アプリ開発業務に携わるエンジニアはどのような仕事をしているのでしょうか。
この記事ではアプリ開発業務の内容やアプリ開発業務で使用されるプログラミング言語などを紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
アプリ(アプリケーション)とは?
アプリケーションとは、コンピュータやスマートフォンなどにインストールして利用するソフトウェアを意味する言葉です。直訳すると「申請」や「適用」という意味があります。
アプリケーションはソフトウェアと混同されることがありますが、「アプリケーションはOSを含まないソフトウェア」「ソフトウェアはOSを含むソフトウェアを指す」という違いがあります。この記事では、アプリ開発業務や開発言語などを紹介していきます。
アプリ開発業務とは?
アプリ開発業務とは言葉のとおり、アプリケーションの設計から開発、テスト、運用、保守など全般の工程をともなう業務です。開発するアプリには業務用のアプリ、Webのアプリ、スマホアプリなどの種類があります。
アプリ開発業務では、ソフトウェアの知識だけでなくハードウェアやデータベース、ネットワークなどの幅広い知識が求められます。また、クライアントの要望をヒアリングする能力も必要となるケースがあります。
- 業務用のアプリを開発する
- Webのアプリを開発する
- スマホのアプリを開発する
業務用のアプリを開発する
業務用のアプリとはさまざまなビジネスで利用されるアプリのことです。その種類は多く、たとえば発注システムや通販システム、POSレジシステムや顧客管理システムなどがあります。
業務用アプリの開発を行う場合、クライアントである企業の問題を解決するためのアプリの設計、開発を行います。業務用アプリの中には銀行や証券など金融系の大規模なシステムも含まれています。
Webのアプリを開発する
Webアプリはパソコンなどのブラウザ上で動作するアプリのことを指します。WebアプリにはOSにインストールするものだけでなく、インストールせずに利用できるものもあります。
Webサイトのようですが、Twitterやメールアプリなどはインストール不要で利用できるWebアプリです。Webアプリ開発の業務ではECサイトなどの開発を行うケースが多いです。
スマホのアプリを開発する
スマホの普及拡大にともない、最近は子どもから高齢者までスマホを利用しています。現在はパソコンよりもスマホでインターネットを利用する人も多いです。
そのため、アプリ開発業務でもAndroidやiOSなどのスマホで利用できるアプリの開発を行うケースが多くなりました。今後もスマホアプリの開発業務を行う企業は増えていくでしょう。
アプリ開発業務に資格は必要なのか?
アプリ開発業務は多くの知識が必要になるため、プログラミングやネットワークなど幅広い知識と技術を持ったエキスパートである必要があります。
そのため、実際にはシステムアーキテクト試験やAndroid™技術者認定試験などの資格取得レベルのスキルが必要とされます。また、資格を保有していればスキルがあることの証明になり、給与が増えるケースもあるため、現実的には取得した方が良いでしょう。
- システムアーキテクト試験
- Android™技術者認定試験
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は情報処理技術者試験の1つで、上級システムエンジニアを対象とした国家試験です。
システムアーキテクトは開発工程においては分析や設計といった上流工程を担う人のことを指し、システムエンジニアよりも上級職とされています。システムアーキテクト試験は、その他のスペシャリスト試験よりも難易度は高めだと言えるでしょう。
Android™技術者認定試験
Android™技術者認定試験はAndroidでアプリケーション構築するためのスキルや知識などを証明できる試験です。「アプリケーション技術者認定試験」と「プラットフォーム技術者認定試験」の2つの資格が設けられており、エンジニアとして携わる領域に応じて選ぶことができます。
また、レベルはベーシックとプロフェッショナルの2段階に分かれており、受験対象はAndroid™技術者やWebアプリ開発者などです。
アプリ開発業務ツールとして活用される主な開発言語を3つ紹介
アプリ開発業務で利用されている言語にはいくつかの種類がありますが、対象が業務系アプリなのかWebアプリなのかスマホアプリなのかによっても変わります。
例えばWebアプリのフロントエンドに利用されるJava Script、iPhone向けプログラミング言語のSwift、Webアプリのバックエンドに用いられるRubyがあります。ここではアプリ開発業務ツールとして活用される開発言語について紹介します。
- 開発言語1:Java Script
- 開発言語2:Swift
- 開発言語3:Ruby
開発言語1:Java Script
JavaScriptはアメリカで誕生したスクリプト型のプログラミング言語で、Webサイトで利用することにより、ブラウザ上で動的なアクションが可能になります。JavaScriptはWebページやゲームを作るのにも適した言語となっており、あまりメインで使用する言語ではありませんが、他の言語と比較しても習得しやすい言語です。
開発言語2:Swift
Swiftは2014年に登場した言語で、他の言語と比較すると後発です。AppleのiOS向けのプログラミング言語となっており、iPhoneやMacなどのシステム開発に特化しています。
他の言語の利点を取りこんで開発されているため、コードの記述が少なく済みます。Appleのシステムやアプリ開発を行いたい場合には適した言語だと言えるでしょう。
開発言語3:Ruby
Rubyは日本で誕生したオブジェクト指向のプログラミング言語です。コードが非常にシンプルなため可読性が高く、汎用性も高いという特徴があります。
また、開発効率も良いことから、日本だけでなく海外でもよく使われている言語です。RubyはRuby on Railsというフレームワークを利用して開発することが多く、Ruby on Railsを利用することによりさまざまなアプリを効率よく開発できます。
アプリ開発業務に携わるエンジニアの労働環境は?
エンジニアとしてアプリ開発業務に携わりたいと考えている人の中には、どのような労働環境なのか気になっている方も多いでしょう。ここでは平均年収、平均年齢、男女比率、平均月間就労時間などのアプリ開発業務に携わるエンジニアの労働環境について紹介します。
- 平均年収は?
- 平均年齢は?
- 男女比率?
- 平均月間就労時間は?
平均年収は?
アプリ開発業務に携わるエンジニアの平均年収は、ITスキル研究フォーラムが調査した「IT技術者向けスキル診断2016年度調査レポート」で「アプリケーションスペシャリスト」という名前で調査されています。
この調査では、アプリケーションスペシャリストの平均年収は451万円となっていました。エンジニア職の平均年収は約500万円ほどだと言われており、その他のエンジニア職と比較しても年収は低めの値だと言えます。
平均年齢は?
経済産業省が作成した「ITスキル標準」にもとづくITエンジニア調査によると、アプリケーションスペシャリストの平均年齢は34.4歳という値になっていました。その他のコンサルタントやITスペシャリストなどと比較しても平均年齢が若いため、年収も低いことが予想されます。
男女比率は?
前述の「IT技術者向けスキル診断2016年度調査レポート」では、アプリケーションスペシャリストの男女比は男性が約82%、女性が約18%という値になっていました。
これだけでは男性の比率が非常に高いように見えますが、セールスなら男性が約89%、女性が約11%、ITスペシャリストなら男性が約91%、女性が約9%と言う結果になっているため、アプリケーションスペシャリストは比較的女性の比率が多いと言えます。
平均月間就労時間は?
dodaの調査によると、アプリケーションスペシャリストの1ヶ月の残業時間は平均29.1時間です。月間就労時間で計算すると、一日8時間勤務で完全週休2日制であれば8時間×22日=176時間なので、残業時間の29.1時間を足して205.1時間になります。
エンジニア職は残業時間が比較的多い職種となっているため、特に月刊就労時間が長すぎるということはないでしょう。
アプリ開発業務におけるキャリアパスを3つ紹介
ここまで紹介したとおり、アプリ開発業務に携わるエンジニアは比較的平均年齢が若く、平均年収もエンジニア職の中では低い傾向になります。
そのため、アプリ開発業務に携わることである程度スキルを身につけた後は、その後のキャリアパスも検討しましょう。考えられるキャリアパスには、プロジェクトマネージャー、コンサルタント、独立などがあります。ここではアプリ開発業務におけるキャリアパスを紹介します。
- プロジェクトマネージャーになる
- コンサルタントになる
- 独立起業する
キャリアパス1:プロジェクトマネージャーになる
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの計画や実行など現場全体の管理を行い、責任を持つ職種です。業務内容はプロジェクト計画の立案からクライアントとの打ち合わせ、進捗管理、完成したシステムのレビューなど多岐にわたります。
アプリ開発業務ではプログラミングが主になりますが、プロジェクトマネージャーはマネジメント能力やコミュニケーション能力も必要とされます。
キャリアパス2:コンサルタントになる
エンジニアではありませんが、クライアントの経営的な問題などを解決したり、業務を効率化するための方法を提案するコンサルタントを目指すキャリアパスも良いでしょう。
アプリ開発業務で培ったソフトウェアやネットワークなどの知識だけでなく、コミュニケーション能力や課題解決のための分析能力、提案能力なども求められます。
キャリアパス3:独立起業する
ある程度企業の中でキャリアを積んだら独立する方法もあります。近年急激に需要が増しているスマホアプリ市場などでは、多くのスタートアップ企業が参入してきています。
最初はフリーランスとして仕事を受注し、軌道に乗ってきたら企業して経営者側に回るのも良いでしょう。
アプリ開発業務に携わるエンジニアの将来性は?
今回はアプリ開発業務について、言語や環境や年収について紹介しました。
アプリ開発業務には業務系やWeb、スマホアプリなどの分野があり、必要とされる知識も多いです。また、比較的年齢も若く、スマホアプリなどの需要が増している市場もあるため、将来性は十分あると言えるでしょう。
キャリアパスとしては、アプリ開発業務のエキスパートとして続けても良いですが、別の分野へ転身するのも良いでしょう。興味のある方は、ぜひアプリ開発業務に携わるエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。