この記事では、できることや学習方法も交え、Go言語の特徴を解説します。
Goってどんなプログラミング言語なの?
Go言語でできることってなんだろう?
将来性とか今後の需要はどうなの?
名前は聞いたことがあるものの、Go言語を学ぶ利点や実際に何ができるのか、イメージが湧かない人は多いですよね。
また、Go言語の需要や今後の将来性を確認してから、学ぶかどうか決めたい人もいるはず。
そこで、今回はそもそもGoとはどんなプログラミング言語なのか、その特徴をできることや将来性も交えわかりやすく解説します。Go言語を使うITエンジニアの職種も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
次の動画でも「Goとは何か」を解説しているので、よければご覧ください。
- Go言語は文法がわかりやすく記述しやすい
- プログラムの実行速度が早い点もGo言語の特徴
- Go言語にはWebアプリ開発に便利なライブラリが標準装備されている
Go言語(Golang)とは?
Go言語とは、Google社によって開発されたプログラミング言語のことです。2009年に登場した比較的新しい言語ですが、プログラミング言語の人気指標「TIOBE Index」では安定してトップ20に入るほどの人気があります。
しかし、人気の理由は「Google社製」という信頼性の高さだけではありません。Go言語は高機能・高性能な上に、シンプルな構文でプログラミングがしやすいため、採用する企業も近年では増えています。
Go言語の用途はWebアプリ開発やデータ処理など幅広く、「ブロックチェーン」といった先端技術も開発可能です。また、Google社製のAI対話システム「Bard」の開発にも使われていると、Bard自身も回答しています。
このように、Go言語は新しいながら幅広いシーンに活躍の場を広げており、これから期待できる言語です。なお、公式サイトでは「Go」表記となっていますが、本記事では「Go言語」表記で統一します。
Google社が開発したプログラミング言語
先述のとおり、Go言語はGoogle社が開発したプログラミング言語です。その目的は、ひとことでいうと「プログラミング環境の改善」です。
従来のプログラミング言語は、「処理は高速だが記述が複雑」や「記述はシンプルだが処理は遅い」といったものがほとんどでした。そこでGoogle社は「処理が高速で記述もシンプル」な言語を目指して、Go言語の開発をスタートしました。
今までにない高性能なプログラミング言語の開発は難題でしたが、UNIX開発に携わったRob Pike氏やKen Thompson氏、Java仮想マシンの研究などを行っていたRobert Griesemer氏など、Google社が擁する著名な技術者らによって、Go言語の開発が実現しました。
実用性の高さに定評がある
Go言語は「処理が高速で記述もシンプル」なプログラミング言語として設計されており、その実用性の高さから多くのサービスや基盤開発で採用されています。シンプルなWebサービスから、ブロックチェーンなど速度を要求される複雑なシステムまで、さまざまな開発に対応可能です。
代表的な採用事例としては、以下のサービスが挙げられます。
他にも、Go言語はさまざまなサービスで採用されています。このような実績からも、Go言語は幅広いシーンで活用できる実用性の高いプログラミング言語であるといえるでしょう。
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Go言語の特徴5つ
ここからは、Go言語の特徴を5つにまとめて紹介します。
構文がシンプルで記述しやすい
Go言語は、構文がシンプルで記述しやすいプログラミング言語です。人気言語の「Java」と比較してみましょう。次のサンプルコードは、「Hello, World!」と表示する簡単なプログラムを、JavaとGo言語で記述した例です。
■Javaの記述例
public class HelloWorld { public static void main(String[] args) { System.out.println("Hello, World!"); } }
■Go言語の記述例
package main import "fmt" func main() { fmt.Println("Hello, World!") }
Go言語のほうがワード数が少なく、スッキリしていますね。Go言語の構文は「モダン(現代的)」と表現されることもあり、無駄なくスマートな書き方ができるのが魅力といえます。
構文がシンプルだと、少ない記述量で効率的にプログラムの開発が可能です。また、他人から見ても読みやすいため、Go言語はチーム開発にも適しています。
プログラムの実行が速い
Go言語は、プログラミング言語の中でも実行速度に優れています。そのため、高い速度性能が要求される開発分野にも使えるのが強みです。
書いたプログラムを実行するうえで、コンピューターが理解できる機械語(0と1の言葉)への変換が必要です。実行時に1行ずつ変換する「Python」のような言語だと、余計な処理が発生する分、速度は落ちてしまいます。
その点、Go言語は事前にプログラム全体を機械語に変換(コンパイル)し、すぐに実行できる形にします。そのため、プログラムの実行時に変換処理を行う必要がなく、高速な動作が可能となるのです。
なお、事前にプログラム全体を変換する言語を「コンパイラ型言語」、実行時に1行ずつ変換する言語を「インタプリタ型言語」と呼びます。
効率的にメモリを管理できる
Go言語には「ガベージコレクション」という機能があり、効率的にメモリ(パソコンのデータ領域)を管理できます。ガベージコレクションとは、不要になったメモリを自動的に解放してくれる機能のことです。
プログラムは、さまざまな処理を行うためにメモリを確保(利用予約)する必要があります。しかし、プログラマーが確保したメモリの解放を忘れると、プログラミング言語によってはパフォーマンス低下などの問題が生じることも。
その点Go言語の場合、不要になった時点でガベージコレクションによってメモリが解放されます。そのため、プログラマーがメモリ解放の処理を明示的に追加しなくても、無駄なメモリの消費を防げるのです。
複数の処理を並行できる
Go言語に搭載された「ゴルーチン(goroutine)」という独自の仕組みによって、複数の処理を並行できます。異なる処理を同時に進めることで処理の効率を高めたり、複雑な機能を実現したりできるため便利です。
たとえばA部門のデータとB部門のデータを解析する場合、次のように別々のゴルーチンを実行することで並行処理が実現します。単純に1部門ずつデータ解析するよりも、処理スピードを大幅にアップすることが可能です。
- A部門のデータ解析用ゴルーチンを実行
- B部門のデータ解析用ゴルーチンを実行
ゴルーチンは1つひとつが軽量で、メモリを圧迫したり余計な時間をかけたりせずに制御できます。また、「チャネル」という機能によって複数ゴルーチンの連携も柔軟に行えるため、プログラミングの幅が広がるでしょう。
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標準のライブラリが機能的
Go言語は標準の「ライブラリ」が充実しています。ライブラリとは、便利なプログラムを簡単に使えるように部品化したものです。ライブラリを使うことで、プログラマーが1から書かずにさまざまな処理を実現できます。
Go言語に標準で搭載されているライブラリの例は、次のとおりです。
ライブラリ名 | 機能 |
fmt | テキストデータの入出力 |
database/sql | データベース(大量のデータを効率的に扱う仕組み)の操作 |
os | OSに依存する機能(ファイル操作など)の利用 |
math | 数学的な計算を行う(平方根や絶対値など) |
上記はほんの一部に過ぎず、ほかにも数多くの機能的なライブラリが標準で搭載されています。専用のソフトウェアを追加せずにさまざまな処理を標準ライブラリで行えるのは、プログラマーにとって嬉しいポイントです。
なお、Go言語にはライブラリだけでなく、「フレームワーク(便利な機能の枠組み)」も豊富に存在します。次の記事では目的別でGo言語のおすすめフレームワークを紹介しているので、よければ参考にしてください。
また、下の記事ではGo言語の特徴を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
Go言語でできること
高機能・高性能なGo言語は、できることも多岐にわたります。ここからは、事例も交えGo言語でできることを、5つにまとめて紹介します。
Webアプリの開発
Go言語はWebアプリの開発によく使われる言語です。有名なところでは、フリマアプリ「Mercari」やビジネスSNS「Wantedly」の開発にもGo言語が使われています。
Web開発には主にフロントエンド開発(ユーザー側)・サーバーサイド開発(Webサーバー側)の2種類がありますが、Go言語が得意なのは後者です。サーバーに不可欠なデータベース操作や並行処理が標準ライブラリで行えるため、サーバーサイド開発を効率的に行えます。
スマートフォンでも使えるWebアプリの開発は需要が安定しており、仕事を獲得しやすい分野です。
分散システムの開発
Go言語は「分散システム」の開発にも適しています。分散システムとは、複数のコンピューターで処理を分散しながら大規模なタスクを実行する仕組みのことです。
近年話題の「ブロックチェーン」も分散システムの一種であり、Go言語の採用ケースが増えています。ブロックチェーンは、1つのデータをブロックに分けて管理できる技術です。
前述のように、Go言語はゴルーチンによる軽量・高速な並行処理が行えます。そのため、高いパフォーマンスが求められる分散システムにも対応でき、今後の需要拡大も期待できます。
コマンドラインツールの開発
コマンドラインツールの開発も、Go言語の得意分野といえます。コマンドラインツールとは操作画面を持たず、キーボード操作で動かすツールのことです。
実際、サーバーの仮想化に使われる「Docker」のコマンドラインツール版の開発にはGo言語が使われています。標準ライブラリが豊富なGo言語だと、並行処理やネットワーク経由の処理を容易に実装できるのが強みです。
コマンドラインツールは操作画面を持たない分開発しやすく、ビジネスの幅広いシーンで活用されています。たとえば、Go言語でコマンドラインツールを作ることで、定型業務の自動化なども可能です。
データの処理・解析
Go言語はデータの処理・解析に強いプログラミング言語です。Webデータの通信で使われる「JSON」やカンマ区切りの「CSV」など、さまざまな形式のデータを標準ライブラリで扱えます。
冒頭に挙げた「Bard」のようなAI(人工知能)システムを開発する場合、AIに学習させるデータを大量に用意しなければなりません。Go言語は主要なデータベース管理システム(後述)と連携できるため、こうしたデータの効率的な収集・処理が行えるのも強みです。
ミドルウェアの開発
Go言語は、「ミドルウェア」の開発に使われることもあります。ミドルウェアとは、コンピューターOSとアプリケーションの橋渡し役を担うソフトウェアのことです。
ミドルウェアの例として、データベース管理システムが挙げられます。アプリケーションがOS上のデータベースを用いてデータを管理するとき、ミドルウェアであるデータベース管理システムを経由するのが一般的です。
データベース管理システムの中でも「CockroachDB」の開発には、Go言語が使われています。Go言語はデータベースやネットワークを扱うための標準ライブラリを豊富に持つため、ミドルウェアの開発にも役立ちます。
なお、Go言語で作れるもの・できることを詳しく知りたい人は、次の記事も参考にしてください。
→ Go言語で作れるものってなに?必要なスキルと開発難易度もあわせて紹介
→ Go言語でできること5選【特徴・具体例・学習方法を解説】
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Go言語が得意でないこと
Go言語はさまざまな用途で活躍するポテンシャルを秘めていますが、万能というわけではありません。なかにはあまり得意としておらず、ほかの言語のほうが適している次のような分野もあります。
ここからは、理由も交えGo言語が得意でないことを、4つにまとめて紹介します。
ウェブやアプリのUI設計
Go言語はウェブやアプリのUI設計にあまり適していません。UI(User Interface)とは、画面レイアウトやデザインなど、ユーザーが直接操作する部分のことです。
一般的なデスクトップアプリは、パソコンのデスクトップにGUI(操作画面)を表示して、さまざまな機能をユーザーに提供します。しかし、Go言語の標準ライブラリには、GUIの開発に特化したものは多くありません。
外部のフレームワークを使えばGo言語でも開発はできますが、対象のパソコンOSに合わせた別の開発言語を採用するほうがベターでしょう。Windows向けアプリなら「C#」、macOS向けアプリなら「Swift」がポピュラーです。
IoTプログラムの開発
「IoTプログラム」の開発も、Go言語の得意分野とはいえません。IoT(Internet of Things)とは、家具や家電をネットワーク経由で制御管理することです。
IoTプログラムはハードウェア(物理機器)による制約が大きく、パソコンのように潤沢なメモリを使えるほどの余裕がありません。そのためハードウェアの直接的な制御や、ソフトウェアの繊細なメモリ管理が求められます。
Go言語は、ガベージコレクションにより安全にメモリ管理できる反面、ハードウェアレベルの細かいメモリの制御は難しいです。IoTプログラムの開発も不可能ではないものの、最有力な開発言語とはいえません。
IoTプログラムの開発には、「C言語」や「C++」といった開発言語が使われることのほうが多いです。これらの言語は処理の記述は複雑になりがちですが、Go言語に劣らないほど速度性能に優れ、ハードウェアの直接的な制御もできます。
スマホやタブレットの機能設計
「Go Mobile」というGo言語のフレームワークを使えば、スマホやタブレットのアプリ機能も開発できます。ただし、スマホやタブレットの機能を開発するなら、Go言語以外の言語を選ぶほうが無難です。
モバイルアプリには位置情報の利用やプッシュ通知など、モバイルOSの固有機能の活用が求められます。Go言語はモバイルOS向けに最適化された言語ではなく、フレームワークの力を借りないと実現できない機能も多くあります。
iOS向けアプリなら「Swift」や「Objective-C」、Android向けアプリなら「Java」や「Kotlin」がポピュラーな開発言語です。
ビッグデータの解析
コンピューターに自ら学習させる「機械学習」など、ビッグデータの解析はGo言語の得意分野とはいえません。ビッグデータとは、膨大な数の売上データやSNSへの書き込みやユーザーの操作履歴の解析など、人力では解析困難な多種多量のデータのことです。
このようなビッグデータを解析する際は機械学習モデルを開発し、入力された大量のデータを解析して、特徴や規則性を見つけ出します。このとき、高度な統計処理や数値計算、画像処理などを行うことが求められるため、開発には専用のフレームワーク・ライブラリが必要です。
しかしGo言語には、機械学習モデル開発に特化したフレームワークやライブラリがあまり多くありません。そのため機械学習モデルを開発するなら、優れたフレームワークやライブラリが豊富な「Python」や「R言語」を選ぶほうが好都合です。
とはいえBardにGo言語が使われているように、AI用の学習データ収集など、特定の用途なら役に立つでしょう。なお、次の記事ではGo言語のメリット・デメリットを、将来性も交え詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
→ Go言語のメリットとデメリットは?現在の需要や将来性もあわせて紹介
Go言語の需要・将来性
Go言語はかなり人気の高い言語です。冒頭でも挙げたプログラミング言語の人気指標「TIOBE Index」によると、Go言語の人気は12位です(2023年5月時点)。200種類以上の言語が存在するなかで、12位はかなり高い人気を持っているといえるでしょう。
以降では、次のトピック別にGo言語の需要・将来性をさらに詳しく解説します。
今後も高い将来性が期待できる
Go言語は今後も高い将来性が期待できるプログラミング言語といえます。
テクノロジーが発展するなかで、プログラミング言語に求められるスペックの水準は上がっていきます。たとえばビッグデータ活用やクラウド化の拡大によって、速度性能や拡張性の高い言語が求められるようになりました。
高スペックで新しい需要も期待できるGo言語は、今後も将来性が期待できるといえるでしょう。下の記事では、Go言語の将来性が高い理由を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ Go言語の将来性が高い2つの理由とは?データを元に徹底解説
Goエンジニアの求人事情
Go言語は比較的新しい言語ですが、求人数はかなり多くあります。実際、求人検索エンジン「indeed」で「Go言語」と検索すると、5万件を超える求人がヒットします(2023年5月時点)。
具体的には、次のような求人があります。
プログラミング言語としての人気だけでなく、Goエンジニアの需要という面でも、Go言語は将来性十分といっていいでしょう。
Go言語を使う主なITエンジニアの職種
Go言語を身につけることで、さまざまな仕事に活かせるチャンスが増えます。ここからは、Go言語を扱う主なITエンジニアの職種を、5つにまとめて紹介します。
仕事内容や平均年収を交えて、順番に紹介します。なお、平均年収は求人の提示額をもとに算出されたデータのため、実際の年収とは異なる場合があります。あくまで参考としてご覧ください。
サーバーサイドエンジニア
「サーバーサイドエンジニア」は、Webアプリにおけるサーバー側のプログラムを開発する仕事です。フロントエンド(ブラウザ側)のプログラムと連携したり、データベースでWebデータを管理したりするプログラムを作ります。
サーバーサイド開発言語にはPHPやJavaなど、Go言語以上に需要の高い人気言語も多いです。それでも、Go言語の認知度が上がって採用する企業も増えてきており、これからの求人数増加も期待できます。
また、上の画像のとおりサーバーサイドエンジニアの平均年収は高く、高単価なIT求人が多いのが魅力です。
インフラエンジニア
「インフラエンジニア」は、サーバーやネットワークといったITインフラ(ITシステムの土台)の導入や稼働を支える仕事です。ITインフラの要件定義から設計、構築、運用・保守まで、さまざまな工程をチームで分担します。
インフラエンジニアには、必ずしもプログラミング言語が求められるわけではありません。しかし、ITインフラ監視ツールの作成やシステムログ収集の自動化など、プログラミング言語の活用が生産性向上のカギとなります。
優れたライブラリでネットワーク通信や並行処理が容易に行えるGo言語は、インフラエンジニアと相性のよい言語です。平均年収は仕事内容により大きく変わるものの、要件定義や設計の担当者になれば高収入も目指せます。
DevOpsエンジニア
「DevOpsエンジニア」は、企業の「DevOps(デブオプス)」実現に向けた取り組みをサポートする仕事です。DevOpsとは、ITサービスの開発(Development)と運用(Operation)を統合する考え方のこと。
一般的に、ITサービスの開発チームと運用チームは分かれており、両者の連携強化が多くの現場における課題です。たとえば、運用チームが不具合報告に手間取り、開発チームの修正が遅れてしまうようなケースもあります。
そこでDevOpsエンジニアは、開発・運用を統合するためのソリューションを提案・実施します。その中で、開発やテスト、運用といったプロセスを統合・自動化するためのツールを開発することも少なくありません。
並行処理やネットワーク通信など機能の引き出しが多いGo言語は、こうしたツールの開発に役立つでしょう。
セキュリティエンジニア
「セキュリティエンジニア」は、サイバー攻撃から企業のIT資産やデータを保護する仕事です。セキュリティの専門家という立場のもと、脆弱性(リスク)の調査・分析から解決策の提案・実施まで、幅広くサポートします。
セキュリティリスクの解消にあたって、脆弱性チェックツールなどのプログラムを開発するケースがあります。ほかにも、調査におけるデータの収集・解析を効率化するなど、Go言語が活かせる場面は多いでしょう。
Go言語以外のプログラミング言語も含めて、セキュリティに関する豊富な知識が求められるため、簡単ではありません。その分平均年収が高く、サイバー攻撃の巧妙化もあって、今後より市場価値の向上が期待できる仕事です。
データエンジニア
「データエンジニア」は、企業がデータを活用するための基盤の構築や運用を行う仕事です。データの収集や分析を効率化・自動化するためのツールやプログラムを開発することが多く、プログラミングスキルが重要となります。
データの処理・解析に強いGo言語を使えば、高パフォーマンスなデータ基盤を構築することが可能です。Go言語のスキルがあれば、新しいデータ活用のテクノロジーに対応しやすいことも強みといえます。
ビジネスにおけるビッグデータ活用の広がりにともなって、データエンジニアの需要は今後より高まるでしょう。
Go言語の基本的な書き方
ここでは、Go言語の基本的な構文について説明します。本格的な開発を行うにはより詳しく学習する必要がありますが、まずはここでGo言語はどのように書くのか大まかに理解しましょう。
■変数の宣言
変数を宣言する際にはvarキーワードを使用します。「var 変数名 変数型」の順に記述するのがポイントです。
例えば整数型の変数xを宣言する場合、以下のように記述します。
var x int
■関数の定義
関数はfuncキーワードで定義します。
以下のようにfuncに続けて関数を定義し、{}の中に処理を記述します。
func sayHello() { fmt.Println("Hello, Go!") }
■条件分岐
条件分岐にはif文を使います。ifに続けて条件式を記述すると、条件式がtrueになる場合のみif文内の処理が行われます。例えば、変数xが3の時のみ処理する場合、以下のように記述します。
if x == 3 { fmt.Println("Hello, Go!") }
なお、Go言語のプログラムがうまく実行できない場合、環境面の準備が足りていないかもしれません。下の記事ではGo言語の実行環境のインストール方法を、プログラムの実行方法も交え詳しく解説しているのでよければ参考にしてください。
→ 【Go言語入門】インストール方法と実行方法をわかりやすく解説
未経験からでもGo言語は習得できるのか
未経験からGo言語を習得することは可能ですが、簡単ではありません。Go言語には独特な構文が多い、参考サイトがJavaなどと比較して少ないなど、未経験者が「難しい」と感じやすい側面もあるためです。
Go言語はこんな人におすすめ
Go言語は、次のような特徴を持つ人におすすめです。
- 他言語を学んだ経験がある人
- 時間的・経済的に余裕がある人
他のプログラミング言語を学習した人の場合、その言語と共通している部分はスムーズに理解できるので、覚えることが少なくて済みます。
また、Go言語の学習にはある程度時間がかかります。その期間は人によってさまざまですが、数か月に渡ってまとまった時間を確保できる人や、プログラミングスクールを利用して効率的に学習できる人は比較的スムーズにGo言語を習得できるでしょう。
Go言語を学ぶべきか判断できない時は?
「Go言語はこんな人におすすめ」で解説した特徴にまったく当てはまらない場合には、まずは他のプログラミング言語を学習するというのも一つの選択肢です。たとえば、次のようなプログラミング言語は人気が高く、初心者にもおすすめです。
Ruby | Webサービスのサーバーサイド開発が可能。日本語の参考情報が豊富で学びやすい |
Python | AI(人工知能)をはじめとする先端技術の開発で需要が高い。収入アップを狙いやすい |
PHP | Webサービスのサーバーサイド開発で需要が高い。求人が豊富で仕事を探しやすい |
JavaScript | Webサービスのフロントエンド開発に欠かせない。環境構築の手間をかけず学び始めやすい |
自分が開発したいものはもちろん、平均年収・求人数・学びやすさなど、総合的にみて選ぶ必要があります。
ただ、なかにはどの言語を学べばいいのかわからない人もいますよね。そのような場合は、弊社が提供している「プログラミング学習プラン診断」をお試しください。
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Go言語の学習方法
Go言語はシンプルな構文とお伝えしましたが、プログラミング初心者にとって習得難易度が低いとは言えません。Go言語の書き方は他言語と比べて独特で、プログラミング経験者でもつまずくケースがあります。
また、Javaのように歴史のある言語と比べると、Go言語は日本語の参考サイトがまだまだ多くありません。プログラミング初心者がこれからGo言語を学ぶなら、正しい学習方法で学ぶことが挫折しないためのポイントです。
ここからは、Go言語の主な学習方法を3つにまとめて紹介します。
なお、簡単にそれぞれの特徴を知りたい人は次の一覧表を参考にしてください。
本/書籍
オフラインでじっくり学びたい人には、本/書籍が向いています。Go言語の入門書なら、1冊で幅広い知識を体系的に身につけることが可能です。一方、本を見ながらだとプログラミングの実践学習はしづらいデメリットもあります。
プログラミング初心者におすすめの1冊は、「たった1日で基本が身に付く! Go言語 超入門」です。
プログラミングの概要や環境構築方法から学び始められるため、プログラミング経験がない人でも挫折しにくいと言えます。この本でGo言語の基礎を固めたら、さらなるレベルアップを目指すためにほかの本も読むと良いでしょう。
なお、次の記事ではGo言語が学べるおすすめ本を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
→ Go言語学習本おすすめ6選【入門者〜上級者までレベル別に紹介】
学習サイト
オンラインで効率よく学びたい人には、学習サイトが向いています。パソコンで知識を得ながらプログラミングができるため、効率的な実践学習が可能です。ただし快適に学ぶためには、月額料金を支払う必要がある場合も。
初心者におすすめの学習サイトは、「ドットインストール」です。3分程度の動画で学べるため、すき間時間を有効活用できます。Go言語の基本は無料でもある程度学べますが、しっかり学ぶなら有料プランを検討しましょう。
なお、次の記事ではGo言語が学べるおすすめの学習サイトを、学ぶべき理由も交え詳しく紹介しているのであわせて参考にしてください。
→ Go言語はスクールで学べるか?おすすめ学習サイトや学ぶべき理由も紹介
プログラミングスクール
挫折せず確実に学びたい人には、プログラミングスクールが向いています。最適化されたカリキュラムのもと、経験豊富な講師のサポートを受けながら効率よく学べます。
本や学習サイトを用いた独学では、不明点・問題点があっても質問できず、挫折してしまう人が少なくありません。その点、プログラミングスクールだと講師に質問してすぐに解決できるため、格段に挫折しにくくなります。
プログラミングスクールには大まかに「通学型」「オンライン型」の2種類があります。コミュニケーションの手厚さを重視するなら通学型、学びやすさを重視するなら場所や時間にとらわれないオンライン型がおすすめです。
挫折なくGo言語を習得するなら
Go言語の特徴を知り「Go言語や他のプログラミング言語を学んでみようかな」と興味が湧いてきた人のなかには
独学で習得できるかな…
途中で挫折したらどうしよう…
と不安な方もいますよね。
実のところ、Goといったプログラミング言語の学習途中で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では
- 独学では不安がある
- 効率よく学べそう
- 確実にスキルを身につけられると思ったから
などの理由から、87.5%が「プログラミング学習で挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。
またこうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では
- 不明点を聞ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。
加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました。
上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。
いざ独学でプログラミングを学び始めても、勉強の最中に挫折しまっては学習にかけた時間を悔やむだけでなく「プログラミングスキルを身につけるのって思っていたよりも難しいんだな…」とスキルの習得自体を諦めかねません。
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先ほど述べたとおり、独学者の多くは自力で不明点やエラーを解決できないためにプログラミング学習を挫折しています。そのため、未経験者が現役エンジニアのようなプロに質問や相談できない状況で、プログラミングスキルを習得するのは非常に難易度が高いといえます。
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公式サイトで詳細を見るまとめ
今回は、Go言語に関する以下の情報についてお伝えしました。
- Go言語(Golang)とは
- 特徴
- 得意なこと・得意でないこと
- 需要・将来性
- ITエンジニアの職種
Go言語は高機能・高性能で人気が高まっていますが、習得難易度は決して低くありません。挫折しないか不安な人は、プログラミングスクールの利用も考えましょう。
Go言語の基本的なことを理解したうえで、正しい学習方法に沿って学び進めていくことが大切です。今回の内容を参考にして、ぜひGo言語を学習してみてください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。