修会社の中にはそうしたコストを解消するサービスを提供しているところもあります。たとえば、侍エンジニアBizではLMS(学習進捗を確認できるシステム)や現役ITエンジニアとのマンツーマンレッスンを提供しています。実施する研修方式に合わせ、最適なサービスを提供している外部研修会社を活用しましょう。
参加者への事前連絡と情報共有
受講者への事前連絡と情報共有も重要です。たとえば、研修の日程、場所、参加方法、当日必要な資料や持ち物は実施前に必ず連絡しましょう。
さらに、もし事前学習が必要であれば、事前に教材を共有しておく必要があります。可能であれば、当日使用するスライド資料なども前もって受講者に渡しておきましょう。予習を促すことで、研修当日の理解度も向上します。
研修プログラムのスケジュール管理
研修プログラムのスケジュール管理は、受講者の集中力を維持するために重要です。時間配分や休憩時間を適切に調整して、受講者への負担を減らしましょう。たとえば、1時間ごとに休憩を入れた時間割を事前に設定しておくのも有効です。
また、研修の実施時期そのものも、繁忙期を避け、受講者に業務負担がかからないように心がけましょう。
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研修準備チェックリスト
研修準備の抜け、漏れを無くすには、チェックリストが有効です。準備事項をあらかじめリストアップし、担当者と締切日時を決めておきましょう。
研修の準備に必要なアイテムやタスク
ここでは、研修準備チェックリストの例を紹介します。実際のチェックリスト作成の参考にしてください。
目的やテーマの明確化
- 参加者数とプロファイルの把握
- 研修日程の決定
- 会場の予約と確保
- 講師やトレーナーの手配
- 研修資料と教材
研修資料の作成と整理
- プレゼンテーション用スライドの作成
- 必要な教材やハンドアウトの準備
- 印刷やコピーの手配
- 参加者への事前連絡と案内
招待状や参加確認の送付
- 研修の詳細情報やスケジュールの共有
- 必要な事前学習や準備の通知
- 会場の準備と設備確認
会場のレイアウトとセッティング
- 必要な設備や機器の準備
- 電源やWi-Fiの確認
- 必要なサポートスタッフの手配
- 研修プログラムの管理
スケジュールの作成と調整
- セッションの順序と時間配分の決定
- 休憩時間や飲食物の準備
- 受講者のアンケートフォーマット作成
研修準備の注意点と解決方法
研修準備を円滑に進めるには、いくつか注意点があります。ここでは、代表的な注意点と解決方法について解説します。
予算やリソースの確保
予算やリソースの確保は、研修などを行う上で重要な課題です。予算やリソースに制約がある場合、適切な割り当てや代替策を検討する必要があります。
また、予算やリソースを有効活用するためには、研修や目標を明確にし、優先度をつけるのも大切です。予算の割り振りは、研修担当チーム内でしっかり確認、共有しましょう。
モチベーション向上のアプローチ
受講者のモチベーションを向上させることで、研修への積極的な参加や学習効果の向上が期待できます。モチベーションを上げるアプローチとしては、インセンティブなどが有効です。たとえば、受講者に賞品を提供するなどが考えられます。
また、参加者が参加しやすいような、参加者同士のコミュニケーションを促進する手法も有効です。チームごとに分かれ、スコア競争をするといった要素を取り入れるのもいいでしょう。
研修プログラムの効果測定とフィードバック
研修プログラムの効果測定は、研修の継続的な改善を行う上で重要なことです。受講者のフィードバックを収集すると、研修の改善点を洗い出せます。
研修実施後は受講者にアンケートを依頼したり、確認テストを実施したりして、さまざまな観点から研修の実施効果を測定、分析しましょう。加えて、判明した改善点を解消するためのアクションプランを文書化しておくと、次回以降の研修に活用できます。
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研修準備の成功事例
ここでは、実際に研修準備に成功した事例を紹介します。他社の事例を参考にしつつ、研修準備のポイントを押さえていきましょう。
実践的な研修準備の成功事例紹介
志コンサルティング株式会社では、2020年のコロナ禍を受けて、新入社員研修を急きょオンライン化しました。「学生から社会人への意識改革」をテーマにした、グループワーク中心の研修です。受講者や人事担当者からは、「オフライン研修と変わらない」と満足度が高いフィードバックを得られました。
準備にあたっては、オフライン研修の各要素を分析し、オンライン化するための方法を明確化しました。たとえば、オフライン研修でのグループディスカッションは、Zoomのブレイクアウトセッション機能を用いれば代替できます。その結果、オンライン研修でもオフライン研修と変わらない学習体験を提供可能となりました。
また、通信環境に関しては、通信速度やPC機材、受講環境についてのチェックリストを作成し、準備事項の漏れがないよう工夫しました。加えて、事前に接続確認を実施したり、予備のPCやWeb会議システムを用意したりして当日トラブルが起きるリスクを減らしています。
同社は、オンライン研修の学習効果を高めるためのカリキュラム設計や、通信環境などハードウェア面での準備を綿密に行うことで受講者満足度の高い研修を実現しました。
(出典:HR NOTE「【保存版】オンライン研修を成功させるために必要なポイントを「準備・研修中・研修後」にわけて解説」)
ユーザーの成功体験談
研修準備を適切に実施すると、受講者も主体的に学習できます。
パナソニック株式会社の新入社員向けオンライン研修では、チューターが受講者ひとりひとりのコメントにフィードバックするなど、オフライン研修よりも双方向性を重視した取り組みを実施しました。その結果、受講者とチューター同士の相互コミュニケーションが活発になり、入社後の人間関係形成が円滑に実施できました。
こうした取り組みを実施するにあたり、同社では研修前にチューター全員がオンライン学習システムの操作方法を学んだり、Web会議で知識を共有したりといった準備を行いました。研修担当者がオンライン学習システムの利用方法を把握することで、受講者に積極的なアプローチが可能になったといえるでしょう。
(出典:UMU「人に寄り添う信念で1ヵ月のスピード導入、期待値を超えるアクティビティ パナソニック株式会社様」)
研修準備に役立つツール
研修準備を支援するための便利なツールやソフトウエアを活用することで、効率的な準備が可能となります。ここでは、資料作成ツールなどを紹介します。
研修資料作成ツールの紹介
研修資料の作成には、PowerPointなどのMicrosoft Office系ツールを活用できます。多くの企業で普段から資料作成に用いられているため、利用しやすい点がメリットです。
また、STORM Xeといったソフトウエアを利用すると、PowerPointスライドにナレーションを付けて動画形式にすることも可能です。既存資料をeラーニングコンテンツにしたい場合に向いているでしょう。
(出典:LOGOSWARE「STORMXe」)
そのほか、社内システムの操作マニュアルを作成したい場合は、EZLectureなどのツールを使うと画面キャプチャ・編集が簡単に行えます。
(出典:EZLecture)
研修プログラム管理で役立つオンラインツール
研修プログラム管理を効率化させるには、LMS(Learning Management System)を利用しましょう。LMSを利用すると、eラーニングコンテンツや受講者を登録し、受講状況を可視化できます。さらに、システムによっては受講後のレポート提出機能、アンケート管理機能、SNS機能なども備わっています。そのため、受講者への研修内容告知や、研修後のフィードバック収集も効率化可能です。
侍エンジニアBizでは、研修実施前から終了後まで利用できるLMSを提供しています。実施前の予習から、終了後の教材復習まで対応可能です。
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よくある質問(FAQ)
ここでは、研修準備に関するよくある質問と回答を紹介します。
- 研修資料をより効果的にするためには、どのような要素を考慮すべきですか?
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研修資料をより効果的にするためには、分かりやすく簡潔な表現を心がけましょう。あまり文字を詰め込み過ぎず、図表やイラストを活用するのがおすすめです。
- 研修会場の準備においてよく起こる問題とその解決策は何ですか?
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研修会場の準備に関するトラブルとしては、「なかなか設備の揃った空き会場が見つからない」といったものが挙げられます。研修企画がある程度固まった段階で、候補となる会場をいくつか早めに探しておきましょう。
また、会場の設備トラブルもよく起こるため、予備の機器やサポート体制をあらかじめ用意することも重要です。
- 研修プログラムの効果を向上させるために、どのような対策が有効ですか?
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研修プログラムの効果を向上させるためには、アンケート収集などで受講者からのフィードバックを集め、改善点を洗い出すのが有効です。また、受講者の上司や講師にもインタビューし、第三者からの視点でも研修の結果を評価しましょう。
- どのような場合に事後研修が行われるのですか?
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研修実施後、学習内容を実務に活かせているか確認したり、復習したりといった目的で事後研修を実施することがあります。また、特にIT技術の研修では、システムのアップデートが起きた際、変更点を確認するために実施するケースが多いです。
研修準備を万全にして、学習効果を最大化しよう
研修を成功させるには、研修準備をしっかり行うことが必要不可欠です。この記事で紹介した準備事項のチェックリストなどを活用し、研修当日までに抜け、漏れがないよう万全を期して準備しましょう。