ネットワークエンジニアのキャリアパスが知りたい
ネットワークエンジニアからキャリアアップする方法が知りたい
ネットワークエンジニアをしている方や、これから目指す方はこのように思う方もいるでしょう。
この記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容やキャリアを選ぶ手順を解説したうえで、総合職系・専門職系に分けてキャリアパスをご紹介します。併せてキャリアアップ方法も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事内容は、主に以下の5つです。
- 要件定義
- 設計
- システム構築
- システム運用
- システム保守
エンジニアというと、プログラミング言語を扱いシステム開発を行うイメージがありますが、ネットワークエンジニアは上流工程である要件定義や設計業務も担当します。
要件定義は、クライアントからの要望を明確にする工程です。特にネットワークエンジニアは、システムを稼働させるためにどのような種類のサーバーやPCが必要か?スペックの調査、見積もりなどを行う場合もあります。
一方、設計は要件定義を元に実際のシステム開発の設計書を作成する工程で、ネットワークや回線などの設計を記した基本設計とさらに詳細な内容を記した詳細設計があります。
それ以外にも、ネットワークエンジニアは保守・運用業務もあるため、幅広い経験と知識が求められる職種です。詳しい仕事内容については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ネットワークエンジニアが知っておくべきキャリアを選ぶ手順
ネットワークエンジニアがキャリアパスを考える前に、まずはキャリアを選ぶ手順を知っておくことが大切です。
ここからは、ネットワークエンジニアのキャリアを選ぶ手順として、以下の3つを解説します。
- 自分の適性を知る
- 将来の目標やキャリアプランを検討する
- 総合職系か専門職系か選ぶ
それでは見ていきましょう。
自分の適性を知る
ネットワークエンジニアに限らず、キャリアを選択する際には自分の適性に合ったものを選択するのが大切です。
自分に合ったキャリアとは、自分の強みや得意なことを活かせて、その業務にやりがいや意欲を感じられる職種のこと。自分の適性を理解して自分に合ったキャリアを選ぶことができれば、スキルアップや活躍もしやすいです。
将来の目標やキャリアプランを検討する
自分の適性が分かったら、その内容を元に将来の目標やキャリアプランを決めましょう。
「将来的にどんなエンジニアになりたいのか」「どんなところにこだわりを持って働きたいのか」を考えたうえでキャリアプランを検討してみてください。
目標やキャリアプランを元にキャリアを選択することで、最終的に後悔がない選択ができます。
総合職系か専門職系か選ぶ
キャリアの方向性が決まったら、次は総合職系キャリアと専門職系キャリアのどちらに進むか決めましょう。
総合職系キャリアはゼネラリスト系といわれることもあり、簡単にいうと幅広い知識を持ったエンジニアのことでインフラ系エンジニアやマネジメント職が当てはまります。
専門職系キャリアはスペシャリスト系ともいわれ、ネットワークの専門家として設計から運用まで関わるエンジニアのことです。
どちらを選ぶかで将来的なキャリアの選択肢が決まるので、しっかり考えて選ぶ必要があります。
【総合職系】ネットワークエンジニアの職種別キャリアパス
ネットワークエンジニアのキャリアチェンジ先に、総合職系エンジニアがあります。
総合職系はゼネラリスト系ともいわれ、ネットワークやインフラなどの開発スキルから設計・企画など幅広い知識が求められる人材のことです。
ここからは、ネットワークエンジニアの総合職系キャリアパスとして以下の5つをご紹介します。
- インフラエンジニア
- クラウドエンジニア
- プロジェクトマネージャ
- ITコンサルタント
- フルスタックエンジニア
インフラ全般を専門に担当【インフラエンジニア】
インフラエンジニアは文字通りインフラシステムを担うエンジニアで、ネットワークエンジニアと関係性が強い職種です。
仕事内容はネットワーク・サーバー・OSなどの設計・開発から運用まで担当。ネットワークの知識はもちろん、サーバーやセキュリティに関する専門知識も必須です。
インフラエンジニアであればネットワークエンジニアで培ったネットワークの知識も活かせるので、キャリアパスとして選びやすいでしょう。
インフラエンジニアに関しては、以下の記事でネットワークエンジニアと比較して解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
クラウドを活用した開発を担当【クラウドエンジニア】
クラウドエンジニアは、インフラのなかでもクラウドを用いた開発に特化したエンジニア。クラウドサーバーやクラウドストレージなどの環境構築、クラウド環境の保守・運用などを行います。
システムのクラウド化の知識やサーバー・ネットワークの知識などが求められる職種で、Amazonが提供する「AWS」などクラウドサービスの知識も必要です。
クラウドの需要が高まっているなかでクラウドエンジニアの需要も増えています。クラウドエンジニアに関しては、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
プロジェクトの管理職【プロジェクトマネージャ】
プロジェクトマネージャはシステム開発における責任者で、マネジメント業務を行う管理職。システム開発のスケジュール管理やクライアントともやり取りなども行います。
プロジェクトマネージャはシステム開発に直接携わるというより、マネジメント面から関わる職種でシステム開発のスキル以外にもスケジュール管理力やコミュニケーション力なども必要です。
ネットワークエンジニアとして、上流工程・下流工程ともにしっかり経験を積んだうえで目指すべき職種といえます。
ITシステムの提案をする【ITコンサルタント】
ITコンサルタントは総合職系のなかでも少し異なっており、エンジニアではなくコンサルティングがメインの仕事です。クライアントから困っていることや改善したい課題を聞き取り、ITシステムを使って解決するためにコンサルティングを行います。
ITコンサルタントの場合、必ずしもプログラミングスキルが必須というわけではありません。
ただシステム開発に精通していれば、その分クライアントへの説明時などに説得力がでます。また、ITシステムに精通していれば、クライアントに必要なITシステムを的確にアドバイスできるため、ネットワークエンジニアからのキャリアパスにおすすめです。
ちなみに、ITコンサルタントにはシステム開発の理解以外にもマネジメント力やコミュニケーション力、プレゼンテーション力なども必要です。
エンジニアと違い、クライアントと関わることが多いので、幅広い知識と社会人力が求められます。
複数分野に詳しい【フルスタックエンジニア】
フルスタックエンジニアはシステムの要件定義から開発、保守まで一貫して行えるエンジニアのこと。そのため、複数分野の知識に精通している必要があります。
例えば、ネットワークエンジニアとしてネットワークに関する知識を深めた後、設計やコーディングなどシステム開発のスキルを習得すれば、フルスタックエンジニアになることも難しくありません。
フルスタックエンジニアはベンチャー企業を中心に需要も高まっているので、ぜひ挑戦してみてください。
ちなみに、フルスタックエンジニアに関しては以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【専門職系】ネットワークエンジニアの職種別キャリアパス
続いては専門職系のキャリアパスをご紹介します。
ここからは、ネットワークエンジニアのキャリアパスになる専門職系の職種として以下のの3種類を解説していきます。
- セキュリティエンジニア
- テクニカルサポートエンジニア
- ネットワークスペシャリスト
セキュリティを専門に担当【セキュリティエンジニア】
セキュリティエンジニアは文字通り情報セキュリティに特化したエンジニアで、ITシステムのセキュリティ面を担うスペシャリストです。
企業の多くでITシステムが導入されていますが、システムで管理するデータをしっかり保護するためにもセキュリティ対策は必須。そんななかで、サイバー攻撃やウイルス対策などができるセキュリティエンジニアの需要は高いです。
セキュリティエンジニアには、ネットワークやインフラ全般の知識はもちろん、セキュリティ対策やリスクマネジメントに関するスキルも必要です。企業のデータを保護する仕事なので責任重大ですが、その分需要は高い職種でもあります。
セキュリティエンジニアについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
特定の製品に特化【テクニカルサポートエンジニア】
テクニカルサポートエンジニアは、CiscoやJuniperなど特定製品に特化した知識やスキルを持つエンジニアのこと。「製品エンジニア」ともいわれ、特定の製品に関する扱い方や技術的な問い合わせに対応するスキルが求められます。
テクニカルサポートエンジニアはSlerや機器ベンダーで重宝されており、ネットワークの知識以外にもコミュニケーション力も必要です。
ネットワーク関連業務に特化【ネットワークスペシャリスト】
ネットワークスペシャリストはネットワークに関する業務を極めたエンジニアで、ネットワークエンジニアの上位互換です。
ネットワークの固有技術や技術動向の知識、企画から運用までの開発経験などネットワークエンジニアとして働く上で必要な知識やスキルを極める必要があります。
またネットワークスペシャリストの場合、エンジニアと違いシステム開発以外に企画や要件定義、設計書作成など上流工程に関わることも多いです。ネットワークに関するスキル以外にも、マネジメント力やコミュニケーション力も求められます。
ネットワークエンジニアがキャリアアップする方法
ここまでネットワークエンジニアのキャリアパスをご紹介しましたが、具体的なキャリアアップ方法が気になった方もいるでしょう。
そこでここからは、ネットワークエンジニアがキャリアアップする方法として
- ネットワークの運用保守など下流工程を経験する
- ネットワーク系の資格を取得する
- ネットワークの設計・構築など上流工程を経験する
について解説していきます。
ネットワークの運用保守など下流工程を経験する
ネットワークエンジニアからキャリアアップするためには、まず運用保守など下流工程を経験する必要があります。
ネットワークエンジニアは最初に保守・運用業務を担当することが多いので、まずはシステムの仕組みやエラーの修正方法などを学びましょう。
ある程度保守・運用の経験をし実績ができれば、次はシステム開発に参加するはずです。システム開発の現場では、プログラミングスキルやシステム開発の流れを学べます。
下流工程は地道な工程ですが、ネットワークエンジニアになるなら重要な経験です。1~3年程度じっくり時間をかけてスキルを身につけましょう。
ネットワーク系の資格を取得する
ネットワークエンジニアからキャリアアップするには、ネットワーク系の資格を取得するのもおすすめです。
例えば
- 基本情報技術者資格
- 応用情報技術者資格
- ネットワークスペシャリスト資格
- シスコ技術者認定
などネットワークやIT全般の知識を身につけられる資格がおすすめです。
ネットワーク関連の資格を取得することで知識を増やしてスキルアップにつながりますし、キャリアアップする際のアピールポイントにもなります。
資格は今からでも勉強し始められるので、ぜひチャレンジしてみてください。
ネットワークの設計・構築など上流工程を経験する
ネットワークエンジニアからキャリアアップするには、ネットワークの設計・構築など上流工程を経験する必要があります。
ネットワークエンジニアとして下流工程を経験し実績を積み上げた後は、ネットワークの設計や構築業務など上流工程を経験して流れを理解しましょう。
上流工程を経験していると、スケジュール管理などのマネジメントスキルやクライアント・管理者とのコミュニケーションスキルなども身につきます。また、設計工程を経験することで、よりネットワークの仕組みを理解し開発に活かせるようになるのでキャリアアップにも役立つはずです。
ネットワークエンジニアからさらにキャリアアップしたい方は、積極的に上流工程を経験するようにしましょう。
まとめ
今回は、ネットワークエンジニアのキャリアパスについて解説しました。
おさらいしておくと、ネットワークエンジニアのキャリアパスは総合職系でいうと以下の5つが選択肢に。
- インフラエンジニア
- クラウドエンジニア
- プロジェクトマネージャ
- ITコンサルタント
- フルスタックエンジニア
専門職でいうと以下の3つがキャリアパスになり得ます。
- セキュリティエンジニア
- テクニカルサポートエンジニア
- ネットワークスペシャリスト
どのキャリアを選ぶかは、自分の目標や得意なことを分析したうえで自分に合ったキャリアを選択してくださいね。
①自分の適性を知る、②将来の目標やキャリアプランを検討する、③総合職系か専門職系か選ぶ、の3つが大切です。
総合職系ならインフラエンジニアやクラウドエンジニア、専門職系ならセキュリティエンジニアやテクニカルサポートエンジニア等があります。
①ネットワークの運用保守など下流工程を経験すること、②基本情報技術者資格や応用情報技術者資格などの資格を取得すること、③ネットワークの設計・構築など上流工程を経験する、等の方法を検討しましょう。