ネットワークエンジニアとインフラエンジニアって何が違うの…?
それぞれの仕事内容や将来性が知りたい…!
一口にエンジニアと言ってもさまざまな職種や呼称があり、実際にどんな違いがあるのかいまいち分かりにくいですよね。
今回は、「ネットワークエンジニア」と「インフラエンジニア」の2つを比較してご紹介します。
そもそもどこまで違うものなのか、なるためにはどのようなスキル・知識が必要なのか、この記事が参考になれば幸いです。
ネットワークエンジニアとは
ネットワークエンジニアの仕事内容は、主にネットワークの「要件定義」「設計・構築」「運用・保守」「監視」を行うことです。
クライアント企業で使用するネットワーク導入のためのヒアリングに始まり、実際に手を動かしてネットワーク機器の設置を行うのもネットワークエンジニアの仕事です。クライアント企業に常駐して監視・障害対応にあたることもあります。
プログラミングを使って開発をする仕事というよりも、家庭にインターネットを繋いだりWi-Fiの設定を行うような作業を、企業向けに行うイメージです。
インフラエンジニアとは
IT分野におけるインフラとは、PC・ネットワーク・サーバーなどのハードウェアや、OS・Webサーバーなどのミドルウェア、セキュリティなど、システムの基盤となる領域を指します。
インフラエンジニアの仕事は多岐に渡り、上記のネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなどもこの中に含まれます。インフラエンジニアでも分野によってはプログラミングスキルが求められる仕事もあり、より幅広い知識・スキルが必要と言えるでしょう。
ネットワークエンジニアとインフラエンジニアを比較
厳密に言えばネットワークエンジニアはインフラエンジニアに含まれる業種ではありますが、ピンポイントにネットワークエンジニアを目指すのか、より広義のインフラエンジニアを目指すのかで必要な学習や将来性も変わります。
ここでは両エンジニア職について、6つの観点から比較して見てみましょう。
平均年収で比較
第一の観点として、両者の平均年収を比較してみます。
ネットワークエンジニアの場合
ネットワークエンジニアの平均年収は、年齢・キャリアにより約370〜800万円ほどになっています。
また同じネットワークエンジニアでも管理職や資格所持者は年収アップが見込め、1000万円を超える場合もあるようです(Midworks調べ)。
インフラエンジニアの場合
インフラエンジニアの平均年収は約500万円と、日本の平均年収と比べて高めです。
またインフラエンジニアというカテゴリー自体幅広いため、業務内容やスキルによっても収入は大きく変動します。特に管理職、コンサルタント、外資系企業、金融系などでは800〜1000万円以上の高年収も見込めます。
必要言語、知識で比較
それぞれに必要なプログラミング言語や知識、その他のスキルを比較してみましょう。
ネットワークエンジニアの場合
ネットワークエンジニアの場合は、プログラミング言語を使用した開発スキルはそこまで求められません。それよりもネットワーク機器(ハードウェア)の特性に関する知識、設置・ケーブリング・メンテナンスのスキルが必要です。
また、要件定義の際はクライアントへのヒアリングスキルや、ネットワーク設計・提案能力、さらに各工程でさまざまな人員と関わるコミュニケーション能力も必要です。
インフラエンジニアの場合
インフラエンジニアで特にサーバー構築に関わる仕事で扱うことが多いOSがLinuxです。このLinuxを動かすための「シェルスクリプト」という言語を扱えることが重要になります。
加えて、近年ではインフラの構築・運用をプログラミングで自動化するニーズが高まっており、その際に使用されるのはRuby、PHP、Pythonなどの軽量プログラミング言語です。
ですのでインフラエンジニアはITインフラの知識に加え、プログラミングスキルも求められ始めています。
難易度で比較
難易度で言えば、より幅広い知識とプログラミングスキルが求められるインフラエンジニアの方が高いと言えるでしょう。
ただしネットワークエンジニアはインフラエンジニアの一種でもありますので、ネットワークエンジニアからスタートし、インフラエンジニアにキャリアチェンジ(アップ)するという方法も考えられます。
将来性で比較
ネットワークエンジニア・インフラエンジニアの将来性について重要な2つの要素が「クラウドサービス」と「自動化」です。
アマゾンウェブサービス(AWS)などのITインフラを提供するクラウドサービスの発展に伴い、自社で新規にネットワークを構築するという案件は減少傾向にあります。
加えて、先にも述べたインフラ構築・運用をプログラミングで自動化する流れもあり、自動化可能な従来仕事の需要は今後減少していく可能性があります。とはいえIT分野に関わらず、ネットワーク技術は現在さまざまな企業で必須ですから、ネットワークエンジニアの仕事が急にゼロになることはありません。
しかし将来性という観点では、プログラミングも含めた幅広い知識・スキルを持つインフラエンジニアや、トレンドにしっかりキャッチアップできるネットワークエンジニアの需要がより高まっていくと予想されます。
資格で比較
ネットワークエンジニア・インフラエンジニア、それぞれ取得しておくと良い資格を見てみましょう。
ネットワークエンジニアの資格
ネットワークエンジニアにおすすめの資格はこちらです。
- CCNA(Cisco Certified Network Associate)
- CCNP(Cisco Certified Network Professional)
- CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)
インフラエンジニアの資格
インフラエンジニアの場合は上記のネットワーク系資格に加え、サーバーエンジニア向けの資格も取得しておくのがおすすめです。
サーバーエンジニア向けの資格は以下のものがあります。
- Linux技術者認定試験「LPIC」
- Linux技術者認定試験「LinuC」
インフラエンジニアを目指す最低ラインとして、CCNAとLPICかLinuCのレベル1は取得しておきたいところです。
キャリアパスで比較
2つのエンジニア職のキャリアパスを比較して見てみましょう。
ネットワークエンジニアの場合
ネットワークエンジニアの仕事は、ネットワークの運用・保守・監視の下流工程と、要件定義・設計・構築を行う上流工程に分けられ、下流から上流工程へのキャリアアップを目指すのが一般的です。
また、さらに高次のキャリアパスとしては、高いパフォーマンスとセキュリティが求められる大規模ネットワークシステムの設計構築を行うスペシャリストや、ネットワーク案件や改善策の提案を行うコンサルタントなどがあります。
インフラエンジニアの場合
インフラエンジニアは関わる分野が幅広いため、さまざまなキャリア形成が考えられますが、主に以下の3つのキャリアパスに分けられます。
- チームリーダーやマネージャーなどの管理職
- スペシャリスト(データベース、仮想化、セキュリティなど)
- ITコンサルタント
結論:ネットワークエンジニアとインフラエンジニアはどちらがいいのか?
ここまで双方の特徴を比較してきましたが、どちらの方が優れていると断定はできません。知識やスキルの幅広さ、将来性で考えればインフラエンジニアに軍配が上がりそうですが、IT未経験の場合はネットワークエンジニアを目指す方が難易度は低いです。
ネットワークエンジニアとして働きながらプログラミングなどスキルを高め、インフラエンジニアへの転職や、サーバーサイドの案件獲得などを目指すという道筋を取ることもできます。自分の現在のレベルに合う方法を見極めるのが重要です。
まとめ
ネットワークエンジニアとインフラエンジニアについて、それぞれの仕事内容や特徴の比較をご紹介しました。
技術の更新で両エンジニアを取り巻く状況は変化しているものの、現在ほぼ全ての分野で必要な職種であることは間違いありません。すでにエンジニアへの転職を考えている方はもちろん、未経験からエンジニアを目指す方もぜひ参考にしてみてください。