小学生が楽しんでできるプログラミング学習の方法は?
小学生におすすめのプログラミング教材は?
小学校教育でプログラミングが必修化され、プログラミングはメジャーな習い事になりつつあります。
しかしいざ子どもにプログラミングを学ばせたくても「適切な方法や教材がわからない」という方も少なくありません。
この記事では、小学生がプログラミングを学習する意味や、小学生におすすめのプログラミング学習の方法・教材をご紹介します。
プログラミングは小学生に必要?
小学生にとってプログラミング学習は有用といえます。
その理由は、主に下記の2つです。
- 1.プログラミング的思考力が身につくから
- 2.ITリテラシーが身につくから
それぞれ、詳しく解説します。
1.プログラミング的思考力が身につくから
小学生のうちにプログラミングを学習すれば、大人になっても活かせるプログラミング的思考力が身につきます。
プログラミング的思考力とは、「コンピューターで目的の結果を出すために必要となる処理・順番を考え、試行錯誤しながら実現する力」です。プログラミングはたった1つ処理の内容、あるいは順番を間違っただけでも、目的の結果が出ません。
小学生は、プログラミング学習を通して「論理的に考え正しく実行する。期待した結果が出ない場合は、理由を追究して解決する」という経験を積むことができるのです。
2.ITリテラシーが身につくから
小学生のうちにプログラミングを学習すれば、早期にITリテラシーを身につけることが可能です。
ITリテラシーとは
- ソフトウェア
- ハードウェア
- ネットワーク
- セキュリティ
などITに関する基本的な要素を理解し、活用する力です。
社会ではすでにパソコンなどのコンピューターの知識は、ビジネスパーソンとして基本的なスキルとなっています。将来どのような業界で働くとしても、小学生のうちから慣れ親しんでおくのがおすすめです。
小学生にプログラミングを学習させる際の着目点
小学生のプログラミング学習では、下記の3点に気を付けましょう。
- 子どもの興味・関心を保てるように工夫する
- 親子で一緒に楽しむ
- 成果を褒める
ひとつずつ見ていきましょう。
子どもの興味・関心を保てるように工夫する
小学生のプログラミング学習では、子どもの興味・関心を保てるように工夫しましょう。
子どもが興味や関心を全く持っていない状態でプログラミングの学習を無理やり押しつけても、良い結果は生まれません。
まずはプログラミング関係のYouTube、絵本、まんが、おもちゃを取り入れた教材や無料体験などを活用し、子供が興味や関心を持たせることからはじめることが大切です。
親子で一緒に楽しむ
小学生のプログラミング学習は、親子で一緒に楽しむことも大切です。親子でプログラミングでできることや、プログラミングの面白さについて話す時間をもうけましょう。
小学生向けのプログラミング教材には、大人も楽しく学べるものが多いです。
成果を褒める
小学生のプログラミング学習をスムーズに進めるには、成果を褒めることが大事です。
親が褒めれば、子どもはエラーや問題を自力で解決しようと努力するようになります。親から褒められることは子供にとって何よりもエネルギーになり、プログラミングに対してポジティブなイメージを持つことができます。
成果を褒め、子どもの背中を後押しすることを心がけましょう。
楽しく学べる!小学生向けプログラミング学習方法
プログラミングの学習の方法には、下記の2つの方法があります。
- プログラミングスクールに通う
- 自宅で学ぶ
それぞれのメリット・デメリットを解説しますので、子どもに合う方法を選びましょう。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールには、子供の興味をかきたてるように考え抜かれたカリキュラムが用意されています。ロボットやゲームなど子どもが大好きなテーマを取り入れており、最後まで飽きることなく学習を続けられます。
また経験豊富な講師陣から直接教えてもらえること、プログラミングを学ぶ仲間ができることもスクールならではのメリットです。
デメリットは費用がかかることや、通学型の場合時間的な制約があることです。費用を抑えたい・送迎できない、という方は、オンラインスクールを検討してみましょう。
自宅で学ぶ
自宅で学ぶメリットは、好きな時間に学べることです。また送迎が難しいという家庭でも、自宅学習なら問題ありません。
自宅学習のデメリットとして挙げられるのは、子どもが勉強でつまずいたときに適切なアドバイスができない可能性があることです。
また、自宅だとテレビやゲームがあったり、きょうだいや生活音の邪魔があるなど、子どもがモチベーションを維持しにくい点もデメリットです。自宅学習を選択する場合は、子どもが集中できる環境をつくる必要があります。
なお、小学生におすすめしたいプログラミング学習サイトについては以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
小学生におすすめのプログラミングスクール5選
小学生向けのスクールであれば、子どもは楽しくプログラミングを学べます。しかし近年は小学生向けのプログラミングスクールがたくさんあるため、迷ってしまう方もいるかもしれません。
ここでは、現役エンジニアである筆者の視点で「本当におすすめしたい小学生向けのプログラミングスクール」をご紹介します。
小学生におすすめのプログラミングスクールは下記の5つです。
- LITALICO(りたりこ)ワンダー
- テックキッズスクール
- ヒューマンアカデミージュニア(こどもプログラミング教室)
- エジソンアカデミー
- コードキャンプ キッズ
それぞれの特徴を詳しく解説しましょう。
LITALICO(りたりこ)ワンダー
LITALICO(りたりこ)ワンダーは、株式会社 LITALICOが運営している子ども向けのプログラミングスクールです。同社は障害者の就労支援事業にも力を入れており、「人」を中心とした新しい社会をつくることを理念としています。
ITとものづくりを融合したコンテンツは、子どもの創造力や学習意欲・論理的思考力を伸ばすために最適な内容となっています。
またコースも「ゲーム&アプリ」「ロボットクリエイト」「デジタルファブリケーション」というように複数用意されているため、子どもが一番興味を持ったものを選べるという点も魅力です。
公式サイトで詳細を見る教材 | ▼ゲーム&アプリ プログラミングコースScratch・Viscuitなど ▼ゲーム&アプリ エキスパートコースC#(Unity)、HTML/CSS・JavaScript ▼ロボットクリエイトコースレゴ®WeDo2.0・レゴ®WeDo2.0ソフトウェアなど ▼ロボットテクニカルコースレゴ®エデュケーション SPIKEプライム、Scratchベース専用ソフトウェアなど ▼デジタルファブリケーションコース3Dプリンタ・レーザーカッター・電子工作 |
講師の質 | 比較的若い講師が多く、プログラミングができるお兄さん・お姉さんという親しみやすさがポイント。 |
料金 | ▼ゲーム&アプリ プログラミングコース教室:1回(90分)の授業につき ¥5,775円(税込)~ オンライン:1回(60分)の授業につき ¥4,400円(税込)〜 ▼ゲーム&アプリ エキスパートコース教室:1回(90分)の授業につき 6,875円(税込)〜オンライン:1回(60分)の授業につき ¥5,500円(税込)〜 ▼ロボットクリエイトコース教室:1回(90分)の授業につき 5,775円(税込)~ オンライン:1回(60分)の授業につき ¥4,400円(税込)〜 ▼ロボットテクニカルコース教室:1回の授業につき ¥5,775円(税込)〜 ▼デジタルファブリケーションコース教室:1回の授業につき ¥5,775円(税込)〜 |
テックキッズスクール
テックキッズスクールは、株式会社CA Tech Kidsが運営している子ども向けプログラミングスクールです。CA Tech Kidsの親会社は、日本のインターネット業界を代表する1社である株式会社サイバーエージェントです。
継続学習コース、オンライン継続学習コース、短期体験コースとさまざまなコースが用意されているため、生活スタイルや好みにあった学び方ができます。授業は1コマ120分制で、今日の目的を設定→学習→完成(時間があれば発展学習)という流れで進みます。
プログラミング学習のほかデザイン講座やプレゼン講座も設けており、自身で考え表現し、発信する力を養える点も魅力です。
公式サイトで詳細を見る教材 | ▼Entry Stage(小学校1年生 対象) Scratch ▼Junior Stage (小学校2年生 対象)QUREO ▼First Stage (小学校3年生以上 対象)QUREO ▼Second Stage (小学校3年生以上 対象)Xcode(iPhoneアプリ作成)またはC#(Unity)より選択 |
講師の質 | 大学生が中心。プログラミングのスキルはもちろん、子供をリラックスさせ、やる気を引き起こす力も重視しており、参加者からも高い評価を得ている。 |
料金 | ▼継続学習コース月3回(1回 120分間) 教材費(税込):¥2,200円/月受講料(税込):¥19,000円/月 PCレンタルオプション(税込):¥4,400円/月 |
ヒューマンアカデミージュニア(こどもプログラミング教室)
ヒューマンアカデミージュニアは、ヒューマンアカデミー株式会社が運営する子ども向けのプログラミングスクールです。
全年代に教育事業を展開するヒューマンアカデミーは、研磨された教育法が強みです。
ヒューマンアカデミージュニアのプログラミング教材は、鳥井雪さんという女性エンジニアが監修しています。操作・作成・改造・発表の1サイクル(1ターム)を3ヶ月かけて学び、1年間の4サイクルを通じて、知識とスキルの定着をはかれるように設計されています。
鳥井さんはRails Girlsという女性向けRuby on Railsコミュニティの普及に尽力し、楽天テクノロジーアワード(ルビー賞)の受賞歴もある有名なエンジニアです。
鳥居さんが監修したプログラミング教材は、「子どもが意欲的に学べるようになる」と評判です。「プログラミングが好きになる工夫」が散りばめられていて、多くの保護者から高い評価を受けています。
公式サイトで詳細を見る教材 | ▼ベーシックコース Scratch ▼ミドルコースオリジナル教材 ▼アドバンスコースJavaScript |
講師の質 | ー |
料金 | 教材費(税込):月額 ¥660円受講料(税込):月額 ¥9,900円 |
エジソンアカデミー
エジソンアカデミーは、学校教材の総合メーカーである株式会社アーテックが運営しているロボットプログラミングスクールです。
エジソンアカデミーの教材は、センサーやモーターをはじめとした10種類ほどのブロックです。子どもがブロックでロボットを組み立てて、プログラムを送り自由に動かします。
この教材は世界25カ国・日本全国4,000カ所以上の幼稚園や保育園、全国150校以上の小学校で採用されています。
公式サイトで詳細を見る教材 | オリジナルのロボットおよびビジュアルプログラミングソフト |
講師の質 | ー |
料金 | ※ 教室により異なる |
コードキャンプ キッズ
コードキャンプ キッズは、コードキャンプ株式会社が運営している小学生向けプログラミングスクールです。
カリキュラムは
- 創造力
- 論理的思考力
- 問題解決力
- コミュニケーション力
- プレゼンテーション力
の育成を目的に作成されています。
プログラミングのスキルはもちろん、デジタル社会を生き抜くために必要なスキルの習得が可能です。
公式サイトで詳細を見る教材 | ▼ロボットプログラミングコースScratchJr ▼ScratchプログラミングコースScratch ▼UnityプログラミングコースC#(Unity) |
講師の質 | コードキャンプ株式会社認定の育成研修を経た専任講師 |
料金 | ▼ロボットプログラミングコース(60分×全40回)受講料(税込):月額 ¥11,000円 ▼Scratchプログラミングコース(90分×全60回)受講料(税込):月額 ¥16,500円 ▼Unityプログラミングコース(90分×全20回)受講料(税込):月額 ¥16,500円 機器レンタル料(税込):月額 ¥2,200円 |
なお、子供におすすめのプログラミングスクールをより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
小学生におすすめのプログラミング教材6選【無料あり】
最近では、自宅で学習できるプログラミング教材も充実しています。
小学生におすすめのプログラミング教材は下記の6つです。
- Scratch(スクラッチ)
- マインクラフト
- Springin’(スプリンギン)
- Viscuit(ビスケット)
- CODEMONKEY(コードモンキー)
- レゴ®マインドストーム
ひとつずつ見ていきましょう。
Scratch(スクラッチ)
簡単に・楽しく・無料で学習できる「Scratch(スクラッチ)」は、小学生に適したなプログラミング教材です。
Scratch(スクラッチ)はMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボで開発された、ビジュアルプログラミング言語です。カラフルなブロックをつなげて、簡単にアニメーションやゲームをつくれます。
公式サイトで詳細を見るマインクラフト
マインクラフトは、小学生に大人気のプログラミング教材です。マインクラフトといえば、Microsoft社が提供している大人にも子どもにも大人気の箱庭系ゲームですが、実はプログラミングの学習もできることをご存じでしょうか。
パソコンでマインクラフトをプレイされている方は、「Code Connection for Minecraft」という追加プログラムをインストールすることで、マインクラフトの世界でビジュアルプログラミングを学習できます。
子どもがいつも遊んでいるゲームの延長でプログラミングを学習できるため、夢中になって学べます。
公式サイトで詳細を見るViscuit(ビスケット)
Viscuit(ビスケット)は、「コンピューターは粘土だ」という発想をもとに開発されたプログラミング教材です。
自分で描いた絵が部品になり、その部品を「メガネ」というパーツの中に配置すると部品が自動的に動きだすというしくみです。置き方によって動き方が変わる部品を、子どもは工夫して配置します。
Viscuit(ビスケット)は、タブレットやスマートフォンでアプリをダウンロードすれば無料でスタートできる点も魅力です。
公式サイトで詳細を見るSpringin’(スプリンギン)
Springin’(スプリンギン)は、株式会社しくみデザインが提供しているプログラミング教材です。
Springin’(スプリンギン)を使えば、簡単なゲームや絵本などがすぐに作成できます。また、つくった作品をマーケットに出品することもできます。
作品を売って獲得したコインでほかの作品を購入できるため、経済の仕組みも学習できる点がユニークです。
第13回日本e-ラーニング大賞部門賞、EdTech Japan Global Pitch 2017なども受賞していて、高い評価を得ているプログラミング教材です。
公式サイトで詳細を見るCODEMONKEY(コードモンキー)
CODEMONKEY(コードモンキー)は、ジャパン・トゥエンティワン株式会社が運営しているプログラミング教材です。
サルのモンタにバナナを食べさせるためにさまざまなお題をクリアしていき、ゲーム要素満載なのが魅力でしょう。わかりやすく楽しい工夫が凝らされ、小学生が飽きずにプログラミングを学べます。
公式サイトで詳細を見るレゴ®マインドストーム
「レゴ®マインドストーム」は、さまざまなプログラミングスクールで採用されている人気のロボットプログラミング教材です。
Scratch(スクラッチ)をベースにしたオリジナルのソフトウェアでプログラミングを行い、ロボットを動かします。
レゴブロックを組み立てながら学習できるため、小学校低学年の子どもでも楽しんで学習できるのが特徴です。
公式サイトで詳細を見るなお、子どもにおすすめのプログラミング教材については以下でもご紹介しています。子ども向けのプログラミング教材を探している方は、是非お読みください。
小学生におすすめのプログラミングの本3選
小学生のプログラミング学習は、本を利用するのも有効です。
数多くある小学生向けのプログラミング学習本から、おすすめを厳選して紹介します。
まんがでプログラミング 進め!けやき坂クリエイターズ Scratch 3.0編
「まんがでプログラミング 進め!けやき坂クリエイターズ Scratch 3.0編」は、タイトル通りまんがを読みながら、Scratch(スクラッチ)を学習できるプログラミング本です。
「マンガパート」と「解説パート」に分かれており、マンガを読みつつ手を動かすことで最終的にはゲームが完成するしくみとなっています。
Scratch(スクラッチ)を学ぶのであれば、手元に置いておきたい一冊です。
学校では教えてくれない大切なこと 25プログラミングって何? IT社会のしくみ
「学校では教えてくれない大切なこと 25プログラミングって何? IT社会のしくみ」は、子ども向けの実用書として人気が高い「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズの1冊です。
「コンピューターとプログラムの関係」といった基本的な内容について、ていねいに解説しています。
これからプログラミングを学ぼうとしている小学生にとって、最初に読んでいただきたい1冊です。
はじめてのプログラミング(学研まんが入門シリーズ)
「はじめてのプログラミング(学研まんが入門シリーズ)」は、Scratch(スクラッチ)をテーマとしたプログラミングの入門書です。
横スクロール型アクションゲームをつくりながら、プログラミングの基礎を学べます。インターネット全般について詳しく学べるので、小学生には是非読んでいただきたい一冊です。
小学生におすすめしたいプログラミング本は、他にもたくさんあります。以下の記事では今回ご紹介できなかった本もたくさん紹介していますので、是非お読みください。
小学生のプログラミング学習は最高に楽しい!
小学生のうちにプログラミングを学習すれば、将来役立つ力が身につきます。適切な方法と教材を選べば、子どもは楽しんで学習を継続できますよ。
今回ご紹介したプログラミングスクールや教材を活用して、子どもと一緒に楽しみながらプログラミングの学習をはじめてみてはいかがでしょうか。
この記事のおさらい
小学生にプログラミング教育が有用といえる理由として、「プログラミング的思考力が身につくから」「ITリテラシーが身につくから」の2点が挙げられます。
小学生のプログラミング学習における着目点は、「子どもの興味・関心を保てるように工夫すること」「親子で一緒に楽しむこと」「成果を褒めること」の3つです。
プログラミングは小学生向けのスクールや、自宅で学べます。スクールはモチベーションを維持しやすく、自宅は好きな時間に学べるのがメリットです。子どもが無理なく継続できる方法を選びましょう。