海外で働くブリッジシステムエンジニアに必要な5つのスキル


海外で生活をしながら働きたい!
海外ではどんな仕事があって、どんなスキルが必要なんだろう?

海外での生活、仕事に興味を持たれている方は多くいますが、実際に海外へ転職したことのある方、海外で仕事をしたことのある方は少ないかもしれません。

近年ではベトナムやフィリピンなど、日本国外で業務経験がない方でもビザが取りやすい国も多く、海外への転職がしやすい状況となっています。

この記事ではシステムエンジニアが海外で仕事をするにあたっておすすめの職種、ブリッジシステムエンジニアについてご紹介します。

目次

ブリッジシステムエンジニアとは?

画像:Shutterstock

海外の企業と仕事をしたことがない方にはあまり馴染みがないブリッジシステムエンジニアですが、その名の通りクライアントと自社の架け橋(ブリッジ)となることを役割とした職種です。

特に日本国内の企業との取引が多い場合、クライアントから日本語で共有された情報を、外国人の現地メンバーへと翻訳しつつ共有したりなど、社内や社外とのコミュニケーションが重要となります。

ブリッジシステムエンジニアの仕事内容

ブリッジシステムエンジニアの仕事内容は大きく分けて3つあります。

ブリッジシステムエンジニアは一般的なシステムエンジニアと違い、開発よりコミュニケーション部分などで「滞りなく開発が進むこと」を実現する能力が重要視される傾向にあります。

  • クライアントが希望する要求、仕事の進め方を自社内で共有、実践する
  • 仕様やドキュメントなどの情報を自社内で共有する
  • 自社のアウトプットがクライアントの要求を満たしているか品質保証する

そのため「技術力には自信があるけどコミュニケーション能力はあまり……」という方は少し苦戦されるかもしれません。逆に技術力は低めでも、コミュニケーションやタスクの調整スキルに長けている場合はブリッジシステムエンジニアに適していると言えます。

ブリッジシステムエンジニアの平均年収

ブリッジシステムエンジニアの平均年収は幅があり、大体450万円~850万円ほどと言われています。ブリッジシステムエンジニアは日本国外での勤務が一般的なため、勤務する国の物価や平均収入などによっても年収が変動します。

海外に支社がある日系企業や日本と仕事をしている海外の企業は非常に多くあるため、ブリッジシステムエンジニアの求人は数多くあり、平均年収にばらつきはあるものの、安定している職種となっています。

ブリッジシステムエンジニアに求められる5つのスキル

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ブリッジシステムエンジニアとして働くにあたって、必須とも言えるスキルが5つあります。日本でシステムエンジニアとして働く上ではあまり重要視されていないスキルもありますが、ブリッジシステムエンジニアの求人に応募する際はこれらのスキルが非常に重要となります。

言語能力

ブリッジシステムエンジニアは前提として日本と海外という2つの異なる環境の橋渡しをするため、両者の会社が使用している言語に精通している必要があります。基本的に英語力が必須となることが多く、企業によっては現地の公用語でのコミュニケーションを要求されることもあります。

社内共通言語が英語の場合でも、現地の公用語を話せるかどうかで社内メンバーとのコミュニケーションの質が大きく変わるため、現地の公用語を話せる場合は大きなメリットとなります。

コミュニケーション能力

ブリッジシステムエンジニアはクライアント、及び自社メンバーへのコミュニケーションが必要となるため、コミュニケーション能力が重要です。

日本人には日本人の、外国人にはその国の働き方や仕事の進め方の常識が存在します。ブリッジシステムエンジニアはお互いに摩擦が生じないようにコミュニケーションをとり、両者がトラブルなく働ける環境を用意する必要があります。

マネジメント能力

ブリッジシステムエンジニアは自社、そして他社との橋渡しする存在です。そのため案件の進行や自社の開発状態などを把握、管理する能力が求められます。

自社の状況を把握した上でクライアントへの提案や交渉、及び自社内での認識のすり合わせやドキュメントの管理なども求められることもあり、一般的なプロジェクトマネージャーより多くのマネジメント能力を求められることもあります。

最先端のIT知識

ブリッジシステムエンジニアはクライアントと開発内容について交渉したり、自社開発メンバーに最適な開発方針を示す必要があります。また、実装したプロダクトがクライアントの要求に過不足ないか、品質に問題ないかなどの管理も必要なため、高水準の開発力、そして技術に関する知識が必要です。

またブリッジシステムエンジニアは実際に開発に加わることもありますが、一般的にコードを書くことは少なく、開発の品質保証や進捗の管理が主な役割となります。

異文化に対する理解

先述の通りブリッジシステムエンジニアは日本と海外の企業の橋渡しをする存在です。そのため外国人メンバーとのコミュニケーションが非常に重要です。

外国人メンバーと良い関係を築き、衝突することなく一緒に働く上で異文化に対する理解が必要とです。英語や中国語などの言葉を理解するだけでなく、そのメンバーが育った国の文化や常識、そして仕事に対する価値観が日本とどう違うのかしっかりと理解しなければいけません。

ブリッジシステムエンジニアになるには?

それではブリッジシステムエンジニアになるにはどのような方法があるのでしょうか? ブリッジシステムエンジニアには実務経験や英語など、要求されるものが多々あります。

大前提として実務経験と言語スキルが必須

ブリッジシステムエンジニアは基本的に海外で働くことが多い職業です。そのため前提として仕事をする上でも、生活をする上でもある程度の言語スキルが必要となります。

また海外で働く場合はビザを発行する必要があり、そのために実務経験が必要となります。フィリピンなど実務経験がなくても働ける国も一部ありますが、基本的には一定以上の実務経験がない限りはビザの発行ができず、希望する国で働くことは難しいでしょう。

また業務的にブリッジシステムエンジニアは開発の流れやクライアントとの調整を深く理解している必要があり、能力的に実務経験がない方は難しいでしょう。そのため実務経験が無い方はまず日本国内でシステムエンジニアとして働き、実績を作ることをおすすめします。

基本的に海外で雇用されることが多い

ブリッジシステムエンジニアは日本人以外のメンバーが働いている会社で需要があるため、基本的に海外での現地採用となります。

そのため一般的な転職サービスやエージェントでは紹介できる求人が少ないケースもあります。ブリッジシステムエンジニアの求人を探す場合は海外への転職へ特化した転職サービスや、現地の転職サービスを使用することをおすすめします。

日本で探すならオフショア開発を行う企業が狙い目

海外での現地採用以外にも日本の企業と契約して、駐在員として海外に出向するというケースもあります。

オフショア開発部門がある企業には海外勤務を前提とした求人もありますので、現地採用より求人数は少なくなりますが、もし海外に行って合わないとわかった時日本に戻る方法があるため、リスクが少なめの方法となっています。

また、ベトナムのような日本より物価が安い国の場合、日本水準での給料、そして出張費が見込める駐在員の方が高い報酬が見込めます。

まとめ

システムエンジニアが海外で仕事をするにあたっておすすめの職種、ブリッジシステムエンジニアについてご紹介しました。

ブリッジシステムエンジニアは現在需要も高く、色々な国で働くチャンスもあるため、非常に魅力的な職種です。技術力やコミュニケーション能力、そして異文化への適応能力など、様々な能力が必要とされるためハードルは高めですが、海外で働きたい方や外国人と一緒に働きたい方におすすめの職種です。

近年オフショア開発の案件数が増えており、ブリッジシステムエンジニアの需要も増えています。この記事をきっかけに1人でも多くの方にブリッジシステムエンジニアに興味を持っていただければ幸いです。

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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