この記事では、WebデザイナーとUIデザイナーの違いを解説します。
- UIデザイナーはWebデザイナーの一部
- Webデザインは見た目を考えるだけでなく、ユーザーの使い勝手や体験を設計することもある
- どちらも需要は高いがAIの台頭に対してプラスαのスキルは重要
- どちらか決まっていない場合はWebデザイナーから目指してみよう
UIデザイナーはWebデザイナーの一部
結論として、UIデザイナーの仕事はWebデザイナーの一部に分類されます。WebデザイナーはWeb上のユーザーから見える部分を設計する仕事の総称です。クライアントの要望に合わせて、Web上の文字や画像、ボタンなどの配置、画面遷移などをデザインします。
そのうえでUIデザイナーは、「ユーザーインターフェース(UI)」周りを整理する仕事です。ユーザーインターフェースとは、簡単に言えばWebサイトの操作性や利便性に関わる部分と捉えておけばよいでしょう。
近年はWebデザインにもユーザーの使いやすさを配慮したデザインが求められており、WebデザインはUIデザインを内包するものになってきています。
WebデザインとUIデザインの違い
WebデザインとUIデザインの違いは、次のとおりです。
Webデザイン | Webサイトやアプリの見た目・使い勝手を設計すること |
UIデザイン | ユーザーがWebサイトやアプリを快適に使えるように設計すること |
上記のように、Webデザインは画面上のフォントや画像、ボタンデザインなど「見た目の美しさ」を設計するのに対し、UIデザインはユーザーが使いやすいよう「機能性」を設計するという違いがあります。
より詳しくUIデザインを解説するならば、Homeボタンを例にあげるとわかりやすいでしょう。
ホームページは通常、画面左上の見やすい部分に「Home」ボタンが設置されているものです。実際にトップページに戻る際、無意識に画面左上周りに「Home」ボタンがないかを探す人も多いでしょう。
このようにUIデザインはユーザーが考えることなく、感覚的に操作できるようにWebサイトを設計することです。ユーザーが効率よくWebサイトを閲覧できるように、使いやすさを考えていきます。
また、近年ではWeb上でのユーザー体験「ユーザーエクスペリエンス(UX)」の重要性も高まりつつあります。ユーザーがサイトに訪問し最適なサービスを受けられれば、顧客満足度も高まって売上アップにもつながるからです。
具体的には求人サイトの「年収査定診断」や金融サイトの「ローン返済シミュレーション」など、ユーザーにとって有益な仕掛けや仕組みがあるサイトはUXが高いといえるでしょう。
Webデザイナーにはツールを設置したりWeb上でのサービス内容を考えたりして、ユーザー体験を設計するUXデザインという役割もあります。
役割に応じてWebデザイナーの職種は異なる
一口にWebデザイナーといっても、役割に応じて具体的な職種は異なります。
一口にWebデザイナーといっても、見た目だけでなくユーザビリティやWeb上でのサービス内容を考えるなど役割も多様です。
自分の目的や目指したい役割に合わせて、職種を選びスキルを身につけていきましょう。
また、優秀なWebデザイナーはこれら全ての役割を1人でこなせるスキルも持ち合わせているものです。活躍できるWebデザイナーになるには、見た目だけに捉われず使い勝手や体験なども考えられることが大切です。
挫折しないか不安な人はスクールもおすすめ
WebデザイナーとUIデザイナーのどちらを目指すにせよ、独学で必要なスキルが身につけられるか不安な人もいますよね。
独学でWebデザインを学習すると、不明点が解消しにくく学習を挫折してしまう可能性が高くなります。また、挫折しなかったとしても、不明点をそのままに学習を終えるので、実務レベルに達していないままWebデザイナーに転職してしまう危険性もあります。
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場合によっては転職サポートや転職支援も受けられるので、一人でWebデザイナーを目指すよりも転職の成功率を高められるでしょう。
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WebデザイナーとUIデザイナーの違い
ここからは、次のトピック別で、WebデザイナーとUIデザイナーの違いを解説します。
仕事内容
仕事内容 | |
Webデザイナー | クライアントのイメージ通りにWebサイトやWebサービスをデザインする |
UIデザイナー | ユーザーが快適かつ直感的に目的を達成できるサイトやアプリの設計 |
Webデザイナーはクライアントからの要望を受けて、WebサイトやWebサービスの見た目を整える仕事です。クライアントのWebサイトの枠組みを作り、コンセプトや雰囲気に合った画像やフォントの設置などを行います。ときにはHTML/CSSなどの言語も使用して、コーディングを行うケースもあります。
一方、UIデザイナーはユーザー側の視点に立って、Webサイトの操作性や利便性をデザインします。ユーザーから見て使いやすいようなボタンデザインや配置、文字の大きさや画面遷移などを考える仕事です。
あくまでユーザーが快適に利用できるWebサイトを作っていくため、顧客要望とUIが相反するときはクライアント側を説得する場合もあります。
初任給・平均年収
WebデザイナーとUIデザイナーの平均年収は、UIデザイナーの方が高いです。求人ボックスの情報によると、Webデザイナーの平均年収は430万円、UIデザイナーの平均年収は605万円です。
WebデザイナーよりUIデザイナーの方が年収が高い理由として、より高いスキルレベルが求められることがあげられます。Webデザイナーは見た目周りに関する設定のみを担当しますが、UIデザイナーはよりユーザーフレンドリーなサイト設計が必要です。
ボタンの配置や画面遷移を細かく設定するだけでなく、効果的なアニメーションの設置などを通じて、ユーザーが使いやすいと感じるサイト作成を目指します。
ユーザー視点に立ってWebサイトを見た場合、デザインにのみこだわったサイトよりも、実際の利便性や使いやすさが整っているサイトの方が長期的に利用したいと思うでしょう。
例えばECサイトなどで購入までのステップがわかりにくいサイトは、どれだけ見た目がかっこよくても効率的に売上を立てにくいです。一方UIに優れているECサイトの場合は多くのユーザーが効率的に商品を購入できる分、売上も立てやすくなります。
このようにUIデザイナーのスキルは利益に直結するため、より高い報酬が設定されているのです。
求められるスキル
求められるスキル | |
Webデザイナー | ・Photoshop、Illustrator ・HTML・CSS・JavaScript等を使ったコーディングスキル ・コミュニケーション能力 |
UIデザイナー | ・Photoshop、Sketch、Illustrator ・Adobe XD、Figma ・サイトやアプリの使い心地を客観的に分析・改善する力 ・顧客折衝スキル |
Webデザイナーは主にWebサイトの見た目に関するスキルが求められます。PhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトのスキルやHTML/CSSといったフロントエンドスキルの習得が必要です。
仕事を進めるうえではクライアントから要望を丁寧にヒアリングしたり、制作チームで協力したりすることも必要不可欠なのでコミュニケーション能力も重要でしょう。
一方でUIデザイナーの場合はデザインスキルに加えて、Webサイトやアプリを客観的に分析する力が求められます。ユーザーのWebサイト内での行動を元に問題点を解決したり、実際にユーザー視点で使ってみたりして改善していくことが必要です。
また、Webサイト制作では顧客の要望とユーザーの利便性が一致しないケースもあります。例えば、ユーザーのサイト訪問時に宣伝として動画を流しているが、動画が長すぎるためにユーザーが離脱してしまうなどが該当します。
このようなケースはたとえクライアント要望であっても、サイト全体の利益を考えてUIを優先すべきです。クライアントに事情を説明して納得してもらう顧客折衝のスキルも重要になるでしょう。
需要・将来性
将来性 | |
Webデザイナー | プラスαのスキルが必要 |
UIデザイナー | UXとともに将来性は高い |
WebデザイナーとUIデザイナーの将来性は一概に断言できませんが、あえて比較するのであればUIデザイナーの方が高いといえます。
Webデザイナーは需要自体は高い職種です。事実、総務省がまとめた「令和5年版 情報通信白書」によるとWebデザインスキルが多く使われるWeb広告業界はここ10年余りで大きく成長しています。
今後もこの流れは続くと予想されるため、Webデザイナーの需要は今後も高まると考えられるでしょう。
しかし、一方で生成AIなどWebデザイナーに頼らないWeb制作技術が伸長しつつあるのも事実です。
簡易的なWebサイトなどは生成AIを上手に使えれば作れてしまうため、初歩的なスキルしか持っていないWebデザイナーは稼ぎにくくなる可能性が高いです。
一方、UIデザイナーは人の目線に立ってWebサイトをデザインしていくため、AIなどに取って代わられる可能性が低いでしょう。
さらにいえば、人間の感情や体験に関わる事柄はAIの苦手分野でもあるため、UXデザインスキルなども身につければより安定して活躍し続けられます。
キャリアパス
キャリアパス | |
Webデザイナー | ・Webディレクター ・システムエンジニア ・フリーランスWebデザイナー |
UIデザイナー | ・UI/UXのスペシャリスト ・フロントエンドエンジニア ・フリーランスUIデザイナー |
Webデザイナーのキャリアパスとしては、Webディレクターなどの管理側ポジションになる選択肢があります。Webデザイン自体の需要も高く、現在のスキルの延長線上にあるため現実的なキャリアパスといえるでしょう。
また、バックエンドスキルも磨いてシステムエンジニアにキャリアチェンジする方法もあります。バックエンドスキルとはPHPやJavaなどのサーバーサイドとやり取りを行うプログラミングスキルです。
専門的なスキルが必要になりますが身につけられれば、より深いシステム開発に携われます。Webデザイナーは多くの場合、すでにHTML/CSSやJavascriptを習得しているためスムーズに学習を進められるでしょう。
UIデザイナーの場合は、UXデザインも習得してスペシャリストとしてキャリアアップしていく方法があげられます。UIだけでなくユーザー体験の設計まで行えれば、引く手あまたの人材も目指せます。
さらにHTML/CSSなどのフロントエンドスキルを身につけて、フロントエンドエンジニアに転身するのもおすすめです。UIやUXを考えられるフロントエンドエンジニアはユーザーにとって最適なシステム設計が行えるため、即戦力として活躍できるでしょう。
最後に、WebデザイナーやUIデザイナーとして経験がある場合は、独立する方法もおすすめです。フリーランスとして独立できれば、収入や労働時間も自由に設定できます。その分全責任を自分で持つ必要がありますが、単価と仕事量によっては今よりも大幅に収入を増やすことも可能です。
働きがい
働きがい | |
Webデザイナー | ・手に職がつく ・デザイン作りが楽しい |
UIデザイナー | ・ユーザーの満足度に直結する ・売上の変化などがわかりやすい |
Webデザイナーの働きがいは手に職をつけられる点です。Webデザイン業界は技術やトレンドの移り変わりが激しいものの、HTMLやCSSなどの基礎的な部分は大きく変わりません。
一度身につけばWeb制作のあらゆる場で役立てられ、新しい技術を身につける際にも応用できます。
また、絵やモノづくりが好きな人はデザインしているだけでも楽しいと感じられるでしょう。自分が作ったものが世の中に残るので達成感も得やすく、成果としての実感も湧きやすいです。
UIデザイナーの働きがいは、自分の仕事が顧客満足度に直結する点があげられます。UIデザイナーは手腕によって、Webサイト全体の評価が変わるため責任は重大です。
しかしその分、UIの向上が売上などの変化に現われやすく、数字として成果を残せる魅力があります。自分のスキルによってビジネスを大きく軌道に乗せることができた際には、大きな喜びを感じられるでしょう。
適性
向いている人の特徴 | |
Webデザイナー | ・モノ作りが好き ・好奇心旺盛 ・こだわりが強い |
UIデザイナー | ・幅広い視野に立てる ・自分からコミュニケーションが取れる ・細かい作業が好き |
Webデザイナーに必要な適性としてまずあげられるのが、モノ作りが好きなことです。WebデザインはWebサイトの見た目をデザインして作成する仕事なので、モノ作りを楽しめない場合は仕事自体がつまらないものに感じてしまうでしょう。
また、Web業界は新しいスキルや技術がどんどん出てくるため、好奇心が旺盛であることも重要です。好奇心旺盛であれば自分自身でどんどん最新技術の学習を進めて、柔軟に対応していけます。
プログラミングやマーケティングに関する知識も身につければ、デザイン以外にも気を配れる市場価値の高いWebデザイナーに成長できるでしょう。
UIデザイナーの場合は、何よりも広い視野に立って物事を考えられる適性が必要です。一口にユーザーといってもニーズには様々なものがあるため、広い視野に立てる人でなければ多くのユーザーが満足できるサービスは作れません。
さらにユーザーとクライアント双方が納得するシステムを作るためには、顧客折衝やWebデザイナーへの協力を求めるなど高いコミュニケーション能力も重要です。
周りの人に寄り添った行動が取れたりしっかりコミュニケーションが取れたりする人は、UIデザイナーの適性が高いといえます。
未経験からの目指しやすさ
未経験からの目指しやすさ | |
Webデザイナー | 十分可能 |
UIデザイナー | 十分可能だがUXデザインも学ぶのがおすすめ |
WebデザイナーとUIデザイナーはどちらも未経験から十分目指せます。事実、求人ボックスにて未経験求人を検索するとそれぞれ次のような結果となります。
上記のとおりどちらも1万件を超える求人数があるため、未経験であってもやる気や向上心があれば十分転職可能です。
ただし、UIデザイナーの場合はUXデザイナーも兼ねて採用しているケースが多いため、UIデザインだけでなくUXデザインについても学習しておくのがおすすめです。
WebデザイナーとUIデザイナーはどちらを目指すべき?
WebデザイナーとUIデザイナーはどちらも魅力的な仕事なので、自分の興味関心に合わせて決めるのがおすすめです。しかし、決まっていないのであれば、まずはWebデザイナーを目指すのがよいでしょう。
Webデザイナーのスキルは、種類に限らずWebデザインに関わる全ての職種に必要です。HTML/CSSなどを使って見た目を整える作業やPhotoshopなどのデザインツールの使用方法は、Webデザイナーを経験し、身につけておいて損はないでしょう。
また、Webデザイナーとして基礎を学んでおけば、UI/UXデザイナーへの転身も効率的に行えます。UI/UXデザイナーの未経験求人の中には、次のようにPhotoshopなどのWebデザインの基礎が身についている前提で募集をかけているケースもあるからです。
Webデザイナーとしての経験があれば、たとえUIデザインが未経験でも幅広い求人に応募できる可能性があるでしょう。
なお、ここまで記事を読み「WebデザイナーとUIデザイナーのどちらも向いていないのではないか…」「どんな職種が自分にあうのかわからない…」などと感じた人は、弊社の「ITキャリア診断」をお試しください。
かかる時間は1分ほど。5つの質問に答えるだけで、上画像のようなあなたにあう職種を診断してもらえます。自分にどんな職種があうかわからない人は、ぜひ一度お試しください。
まとめ
今回はWebデザイナーとUIデザイナーの違いについて解説しました。
どちらもWebデザインに関わる仕事ではあるものの、仕事内容や求められるスキル・適性に違いがあります。
ぜひ自分に合う方を選んで、やりがいのある仕事と出会いましょう。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
株式会社SAMURAI
情報系の大学を卒業後、HR関連のサービスを複数展開する事業会社に勤務。コミュニケーションデザイン領域のデザイナーを4年ほど務め、LPやバナーデザインの制作、コーディング等を経験。現在は株式会社SAMURAIでWebデザイナーとして、バナーデザイン制作やLP改善、Instagram運用等に従事。