この記事では、作成方法も交え、アプリ開発で設計書を作成するメリットを解説します。
設計書はさまざな開発や制作現場に存在しますが、アプリ開発での設計書はどのようなものでしょう。
この記事では、アプリ開発で設計書を作成するメリットや設計書の作成方法、作成するポイントなどについて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
- アプリ開発における設計書は「製作過程を記載した資料」
- 仕様書は完成図を示した資料という点で、設計書とは違いがある
- 更新や改修に向け、アプリの機能や仕様が把握しやすい点は設計書を作成する大きなメリット
アプリ開発に必要な「設計書」とは
アプリ開発における設計書とは、アプリ完成までの製作過程を記載した資料です。
設計書には作成するアプリのシステム構造や機能、どのようにして作るかなどが定義されているため、設計書を参照することでアプリを作ることができます。この記事では、アプリ開発における設計書について紹介していきます。
設計書の概要
設計書とは建築物や工業製品、システムなどに関する構造や機能、形などを定義したものを指します。建設工事においては設計図書の1つで、図面で表したものを設計図と言います。
アプリ開発における設計書の場合は、アプリが完成するまでの一連の流れをまとめ、記述します。たとえば、「ログイン画面のIDとパスワードは○○を用いて入力チェックをする」など、設計書では具体的な手法について記載します。
仕様書との違い
仕様書は完成図を示した資料で、設計書は完成するまでの工程を示した資料です。アプリ開発では仕様書も設計書も重要な役割を担う資料です。
前述のとおり、設計書がアプリの作り方を記載した資料であるのに対して、仕様書は「どのようなアプリを作るのか」「この動作を行った場合はこうする」などの決め事を記します。
たとえば「ログイン画面でID、パスワードが誤っていたらメッセージを表示する」といった内容を記載します。
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アプリ開発で設計書を作成するメリット3つ
アプリ開発時の設計書の作成には、いくつものメリットがあります。
設計書や仕様書はアプリ作成時に必要な資料です。アプリ開発時にしっかりとした設計書を用意しておくことで、アプリを長く使ったビジネスを行う場合、のちに多くのメリットをもたらすことになります。
ここではアプリ開発で設計書を作成するメリット3つを紹介します。
作成するメリット1:アプリビジネスを成功させやすくなる
設計書を作成しておくことで、アプリビジネスが成功しやすくなります。
設計書を作成しておくことで、担当者以外の人間でもアプリの機能を知ることができます。そのため、たとえば他社にアプリの修正を依頼する場合、設計書を参照することによってスムーズは修正が可能となり、修正時に余計な不具合を発生させる確率を下げることができます。
つまり、設計書を作成しておくことはアプリビジネスの成功に繋がるといえるでしょう。
作成するメリット2:アプリの機能や仕様の把握が容易に
設計書を作成しておくことで、誰でもアプリの機能や仕様を把握できるようになります。
アプリビジネスの成功とも重なる内容ですが、設計書を用意しておくことで、アプリ作成者ではない人でもアプリの仕様や機能について知ることが可能になります。
一方、設計書のないアプリの場合、担当者であっても機能について把握していないケースも多いです。そのため、修正時に把握していない仕様に関連して、余計なバグが発生する場合もあります。
作成するメリット3:初期のアプリ以上のバージョンアップができる
アプリ開発において、設計書はアプリのバージョンアップに必要な資料です。アプリ開発時の設計書の作成は、長期間のアプリビジネスを行う上で必要不可欠な要素です。
アプリの機能追加や修正などのバージョンアップを行う場合、開発時に設計書を作成しておくことにより、初期のアプリの設計を確認しながらバージョンアップができるようになります。
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アプリ開発での設計書の作成方法5つ
アプリ開発に必要な設計書の作成方法には、大きく分けて
- 画面設計
- 帳票設計
- バッチ設計
- テーブル・ファイル設計
- 外部インターフェース設計
の5つがあります。ここではこれらの設計書の作成方法を紹介します。
設計書の作成方法1:画面設計
アプリ開発の設計書では、デザインなどの画面設計を行います。
アプリ開発における画面設計では、アプリにどのような画面を用意するのかまとめた一覧や、画面の流れを記載した資料、画面の具体的なレイアウト、入出力項目についての一覧、どのような動作を行うのかがわかる資料を作成します。
具体的にはこのようなものがあります。
- 画面一覧
- 画面推移図
- 画面レイアウト
- 画面入出力項目一覧
- 画面アクション定義
設計書の作成方法2:帳票設計
アプリ開発の設計書では、出力する帳票一覧やレイアウトなどの帳票設計を行います。帳票設計では、帳票一覧や出力時に必要になる情報の定義、さらに帳票定義情報に配置して出力するデータの設計を行います。
また、帳票様式情報として帳票レイアウトや、入力データと帳票レイアウトの関連付けを定義します。具体的には、
- 帳票一覧
- 帳票概要
- 帳票レイアウト
- 帳票出力項目一覧
- 帳票編集定義
を定義します。
設計書の作成方法3:バッチ設計
アプリ開発の設計書では、バッチ処理に関するバッチ設計を行います。
バッチ処理では多くのデータを扱うため、バッチ処理に関する設計が必要になります。また、バッチ処理定義などを行うことにより、バッチ処理のボリューム感を把握することが可能になります。
具体的には、
- バッチ処理フロー
- バッチ処理一覧
- バッチ処理定義
を定義します。
バッチ処理一覧は作成目的により、機能、実行のどちらに着目するかが異なります。
設計書の作成方法4:テーブル・ファイル設計
アプリ開発の設計書では、用いるテーブルの関係性に関するテーブル・ファイル設計を行います。
アプリ開発では、利用するデータのテーブルの関連図を作成したり、テーブルやファイルの一覧資料を作ったりする必要があります。アプリ開発で用いるテーブルはもちろん、一時的に利用するテーブルも書きだします。
具体的には、
- テーブル関連図
- テーブル・ファイル一覧
- テーブル定義
- ファイル定義
- CRUD図
を定義します。
設計書の作成方法5:外部インターフェース設計
アプリ開発の設計書では、外部システムやインターフェースに関する外部インターフェース設計を行います。
アプリ開発では、利用する外部システムとのデータのやり取りの図解や、やりとりするデータをまとめた一覧、主要なデータ項目をまとめた資料なども作成する必要があります。
具体的には、
- テーブル関連図
- テーブル・ファイル一覧
- テーブル定義
- ファイル定義
- CRUD図
を定義します。
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アプリ開発での設計書を作成する際のポイント
アプリ開発で設計書を作成する場合、いくつかのやってはいけないポイントが存在します。しかしそういったポイントを避けて上手く設計書を作成することにより、アプリケーション開発を成功させることも可能です。
ここでは、それらのポイントを紹介しましょう。
可読性の高い設計書の作成を行う
設計書は誰にでも読める可読性の高いものを作成しましょう。アプリ開発で設計書を作る場合、作成した本人しか内容がわからなかったり、他の人では理解するのに時間がかかったりするようでは意味がありません。
アプリ開発時だけでなく、リリース後の保守運用を効率的に行うためにも、可読性の高い設計書を作成しましょう。
開発予算を考慮する
設計書は、開発予算を考慮した内容で作成しましょう。
アプリ開発では、最初から開発予算が決まっています。開発予算をきちんと考慮した内容で設計書を作成しなければ、開発時に要件を全て満たすことができなくなり、アプリ開発も失敗に終わるケースも考えられます。
そのため、アプリ設計の際には予算を考慮し、実現可能な内容で作成するようにしましょう。
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アプリ開発での設計書の作成方法を理解しよう
設計書はアプリ開発において必要な資料の1つです。
アプリのシステム構造や機能、具体的な作成方法についてまとめた設計書は、アプリ開発時はもちろん、開発後の保守においても重要になる成果物です。
設計書や仕様書などの資料が、結果的にアプリビジネスを成功させるか否かに繋がると言えるでしょう。そのため、アプリ開発を行う場合には設計書の重要性を理解し、品質の高い設計書を作成するようにしましょう。