TensorFlowとは?できることや活用事例をやさしく解説

この記事では、できることや活用事例も交え、TensorFlowの特徴を解説します。

TensorFlowはどんなことができるの?
初心者でもTensorFlowは扱えるの?

Googleが開発したTensorFlowは、AI開発の領域で広く使われています。しかし、その詳細や使い方などがあいまいな人も多いのではないでしょうか。

本記事では、TensorFlowとは何なのか、その概要をできることや使うメリット・デメリットも交えて解説します。TensorFlowの扱い方を学ぶ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • TensorFlowは機械学習分野で活用される計算ライブラリ
  • TensorFlowは画像検索や予測分析などに活用可能
  • Pythonや機械学習と合わせて学習すると効率的

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目次

TensorFlowとは

TensorFlow(テンソルフロー)は、Googleが開発しているオープンソフトウェアライブラリで、機械学習の分野で活用されています。

簡潔に紹介すると、ニューラルネットワークと呼ばれる脳機能の特徴を、計算によってシミュレーションすることができる計算ライブラリです。

もちろん基本的な計算処理を行うこともできます。また、高速で計算を行うためのライブラリも豊富に用意されており、ユーザー数も多いため今後もさまざまな機能が拡張されていくでしょう。

TensorFlowの特徴や導入方法などを詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

TensorFlowとは?機械学習に必須のライブラリを分かりやすく紹介
更新日:2024年11月15日

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TensorFlowでできること5つ

TensorFlowでできること5つ

ここからは、TensorFlowでできることを、5つにまとめて紹介します。

被写体の認識

TensorFlowは画像や動画の情報を解析して、文字や顔などのオブジェクトや特徴を認識し検出することができます。

たとえば、自動車の自動ブレーキにもこの機能が使われています。運転中の映像を画像として認識し、なにかにぶつかりそうになると自動でブレーキをかけるといった感じです。

このように様々な分野で使用されている画像認識ですが、TensorFlowを使うことでより高度な画像認識をおこなうことができます。

画像検索

TensorFlowは画像認識だけではなく、画像検索もおこなうことができます。身近な例でいうと、Googleの画像検索が挙げられます。

画像をシステムに学習させて、検索画像を学習した内容と照らし合わせ、特徴にあった画像を表示させる仕組みです。

ここ1〜2年間で画像検索の精度はかなり向上しており、将来的には人を超える精度になるといわれています。TensorFlowの精度の高さが伺えますね。

リアルタイム翻訳

TensorFlowは翻訳にも活用されています。

あなたはGoogle翻訳を利用したことがありますか? 以前までの「Google翻訳」はあまり精度の高いものではありませんでした、現在は機能が向上し、翻訳結果も正確に近くて自然な文章になりました。

TensorFlowのニューラルネットワークを利用することによりテキストや音声翻訳で、精度の高い結果を出すことができるようになりました。

Web検索最適化

Googleといえばご存知の通り、世界で1番使用されているサーチエンジンとして有名ですよね。

Googleが選ばれる理由は、検索結果に表示されるページの質が高いことにあります。その検索結果を制御しているアルゴリズムにもTensorFlowが活用されています。

他にも音声認識など様々な場面でTensorFlowは活用されているんです。

予測分析

TensorFlowを活用すれば、予測分析が可能です。予測分析とは機械学習といったさまざまな統計手法を合わせ持ち、現在および過去の事実を分析し、将来または未知のイベントを予測する分析手法です。

具体的には、株価や需要・売上などを予測分析できます。ほかにも、予測モデリングの作成もできるため、自社の業務に合わせて最適な予測分析が可能です。

また、チュートリアルでもTensorFlowの予測分析を行えます。例えば以下のチュートリアルでは「燃費を予測する」を選択して価格や確率といった連続的な値の出力を予測できます。

TensorFlow
出典:TensorFlow

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TensorFlowを使うメリット

TensorFlowを使うメリット

ここからは、TensorFlowを使うメリットを、3つにまとめて紹介します。

メリットを把握しておくとTensorFlowを学習する意欲が高まり、将来どんな場面で役立つのかがわかります。ではそれぞれ解説します。

将来性が高い

TensorFlowは機械学習において欠かせないライブラリです。人工知能開発は研究や投資が盛んに進められているため、TensorFlowを扱うエンジニアは将来性が高いといえるでしょう。

TensorFlow自体が2015年に開発されたばかりの新しいライブラリなので、扱えるエンジニアの数が少ないのが現状です。そのため、TensorFlowを扱えるエンジニアは需要が非常に高く、好条件の待遇で仕事を獲得することができます。

情報量が豊富

TensorFlowはGoogleが開発しているオープンソフトウェアライブラリということもあり、広く注目されています。公開直後から利用者数はどんどん上昇しており、それに比例して情報量も増えています。

また、TensorFlowを学ぶ人が集まるコミュニティなどもあるので、こういった場を活用すれば情報を集めることが容易である点も評価できます。

シェア率が高い

TensorFlowはシェア率が高く将来性のある学習ツールです。

以下の表は世界最大の機械学習情報プラットフォームKaggleにおける2021年のデータで、機械学習フレームワーク使用率でTensorFlowは47.8%です。ディープラーニングの分野でライバルと言えるPyTorchを上回る結果になっています。

このようにシェア率が高いことから、今後も仕事が廃れる心配は少ないです。TensorFlowを扱えるエンジニアの需要は上がっていく可能性が高く、学習して損はありません。

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TensorFlowを使うデメリット

TensorFlowを使うデメリット

メリットに続き、ここからはTensorFlowを使うデメリットを、2つにまとめて解説します。

高いマシンスペックが必要になる

TensorFlowを使用するには、一定以上のマシンスペックが必須です。以下にその詳細を表にまとめました。

ハードウェア要件必要
ソフトウェアPython
オペレーティングシステムWindows、Linux、macOS
メモリ8GB以上推奨
ストレージSSD 256GB以上推奨
GPUCUDA対応GPU推奨

メモリは8GB以上、ストレージはSSD 256GB以上が推奨されています。また、GPUについては、NvidiaのCUDA対応GPUが推奨されています。なくてもTensorFlowの操作は可能ですが、パフォーマンスが落ちる可能性があります。

このように、TensorFlowのフルパフォーマンスを発揮するためには高いマシンスペックが求められます。そのため、TensorFlowのパフォーマンスをフルに発揮したい場合はハイスペックなマシンを導入するのがおすすめです。

書き方が独特で専門性が求められる

TensorFlowはコードの書き方がやや独特のため、専門性が求められます。例えば次のコードは、1つ目がTensorFlowのコードで、2枚目がPythonのみで書いたコードです。

TensorFlowのコード

import tensorflow as tf

# TensorFlowを使用して定数のテンソルを作成
tensor = tf.constant([[1, 2], [3, 4]])

# テンソルに何か操作を行う(例:各要素を2倍にする)
doubled_tensor = tensor * 2

# 結果を計算して出力
print(tf.math.reduce_sum(doubled_tensor))

Pythonのみで書いたコード

# 単純な2次元リストを作成
array = [[1, 2], [3, 4]]

# リストの各要素を2倍にする
doubled_array = [[element * 2 for element in row] for row in array]

# 各要素の合計を計算して出力
print(sum(sum(row) for row in doubled_array))

コード自体はTensorFlowの方が短く見えますが、その分内部の処理がどのようになっているか理解せねばなりません。一方でPythonのみで作られたコードは流れがわかりやすく明確です。

このように独特な書き方となっているため、内容の理解が必須となります。

【初心者向け】TensorFlowを学ぶ方法

【初心者向け】TensorFlowを学ぶ方法

ここからは、初心者に向けTensorFlowの学習方法を紹介します。次の3つは必要最低限の知識になるため、把握しておきましょう。

  • 1.機械学習や深層学習の分野の知識
  • 2.Pythonの知識
  • 3.NumPyなどのライブラリの知識

それぞれ完璧な知識が必要という訳ではなく「そのあたりの知識が必要なのね!」と思える程度の理解で大丈夫です。また、必要なソフトウェアは次の2つです。

  • 1.Python
  • 2.TensorFlow

紹介した知識とソフトウェアを理解して、TensorFlowをじっくり学んでいきましょう。

また、TensorFlowの入門向けの情報は下記の記事で紹介しているため、あわせてご一読ください。

【TensorFlow入門】機械学習フレームワークTensorFlowを学ぼう
更新日:2024年10月31日

TensorFlowの活用例

ここからは、TensorFlowが使われている事例を、5つにまとめて紹介します。

Google

画像:Shutterstock

さまざまな事業を展開しているGoogleでは、検索や翻訳などのサービスに使われる機械学習の強化や人道的課題・環境問題への対応促進など、あらゆる場面でTensorFlowが活用されています。

X(旧Twitter)

画像:Shutterstock

気軽に投稿できるコミュニケーションツールとして人気のツイッター。TensorFlowはツイッターの「タイムラインをランク付け」する機能に使用されています。

この機能によって、ユーザーは特に重要度の高いフォロワーのつぶやきを見逃さずにキャッチすることができるようになりました。

Airbnb

画像:Shutterstock

エンジニアとデータサイエンティストをつなぐ世界の構築を理念のもと、さまざまなオープンソースプロジェクトを展開しているAirbnbもTensorFlowを活用しています。

Airbnbは、TensorFlowの機械学習を使用して、大量の画像をカテゴリ分けし、オブジェクトを検出することで、ユーザーの満足度を大幅に向上させることに成功しています。

PayPal

画像:Shutterstock

Web決済システムとして有名なPayPalでもTensorFlowは利用されています。

TensorFlow・転移学習・生成モデルを利用して、複雑な不正パターンの検出を行い、不正減少とユーザー識別精度向上に活用されています。

GE Healthcare

画像:Shutterstock

医療器具の開発を手掛けるGe Healthcareでは、MRI検査にTensorFlowを使用しています。

TensorFlowによってニューラルネットワークをトレーニングし、MRI画像から特定の解剖学的構造を識別し、速度と精度向上を成功させました。

TensorFlowの学習時によくある3つの質問

最後に、TensorFlowの学習時によくある質問へまとめて回答します。

1つずつ紹介します。

TensorFlowを効率的に学習する方法はある?

TensorFlowを効率よく学習する方法の1つとして「プログラミングスクール」に通う選択肢があります。

プログラミング初心者がTensorFlowを独学で学ぶのは、現実的ではありません。なぜなら機械学習の知識だけではなく独特な書き方も学ぶ必要があり、難易度が高いからです。

すでに現役ITエンジニアとして活躍しているメンターのいる「プログラミングスクール」を活用することで、効率よくTensorFlowを学習できます。

もしもプログラミングスクールを検討している人は、侍エンジニアがおすすめです。

侍エンジニアでは、下記3つのコースでTensorFlowを学習できます。

  • AI活用コース
  • AIアプリコース
  • データサイエンスコース

無料カウンセリングもあるため、まずは相談してみてはいかがでしょうか。相談したい方は、下記からお問い合わせください。

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TensorFlowを学べるチュートリアルサイトはないの?

TensorFlowを学べるチュートリアルサイトは、いろいろあります。例えば、以下のようなサイトです。

カテゴリチュートリアル名称内容
画像の分類チュートリアルサイトのリンク花の画像を分類する方法をもとに、使い方を理解する
時系列
データの学習
チュートリアルサイトのリンク英文を読んで、英文の最後の単語を推測する
音声認識チュートリアルサイトのリンク英文を読んで、音声認識を理解する

TensorFlowを学ぶときにおすすめの本はある?

TensorFlowを学ぶときにおすすめの本は、次の表にまとめています。

それぞれ初心者向け・中級者向け・上級者向けの3つに分かれているため、あなたのレベルに合った本を選ぶようにしましょう。

なお、TensorFlowを学ぶときにおすすめの本を詳しく知りたい人は、下記の記事をご一読ください。

将来性の高いTensorFlowの活用はおすすめ

今回はGoogleが開発したことで話題のTensorFlowでできることと、その活用事例をご紹介しました。

これからも機械学習の分野は発展していくことが確実視されており、その中心でTensorFlowが活用されるでしょう。この記事からTensorFlowに興味を持っていただけたら幸いです。

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。

また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。

参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました

記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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