Webエンジニアはきつい
Webエンジニアについて調べていると、このような意見を見たことがあることと思います。
ネット上ではWebエンジニアはきついという意見がありますが、その意見の本質を理解するにはWebエンジニアの実態や働き方を知る必要があります。
この記事では、Webエンジニアがきついといわれる理由を解説したうえで、Webエンジニアの向き不向きやきついときの対処法も解説します。
ちなみに、事前情報としてWebエンジニアの基礎知識について知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
Webエンジニアの実態ときついといわれる理由
Webエンジニアはきついといわれることもありますが、噂だけで選択肢から外してしまうのはもったいないです。
ここからは、Webエンジニアの実態ときついといわれる理由として、下記の5点を解説します。
- アジャイル開発ではスピード感が求められる
- 業務量に比べて年収が低め
- 技術の進歩が早くついていけない
- 特定のエンジニアに負担が偏りがち
- 客先常駐の可能性がある
アジャイル開発ではスピード感が求められる
Webエンジニアがきついといわれる理由に、アジャイル開発が主流である点が挙げられます。
アジャイル開発の「Agile(アジャイル)」とは、素早い開発を意味しており、企画・実装・テストといった一連の作業をスピーディーに行う開発手法です。
Web開発ではアジャイル開発が多く用いられていますが、従来の開発より早く完成させることができる反面デメリットもあり、これがWebエンジニアがきついといわれる理由のひとつになっています。
アジャイル開発は企画に時間をかけないため、開発の方向性がブレやすく途中で仕様が大きく変更になるケースもあります。仕様が変更されると修正に時間が必要ですが、納期は大きく変更できないので、Webエンジニアの労働時間が増える原因にもなりかねません。
こうした事情もあり、Webエンジニアは残業や休日出勤などが発生することもあります。スピード感を持って開発ができることはメリットである反面、実際に作業をするWebエンジニアにとっては負担がかかる部分でもあるでしょう。
業務量に比べて年収が低め
Webエンジニアは、業務量に比べて年収が低めという実態があります。
Webエンジニアといってもアプリ開発・Webサイト開発・Webサービス開発など種類は分かれていますが、全体的に業務量が多くなりがちなため、しばしば残業も発生します。
特にWeb開発では途中で仕様変更が入ることもあり、どうしても納期までに完成させるため残業が発生しやすいです。
また、労働時間が多いからといって年収が高いかというとそういうわけではありません。上記データを見ると、Webエンジニアは業務量は多いですが年収はそこまで高くなく、正社員の平均年収は573万円となっています。
これを見ると年収が高い印象があるかもしれませんが、これはあくまで平均であって最もボリュームが多い層は365~430万円となっており、日本の会社員の平均年収と比べても低い金額です。
もちろん業務量や年収は企業によって差がありますが、なかにはエンジニア不足のために長時間労働が多く休みも十分に取れない企業もあるため、Webエンジニア全体がきついと思われる原因となっています。
技術の進歩が早くついていけない
Web業界の情報や技術は日々アップデートを繰り返しており、技術の進歩の早さについていけずWebエンジニアがきついと感じる場合もあります。
Webエンジニアは、PHPやRuby、JavaScriptなどのプログラミング言語を扱う仕事ですが、このプログラミング言語もバージョンアップしたり、新しいプログラミング言語がでてきたりと変化が激しいです。
つまり、常に現場で求められている技術は変わるので、Webエンジニアはディレクターや上司から「これからは〇〇を使う開発を行うから、来月までに準備しておいて」など、急な要求を求められることもあります。
新しい技術を学習する必要があるのはどのエンジニアも同じですが、特に技術の入れ替わりが早いWeb業界で働くのがきついと感じる人も多いです。
特定のエンジニアに負担が偏りがち
Web系の開発現場では、特定のエンジニアに負担が偏る「属人化」が起こりやすく、自分の担当する仕事が完了したとしても残業が発生することがあります。
すべてのエンジニアが同じスキルを持っているわけではなく、Aさんはシステム系の開発言語(PHP)ができる、Bさんはフロントサイドの開発言語(JavaScript)ができるというふうに、人それぞれ持っているスキルがバラバラです。またエンジニアの能力も人それぞれで、ある特定の人にしかやり方が分からないこともあります。
例えば納期が迫っている開発において、Aさんにしか開発できない状態になると必然的にAさんの残業時間も増えてしまいますよね。
仕事を多く任されることにやりがいを感じる人もいると思いますが、仕事が次から次へとまわってくる環境がきついと感じる人もいるようです。
客先常駐の可能性がある
Webエンジニアは自社での開発以外に、クライアント先に常駐して業務を行うこともあります。
案件によっては数か月単位で常駐することも多く、客先での働き方やルール、人間関係に馴染むことが求められるので、環境の変化から人によってはきついと感じるでしょう。
企業によっては頻繁にクライアント先で働き、自社で働くことが少ないケースもあるため、コミュニケーションや人付き合いなどが苦手な人はきついと感じてしまう可能性があります。
働き方にストレスを感じてしまうと業務にも支障が出る可能性もあるので、客先常駐が合わない場合は対処が必要でしょう。
Webエンジニアに向いている人の特徴
Webエンジニアがきついと感じるかどうかは、向き不向きも関係します。ここからは、Webエンジニアに向いている人の特徴として下記の3点を解説します。
- 臨機応変に対応できる
- スキルアップの意識が高い
- 集中力が高い
臨機応変に対応できる
Webエンジニアは、臨機応変に対応しレベルアップできる人が向いています。Web業界の技術進歩のスピードは速く、数年前に主流だった言語が使われなくなるケースもあるくらいです。
技術の変化に対して臨機応変に対応し、新しいスキルの積極的な習得や開発方法の違いに対応できるエンジニアであれば長期的にWebエンジニアとして活躍できます。
また、臨機応変な対応は勤務先の変更でも必要です。
常駐先が変わる場合や、別プロジェクトに異動になる場合は一から人間関係を築く必要があるため、その場面に応じて立ち回ることができる人は、多くの現場で馴染むことができます。
スキルアップの意識が高い
スキルアップの意識が高い人は、Webエンジニアに向いています。
Web業界は技術の進歩が速く常に新しい知識や技術を学習する必要があるため、自主的にスキルアップのために学習する意欲や習慣のある人が有利です。
今現在使用している言語やツールのスキルを向上させるだけでなく、新しい言語や開発分野を学習することで長期的に活躍できます。現状に満足するのではなく、常に成長したいというマインドを持っている人はWebエンジニアに向いているといえますね。
集中力が高い
Webエンジニアは長時間コーディングを行うことが多いので、集中力が長く続く人は活躍しやすいです。
Webエンジニアがきついといわれている理由でも解説しましたが、仕事柄どうしても長時間労働や残業などが発生しやすく、そんな中でもミスなく仕事をするには集中力が欠かせません。また集中してプログラミングができればコードの質も上がるので、自社やクライアントに評価してもらいやすいです。
集中力を鍛えるのは簡単ではありませんが、適度に休憩を挟むなど自分なりの調整方法を見つけると良いですね。
Webエンジニアに向いていない人の特徴
Webエンジニアには、残念ながら向いていない人も存在します。ここからは、Webエンジニアに向いていない人の特徴として下記の3点を解説します。
- 長時間の作業が苦手
- 試行錯誤が苦手
- 新しい技術の学習意欲が薄い
長時間の作業が苦手
Webエンジニアは長時間プログラミングをすることが多いため、長時間の作業が苦手な人は向いていないといえます。
企業にもよりますが、残業や休日出勤などが発生する可能性があります。長時間働いた場合でも、成果物をしっかりと作成しなければいけません。
なかには長時間働くのが苦手な人や集中力が切れがちな人もいるので、そうした人はWebエンジニアに向いていないもしくは働き方を変える必要があるでしょう。
試行錯誤が苦手
Webエンジニアは試行錯誤しながらコーディングを行うことが多いので、試行錯誤が苦手でできるだけ1回で問題を解決したい人はあまり向いていません。
Web開発をしているとエラーが発生してその解決に手間取ったり、実装したい機能がうまく実装できていなかったりすることもあります。こうしたときに建設的に解決策を試行錯誤できる人なら良いですが、やる気が低下したりストレスを感じたりするのであれば向いていないと判断できます。
Webエンジニアに限ったことではありませんが、エンジニアにとっては試行錯誤が苦手だと厳しいといえますね。
新しい技術の学習意欲が薄い
Webエンジニアとして長期間活躍するには新しい技術を習得しながら成長しないといけないので、新しい技術への学習意欲が薄い人は向いていません。
Webエンジニアは業務内でスキルアップできる面もありますが、一方で新しい言語や知識は自主学習で身につけなければいけない部分が多いです。
Webエンジニアが実際にどんな自主学習をしているかという話は、巷にはあまり出てこないのでイメージがわかないかもしれませんが、IT技術関連雑誌などから技術面の知識を入手したり、新しい言語学習を書籍で学習したりして知識やスキルを深めています。
こうした学習が苦手であれば、長期的に活躍するのは難しいですね。
Webエンジニアがきついかどうかは適性次第
ここまでWebエンジニアがきつい理由とWebエンジニアに不向きなタイプを説明しましたが、誰もがきついわけではなく、きついかどうかは適性次第といえます。
Webエンジニアに向いている人であれば問題なく活躍できますし、逆に向いていなければきついと感じる可能性があります。
また、Webエンジニアの働き方は事前に情報収集もできるので、自分には向いていないと感じるのであれば他のエンジニアや他の職種を検討した方が良いです。どんな仕事にも向き不向きはあるので、冷静に分析して判断してみてください。
Webエンジニアがきついときの対処法
自分がWebエンジニアに向いているかどうか冷静に考えた結果、Webエンジニアがきついと感じる人もいると思います。
こうした状態で継続して働いても精神的・肉体的にもきついままなので、解決するためには何らかの対処をする必要があるでしょう。
ここからは、Webエンジニアがきついときの対処法として下記の3点を解説します。
- 今の企業を辞めて転職する
- 自社開発企業に転職する
- フリーランスになる
今の企業を辞めて転職する
Webエンジニアがきついときの選択肢として、今の企業を辞めて転職する方法があります。きついなかで働いていてもストレスになりますし、自分の成長も難しいので早めに判断して転職するのも1つの手です。
転職を検討するときはきついと感じたポイントによって選択肢が異なります。主に下記の選択肢があるので、自分の現状に合わせて選択するのがおすすめです。
- Webエンジニア自体がきつい場合
- 労働環境に不満がある場合
Webエンジニア自体がきつい場合は、他の職種のエンジニアとして転職する選択肢と、別業界でエンジニア以外の仕事を目指す選択肢があります。
他のエンジニアになるならスキル習得が必要ですし、別業界で働く場合もその業界の知識は学ぶ必要がありますが、Webエンジニア時代に培ったIT知識などは活かせるはずです。
一方、労働時間や休日などに不満がある場合は転職するのがおすすめです。Webエンジニアが働ける企業は1つではないので自分に合う企業を探してみてください。
企業探しは転職求人サイトを利用するのが一般的ですが、転職求人サイトでは残業の有無や休日の取り方、客先常駐の有無が分かる場合もあるのでうまく活用すると良いです。
自社開発企業に転職する
Webエンジニアとして客先常駐で働くのがきついのであれば、自社開発を行っている企業に転職する選択肢もあります。自社開発企業は自社内に必要なシステムや自社サービスを開発しているため、自社内でシステム開発をすることが可能です。
プロジェクトによってメンバーが変わることはありますが、客先常駐のように極端に人間関係がリセットされることがないので働きやすいです。
また客先常駐だと担当できる仕事が限られますが、自社開発企業では責任ある仕事を担当することもできるし、できる仕事の幅も広がるので経験を積む意味でもメリットがあります。
フリーランスになる
企業の環境が合わず高いスキルを持っているのであれば、独立してフリーランスになる選択肢もあります。
Webエンジニアはフリーランスとして独立しやすい職種で、自宅でも開発環境を整えやすいです。案件もクラウドソーシング・フリーランス向け求人サイトなどに豊富に紹介されているので、営業力と行動力があれば獲得できます。
ただし、フリーランスの場合は安定して案件を獲得しないと収入が途絶えることになりますし、マネジメント業務も自分でしないといけない点は注意が必要です。
収入が会社員より増える可能性もあるので、スキルが高ければフリーランスも検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ここまで解説してきたように、Webエンジニアがきついと言われるポイントはいくつかあり、それは本人の適性次第で変わります。また、きついなと感じた際は転職やフリーランスとして独立するなどいくつか選択肢はありますが、今のきつい状態を抜け出したい一心で急ぎすぎてしまった場合、後悔するケースもあります。
これを避けるためにも、現在の自分のスキルや適正、キャリアプランを確認した上で慎重に判断するのがおすすめです。
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この記事のおさらい
職種柄労働時間が長くなったり、常駐先が変更になったりすることもあり人によってはきついと感じることもあります。ただ適性によるので、Webエンジニアが合っていれば逆にやりがいを感じることもできます。
Webエンジニアがきついと感じたら、我慢しすぎずに対処する必要があります。WebエンジニアだけでなくIT業界の働き方に不満があれば別業界への転職、企業に不満があるならWebエンジニアとして別企業に転職を考えると良いです。