ITの資格には様々なものがあります。取得に向けて情報収集中の方や、すでに勉強している方も多いでしょう。
今回はプログラミングの資格である「日商プログラミング検定」と「 ジュニアプログラミング検定」について特徴などを解説していきます。
プログラミングを勉強する意義
プログラミング教育は小学校でも始まっています。プログラミング教育というと、すべてIT業界で役立つような勉強のように思えますが、実際にはそればかりではありません。
時代に合わせて自然と高まってきたプログラミングの知識の必要性はなんでしょうか。なぜ、プログラミングを勉強するのでしょうか。
幅広い能力が身に付く
プログラミングの基礎知識を学ぶことは、プログラマーになるためだけでなく仕事や作業の組み立てかたを学ぶことにつながります。
他覚的な視点から現実的な方法を探し出し、できるだけコストをかけずに仕上げる方法の模索、その間のコミュニケーションスキルなどを学ぶことができるのです。
つまり、パソコン能力だけでなく幅広い能力が身につくことで今現在プログラミングを勉強することが重要視されているのです。
日商プログラミング検定とは
日商プログラミング検定の目的は、IT人材を育成することです。しかし、実際にIT業界にいる方だけが対象というわけではありません。
どんな職業でも、またコミュニケーションスキルなどの観点からも必要性が高まっているのです。日商プログラミング検定は、間口を広く、できるだけ多くの対象者に受験できるような検定になっています。検定の特徴をみてみましょう。
商工会議所の検定試験
日商プログラミング検定は、インターネット試験となっています。(ただし、試験日は各試験会場で決定されます)
もともと商工会議所の検定試験は、簿記・日商ビジネス英語などもビジネス実務に即使えるような内容で評価が高く、即戦力を求める企業側も仕事に役立てたい受験者側にも評価の高いものでした。その商工会議所で2019年1月からプログラミング検定も始まりました。詳細を見てみましょう。
日商プログラミング検定の特徴
日商の検定といえば、簿記なども名前の知れた検定です。持っている価値も感じられ興味もわくでしょう。日商プログラミング検定には、4つの特徴があります。
できるだけ対象者を多く、窓口を広く、しかし実際に戦力になることも考えたレベル分けなど、日商プログラミング検定の特徴をご紹介します。
日商プログラミング検定の特徴1:小学生をはじめ幅広い対象
現在、一見ITとは関連のない仕事であっても、ある程度のパソコンスキルを求められることがほとんどです。小学生からパソコンに触り慣れていることは、将来どんな職業に就くことがあっても有利になるでしょう。
誰でも受験できるシステムは大きな特徴です。日商プログラミング検定は、IT技術者だけでなく学生や社会人、そのほかはじめてプログラミングを習う初学者、さらに業種や職種を問わず幅広く受験することができます。
日商プログラミング検定の特徴2:スキルに特化した試験
日商プログラミング検定は、プログラミングスキルのみに特化した試験内容にしており、試験範囲もプログラミングスキルに関するものになっています。
IT系資格には広い知識を問われ難易度も高い検定が多いですが、まずはこの検定でプログラミングに関して馴染んで自信をつけて、そしてレベルアップしていきましょうという意図があります。
日商プログラミング検定の特徴3:基本的な知識を問う内容
日商プログラミング検定は、基礎を身につけることも目的としています。プログラミングスキルを学ぶ、最初のとりかかりといえるでしょう。
応用的なことはなく、プログラミングの基本的な知識を問う内容のみの検定です。対象としても学生や社会人を問わないのはそのためです。
少しでも興味をもった方が、まずは臆せずとりかかることができ、次のステップに進みやすくするのがこの検定の意義であり特徴です。
日商プログラミング検定の特徴4:上位レベルでは実技試験を実施
基本的な学習を備えたらしっかりステップアップできるシステムもあります。自身のレベルに合わせた検定を選びましょう。
そして、合格し技術を取得したのちレベルアップする段階が用意されています。
上位レベルになると知識問題だけでなく課題が設定されていてその課題をプログラミングし、結果を自動判定するという実技試験がでてきます。結果が自動的に反映されるので、より実践にも即しているでしょう。
日商プログラミング検定のレベル4つ
日商プログラミング検定には、レベル分けがあります。自分のスキルに合わせて、取り組みやすいレベルから受験してみると良いでしょう。
自分の成長段階も知ることができます。それぞれに言語の設定があり、目的とする対象として初心者向けなどがあり、そして取得したい内容があるのでよくみて受験しましょう。
日商プログラミング検定のレベル1:EXPERT
「EXPERT」は、「プログラマーとしての基本能力を問う」という主題があります。実際にIT企業で欲している人材、このようなプログラマーがほしいといわれているような人材かどうかを検定されるといえるでしょう。
4つの中では上位レベルの試験で、実践的な内容となっています。IT業界の採用条件をもとに作られた内容で、言語はC言語・Java・VBAで、今後AIの開発に使用されるPythonの追加が予定されています。
日商プログラミング検定のレベル2:STANDARD
「STANDARD」は、「学校でプログラミング学習をしてどのくらい身についているかを問う」という主題があります。教育機関でプログラミングを習ってきた方に、その学習内容が習得されているかを検定されます。
上位レベルの試験となり、基本が分かっているかどうかを判定し、実際に就職活動・就業で使っていける状態なのかどうかが検定されます。言語はC言語・Java・VBAでやはりPythonの追加が予定されています。
日商プログラミング検定のレベル3:BASIC
「BASIC」は、「企業人として使うためのプログラミングスキルを習得しているか」という主題があります。仕事としてプログラミングなどに携るのに、支障がないプログラミングの基本知識をもっているかが検定されます。
これからプログラミング関係で働こうという方、また実際働いていて一度振り返りをしたい方など、企業におけるプログラミングの素養が問われます。実戦向きですが、上位レベルではなく言語は限定されていません。
日商プログラミング検定のレベル4:ENTRY
「ENTRY」とは、「初学者向けにビジュアル言語Scratchによるプログラミングとプログラミング思考を問う」という主題があります。
プログラミングに関して、まったくはじめて学ぶ状態である、基本的な知識もほとんどないという方は思考の仕方を身につける必要があります。初心者向けの検定で、ここからスタートすることで難易度があがっても基本的な考え方がぶれずに学べるでしょう。
言語はScratchとなっています。
ジュニアプログラミング検定とは
子どもにプログラミングを習わせる方も増えてきました。単に就職などを考えてではなく、子どもの発想力や自由な考え方、構築力などを育てたいという方が多くいます。
2016年12月より始まったジュニアプログラミング検定とは、Scratchを使用し子どもの成長を段階的にみることで子どもに達成感を持ってもらいながら進めていこうという検定です。ジュニアプログラミング検定についてご紹介します。
スクラッチを使用したプログラミングスキルを認定
スクラッチとは、プログラミング言語の一つでマサチューセッツ工科大学のライフロングギンダーガーデングループが開発したものです。用途を問わず無料で使用できること、8歳~16歳向けに開発されていることで、子ども向けの言語といわれています。
とくに創造的な思考力や論理的な判断力、協調性を学べるような設計になっていることが教育者にも評価されており、子どもに活用されやすい要因でしょう。日本語にも対応しています。
ジュニアプログラミング検定の特徴
ジュニアプログラミング検定には、ジュニアならではの特徴があります。ジュニアの成長をサポートしつつ、ジュニアの受験者の励みや楽しみにもなるような工夫が為されています。
ジュニアプログラミング検定の特徴1:1つの作品を完成させる試験内容
ジュニアプログラミング検定は、知識や技術だけをただ問うものではありません。子どもの想像力や発想力を養うような、ゲームなどの一つの作品を完成させる試験内容になっています。
実際にスクラッチなどのプログラミング言語を使用して、問題文や完成の動画などを見て参照し、制限時間内にプログラムを作り上げます。一つの作品を完成させ、評価を得ることは子どもにとって自分の描いた絵を見てもらうような喜びもあるでしょう。
ジュニアプログラミング検定の特徴2:4つのレベルごとに評価
ジュニアプログラミング検定は、レベルごとに4つの評価があります。
スクラッチブロックの役割や特徴を理解していることが前提で、それから示されたプログラムを作ることができるか、その完成度が評価になります。
レベルは子どもにも分かりやすいようにメダルのような感覚で、1級がゴールド、2級がシルバー、3級がブロンズ、4級がエントリ―となっています。レベルが上がることで、子どものやる気に繋がるでしょう。
ジュニアプログラミング検定の特徴3:プログラムを修正する仕様変更も出題
ジュニアプログラミング検定でも、作ったものを直す、修正して適した仕様にするという課題もあります。
ただ作るだけでは、実際の適応能力は身につきません。できているものの問題点を抽出し、どうすれば適したものになるのかを考えます。
シルバーやゴールドの上位九で設定されている問題で、他者が作ったプログラムをまず理解すること、その問題点を見つけ出すこと、そしてそれを修正していくという能力が求められます。
ジュニアプログラミング検定の特徴4:自由な発想で作るアレンジ問題も出題
指示どおりにプログラムが作れるようになると、今度は自分自身の自由な発想でおこなうアレンジ問題があります。これは、上級レベルだけでなくすべてのランクで出題されます。
子どもならではの発想はいろいろあるでしょう。しかし、それをプログラムにするために現実的な説明できるのか、アイディアは実現可能なのか、ただ発想をするだけではない能力が必要です。発想自体と説明スキルが評価されます。
プログラミング検定でスキルを身につけよう!
「日商プログラミング検定」と「 ジュニアプログラミング検定」について解説しました。
検定はもちろん合格を目指し受験しますが、受験することで勉強や技術を磨くことができスキルが少しずつでも身に付くということがあります。
日商のプログラミング検定は、誰でも受けられるようなシステムと、レベルごとに替えられる段階が受験しやすい検定です。スキルをつけるには、合格と言いう目標をもって明確な課題を勉強することがおすすめです。
日商のプログラミング検定でぜひ自信をつけていってください。