この記事では、短時間で勉強するコツも交え、プログラミングの習得期間を解説します。
プログラミングの習得期間はどのくらい?
プログラミングの習得期間を短くするコツは?
国内におけるIT人材の不足が深刻化していることもあり、ITエンジニアといったプログラミングスキルがある人材の需要は増し、他の職種に比べ高い報酬を設けるケースが増えてきました。
そんななか、転職や副業での収入獲得に向けたリスキリングを目的に、プログラミングを学び始めようと考えている人は多いですよね。
ただ、実際にプログラミングスキルの習得にどれほどの時間がかかるのかイメージが湧かず、なかなか学習を始められない人もいるはず。
プログラミングの習得期間が分からないと学習計画も立てられませんし、挫折しないか不安になりますよね。
そこで今回はプログラミングの習得期間について、現役エンジニア50人を対象にした独自調査をもとに詳しく解説します。プログラミング未経験でも分かりやすい内容となっていますので、最後までお読みください。
- 実務レベルのスキル習得期間は平均15~18ヶ月
- スキル習得期間は難易度や確保できる学習時間で決まる
- 習得期間を短縮するなら独学よりスクールの利用がおすすめ
プログラミングの習得期間を決める要素とは?
プログラミングの習得期間は、さまざまな要素によって変わってきます。代表的なものは、以下4つの要素です。
- 習得するレベル
- プログラミング言語の難易度
- 学習方法
- 確保できる時間
それぞれ、順番に解説していきます。
習得するレベル
どのレベルまで習得するかによって、習得期間は変わってきます。
趣味で簡易的に使えるレベルであれば、プログラミング言語の基礎知識を押さえれば問題ないことが多いでしょう。一方仕事で使えるレベルであれば、仕様書や設計書をもとに適切なプログラミングを行えるスキルが必要です。
この場合、オリジナルのアプリやサービスを開発する実践的な学習が必要となります。基礎知識だけ習得できていても、実践学習ではエラーが発生したり、思いどおりに動かなかったりすることも少なくありません。
「仕事で使えるレベル」ではこのような問題をすべて解決しなければならないため、「趣味のレベル」よりも習得期間は長くなります。
プログラミング言語の難易度
プログラミング言語の難易度はさまざまで、選んだ言語の難易度が高いほど習得期間も長くなります。
その難易度を決める大きな要素は、「コンパイル言語」か「スクリプト言語」か、という違いです。
プログラムはコンピュータへの命令ですが、ソースコードそのままの形ではコンピュータが命令を理解できません。そのため、プログラミング言語で書かれたソースコードの実行には、コンピュータが理解できる形に翻訳する「コンパイル」という処理が必要です。
「コンパイル言語」の場合は、プログラムの検証や実行前にあらかじめプログラム全体をコンパイルする必要があります。一方の「スクリプト言語」では実行時に一行ずつ処理されるため、事前のコンパイルが不要です。
コンパイルで発生するエラーを解決せずともプログラムの動きを確認できる点で、スクリプト言語の方がより習得難易度が低い傾向があります。
以下の記事では、主要なプログラミング言語の難易度をランキング形式で紹介していますので、併せて参考にしてください。
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学習方法
学習方法は大きく分けると「独学」「スクール」の2種類が一般的ですが、独学の方が習得期間は長くなる傾向があります。
独学の場合は、発生したエラーや誤動作といった問題をすべて自分で解決する必要があり、多くの時間を費やすことになるでしょう。
スクールであればプロの講師からサポートを受けられるため、問題を早期解決できます。また、最適化されたカリキュラムが用意されているため無駄がなく、効率よく学ぶことが可能です。
とはいえ独学の方がコストを抑えやすい面もあるので、重視する内容によって学習方法を決めることをおすすめします。
独学とスクールのどちらを選ぶべきか迷った方は、以下の記事を参考にすると良いでしょう。
確保できる時間
当然ながら、より多くの時間をプログラミング学習のために確保できる方が、習得期間は短くなります。
また、学習の間隔が長いと前回の内容を忘れやすいので、ある程度まとまった時間を確保できる方がより効率的です。学生や社会人で日中に時間が確保できない方は、平日の夜や休日の時間を使って学習することになるでしょう。
平日2~3時間、休日5~10時間として週15~25時間程度は確保したいところです。
以下の記事ではプログラミングの学習時間を確保する方法を紹介していますので、こちらもご覧ください。
プログラミング基礎レベルの習得期間:1~3か月程度
簡単なプログラムを作れる基礎レベルであれば、一般的には200時間程度の学習時間が必要と言われています。
習得期間でいうと、1~3か月程度が目安です。スクールか独学かによって、習得期間は変わってきます。実際のところ、大手スクールでは1か月程度で学べるプランを最短コースとしているケースが多いです。
ただし最速で習得するためには、基礎レベルでも1ヶ月で習得するには週40~50時間程度は確保する必要があります。そのため、学習時間の確保は不可欠です。
すきま時間に独学で週15~25時間程度の勉強を想定した場合は、2~3か月程度かかるでしょう。
1〜3か月で確実にプログラミンスキルを習得したいものの、強制力が弱い点から自身で決めたスケジュール通りに学習を進められるか不安な人は、スクールを活用するのが堅実でしょう。
なお、独学でプログラミングスキルが習得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
侍エンジニアでは、現役エンジニアと学習コーチの2名体制で学習をサポートしてもらえます。
「受講生の学習完了率98%」「累計受講者数4万5,000名以上」という実績からも、侍エンジニアなら未経験からでも挫折なくプログラミングスキルを習得できますよ。
プログラミング実務レベルの習得期間:15~18か月程度
実務では仕様書や設計書をもとに複雑なプログラムを開発することになるので、基礎レベルの習得では不十分です。また、開発内容によっては複数のプログラミング言語を駆使する必要があるため、より多くの学習時間が必要となります。
SAMURAI ENGINEERでは現役エンジニア50人を対象に、エンジニアになるために要した学習時間や学習期間について、独自調査を行いました。
その結果、1日の学習時間は平均4時間24分、学習期間は平均17か月でした。
上記は全体平均であり、学習方法によって学習時間や学習期間は前後します。
総合すると、プログラミングを仕事で使えるレベルまで習得するには、15~18か月程度の習得期間が必要でしょう。
独学とスクールそれぞれについて、習得期間をご紹介します。
独学の場合
プログラミングを独学してエンジニアになった方の場合、1日の学習時間は平均3時間30分でした。これは後述のスクールよりも約2時間少なく、独学だと時間の確保が難しい傾向があると言えます。
学習期間は平均18.3か月で、こちらはスクールよりも約3か月長い結果となりました。もちろん1日の学習時間が少ないのもありますが、独学では問題解決に時間がかかりやすいことも大きな要因でしょう。
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スクールの場合
プログラミングスクールを利用してエンジニアになった方の場合、1日の学習時間は平均5時間30分でした。スクールだとモチベーションを維持しやすい分学習ペースが落ちにくく、集中的に学習できると言えます。
学習期間は平均15.1か月で、独学よりも約3か月短い結果となりました。より多くの学習時間を確保できたことに加えて、問題解決がスムーズにできることや無駄のないカリキュラムで効率的に学べることも要因でしょう。
独学でプログラミング習得期間を短くするコツは?
コストを抑えたいなどの理由で、プログラミングを独学で習得したいと考えている方も多いですよね。
独学でプログラミングの習得期間を短くするコツは、次の5つがあります。
- 目的を明確にする
- 効率的な学習方法を把握する
- 問題点や不明点はQ&Aサイトで早期解決する
- 計画に沿って継続的に学習する
- モチベーションを維持させる
ひとつずつ順番に解説していきます。
目的を明確にする
プログラミング習得自体が目的になってしまうと、モチベーションが低下したり方向性を見失ったりしやすくなります。
プログラミングを習得した先に何をやりたいのか、目的を明確にしましょう。
目的がはっきりすると、それを達成するには何を学ぶべきなのかも明確になります。結果として遠回りな学習を防げるので、習得期間を短縮することが可能です。
たとえば「WordPressを自在にカスタマイズする」が目的なら、WordPressのカスタマイズを調べればHTML・CSS・PHPの学習が必要と分かります。さらに各言語の役割や重要性も把握できるので、学習の時間配分も考えやすくなるでしょう。
効率的な学習方法を把握する
目的が決まったら、どのようなことを学べば良いかも明確になります。
独学の習得期間を短縮するためには、効率的な学習方法を把握することが大切です。
学習本や学習サイトによって、それぞれ学べるプログラミング言語は異なります。習得したい言語を学習する方法はどのようなものがあるか把握して、より自分に合った手段を選択しましょう。
また、目的達成をダイレクトに見据えた学習方法を選択するのも効果的です。前章のWordPressの例では、WordPressカスタマイズ専門の本や学習サイトなどを使うことで、無駄なくピンポイントに勉強できます。
効率的な学習方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
問題点や不明点はQ&Aサイトで早期解決する
プログラミングの実践学習ではエラーが発生したり、実現方法が分からなかったりすることも少なくありません。
このような問題点や不明点をすべて自力で解決するためには多くの時間が必要となり、最悪の場合は挫折してしまいます。
独学で発生した問題点や不明点は、Q&Aサイトを利用して早期解決すると良いでしょう。多くのQ&Aサイトは無料で質問でき、答えの分かるエンジニアがいれば回答してくれます。
以下の記事ではおすすめQ&Aサイトを5つ紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
計画に沿って継続的に学習する
プログラミング言語の習得には多くの時間を要するので、根気よく学習を継続することが重要です。無計画にペースを上げすぎると息切れしやすく、モチベーション低下の要因となります。
継続的に学習するためには、無理のない学習計画を立てて一定のペースを保つようにするのが賢明です。その際、決まった曜日や時間帯に学習時間を確保することで、プログラミング学習を習慣化できます。
以下の記事ではプログラミング学習を継続させるコツを紹介していますので、ぜひお読みください。
モチベーションを維持させる
学習計画を立てても、モチベーションが低下すると計画どおりに学習しなくなってしまいがちです。学習ペースが下がって習得期間が長くなるばかりか、挫折してしまうかもしれません。
よって、学習時間を安定的に確保するにはモチベーション維持が鍵です。
先ほどご紹介した目的の明確化もモチベーション維持には効果的ですが、それ以外のコツとしては以下の2つが挙げられます。
- SNSで学習仲間を見つける
- ゲーム感覚で学べるサービスを利用する
学習仲間がいると孤独を感じにくい上に良い刺激をもらえるので、SNSで探してみると良いでしょう。最近ではゲーム感覚でプログラミングを学べるサービスもあり、飽きっぽい性格の方におすすめです。
以下の記事ではプログラミングの独学でモチベーションを維持させる方法を7つ紹介していますので、こちらも参考にしてください。
最短でプログラミングを習得するならスクールへ
独学でもコツを押さえれば習得期間を短縮できますが、最速で習得するならやはりスクールがおすすめです。スクールであればプロの講師が教えてくれるので問題を早期解決でき、実践的なスキルがしっかり身に付きます。
弊社「侍エンジニア」はマンツーマン指導が特徴のスクールで、オリジナルアプリの開発を通して仕事に役立つスキルを習得可能です。
無料カウンセリングがオンラインで受けられるので、プログラミングを最速で習得したい方はぜひご利用ください。
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今回はプログラミングの習得期間について、次の4点をご紹介しました。
- プログラミングの習得期間を決める要素
- プログラミング基礎レベルの習得期間
- プログラミング実務レベルの習得期間
- 独学でプログラミング習得期間を短くするコツ
独学とスクール、いずれの方法にせよプログラミング習得には長い期間が必要となります。今回の内容を参考にして、少しでもプログラミング習得期間を短縮できるよう工夫すると良いでしょう。
この記事のおさらい
基礎レベルだと1~3か月程度、実務レベルだと15~18か月程度が目安です。
「習得するレベル」「プログラミング言語の難易度」「学習方法」「確保できる時間」の4つが大きな要素です。
「目的を明確にする」「効率的な学習方法を把握する」「問題点や不明点はQu0026Aサイトで早期解決する」「計画に沿って継続的に学習する」「モチベーションを維持させる」の5つをおすすめします。
参考文献
- 文部科学省「プログラミング教育」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト 「jobtag」
- IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「DX白書2023」
- 経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」「IT人材育成の状況等について」「IT人材需給に関する調査」
- 松尾研究室「生成AI時代の人材育成」
- 厚生労働省「開発した教育訓練プログラム」
- プログラミング教育の問題と対策
- プログラミングの本質的難しさと 日本語/英語プログラミング言語の比較検討
- TIOBE Index
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
株式会社SAMURAI
独学でプログラミング学習を始めるも挫折。プログラミングスクール「SAMURAI ENGINEER」を受講し、Web制作を学ぶ。副業でWeb制作を行いつつ、「初心者がプログラミングで挫折しないためのコンテンツ制作」をモットーにWebライターとして侍エンジニアブログ編集部に従事。