この記事では、Pythonを使うメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
プログラミング言語ランキングで、常に上位にランクインするPython。その注目度は年々高まっています。これからPythonを学ぼうと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、Pythonの特徴を把握せずに学習を始めてしまうと、「作りたいものが作れなかった!」といったことになりかねません。
そこでこの記事では、Pythonのメリットやデメリット・できることなどを初心者の方でも分かるよう簡潔にまとめました。
この記事を読んで、Python学習があなたにとって本当に最善であるのかを確認してみてください。
- コードの読みやすさやライブラリが豊富な点はPythonの大きなメリット
- 実行速度が遅いケースのある点はPythonのデメリット
- Python学習はできること・できないことを把握したうえで判断しよう
Pythonのメリット5つ
さっそく、Pythonのメリットを5つにまとめて解説します。
メリット1:コードが読みやすい
先程も少し述べましたが、Pythonはコードが短く、非常に読みやすい言語です。
プログラミング言語の多くは、基本となるアルゴリズムと関係のないコードを大量に書き込まないと動作しないのがほとんどです。しかし、Pythonの場合は、こういった関係のないコードが少ないんです。
そのため、初心者でも理解がしやすく、学習を勧めやすいといったメリットがあります。実際にレッスンの基礎で用いられる「Hello,World」を表示するプログラムを作って、人気言語「Java」と比較してみましょう。
Javaで「Hello,World」を表示する場合は、以下の構文になります。
public class Main { public static void main(String[] args) { //Hello Worldを表示する System.out.println("Hello World"); } }
一方、Pythonの場合は以下のような構文になります。
print("Hello World")
Pythonのほうが短文でプログラムを作れることがひと目でわかりますね。このように短文でプログラムを書くことができるのはPython最大のメリットといえます。
Pythonで「HelloWorld」を表示させる詳しい方法についてはこちらの記事を参照してください。
メリット2:コンパイルが不要
一般的にプログラムを実行するためには、インタプリタとコンパイラの2種類があります。
インタプリタはプログラム実行時にソースを読み込むため、コンパイルする必要がなく、コーディング直後にプログラムを実行できます。
コンパイラは、コーディング後にコンパイルという準備作業を行い、実行ファイルを作成します。作成した実行ファイルを読み込むことでプログラムを実行します。
コンパイル作業は、実行までに大量のエラーが発生することが多く、時間を要します。そのため、初心者には少しハードルが高いと言えるでしょう。
Pythonはインタプリタ言語のため、コンパイルの必要がなく、コーディングだけでプログラムを実行できるので、初心者でも扱いやすいです。
メリット3:ライブラリが豊富
Pythonは、ライブラリがとても充実しています。目的に合わせて最適なライブラリを使用することで、プログラミングをより効率的に進めることができるのは大きなメリットです。
後述いたしますが、Pythonのデメリットである処理速度の遅さを、ライブラリを使用することによって改善することができます。
AI分野に特化した物など、様々な種類のライブラリがあります。Pythonが多種多様な現場で活用されているのは、ライブラリが充実していることによる影響が大きいでしょう。
また、「Python=AI分野」という認識の方がいらっしゃいますが、PythonはAI専用のプログラミング言語というわけではありません。多彩なライブラリを活用することでアプリ開発やゲーム開発など様々なシステムを開発することができます。
なお、IT企業への転職や副業での収入獲得を見据え、独学でPythonを習得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
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メリット4:AI開発に重宝できる
AI開発で重宝できる点も、Pythonのメリットです。
前述した通り、Pythonのライブラリは統計処理やAI開発に活用されています。特に機械学習ライブラリが豊富であるため、AI開発で利用されやすいプログラミング言語です。
ライブラリを活用することで、特定の機能を一からコーディングする必要がなくなるため、コーディング時間を大幅に短縮することができます。
ほかにも、企業や大学の研究発表などもPythonで公開されることが多いため、開発者が参考にしやすいという特徴があります。
メリット5:汎用性が高い
汎用性が高い点も、Pythonのメリットです。
データ分析やWeb開発はもちろん、どのOSでも稼働することから開発環境を選ばずに活用できるという特徴があります。ほかにも、モジュールやAPIなどの拡張が柔軟に行えます。
Pythonを活用した事例なども多くインターネット上で紹介されているため、実施したい事項を調べるとアイデアがもらえるのでおすすめです。
Pythonのデメリット3つ
メリットに続き、ここからはPythonのデメリットを3つにまとめて解説します。
デメリット1:実行速度が遅い
Pythonはインタプリタ言語のなかでも特に実行速度が遅い言語と言われています。そのため、企業向けの基幹システムなどには不向きであり、実際に導入事例もほとんどありません。
Pythonの実行速度が遅い要因としては、
- GIL(グローバルインタプリタロック)
- インタプリタ言語
- 動的型付き言語
この3つが挙げられます。なかでも動的型付けの言語であるということが大きく、多様性に対応するために、速度を犠牲にせざるを得なかったといったところでしょうか。
このことから、処理速度の早さが求められるシステムや高度なゲーム開発などにはPythonは不向きと言えます。
デメリット2:インデントが必須
Pythonはインデントで文のブロックを表現するので、必ずインデントが必要となります。インデントとは、行頭に空白を入れてから、文字を入れて、字下げを行う事を指します。
簡単な例を挙げると、
# a=b=1 # True # a=1;b=2 # False if a == b: print('a') print('b') else: print('a not equals b')
aとbの値が等しいとき、出力結果は以下のようになります。
a b
a == bがTrueのとき、if文の次の行から始まる「インデントが一つ下がった2行」が実行されます。このように、pythonでは括弧を使わずにインデントで処理をグループ化してまとめなければなりません。
そのため、他のオブジェクト指向言語に比べて若干動作が遅く感じてしまうこともありえます。
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デメリット3:日本語の参考サイトが少ない
日本語の参考サイトが少ない点は、Pythonのデメリットです。
Pythonの公式ドキュメントは、日本語訳のページが少ないです。そのため、最新機能やリリース情報など、日本語で確認できないため、英語が苦手な人にはハードルが高いと感じるでしょう。
また、社員教育のためのトレーニング資料も日本語サポートがされていないことが多いため、プログラミングスクールを頼る必要があります。ただし、日本国内でも急速にPythonの活用が行われているため、日本語サポートの拡大が期待できます。
Pythonでできること・できないこと
ここからは、Pythonでできること・できないことをそれぞれ紹介します。
Pythonでできること
ここまでPythonのメリット・デメリットをご紹介してきました。それらを踏まえたうえでPythonがどんなことを得意としており、何ができるのかをご紹介いたします。
Pythonは先程に少し述べたとおり、多種多様なジャンルで活躍することができます。
具体的には、
- 機械学習を使った人工知能の開発
- 自動データ処理や分析などの業務効率化
- スクレイピングによるWEB上の画像データ・テキストデータの自動収集
- WEBサービス・WEBアプリケーション制作
- スマホアプリ(Android)制作
- デスクトップアプリ制作
- 組み込みアプリケーション制作
- フィンテック・ブロックチェーン技術の開発
といった分野の開発を行うことが可能です。AIやブロックチェーンなど最近話題の技術も開発できるので、その需要は非常に高いといえるでしょう。
こちらの記事では、さらに詳しくPythonでできることを解説しています。Pythonをより深く知りたい方はぜひ参考にしてください。
Pythonでできないこと
スマホアプリ開発やゲーム開発もPythonで開発することはできますが、適しているとは言えません。
Pythonは処理速度の遅いプログラミング言語です。スマホアプリ開発ならSwiftやJava・Kotlinといった言語のほうが適していますし、ゲーム開発であればC#を使って開発を行ったほうがいいでしょう。
もし、あなたの目的に対して本当にPythonが適しているのか確認したいのであれば、「プログラミングプラン診断」をご利用ください。目的に合わせて必要なプログラミング言語と簡易的な学習プランを算出いたします。
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Pythonの評判
実際にPythonを使用している方の評判も参考にしておきましょう。こちらはTwitterから生の声を引用して「良い評判」と「悪い評判」に分けてそれぞれご紹介します。
良い評判
まずは良い評判から見ていきましょう。
上記のようになんでもできるというオールラウンダーぶりから「便利だ」という評判が非常に目立ちます。
また、近年話題の機械学習に使える言語なのでとても注目度は高いようです。
悪い評判
続いて、以下がPythonの悪い評判です。
こちらはPython特有の仕様に難しさや使いづらさを覚える評判が目立つ印象です。そのためか、プログラミング初心者の方にとっては学習が難しいと感じる人が少なからず見受けられます。
より詳しくPythonの評判を知りたい方はこちらの記事でまとめているので、ぜひ参考にしてください。
Pythonは学ぶべきなのか
Pythonの将来性は明るいため、学ぶべきプログラミング言語です。なぜなら、汎用性の高いプログラミング言語であるPythonは、多くの企業の開発プロジェクトで活用されているからです。
AI学習や機械学習、データ分析など、今後のビジネスで必要不可欠な分野での活用ができるPythonは、今後の需要も期待できます。また、Pythonの特徴の一つである、シンプルな構文で初心者でも学びやすい点から、プログラミング初心者が着手しやすい言語といえます。
Pythonの現在の需要から今後の将来性について、次の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
Pythonの学んだ人の体験談
ここからは、実際にPythonを学んだ人の体験談を2つ紹介します。
データ分析の面白さを再発見した齊藤さん
入社した会社の福利厚生を活用してPythonの学習をはじめた齊藤さんは、データ分析の面白さに目覚めました。
侍エンジニアのデータサイエンスコースを24週間受講し、Pythonを用いたスクレイピングやデータ分析を学んだのちに、データ分析系企業への転職を成功させました。
齊藤さんのPython学習過程をより詳しく知りたい人は、次の記事や動画を参考にしてください。
業務の効率化を目指した佐藤さん
業務効率化を目的にプログラミング学習を始めた佐藤さんは、自分に合うスクール選びが思うようにいきませんでした。
最終的にはSAMURAIエンジニアのAIアプリコースを受講し、Pythonを用いたオリジナルアプリ開発や機械学習を学びました。
一生もののスキルを身につけられたと話す佐藤さんのPython学習過程をより詳しく知りたい人は、下の記事や動画を参考にしてください。
まとめ
Pythonには、メリットが多くあることが分かりました。
Pythonは、AIや機械学習を活用するために使用するプログラミング言語であることから、今後の需要が期待できるプログラミング言語です。
身につける方法も独学やプログラミングスクールなど、複数の選択肢があるため、自分に合った方法を選択しましょう。まずは、Pythonを身につけて転職がしたいのか、業務活用したいのかなど、目的を明確にした上で学習プランを練ってみることをおすすめします。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
Twitterより引用