【対談】なぜ「プログラミングは挫折率が高い」のに「未経験から転職は可能」なのか

こんにちは!侍エンジニアブログ編集部のナナミです。

今回は対談インタビュー!

雑食系エンジニア勝又さんと、侍エンジニアCEO木内との対談の模様をお届けします。

エンジニア、YouTuber、オンラインサロン運営者として、初心者からエンジニアになる方法や、エンジニアのキャリアなどについて発信している勝又さん。

指導実績が累計20,000人以上、初心者からエンジニアデビューまでをサポートする侍エンジニアの運営者であるCEO木内。

それぞれの「事業主」としての考えや、IT業界の転職事情、学習を挫折しないためにはどうすればいいのかなどをお話しいただきました。

インタビュイー:勝又 健太かつまた けんた
時間単価1万円以上のオファーを数多く獲得している雑食系エンジニア。クラウドアーキテクチャ設計、クラウドインフラ構築管理、基盤コード開発、DevOps|MLOpsが専門。YouTuberとしてプログラミングやIT業界の解説動画を数多くアップし、チャンネル登録数3万人以上。自身が運営するオンラインサロンの登録者は約700名。シェアボスにて「注目のボス」に選ばれている。
オンラインサロン(雑食系エンジニアサロン)
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インタビュアー:木内 翔大きうち しょうた
1990年東京都多摩市生まれ。小学5年生のときに担任の先生の一言でゲームプログラミングを始める。大学1年生でフリーランスエンジニアになり、複数のスタートアップで3年ほどWEBエンジニアを経験。在学中に友人にプログラミングを教えていたことをきっかけに侍エンジニアを創業。

【雑食系エンジニア勝又さんのインタビューはこちら】

目次

それぞれが「事業主」となった経緯

ーーそれぞれ違った形で、事業主としてご活躍されているお二人ですが、どのようなきっかけで始めたのでしょうか?

勝又:僕の場合は「面白そうだから」ですね。

そもそもYouTuberとして頑張っていこうとか、そういうことは全く考えてなかったんです。Instagramでおじさんファッション系インスタグラマーになろうと思って買ったカメラが動画も撮れるものだったので、ちょっとやってみようかなくらいの軽い気持ちでした(笑)

それが思ったよりも評判が良くて、じゃあ本腰いれてやってみようと思って今に至る感じです。

木内:私は小学生からプログラミングを始めて、大学生の時にはフリーランスエンジニアとして活動していたんですが、その時ちょうど就職氷河期だったんですよね。それで就活に苦労している友人がいまして、フリーランスエンジニアに興味があるという話だったので、私がプログラミングを教えたら、半年でエンジニアデビューして、独立も成功したんです。

この時、「プログラミングというスキルは人生を変えることが出来るものなのだ」と実感して、いろいろな方に指導したのが、侍エンジニアの始まりですね。

ーーきっかけ一つでもかなり違いがありますね。

勝又:僕は基本的に好奇心ドリブンで動いているので(笑)。プログラミングを始めたのも、CGデザイナーを目指して専門学校に通っていたときに、授業でプログラミングをやって「面白いな」と思ったからなので。

木内:勝又さんも未経験からエンジニアになった方ですもんね。

勝又:はい、元々営業だったんですけど、だいぶポンコツだったので(笑)、早いうちから別のキャリアを考えた結果こうなりました。

木内:このあたりのお話は、ぜひ後ほどゆっくりお伺いしたいです。

未経験から稼げるWebエンジニアになる方法とは?雑食系エンジニア勝又さんインタビュー
更新日:2024年5月6日

侍エンジニアとしての取り組みについては、勝又さんの動画を御覧ください
[su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=esGluDhRe6M&feature=youtu.be”]

未経験からIT業界への転職に重要なのは「とにかく質の高いポートフォリオ」

ーー未経験から転職できますか?ってよく質問されると思うんですけど、実際のところどうなんでしょうか?

木内:私はできると思いますし、実際侍エンジニアには未経験から転職成功の実績があります

勝又:普通に可能ですね。とはいえ競争は激しい業界なので、1年目は結構大変なんじゃないかなとは思います。

まあ、僕の場合は基準が「1年くらいその会社さんでがっつりやったらフリーランスになれるレベル」なので、ちょっと高めの設定かもしれませんが。

ーーレベルは違えど「可能」ということですが、ポイントは何でしょう?

木内:考えるまでもなくポートフォリオですね。

勝又:うん、ポートフォリオは超大事ですね。

木内:しかもただのポートフォリオではなく、オリジナル性やカスタマイズされたオリジナル作品を生み出せるかが評価の鍵ですよね。

誰でも作成できるような教材を元に作成した作品集を作ってもしょうがないので、オリジナリティのある作品をたくさん作って、ポートフォリオを充実させることができるかどうかがかなり大きいと思います。

勝又:それこそRailsチュートリアルのレベルは遥かに超えないと駄目ですよね。アレと同じことをやっても、企業さん側からすると自走能力や技術に対する興味関心が全然見えないので、確実に超えなきゃいけないラインだと思います。

今は初学者の方のポートフォリオのレベルも上がってきているので、Railsチュートリアルレベルと同等くらいだと、エントリーも通らない企業さんも増えてきている感じがしますね。

とはいえ機能をこだわりまくっても、企業さんが全部の機能を見てくれるわけではないので、ある程度機能が作れたらサーバーをAWSにしてみたりとか、インフラ側を充実させておくといいかなと思います。

ーー他に未経験から転職するためにやっておくと良いと思うことってありますか?

木内:さっき(動画)でも少しお話しましたが、情報発信とかじゃないですかね。最近はSNSとか結構見られていたりしますし、学習している過程とかをTwitterやQiitaとかで積極的に言語化して発信しているのをプラスに見る企業も多いと思います。

発信力も一つのアピールポイントとするために、SNSも一つのポートフォリオのように作っていくのがいいんじゃないかなと。

勝又:たしかに。私の知っている方で、ポートフォリオはたいしたことなくてもQiitaでの発信がポイントになって転職した方もいるので、そうなのかもしれないですね。

学習の継続は「意思の力」ではどうにもならない

ーー侍エンジニアの調査でもありましたが、プログラミングの独学挫折率は約9割と言われています。それについて、お二人の見解はいかがでしょうか?

勝又:さっき拝見してびっくりしたんですよ。そんなに高いんですね。

木内:そうなんですよ。

集計の結果としては「質問できる環境ではなかった」という理由が一番多かったのですが、その状況をクリアした私達のサービス内でも挫折は起こり得るんですよね。これは動画でもお話したように、「自主性が無い」「目標設定が曖昧」「ものごとを継続できない」という3つの理由が挫折の原因となっている傾向があると感じています。

エンジニアとして必要なのは、いかにコードを覚えているかというよりは、答えの無い問題やエラーに対して、自分なりの解答を見つけることができるかだと思うんです。そうなると、自主性や継続する力が重要であることは明白ですよね。

ではその継続をどのように得るかとなると、目標というゴールから逆算して計画を立てられるかどうかだと思うんです。そしてその目標をきちんと自主性を持って決められるかも大事ですね。

勝又:特に最後の「ものごとを継続できない」っていうのはありますよね。「意思の力」でどうにかしようとすると、ほぼ100%挫折すると思いますし。

正直、人間ってそこまで意志の力がすごく高いわけではないと思うので、気持ちだけでどうにかするって相当なパワーが必要になると思うんです。でも結構「意思でやりきろう」と考えてしまう人も多いので、そういう人が挫折しちゃうのかなと思いました。

ーーそんな挫折の理由に対して、どのようにすれば乗り越えられるのでしょうか?

勝又:まずは「学習を習慣化する仕組みを作る」ことじゃないですかね。

学習すると決めたら土日は予定を入れずに絶対学習時間にする。趣味も付き合いは数カ月後にまたできることだと思うので断って、今はとにかくプログラミング学習に集中するってすると、非常に習慣化しやすいんじゃないかなと思います。

あとは強制感ですね。それこそスクールなんかは、強制的に宿題が出たり、進捗を聞かれたりするので「やらざるを得ない」状態になるんですよね。木内さんの前で言うのもアレですけど、別にスクールに行かないと駄目とは言わないけれど、オンラインサロンでもなんでもいいので「やらないと誰かに怒られたりするくらいの環境」があるといいんじゃないかなと思います。

木内:強制感という意味では、たしかにスクールはお金もかかるので効果がありそうですね。

私達はそういう環境の提供にプラスして、先程の3つの理由を解決できるサービスを用意して「未経験でも挫折しないプログラミングスクール」を実現しています。

まず、入塾前のカウンセリングにしっかり時間をいただき、「目標設定の曖昧さ」を解決します。学習が始まったら、マンツーマンで気軽に質問できるし、講師がモチベーションを上げてくれるので、自主性も高めることができます。

さらに自分の好きな時間に学習できることでライフワークバランスも取りやすく、継続できる仕組みを作っています。

勝又:あとは競争相手を作るとかもいいと思いますね。人によるとは思うんですが、他の人と比べて自分がどれくらいできてるのか比較したり、この人には負けたくないみたいなライバル意識とかがモチベーションに反映される人も多いと思うので。

木内:なるほど。今の侍エンジニアはマンツーマンな分、他の人との比較がしづらい環境なので、そういう方のニーズには応えられていないかもしれませんね。参考にさせていただきます(笑)

これからのIT業界には「いい人間」と「夢を持った人」が欲しい

ーーこれからのIT業界、どんな人が増えてほしいと思いますか?

勝又:そうですねー、スキルの高さよりも「いい人間」になってほしいですね。ちゃんと挨拶をする、丁寧にコミュニケーションを取る、自分より立場が弱い人に偉そうな態度を取らないとか、人間としての基本は持ち続けていただきたいです。

もちろんエンジニアすべてがそういう人なわけではないんですけど、それなりに嫌な人が多い界隈なんですよね(笑) 「Brilliant Jerks問題」と言うんですけど、要は「頭のいいクソ野郎」ですね。俺は頭がいい、スキルもある、だから偉いんだ逆らうな!みたいな。

これからIT業界に入る方は、「Brilliantでめっちゃいい人」になって頂きたいです。

木内:私としては、「夢を持った人」が増えてくれると嬉しいですね。

侍エンジニアのスローガンが「人生が変わるプログラミング学習」なのは、プログラミングを学ぶことで、今よりもずっといい人生を歩んでほしいという願いからです。結構人生こんなもんかみたいに諦めている方も多いんじゃないかなと思うんですけど、プログラミングはそれを解決できる一つのツールだと思うんですよね。

それこそ収入を上げたり、安定して働いたり、フリーランスとして活躍したり、フィールドが幅広いからこそ、仕事だけではなくプライベートも含めて「人生の選択肢」が増やせるスキルですからね。そういうことにワクワクしながら取り組める人が増えたら、IT業界はより良くなるんじゃないかなと思います。

ーーお二人の「事業者」としての目標は何でしょうか?

木内:私は引き続き、質の高いサービスで「挫折しないプログラミング学習」を提供していきたいですね。

やはり運営している醍醐味としては、生徒さんの人生が変わっていく姿を見られることが何よりの楽しみなんです。それこそ、本当にPCに触ったことすら無いような未経験の方も入塾していただくことが多いので、そうした方がプログラミングという世界に出会い、エンジニアとして羽ばたいていく姿を見るのは本当に面白いです。

多くの生徒さんと出会いを楽しみ、その生徒さんの「人生が変わる」場所であり続けたいと思います。

勝又:僕の場合、使命感でやっているというよりは、有用な情報のニーズがあるからやっている「事業者」なのですが、それで少しでもWeb系エンジニアという職種が世の中にとって魅力的になってくれるといいなと思っています。

Web系エンジニアという職業は、単価・需要・将来性・スキルの可搬性・ワークスタイルの柔軟性の5本柱がバランス良く、高いレベルで揃っている唯一の職業だと思うんです。そして他の職種と掛け算することで、本当にいろんな事ができる面白い職業だとも思うんですよね。

そういう風に世の中に広まっていって、それを面白がってくれる人が増えてくれるといいなと思います。

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    この記事を書いた人

    【プロフィール】
    DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
    累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
    【専門分野】
    IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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