いま、システムエンジニアの人手不足が深刻化しています。
今回は、システムエンジニアが人手不足になっている理由5つと、その解決策についてご紹介していきます。
システムエンジニアの人手不足は本当?
システムエンジニアは、現在人手不足に陥っています。システムエンジニアの人手不足は深刻ではないという話もありますが、それは一般的な意見であり、本当に必要とされる技術を持っているシステムエンジニアが足りていないのです。
その背景として、高度な技術を持ったシステムエンジニアが引退してしまった、技術が多様化して高度になり過ぎて成り手がいないなど、さまざまな要因が挙げられています。
人手不足の現状
システムエンジニアは、人や質の足りない状態が続いており、深刻な状況と言えるでしょう。現代の企業はIT技術がさまざまな分野で利用されています。
システムエンジニアがいないと業務そのものがスムーズに続けられない状態の企業も多数あり、将来的に暗い見通しとなっています。
2030年までの不足数の見通し
システムエンジニアの人手不足は、経済産業省からの情報によると2030年までに78.9万人不足するといわれています。
少子高齢化などと合わせて考えると、たいへん信憑性のある数字です。早急な解決策が必要となっています。
システムエンジニアが人手不足になっている理由5つ
システムエンジニアの人手不足がなぜここまで深刻化しているのかについて、その理由を5つ挙げてご紹介していきます。
システムエンジニアの人手不足は2020年問題と揶揄されるほど業界では有名です。最先端の職業であり、現代では成り手が多いシステムエンジニアという仕事が、なぜ人手不足に陥っているのでしょうか。
理由1:ITを活用する事業分野が拡大している
システムエンジニアの人手不足の原因に、ゲームやアプリなどのITを活用する事業分野が拡大しているという理由が挙げられます。
現在のネットの状況は多様化しています。ITを中心とした事業が拡大して、さまざまな分野でシステムエンジニアの人手不足が発生しています。
会社も人事や経理にITやAIなどの最先端技術を取り入れるようになったため、それらを操るシステムエンジニアの人手不足が深刻化しています。
理由2:基幹系システムエンジニア人材の減少
システムエンジニアの人手不足の理由に、基幹系システムエンジニア人材が減少しているという点が挙げられます。
基幹系とは会社の業務に必要となる技術のことです。現在、企業はあたりまえのようにIT技術やクラウドなどのネットシステムを利用して業務をおこなっています。
IT技術がないと、企業の業務を遂行できない状態が普通になりつつあります。そのため、基幹系のシステムエンジニアの人手不足が深刻化しています。
理由3:ネガティブなイメージが強い
システムエンジニアの人手不足の要因に、技術者にはネガティブなイメージがつきまとっているからという理由があります。
現在、システムエンジニアは過酷な職業というイメージが強く、仕事内容がきつい、残業が多くてなかなか帰れない、さらには給料も少ないといった印象があります。
システムエンジニアのたいへんな部分だけが切り取られてしまい、その結果、人材不足につながっているのです。
理由4:給料が安い
システムエンジニアの人手不足の原因に、給料が安いという理由が挙げられています。システムエンジニアは納期までに仕上げなければならない仕事が多く激務です。
その割に給料が少ないと言われており、さらなる人手不足に陥っています。
理由5:技術の変化や進化が激しい
システムエンジニアは、最先端技術を習得する必要があり、向上心や学習能力が求められるため、やりたがる人が減りつつあります。
ひとつ技術を習得したら、またその上や新しいシステムを覚えなければ、クライアントの要求に応えていくことはできません
。目まぐるしい技術の変化にしっかりとついていかなくてはならないシステムエンジニアの仕事に、就きたいと思う人が少なくなってきている現状があります。
システムエンジニアの人手不足への解決策7つ
それでは、システムエンジニアの人手不足にどう対処すればよいのか、解決策7つをご紹介していきます。
解決策1:若者が憧れる職業にする
システムエンジニアの人手不足を解消するために、きついと言われている仕事のイメージを、明るい印象にしようとする努力がなされています。
システムエンジニアは、拘束時間が長い割には給料が少ないというブラックなイメージがつきまとっています。現代人は体を壊してまで仕事をしたくない・余暇を充実させたいという考えをより強く持っている傾向にあります。
まずは職場環境の改善が必須と言えるでしょう。
解決策2:エンジニアのフリーランス支援
システムエンジニアの人手不足を補うために、さまざまなフリーランス支援がおこなわれています。システムエンジニアは人手不足ですが、ひとりで多くの案件を対処できる、経験豊富で優秀な人材もいます。
そのような方の余った時間をビジネスに利用できるシステムを推進しているベンチャー企業なども存在しています。より高度な技術を試して腕を磨きたいシステムエンジニアのために、高いスキルの仕事も用意されています。
解決策3:人材の流動性の向上
システムエンジニアの人手不足を補うために、人材の流動性の向上は不可欠となっています。
フリーランスのシステムエンジニアがクラウドや転職サイトを有効活用していくことで、高度な技術が的確に必要とされる場所へ提供できる体制づくりが、日々おこなわれています。
解決策4:スキルアップ支援の強化
システムエンジニアの人手不足の深刻化を防ぐために、スキルアップのための取り組みが強化されています。システムエンジニア未経験の人でも、着実に技術が身につけられる環境を整え、スキルアップを支援している企業が増えています。
派遣業などは、特にシステムエンジニアのスキルアップに力を入れています。オリエンテーションや技術研修などをおこないながら実務をこなし、実践的な戦略で優秀なシステムエンジニアを育成しています。
解決策5:小学校からITに触れさせる
システムエンジニアの人手不足を解消するために、小学校などの児童にIT技術に触れる機会を増やしています。
子ども番組でも積極的にIT技術への取り組みがおこなわれています。子どものころからITに触れる機会を与えることで、システムエンジニアという仕事に対する興味を持ってもらえることを目的としています。
文部科学省からの情報によると、小学校プログラミング教育の充実を図るため、2020年からは小学校での必須科目にプログラミングが組み込まれることになっています。
解決策6:待遇の改善
システムエンジニアの人手不足を解消するために、給料や残業などの待遇面の改善を求める声が上がっています。
クラウドなどを利用して、自宅で自分のタイミングで仕事ができる環境が整っているなど、システムエンジニアの環境に利便性が求められています。また、給料面などを優遇することで、より高い技術を持つ人材を雇うことが可能となります。
解決策7:海外でのインディペンデント・コントラクターを参考にする
インディペンデント・コントラクターとは、企業に属さない専門職のことで、システムエンジニアの人手不足を解消するための参考にされています。
いわゆるフリーのシステムエンジニアのことで、個人で複数の企業と契約をすることで、より自由性と良い環境の確保がおこなわれる可能性が高まります。高齢のシステムエンジニアも、自分が動ける範囲で仕事ができるため、人手不足解消の一助として大いに期待されている方法です。
システムエンジニアの将来性
システムエンジニアの将来性は個人の資質にかかっています。システムエンジニアは体力がものをいう世界です。残業やストレス続きで疲弊してしまい、スキルアップができずに最先端技術に追いつけないまま疲れきってしまうからです。
そのような事態に陥らないためにも、若いうちからしっかりと技術を身につけ、常に向上心を持って仕事に取り組み、将来的に指導の立場になれる高いスキルを持つ必要性があります。
システムエンジニアが人手不足になっている理由を理解しよう
システムエンジニアが人手不足であるその理由5つと解決方法を解説しました。
今後ますます活発化していくIT化のなかで、システムエンジニアを小学生のうちからしっかりと育て上げていき、スキルアップが図れる環境を整えていきましょう。
優秀なシステムエンジニアの技術で、企業や経済を動かす時代がすでに始まっています。向上心を持ち、常にスキルアップをおこなっていきましょう。