ICT教育は、日本でも導入が進むことが決定しています。
今さら聞けない 「ICT教育とはなにか」という点やメリット、デメリットをまとめてみました。
ICTを教育現場で活かすために悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてみてください。
- ICT教育とは情報通信技術を活用した新たな勉強方法を指す
- 授業内容の幅が広がる点はICT教育のメリット
- 端末故障による授業ストップや初期コストを要する点はICT教育実施のデメリット
ICT教育とは?
ICT教育は、日本語では情報通信技術と呼ばれるIT技術を使った勉強法のことです。具体的には、授業にパソコンやタブレットなどを導入した調べ学習などです。
ICT教育は、今後も広がりを見せることが予想されています。 ICT教育を導入することによって、ひと昔の教室では考えられなかったような授業ができるようになってきました。
文部科学省が積極的に推進しているため、 ICT教育のメリットを全国で受けられるでしょう。
情報通信技術を活用した教育
情報通信技術を活用した教育である ICT教育は、日本だけでなく世界でも広がりをみせています。
日本では、1人1台の情報端末を導入することが閣議決定されました。さらに海外に目を向けると、エストニアでは学習教材の電子化が進み地域間での教育格差が縮まっています。
オランダでは家庭と学校で学習進捗管理アプリを共有し、生徒と先生、保護者が学業の理解度などを簡単に確認できる仕組みを取っています。
ICT教育のメリット8つ
ICT教育には、メリットが数多くあります。日本でも ICT教育導入が急ピッチで進められている理由として、課題はあるものの、子どもに優れた学習効果が期待できるからです。
さらに ICT教育は生徒側だけでなく、先生側にもメリットがあります。 ICT教育のメリットを理解しておけば、 ICT教育を導入した際に活用できるでしょう。
生徒のメリット
ICT教育を導入した教育機関で学ぶ生徒は、メリットが多くなっています。本と黒板のみで授業をしていた時代に比べると、教育現場が大きく変わる過渡期にあります。
タブレットなどを活用して自発的に学ぶことは、一方的に先生が話をするよりも生徒側も学ぶ楽しさに気が付くきっかけを与えてくれます。
インターネットを活用することのメリットは多く、海外の子どもとも簡単に交流することもできるでしょう。
メリット1:授業内容の幅が広がる
ICT教育を導入するメリットの1つ目は、授業内容の幅が広がることです。今まで先生の黒板を清書するだけという授業が、タブレットを使うことで劇的に変わります。
例えばビデオ機能を利用すれば、遠く離れた地域に住んでいる学生とディスカッションできます。英語や中国語を話す海外の生徒とも簡単にコミュニケーションが取れるため、グローバルな視野に立った考え方を身に着けられるでしょう。
メリット2:興味や関心が高まる
興味や関心が高まることは、 ICT教育導入のメリットと言えます。本に書かれていることで気になった事柄は、タブレットを使えば簡単に検索できるでしょう。
また音声やアニメーションを使った授業は、子どもの関心を引きやすくなります。さらに文章だけでは理解できなかった地理や歴史などの授業も、映像を見ながら行えば頭に入りやすいでしょう。
興味があることが増えれば、勉強も楽しくなります。学習の動機づけにもなります。
メリット3:主体的・協同的な授業が出来る
ICT教育のメリットには、生徒が主体的で協同的な授業ができることも挙げられます。一方的に先生の話を聞くだけではないため、授業を受けることが楽しくなるでしょう。
黒板の内容を生徒側の端末に共有すれば、黒板の書き写し時間を別の時間に当てられます。生徒もタブレットを利用して主体的に授業に参加できるため、先生が一方的に話すだけではなく双方向のコミュニケーションが取れるようになります。
メリット4:視覚的・聴覚的に情報を伝えられる
視覚的で聴覚的に情報を伝えられることは、 ICT教育のメリットです。図形問題を立体的に表現すれば、平面の紙だけでの説明よりも大幅に理解度がアップします。
画像や動画は生徒の関心を引きやすいですので、学習する際のモチベーションアップ効果が期待できます。文字だけよりも情報を的確に伝えられるため、正しい理解に繋がりやすいでしょう。
ICT教育の活用は、より子供の関心を引きやすい授業をする手助けになります。
教員のメリット
ICT教育は、教員側にも大きなメリットを与えてくれます。教員も試行錯誤しながら授業づくりをしていますが、文字よりも映像や画像を活用することでより分かりやすい授業ができるようになるでしょう。
教員側にとっての大きなメリットを4つ紹介していきます。生徒側も教員のメリットを知ることで、より ICT教育に対する理解が進むでしょう。
メリットの多い ICT教育は、今後スタンダードな教育法になるに違いありません。
メリット1:板書やプリント準備時間の削減
大きなメリットの1つ目は、板書やプリント準備時間が削減できる点です。今まで板書していた部分をタブレットで生徒側と共有すれば、何度も同じ内容を黒板に書く手間が省けるでしょう。
また、プリントの印刷は、教員にとって大きな時間のロスでした。
ICT教育が進めば、資料をタブレットで共有するだけで完了です。プリントの手間も省け、地球環境保護にもつながるでしょう。
メリット2:情報の利活用が楽に出来る
情報の利活用が楽にできることは、教員にとって大きなメリットです。紙ではなく電子データのため、検索したいことも瞬時に見つけられるでしょう。
今まで教員は紙ベースで情報を活用することが多く、時間をロスしていました。電子データをうまく活用すれば、授業の準備も手短にできるようになります。
教員は多忙であることが、問題になっています。 ICT教育が進めば、教員の働き方改革にも貢献できます。
メリット3:情報を早く仕入れることができる
情報を早く仕入れられることは、大きなメリットです。最新の情報も簡単に入手できるため、紙の教科書よりも新しい学術や発見に対応できます。
生徒から想定していない質問が来た場合、 ICT教育の場であればすぐに検索することも可能です。生徒の疑問をすぐに解消することが、よりよい授業づくりに貢献してくれます。
ICT教育の活用例も検索して真似すれば、効果的にタブレット学習ができるようになるでしょう。
メリット4:情報共有を教員間で簡単に行える
情報共有を教員間で簡単に行えることは、大きなメリットです。授業で使用した資料をお互いに共有すれば、資料作りの時間が大幅に変わるでしょう。
また授業の進捗状態を簡単に共有できれば、学年単位での学習成果の管理がしやすいです。こまめに情報共有しておけば、教員が急に休みになっても引継ぎの先生も簡単に対応できます。 ICT教育の活用方法を共有することで、タブレットなどを上手く活用するヒントが得られます。
ICT教育にはデメリットもある
メリットの大きいICT教育には、デメリットもあります。
例えばタブレットに依存した授業の場合、タブレットが不具合を起こせば授業継続が難しくなります。さらに ICT教育するための機材導入には、コストがかかります。さらにセキュリティ対策を万全にしておかないと、授業内容や生徒の成績などが外部に流出する危険性もあるでしょう。
さらに長期間のデバイスの使用は、子供の体に大きな影響を与えかねません。
デメリットも理解した対応が必要
ICT教育を進めたい現場は、デメリットがあることを念頭にしておく必要があります。セキュリティに詳しい専門家に対応を依頼するなど、プロに対策をお願いすることもおすすめです。
世界的な流れからみて、 ICT教育化が進むことを止めることはできません。そのためデメリットを上手く解消するように、生徒や先生が対応しないといけません。
不具合やWi-Fi環境をまめにチェックするなど、対策を取っていきましょう。
ICT教育でタブレットを活用するためのポイント2つ
ICT教育で生徒側が使うデバイスは、タブレットがメインです。タブレットは簡単に操作できて持ち運べるため、上手く活用すれば大きな学習効果が得られるでしょう。
タブレットを活用するには、大きく2つのポイントを押さえておく必要があります。
これからタブレットの導入を検討している現場は、しっかりチェックしてください。またタブレットに不慣れな生徒がいる場合は、事前に使い方をレクチャーすることも大切です。
ポイント1:メインコンピューターとタブレットの連動
メインコンピューターとタブレットの連動をしっかり行うことは、 ICT教育を上手く活用することにつながります。
上手く連動していなければ、授業が円滑に進まなくなるでしょう。メインコンピューターとタブレットの連動の設定は以前よりも簡単にできるようになっていますが、難しいと感じる人もいます。
ICT教育担当の教員がいる場合は、突然の休みや転勤などに備えて設定方法をフォルダーなどで共有しておくと安心です。
ポイント2:無線LANを利用できるようにする
無線LANを利用できるようにすることは、タブレットを活用する際に必要不可欠なことです。
学校全体で無線LANが使えるように、設備を整えましょう。 ICT教育では、屋外に出て調べもの学習をすることも想定されます。そのため、校庭でもタブレットが利用できるように、無線LANのアクセスポイントを繋げる必要があります。
サポートしてくれる企業も多いため、まずは担当者と打ち合わせを重ねることが大切です。
ICT教育にはデメリットもある
ICT教育には、デメリットもあります。生徒も教員も悪い点も頭に入れておくことで、正しく活用することに繋がるでしょう。
デメリットには、地域格差が生まれやすいことも挙げられています。自治体によって ICT教育に出せる予算が異なることは、デバイスの質に違いができる原因です。
さらに ICT教育に詳しい先生がいる場合といない場合では、授業の質に大きな違いができてしまいます。教員のデバイス教育も求められます。
デメリットも理解した対応が必要
デメリットも理解した対応が、教育現場で求められます。
教員のデバイスに対する知識を増やすことも、研修などを通じて行う必要があるでしょう。デメリットを気にするあまり ICT教育に消極的になることは、避けなければなりません。正しくデメリットを利用し、最小限にする努力が大切です。
教員だけで対応が難しければ、専門家の力を借りるなどの対応が必要になってくるでしょう。自治体や教育委員会との打ち合わせも大切です。
ICT教育のメリットを理解し上手に導入しよう
ICT教育は、今後スタンダードな教育法になること間違いなしです。
メリットとデメリットの両方を理解し、対応を進める必要があります。 ICT教育に不慣れな場合は、専門家や企業に手伝ってもらった方が効率よく正確です。試行錯誤しながら、教育現場で活用していきましょう。