機械学習のためのPythonを学べる本【エンジニアが本気で選んだ15冊】

機械学習における代表的な言語として、Pythonが注目されています。

身近でもAIが活用されている製品・サービスが増えているため、機械学習のためにPythonを学んでみたいという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、機械学習におけるPythonを学べる学習本を厳選して15冊紹介します。初心者向けからプログラミング経験者向け、画像認識、機械学習ライブラリのscikit-learn(サイキット・ラーン)を学びたい人向けまで、カテゴリーに分けて紹介していくので、自分のレベル合わせて選びましょう。

この記事の要約
  • 初心者には「実践力を身につける Pythonの教科書」がおすすめ
  • 「はじめてのディープラーニング」は一定の知識をもつ中級者向け
  • 実践スキルを磨くなら「Python実践機械学習システム100本ノック」がおすすめ
目次

機械学習のPythonを学べる学習本一覧

この記事で紹介する、機械学習に関連してPythonを学べる本一覧です。下記表の左側5つのカテゴリーに分けて紹介していきます。

カテゴリータイトル
入門者向けPythonで動かして学ぶ!あたらしい機械学習の教科書 第2版 (AI & TECHNOLOGY)
実践力を身につける Pythonの教科書
機械学習のエッセンス -実装しながら学ぶPython,数学,アルゴリズム- (Machine Learning)
機械学習スタートアップシリーズ Pythonで学ぶ強化学習 入門から実践まで
中級者向けはじめてのディープラーニング -Pythonで学ぶニューラルネットワークとバックプロパゲーション
RとPythonで学ぶ[実践的]データサイエンス&機械学習【増補改訂版】
PythonとKerasによるディープラーニング
上級者向け[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 (impress top gear)
Python実践機械学習システム100本ノック
ゼロから作るDeep Learning Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
画像認識今すぐ試したい! 機械学習・深層学習(ディープラーニング) 画像認識プログラミングレシピ
Pythonで学ぶ実践画像・音声処理入門
OpenCVによる画像処理入門 改訂第2版 (KS情報科学専門書)
scikit-learnPythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎
scikit-learnとTensorFlowによる実践機械学習

まったくの未経験者向けの学習本から、高校~大学レベルの数学は理解している人、Pythonの基礎は理解している人向けなど、幅広く紹介します。

【入門】 機械学習のPythonを学べるおすすめの学習本

まずは機械学習やPython、プログラミング自体未経験の人でも手に取りやすい、入門者向けの学習本を紹介します。

Pythonで動かして学ぶ!あたらしい機械学習の教科書 第2版 (AI & TECHNOLOGY)

侍エンジニア編集部コメント

機械学習の基礎を学びたいと思っている、理工学生やエンジニア向けの参考書です。

近年は、AI(人工知能)を搭載したサービス・アプリ・製品が随時リリースされるようになってきました。

AI(人工知能)の開発に、機械学習に関する知識は欠かせないものです。この本は、実際に機械学習の基礎部分をPythonでプログラムしながら学習できる構成になっています。

とくに第7章、8章の「ニューラルネットワーク・ディープラーニング」は、AI(人工知能)において重要な部分になるので、よく学んでおきましょう。

実践力を身につける Pythonの教科書

侍エンジニア編集部コメント

全体の内容としては、初心者から中級者までおすすめできる、まさにPythonの「教科書」といえる一冊です。

前半はPythonのインストールや開発環境の構築からはじまり、サンプルコードを用いて文法も分かりやすく解説されています。プログラムが動作する楽しさを体験できる構成です。

後半に入るとより本格的なPythonのプログラミング学習となり、実践編・応用編ではWebアプリ開発や機械学習についても作例を見ながら学べます。

機械学習のエッセンス -実装しながら学ぶPython,数学,アルゴリズム- (Machine Learning)

侍エンジニア編集部コメント

機械学習におけるいくつかのアルゴリズムを、初心者でも実装できるようにすることを目標にしている参考書です。機械学習の応用力と問題解決のスキルが身につけられます。

これから機械学習を始めたいと思っている入門者の方から、機械学習の業務に関わっているエンジニアの方にもおすすめできる参考書です。Pythonを使った機械学習に必要とされる数学についても、丁寧に解説されています。

機械学習スタートアップシリーズ Pythonで学ぶ強化学習 入門から実践まで

侍エンジニア編集部コメント

機械学習の概要から実践まで解説され、体系的に学べます。深層強化学習についても詳しく解説されているため、機械学習の中でもとくに強化学習を学びたい方におすすめです。

難しい数式ばかりではなく、イラストも交えながら説明されているので、初心者の方でも取っつきやすい内容です。丁寧に解説されているので、強化学習の勉強で行き詰った時の助けにもなるでしょう。

【中級】 機械学習のPythonを学べるおすすめの学習本

機械学習やPythonについて少しだけ学んだことがある人や、他のプログラミング言語経験者におすすめの、中級者向け学習本を紹介します。

はじめてのディープラーニング -Pythonで学ぶニューラルネットワークとバックプロパゲーション

侍エンジニア編集部コメント

ディープラーニングでベースとなるニューラルネットと、そのアルゴリズム・バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)について解説された本です。

入門者や文系エンジニアでもわかるように、ディープラーニングに必要な数学の基礎やPythonの基礎についても説明されています。

ただし数学の知識がまったくないと難しい部分もあるので、ある程度数学の知識が付いた上で読むのがおすすめです。

RとPythonで学ぶ[実践的]データサイエンス&機械学習【増補改訂版】

侍エンジニア編集部コメント

統計的なモデリングやモデルを作る手順など、現場の臨場感を重視した、より実践的な内容を学べる本です。RとPythonを使ってデータからモデルを作成する具体的な方法についても解説されています。

機械学習について理解を深めたい方はもちろん、膨大なビッグデータの分析を担当する「データサイエティスト」を目指している方にもおすすめです。

PythonとKerasによるディープラーニング

侍エンジニア編集部コメント

ディープラーニングのライブラリ・Kerasの開発者の一人が書いた、Kerasを用いて機械学習をしていく内容の本です。数式をあまり使わずPythonのコードで実践していくので、数学が苦手な人でも手に取りやすいでしょう。

サンプルコードも豊富なので、実践して試しながら勉強できます。その分、Pythonの基礎がないと難しいので、Pythonを学んだ中級者向けの内容です。

【上級】機械学習のPythonを学べるおすすめの学習本

Pythonの基礎ができている人や数学の基礎ができている人、機械学習についてより理解を深めたい人におすすめの、上級者向け学習本を紹介します。

[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 (impress top gear)

侍エンジニア編集部コメント

機械学習に対する理解レベルをさらにあげたい方にとって、有益な情報が詰まっている技術書です。

基礎的な内容からディープラーニング、強化学習など機械学習全般をカバーし、本格的なPythonコーディングの実践と結びつけています。

式展開について丁寧に解説されているため、その点は数学が弱いという方の助け舟になるでしょう。機械学習を本格的に理解・実践するのに欠かせない一冊です。

Python実践機械学習システム100本ノック

侍エンジニア編集部コメント

実際の現場を想定して作られた100問の例題を時進めていく内容の本です。

例題にはそれぞれ「あなたの状況」と「前提条件」が決められ、それをどう解決するか考えながら取り組むことで実践的な力が身につきます。

内容的には初心者向けですが、一から学べる入門書ではありません。ある程度学んだ後に、実際に手を動かしながら学習したい人向けの実践書です。

ゼロから作るDeep Learning Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

侍エンジニア編集部コメント

Pythonでプログラムを組みながら、ディープラーニングの基礎を初歩から学べます。外部のライブラリやフレームワークに頼らず、ゼロから組んでいくのがこの本のポイント。

「どういう仕組みで動いているか」が理解できるので、他の学習本では不明瞭だった部分も見えてスッキリするでしょう。

基礎から解説されていますが、数学とPythonの基礎がわかっていたほうがスムーズに進められます。

【画像認識】機械学習のPythonを学べるおすすめの学習本

機械学習の中でも、とくに画像認識を重点的に学べる学習本を紹介します。ほかの言語の経験者で、これから機械学習について勉強したいという人にもおすすめです。

今すぐ試したい! 機械学習・深層学習(ディープラーニング) 画像認識プログラミングレシピ

侍エンジニア編集部コメント

深層学習の中でも画像認識に重点を置いて解説された、画像認識の入門書です。写真や図を豊富に使って解説されているので、難しい数式が苦手という人でも手に取りやすいでしょう。

完全初心者の人には難しい内容ですが、プログラミング経験者で「機械学習・深層学習について学びたい」という人におすすめです。

Pythonで学ぶ実践画像・音声処理入門

侍エンジニア編集部コメント

Pythonで画像と音声処理について学べる本です。データ構造の基礎的な内容から、信号がどのように扱われているか、実際にどういう処理が行われているかを解説しています。

Pythonでの音声処理が書かれている本は多くないので、画像認識と合わせて学べるのは珍しいですね。

高校~大学レベルの数学の基礎やPythonの基礎はできる前提で書かれているので、それらを学んでから挑戦しましょう。

OpenCVによる画像処理入門 改訂第2版 (KS情報科学専門書)

侍エンジニア編集部コメント

C言語、C++、Pythonの、3つの言語に対応した画像処理の基礎が学べる本です。画像処理のアルゴリズムについて詳しく解説されているため、内部でどのような処理が行われているかを理解できます。

また独学で勉強している人でもわかりやすいように、環境構築からカメラのセットアップなど、細かく手順を載せているのもポイント。OpenCVを用いたプログラムが書かれ、利用方法が説明されています。

【scikit-learn】機械学習のPythonを学べるおすすめの学習本

Pythonにおける機械学習の代表的なライブラリである、scikit-learnが学べる学習本を紹介します。

scikit-learnは簡単に利用できるので、これから機械学習をはじめたいという人におすすめのライブラリです。

Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎

侍エンジニア編集部コメント

Pythonによる機械学習の基礎から、より高度な予測モデル構築の鍵になる「特徴量エンジニアリング」と「モデルの評価と改善」についても解説されている本です。

scikit-learnを使った機械学習の手順を、分かりやすく一歩ずつ進むように説明してくれています。入門者には少し難しい内容ですが、Pythonを学習した方におすすめできる機械学習の定番書ともいえる一冊です。

scikit-learnとTensorFlowによる実践機械学習

侍エンジニア編集部コメント

機械学習を使ったプロジェクトの流れについて説明されていて、仕事の中でどのように使っていけばいいかを学べる本です。例題が出され、それに対してどのように問題解決するかを考えながら、体系的に学習を進められます。

ニューラルネットワークの構築や強化学習・深層学習、TensorFlowの分散処理の実装まで書かれており、充実した内容です。

機械学習のPython入門書を選ぶポイント

機械学習のPython入門書を選ぶポイント

Pythonを使って機械学習を学ぶ際、適切な入門書を選ぶことは非常に重要です。初心者から上級者まで、それぞれのレベルや学習目的に合った本を選ぶことで、効率的にスキルを身につけられます。

ここからは初心者向けの本の選び方や実践的な学習方法を詳しく説明します。

それぞれ詳しく解説していきます。

初心者向けの本を選ぶコツ

初心者向けの本を選ぶ際には、まずPythonの基本的な文法や使い方が詳しく解説されているかを確認することが大切です。

多くの初心者は、基礎がしっかりしていないと途中でつまずく可能性があるため、最初はできるだけシンプルな内容の本を選びましょう。特に、コードの例が少なくとも理解しやすいものを選ぶことが重要です。図解やフローチャートを用いて、視覚的に情報を整理している本も学習に役立ちます。

また、基本から応用まで順を追ってステップアップできる内容だと、学習の進捗を実感しやすく、モチベーションの維持につながります。さらに、理解が深まるまで読み進めるペースを調整できるのも書籍学習の大きな利点です。

そのため、自分のペースに合わせた教材選びが、初心者にとって成功のカギとなります。

実践的なサンプルコードが豊富な本を選ぶ

Pythonを使った機械学習では、理論だけでなく実際にコードを書いて動かすことが不可欠です。そのため、実践的なサンプルコードが多く含まれている本は特におすすめです

サンプルコードが豊富な本では、読者が自分で手を動かしながら進めることで、理論の理解が深まります。また、コードを実際に動かす過程で、学んだ知識をどう応用すればよいのかを体感できます。

実装の過程でエラーが出た場合でも、その対処方法が解説されている本だとさらに効果的です。実際の問題解決やデータ処理の方法を示すサンプルコードが豊富な本は、学習の質を大幅に向上させます。

特に、自分のプロジェクトに活用できるサンプルコードがあると、実務にもすぐに応用できる点が魅力です。コードの書き方だけでなく、どういったシチュエーションでそのコードを使うのかについての説明もあると、理解が深まります。

このような実践的な要素が豊富な本を選ぶことで、学習をより効果的に進められます。

評判やレビューを参考にする

本を選ぶ際には、評判やレビューを参考にすることも重要です。

実際にその本を読んだ人の意見は、学習の難易度や内容の充実度を判断する手助けとなります。オンライン書店や専門の書評サイトでは、ユーザーの評価やコメントを確認できるため、自分の目的に合った本かどうかの目安にできるのでおすすめです。

特に、同じく初心者の読者が書いたレビューは、どの部分が難しかったのか、どのように役立ったのかが分かるため、非常に参考になります。また、著者のバックグラウンドや、その本がどのバージョンのPythonやライブラリに対応しているかも確認しておきましょう。

技術の進歩が速い分野では、最新の情報を扱っている本が重要になるため、評判やレビューを活用して、適切な本を選び取ることが成功のポイントです。信頼できる著者や出版社から出されている本は、質の高い内容が期待できるため、そういった面も重視しましょう。

機械学習のPythonを本で効率よく学習する方法

機械学習のPythonを本で効率よく学習する方法

Pythonを使った機械学習の学習を効率よく進めるためには、いくつかの工夫が必要です。

ここからは、目的に合った本を選び、学習を進めるための具体的な方法を紹介します。

それぞれ詳しく解説していきます。

学習目的に合った本を選ぶ

本を選ぶ際には、最初に自分の学習目的を明確にすることが大切です。

たとえば、Pythonの基礎を学びたい場合と、具体的な機械学習アルゴリズムを実装したい場合とでは、適した本が異なります。目的に応じて、入門書から応用書まで段階を踏んで学ぶことが効果的です

また、具体的なプロジェクトや実務に役立つ本を選ぶことで、実践的なスキルを身につけやすくなります。自分の学習ペースや理解度に合わせて、無理のない範囲で進めることがポイントです。

加えて、途中で投げ出さないよう、飽きない工夫が施された本や、興味を引きやすい内容を含むものも選びましょう。

最終的には、自分がどのようなスキルを身につけたいのかを明確にし、それに合った本を選ぶことが、効率的な学習を実現するための第一歩となります。

読書と実装を並行して進める

Pythonでの機械学習の学習では、ただ本を読むだけでは不十分です。学んだ理論をすぐに実際のコードで試してみることが非常に重要です

本を読んで理解した内容を、そのまま実際のコードに落とし込むことで、知識が定着しやすくなります。理論を理解しただけで満足するのではなく、読書と並行して実装を進めることで、実際にその理論がどのように動作するのかを体感できます。

特に、コードを書いて動かす際にエラーやバグが発生した場合、その原因を調査し解決する過程も非常に学びが多い傾向です。これにより、単なる理論理解にとどまらず、実際に役立つスキルとして身につけられます。

また、本によっては、章ごとに課題や演習が設けられているものもあるため、それを活用しながら学習を進めると効果的です。学習を進めながら、実際のプロジェクトや自分の興味のある分野に関連するプログラムを書いてみることも、モチベーションの向上につながります。

定期的に復習しながら進める

本での学習を効果的に進めるためには、定期的な復習が欠かせません。

一度読んで理解したつもりでも、時間が経つと忘れてしまうことが多いため、定期的に復習を行うことが重要です。特に、難しい概念やアルゴリズムは、何度も見直して再確認することで、理解がより深まります。

復習を効率的に行うために、学習した内容をノートにまとめたり、簡単なコードを書き直してみたりすることが有効です。また、章ごとに出題される練習問題や演習を繰り返し解くことで、自分の理解度を確認しながら進められます。

定期的な復習をすることで、学習内容が自然に記憶に定着し、実際のプロジェクトや実務で役立つ知識として活用できるようになります。

Pythonや機械学習は日々進化しているため、常に最新の情報を確認しつつ、自分の学びをアップデートする意識も持ち続けることが大切です。

機械学習のPythonを本で学習するメリット

機械学習のPythonを本で学習するメリット

Pythonを使った機械学習を本で学習することには、多くのメリットがあります。

ここでは、特に本による学習の優れた点を紹介します。

それぞれ詳しく解説していきます。

自分のペースで学べる

本を使って学習する最大のメリットは、自分のペースで学べるという点です。

授業やオンライン講座と違い、いつでもどこでも学習を進められるため、自分のスケジュールに合わせて無理なく学べます。特に、難しい章や概念は何度も読み返したり、時間をかけて理解を深めたりできるのが書籍学習の強みです。

他の学習方法では、進行が速すぎたり遅すぎたりしてペースが合わないこともありますが、書籍の場合は自分の理解度に応じて調整可能です。また、通勤や通学の時間を利用して学ぶこともできるため、隙間時間を有効活用できます。

学習時間や場所にとらわれず、自由に進められる点が書籍学習の大きなメリットと言えるでしょう。

深く理解できる内容が多い

本で学習すると、機械学習の理論やアルゴリズムについて深く理解できる内容が多いのもメリットです。

特に、入門書ではなく、専門的な解説書や応用書では、単なる概要説明に留まらず、具体的な原理や応用方法まで詳しく解説されています。また、書籍では段階的に内容が進んでいくため、最初に学んだ基礎知識をもとにして、より高度な内容へとステップアップできる構成が一般的です。

こうした体系的なアプローチにより、単に暗記するのではなく、理解を伴った学習が可能になります。図解や具体例を通じて複雑な概念をわかりやすく説明している本も多く、初心者でも理解しやすいよう工夫されています。

深く掘り下げて学びたい場合は、専門書を選び、しっかりとした基礎固めをしながら進めていきましょう。

実装に必要な知識が体系的に学べる

本を使った学習では、実装に必要な知識を体系的に学べます

Webやオンラインリソースでは断片的な情報が多く、全体の流れをつかむのが難しいことがあります。しかし、書籍では最初から順を追って説明されるため、学んだ内容がつながりやすく、結果的に効率的な学習が可能です。

また、各章ごとに実装に必要な理論やアルゴリズムがまとめられており、順番に学ぶことで理解が深まります。特に、機械学習のような複雑な分野では、基礎知識から応用までをしっかり網羅している本を使うことで、プロジェクトをスムーズに進めるための全体像をとらえることが可能です。

このように、理論と実装が連動して説明されている本は、知識の定着と実際の活用に大きな効果を発揮します。

機械学習のPythonを本で学習するデメリット

機械学習のPythonを本で学習するデメリット

一方で、機械学習を本で学ぶことには、いくつかのデメリットも存在します。

ここでは、そのデメリットについても説明します。

それぞれ詳しく解説していきます。

理解に時間がかかる場合がある

機械学習を本で学ぶ際のデメリットとして、理解に時間がかかることが挙げられます。

本による学習は、基礎から応用まで順を追って進められる利点がある反面、テキストだけでは概念を完全に理解するのが難しい場合もあります。特に、初心者の場合は専門用語や技術的な概念が多いため、進捗が遅く感じることも多いでしょう

さらに、プログラミングにおいては、実際に手を動かしながら学習することが重要です。しかし、本の内容が理論中心の場合、実際にコードを書いて動かすまでの道のりが長く感じることがあります。

これにより、学習のモチベーションが低下し、学びを進めるのが難しくなることもあります。そのため、難しい内容に出会った場合は、一度に理解しようとせず、時間をかけて少しずつ進めるのが効果的です。

他のリソース、たとえばオンライン講座や動画チュートリアルなどと組み合わせて、理解を補完する方法も有効です。これにより、視覚的・体感的に学ぶことで、効率的に理解を深められるでしょう。

実際の実装に移すまでのハードルが高い

機械学習の理論を本で学んだ後、実際にコードを実装するまでのハードルが高いと感じることも多いでしょう。

特に初心者にとって、機械学習アルゴリズムを理解しても、それをどうやってPythonでコードに落とし込むかが大きな課題となります。書籍では理論が中心に説明されることが多く、具体的なコード例が少ない場合や、説明が不足している場合もあります。

その結果、読者は本を参考にしながら自分でコードを書き始める段階で、何をどう実装すべきか迷ってしまいがちです。理論と実装のギャップを埋めるには、実践的な課題に取り組む必要がありますが、それには時間と労力がかかることが少なくありません

書籍だけではその部分をカバーしきれないこともあるため、他の参考資料やオンラインコミュニティの助けを借りながら進めることが推奨されます。さらに、書籍によってはPythonの基本的な使い方に詳しくない場合もあるため、機械学習以前にPythonのスキル不足が学習の妨げになることもあります。

学習を効率化するために、コード例が豊富な本を選ぶ、またはプロジェクトベースで学習できる教材を利用することが有効です。

最新の情報が手に入りにくい

機械学習の分野は日進月歩で進化しているため、本を使った学習では最新の情報を入手しにくいというデメリットがあります。

特に、技術書は執筆から出版までに時間がかかるため、書かれた時点では最新だった内容が、出版後にはすでに古くなってしまうことがあります。そのため、本を学習の基礎として使いつつも、最新の技術動向についてはインターネットや専門のウェブサイトで補完することが重要です

特に、Pythonのバージョンや主要な機械学習ライブラリであるTensorFlowやPyTorchのアップデート情報を常にチェックしておくと、最新の技術を効率的に取り入れられます。また、オープンソースのコミュニティでは、新しいアルゴリズムや技術が日々開発されており、そうした最新情報を本だけで把握するのは難しいのが実情です。

そのため、GitHubやArXivなどのオープンな情報源を活用しながら学習を進めると、より実践的で最新の知識を得られます。

ただし、基本的な理論や概念に関しては、本でしっかり学んでおくことが重要です。その上で、最新の情報やツールを使いこなすことで、より効率的かつ効果的な学習が可能になります。

まとめ 

AIは身近なところでも使われるようになり、機械学習の分野はさらに広がっています。AI関連のプロジェクトに参加するため、機械学習やPythonを学びたいという方も増えるでしょう。

なんとなく難しそうに感じる分野ですが、まずはここで紹介した初心者向けの本から勉強をはじめてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

目次