Webデザイナーのキャリアパスを知りたい
Webデザイナーとして目標を定めたい
Webデザイナーとしてお勤めの方のなかには、会社等から示されているキャリアパスと自分が目指す働き方の関係が気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Webデザイナーとしてのキャリアの選び方を解説したうえで、キャリアアップを狙える職種もご紹介します。合わせて、自らが思い描いているキャリアパスを実現させるための方法も解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Webデザイナーのキャリアの選び方
後悔のない選択をするには、「キャリアの選び方」が重要です。
ここから、Webデザイナーからのキャリアの選び方として
- 自己分析をする
- 短期的・長期的なキャリアプランを決める
- 目指す職種の将来性や動向を確認する
の3つをご紹介します。
自己分析をする
キャリア選びをするときには、自己分析をすると自分に合ったキャリアを選びやすいです。今までの業務の中で得意だった分野や楽しかった経験などをリストアップして、自分の適性を確認しておくと良いでしょう。
自分の適性を把握していないことが
- 強みを活かせないキャリアを選んでしまう
- 業務にストレスを感じてしまう
などの原因になるため、最初の段階で自己分析をしておくことが大切です。
もちろん途中で方針転換することもできますが、早い段階で目指す職種が決まっていればスキル習得も無駄なくできます。最初に自己分析を行って適性を確認し、自分に合ったキャリアを選ぶと良いでしょう。
短期的・長期的なキャリアプランを決める
短期的・長期的にキャリアプランを考えることも大切です。また職場選び、将来の働き方や人生設計といったことも前提にしておく方が良いでしょう。
短期的な目標としては、
- どういったWebデザイナーになりたいのか
- どういったスキルを身につけたいのか
などを設定すると良いでしょう。
また長期的な目標は、
- 5年・10年後に向けてのキャリア像
- 希望年収
- 働き方
など、できるだけ幅広い観点からキャリアプランを決めておくのがおすすめです。
短期的・長期的それぞれの目線からキャリアパスを選択すれば、これまでのスキルを活かしやすくなり、より活躍しやすくなるでしょう。
キャリアパスの将来性や動向を確認する
キャリアパスについて考えるときには、将来性や動向を確認することも大事です。
職種によっては、将来的に需要が減少すると予想されていることもあります。逆に将来性がある職種は、待遇面の条件もよくなるでしょう。
長期的に活躍できる環境は大切ですので、自分が目指すキャリアの将来性も調べておくと良いでしょう。
【技術職】Webデザイナーからのキャリアパス
Webサイトの構成やレイアウトを決め、クリエイティブに作成するWebデザイナーとしての職務経験を活かせるエンジニア職として、
- UI・UXデザイナー
- フロントエンドエンジニア
の2種類を解説します。
UI・UXデザイナー
UI(User Interface・ユーザーインターフェース)とは、主にWebサイトやWebサービスなどの見た目や操作部分のことを指します。また、UX(User Experience・ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザーがサービスを通して得る体験や経験のことです。
UIデザイナー・UXデザイナーは、Webサイトやシステムの使い勝手を良くしたりユーザーの満足度を高めたりするために、設計や制作・開発にユーザー視線を取り入れたりサービスそのものをデザインしたりする仕事です。
特にUIデザイナーについては、Webデザインの経験が設計に活きると考えられるためか、採用時にWebデザイナーとしての実務経験を求める企業もありますので、より具体的なキャリアの目標になるでしょう。
ちなみに、UIデザイナーについては次の記事で詳しく解説しているので、合わせて見てみてください。
フロントエンドエンジニア
Webデザイナーとして培ったデザインスキルを活かしながら、本格的にプログラミングを行いたいのであればフロントエンドエンジニアになるというキャリアも考えられます。
フロントエンドエンジニアはWebサイト等サービスの機能をプログラミングで開発しますが、そのときにWebデザイナーが設計したデザインを実装するなど、Webデザイナーとの関係も深い職種です。
フロントエンドエンジニアは主にWebサイトのブラウザ上での処理に関する開発を行うため、「JavaScript」等の動的な処理に関係する言語のスキルが必要になります。デザインの実装にはWebデザイナーとして培ったデザインのスキルが活かせ、また覚えるべき言語が限定的で習得の難易度が比較的低めなので、準備もしやすいでしょう。
ちなみに、フロントエンドエンジニアについては次のリンク先の記事で詳しく解説しているので、ぜひ見てみてくださいね。
【上位職】Webデザイナーからのキャリアパス
デザイナーのキャリアパスとしては、ディレクターやプロデューサーが上位職として示されることが一般的です。またデザインの専門性に特化した上位職として、アートディレクターが示されることもあります。
ディレクターやプロデューサーには、デザインのスキル以外にプロジェクト計画や管理等のマネジメント力が求められますが、仕事の幅も広がり、年齢を重ねてからも活躍できる職種といえるでしょう。
Webデザイナーのキャリアパスとして示されることの多い
- Webディレクター
- Webプロデューサー
- アートディレクター
の3種類を解説します。
Webディレクター
Webディレクターは、Web開発案件のリーダー的存在としてディレクションやプロジェクト管理等を行います。
このとき、デザイナーやエンジニア、ライターなどのメンバーを取りまとめるリーダーシップや、クライアントと要件を確認したりするコミュニケーション力、計画にそって進行するリーダーシップなどが求められます。
よりよいWebサイトを作成するにはWebデザイナーとしての経験が活きるため、Webディレクターはキャリアパスとして妥当なものと考えられます。
Webプロデューサー
WebデザイナーからWebディレクターになり、その次のキャリアパスとしてWebプロデューサーが示されます。
Webプロデューサーは、Webサイトの運用等の事業を統括する責任者的立場です。
事業を統括する立場として、開発以外のマーケティング等の立場も含め、予算や要員を管理するマネジメント力、個別のプロジェクトを評価する企画力、組織内外のステークホルダーと折衝する交渉力等が求められます。
Webデザインの知識も活かせますが、それ以外のスキルの重要性が高くなるため、Webディレクターとして経験を積み、視野を広げてから目指す方が良いと考えられます。
アートディレクター
Webデザイナーとしてのデザインスキルが活かせる上位職として、アートディレクターも考えられます。アートディレクターはWebサイトだけでなく、雑誌や動画媒体などさまざまなデザイン作成の責任者といえます。
必要なスキルとして、
- デザインスキルや知見
- コミュニケーションスキル
などが挙げられます。
アートディレクターは、デザインにおける総合責任者という位置付けなので、デザインする対象の本質に向き合う姿勢、デザインの技術や歴史についての知見、また時代性や地域性の動向に対する感覚等、多角的な能力が必要になると考えられます。
Webデザイナーとして活動しているときから、より広い視野でデザインを学ぶことが大切でしょう。
【その他】Webデザイナーからのキャリアパス
Webデザイナーとしての専門性高めることやマネジメント力をつけてのキャリアアップの他にも、業務経験が活きる職種として考えられる
- Webマーケター
- Webコンサルタント
の2つを解説します。
Webマーケター
WebマーケターはWebサイトを運営するときに、SEO(検索エンジン最適化)対策やSNSなどを活用した広告戦略などのマーケティング業務を行う職種です。
必要なスキルは
- SEO知識
- Webサイトの分析スキル
- SNSなど広告宣伝の知識
などがあります。
Webデザイナーの知識を直接活かせる場面は少ないですが、Webデザイナーとして培ったユーザー目線は強みになるでしょう。
また、Webマーケターは利益にも直結する仕事なので需要があります。そのため、しっかりスキルを身につければ独立する選択肢も見えてきます。
Webコンサルタント
Webデザイナーの知識や経験を活かしながら将来的に経営にも関わっていきたいなら、Webコンサルタントという選択肢もあります。
Webコンサルタントは、クライアントの経営戦略や希望に合わせてWebサイト運営やWebサービス開発などに関するコンサルティングを行う仕事です。企業に対して利益が上がるような戦略の提案を行う必要があるため、Web運営や経営など幅広い知識と経験が必要になります。
他に求められるスキルとして、
- コミュニケーションスキル
- 問題解決力
- Webマーケティングスキル
- Web運営の成功実績
などがあります。
特にコンサルティング結果は企業の利益に直結するので、実績がないと企業側の信頼を得ることができません。Webコンサルタントは幅広い知識と経験が必要なため、Webデザイナーから直接キャリアアップするのは難しいでしょう。
一度技術職とマネジメント職の両方を経験したうえで、スキルも実力も高めてから挑戦すると良いでしょう。
【フリーランス】Webデザイナーのキャリアパス
Webデザイナーの働き方としては企業に就職して働く選択肢が多いですが、スキルが高ければ組織のキャリアパスを離れフリーランスとして独立する選択肢もあります。
WebサイトやWebサービスを利用する企業や個人が増えている状況を考えると、フリーランスのWebデザイナーの需要が高まることも考えられます。
WebサイトやWeb広告等のデザインスキルが高いと評価されれば、
- 企業と業務委託契約する
- 自営業など小規模事業者のWebサイト作成に携わる
などの仕事をすることができるでしょう。
フリーランスは、仕事も自由に選べますし収入アップも可能です。Webデザイナーであれば、地方でも一定の需要があるので、営業ができれば働く場所も比較的融通が利くでしょう。
ただ、フリーランスは自分で決められることが多い反面、自己責任を問われる部分が多いのも事実です。案件獲得や事務作業などを自力で行う必要がありますし、場合によっては収入が不安定になる可能性もあります。
また、会社員とは違い
- 福利厚生や社会保障などの「もしもの」の備え
- クライアントとのトラブルの対応
など、自らリスクに備える必要も出てきます。
メリットばかりではありませんが、Webデザイナーとして独立し活躍の幅を広げたい方はフリーランスを目指すのも良いのではないでしょうか。
ちなみに、フリーランスWebデザイナーになる方法は次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ確認してみてください。
Webデザイナーからのキャリアアップを実現する方法
Webデザイナーからキャリアアップを目指せる職種が分かったところで、実際に実現する方法も気になりますよね。
ここからは、キャリアアップを実現する方法として
- 複数のスキルを身につける
- 目指すキャリアプランを実現できる転職先を探す
- 履歴書・職務経歴書などを作成する
- 転職活動の面接対策を行う
の4つを解説します。
複数のスキルを身につける
Webデザイナーからキャリアアップを目指しているのであれば、複数のスキルを身につける必要があります。
デザインスキル以外にも
- プログラミングスキル
- マネジメントスキル
- コミュニケーションスキル
- 経営スキル
など、職種に合わせたスキルが必要になります。
多くのスキルを持っていれば選択肢が広がりますが、スキルが少ないと希望するキャリアを目指せないこともあります。できるだけ早いうちから、キャリアプランを念頭に自分が必要と考えるスキルを習得しておくと良いでしょう。
キャリアが実現できる転職先を探す
現在所属している企業でのキャリアパスが実現できそうになければ、実現の可能性が高そうな転職先を探すのも一つの手です。
一口にIT企業といっても、その事業内容等により求める人材も変わります。そのため、自分が所属する企業に居続けても希望のキャリアが実現しないこともあります。
例えば、企業によってはWebデザイナーとして採用されたらそのまま職種が変わらず、キャリアアップできない場合もあるでしょう。
環境も大切なので、今の組織で可能性が低いと考えるなら転職を検討する余地もでてきます。転職エージェントを利用したり、信頼できる転職サイトの情報を入手したりしながら自分の望むキャリアパスが示された企業を探しましょう。
履歴書・職務経歴書などを作成する
Webデザイナーからキャリアアップを目指して転職する場合、履歴書や職務経歴書等の書類を作成する必要があります。
各書類の作成ルールなどは募集要項に詳しい規定などが記されていると思いますが、
- 過去に経験したプロジェクトの内容
- 自分が主に担当した業務の内容
- PV、コンバージョン、売上アップ等につながった具体的な作業実績
- 取得した資格
などを具体的に記載して、実務経験をアピールすると良いでしょう。
また、企業によってはプロジェクトの詳細を記録しているため、職務経歴書を作成するときに不明な情報については相談することもできるでしょう。
履歴書には転職理由や志望動機などを記載する必要がありますが、企業側が納得できる前向きな転職理由や志望動機を考えておきましょう。可能であれば転職アドバイザーや転職経験者に添削してもらい、自分をアピールできる書類を作成しましょう。
また、実績を示すためにポートフォリオを作成しておくのも良いでしょう。
「ポートフォリオ」とは実績を示す作品集のことです。作品だけでなくプロフィールや経歴などをまとめたWebサイトを作成することもあります。
ちなみに、ポートフォリオの必要性については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
転職の面接対策を行う
キャリアアップに繋がる転職を成功させるためには、転職活動時の面接対策が必要です。
面接では
- 志望動機
- 業務経験と実績
- 今後のキャリアプラン
など、さまざまな内容を質問されるため、想定問答集を作成し備えておくのもいいでしょう。
面接は新卒時に経験した人も多いと思いますが、慣れない体験なので緊張もするでしょう。緊張状態では普段の振る舞いはなかなかできないので、備えることなくその場で対応しようとしてもうまくいかないことがほとんどです。
ビジネスマナーや笑顔での受け答えなど、相手への印象を良くするためにも模擬面接などの対策を受けておくのがおすすめです。
次のリンク先の記事では、面接でも聞かれることが多い志望動機の考え方を解説しているので、想定問答集の作成時に役立ててみてください。
まとめ
Webデザイナーからのキャリアパスとして考えられる職種は、技術職系、上位職系の他どちらにも分類できない職種が考えられ、組織を離れてフリーランスとして活動する選択肢も出てきます。
それぞれ必要なスキルが異なるので、しっかり準備してチャレンジしてみてください。
まずは自己分析をして自分の適性、長所や短所を確認してから、短期的・長期的なキャリアプランを決めましょう。また、職種の将来性や動向もチェックして長期的に活躍できると思われるキャリアを選ぶと良いでしょう。
【技術職】
・UI・UXデザイナー
・フロントエンドエンジニア
【上位職】
・Webディレクター
・Webプロデューサー
・アートディレクター
【その他】
・Webマーケター
・Webコンサルタント
・フリーランスでの活動
キャリアパスを実現するためには、示された職種に必要なスキルを獲得しましょう。組織内に自分が求めるキャリアがないときは、必要に応じて転職を検討してください。転職を成功させるためには、必要書類や面接等への備えが重要になります。準備の時間を確保できるように、早めにとりかかりましょう。