プログラミング言語のRubyはどのようなWebサービスやWebサイトなどを開発してきた実例を持つのでしょうか。
この記事では国内外のRuby on Railsの実例を紹介していきますので、興味のある方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
Rubyの基本知識
Rubyは日本で生まれたスクリプト言語で、柔軟性に優れたシンプルな言語なので日本だけでなく世界中で人気を集めています。他の言語と比較しても非常に汎用性の高い言語で、開発効率も良いため、多くのWebシステムで利用されています。
また、習得難易度も高くないため初心者にも人気で、Ruby用の開発フレームワークであるRuby on Railsを利用することで簡単で素早い開発が可能になります。
Ruby on Railsとは
Ruby on RailsはRubyで作られたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークの1つです。
フレームワークとは、アプリケーションやシステムを開発する際に、一からプログラミングしなくても効率よく開発ができるようにしたプログラムのひな形です。Rubyで開発を行う場合は、Ruby on Railsを使うのが一般的だと言えます。
国内外のRuby on Railsの実例
拡張性がありシンプルな記述ができるRubyは海外での人気も高く、SNSやショッピングサイトなどさまざまなWebサービス開発に利用されています。
国内、海外ともにRuby on Railsを使って作られたWebサービスは多く、中には多くの人が知っているような有名なWebサービスも含まれています。ここでは国内外のRuby on Railsの実例を紹介します。
海外のRuby on Railsの実例6つ
Ruby on Railsを使って作られた海外のWebサービスには、動画サイトのHuluやソフトウェア開発プラットフォームGitHubなどがあります。まずは海外のRuby on Railsの代表的な実例について紹介していきます。
海外のRuby on Railsの実例1:Airbnb
海外のRuby on Railsの実例としてはまずはAirbnb(エアビーアンドビー)があります。Airbnbは民泊などの宿泊施設を貸したい人と、部屋を借りたい人をマッチングするWebサービスです。
世界中に利用者がおり、192ヵ国で80万以上の宿泊施設を提供しています。AirbnbはRubyをスタートアップ企業ならではの使い方で利用しており、資料としても公開されています。
海外のRuby on Railsの実例2:Hulu
Hulu(フールー)はアメリカで開発された動画配信サービスで、月額制で映画、ドラマ、アニメなどが見放題となっています。Huluオリジナル作品や地上波ドラマの番外編などをHulu限定で配信しているケースも多く、日本での利用者も多い人気サービスです。
HuluもRuby on Railsで最初から開発されたサービスの実例の1つで、バックエンドでは現在もRuby on Railsが使われています。
海外のRuby on Railsの実例3:GitHub
GitHub(ギットハブ)はエンジニア用のソフトウェア開発のプラットフォームです。GitHubには8000万件以上のプロジェクトが預けられており、Gitと呼ばれるバージョン管理用ツールによって世界中のエンジニアに公開されています。
GitHubは誰でもソースを利用できるオープンソースとは異なり、あらゆるエンジニアが開発を進められるこのシステムにより、多くの優秀なプロジェクトを育ててきました。
海外のRuby on Railsの実例4:Kickstarter
Kickstarter(キックスターター)はクリエイティブなプロジェクトの資金調達を支援するクラウドファンディングサービスです。
シンプルで効率的な開発ができるRubyはスタートアップ企業が活用する実例が多く、Kickstarterもその中の1つです。Kickstarterで目標金額に達した場合はプロジェクトを実行することができ、支援者には実現した商品やサービスを返礼することもできます。
海外のRuby on Railsの実例5:Shopify
Shopify(ショッピファイ)はネットショップをはじめたい人向けにプラットフォームを提供するECサイト制作プラットフォームです。管理画面で設定するだけで簡単にネットショップを開けることから、175ヵ国のショップで利用されています。
Shopifyの実例では、Ruby on Railsを採用したことで毎分何百万件というリクエストを高速で処理できるようになっており、それがShopifyの成功の要因となっています。
海外のRuby on Railsの実例6:Scribd
Scribd(スクリブド)は電子書籍などの購読サービスです。洋書やオーディオブックが読み放題、聞き放題で楽しむことができます。
Scribdの実例として、世界中の多くのユーザーがデジタルコンテンツのダウンロードを行っており、Ruby on Railsで開発したことによって世界でもトップクラスのアクセス数を誇るサービスになりました。
国内のRuby on Railsの実例6つ
国内でのRuby on Railsを使って作られたWebサービスには、有名なところでは飲食店の口コミサイトの食べログや、レシピサイトのクックパッド、キュレーションサイトのグノシーなどがあります。
ここでは国内のRuby on Railsの代表的な実例について紹介していきます。
国内のRuby on Railsの実例1:クラウドワークス
クラウドワークスは仕事を依頼したい企業とフリーランスとをマッチングするクラウドソーシングサービスです。システム開発やWebライティングなどさまざまな仕事を受注することができ、多くのフリーランスが利用しています。
この実例では、元々クラウドワークスはスタートアップだったため、スピーディな開発ができるRuby on Railsは最適でした。
国内のRuby on Railsの実例2:食べログ
飲食店の口コミ情報を集めた口コミサイトである食べログも、Ruby on Railsで開発された実例の1つです。レビューだけでなく写真なども投稿できる仕組みにより、月間380万人が利用する大規模なサイトとなっています。食べログは開発事例だけでなく、2007年にRuby on Railsでの全面リニューアルも行われています。
国内のRuby on Railsの実例3:クックパッド
レシピサイトとして高い知名度を誇るクックパッドも、Ruby on Railsでの開発事例の1つです。多くのユーザーが登録するレシピやユーザー情報、コメントなどの情報を、Ruby on Railsを活かして管理しています。
国内のRuby on Railsの実例4:グノシー
グノシーはさまざまなニュースや情報をユーザーに提供するキュレーションサービスです。グノシーの事例では、キュレーションサイトという特性上他のサイトよりも短いスパンで新しい機能を実装する必要があり、その点でRuby on Railsで開発したことが役立っています。
国内のRuby on Railsの実例5:freee
freee(フリー)は個人事業主や小規模な法人向けのクラウド会計サービスです。freeeではミスの起こりやすい会計処理を自動化することでミスを無くし、手間やコストを削減します。
freeeの事例では、Googleを退職した代表取締役の佐々木氏がスタートアップとして開発効率の良いRuby on Railsでfreeeを開発し、起業したという経緯があります。
国内のRuby on Railsの実例6:メタップス
メタップスはAndroidアプリ開発者が収益を上げることを目的としたアプリ収益化プラットフォームです。ユーザーはアプリを試したり人に勧めるなど活動により手伝うことにより、料金を得ることと同等のメリットを得られます。
現在でもメタップスのエンジニアが使う主な開発言語はRubyとなっており、マーケティングサービスの開発が行われています。
Ruby言語を使うメリット5つ
ここまで紹介したとおり、Rubyは世界中のあらゆる有名なWebサービスやWebサイトに利用されている実例を持つプログラミング言語です。
エンジニアがシステムやアプリケーション開発を行う際にRubyを言語として利用することには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではRuby言語を使うメリット5つを紹介します。
使うメリット1:文法や書式などの記述がシンプル
Rubyは他のプログラミング言語と比較して、文法や書式などの記述が非常にシンプルです。他の言語であれば数行記述しなければ実行できない処理が、Rubyならシンプルに代入するだけで実現できます。
Rubyはシンプルで簡潔な書式なため可読性が高く、他の人が見ても処理がわかりやすいため、修正に時間がかかりません。
使うメリット2:非常に汎用性が高い
ここまで紹介したとおり、Rubyは多くのWebサービスやWebサイトの開発に用いられています。しかしRubyはWebサービスだけでなく、スマホアプリやゲームの開発も可能となっており、プログラミング言語としての汎用性が非常に高いです。
さらにOSもWindows、Mac、Linuxなどさまざまな環境で開発可能なので、あらゆる面で汎用性が高いと言えるでしょう。
使うメリット3:インタプリタ方式である
Rubyは代表的なインタプリタ方式のプログラミング言語です。インタプリタ方式とは、記述したプログラミング言語の命令を一つずつ機械語に翻訳しながら実行する方式です。
インタプリタ方式のプログラムには、作成したらすぐに実行できるというメリットがあります。逆にコンパイル方式のプログラミング言語の場合はソースを機械語に翻訳し、プログラムを実行するため、コンパイルに時間がかかります。
使うメリット4:オブジェクト指向
Rubyはオブジェクト指向の言語です。オブジェクト指向とは、多種類の関連するプログラムを一つのオブジェクトとして開発できることを指します。オブジェクト形式はコードの再利用が簡単だったり規模の大きなプログラムの開発が容易ということから開発効率が良いです。
完成後に修正するのも簡単なので、複数人数で大規模なプログラムを開発するのにも適しています。
使うメリット5:学習のしやすさ
Rubyは日本で生まれたプログラミング言語ということもあり、非常に勉強しやすい言語です。ポータルサイトも日本語なので初心者でも入門しやすく、わからないところがあっても解決しやすいため、独学のハードルが低いです。
また、前述のとおりコードの記述もシンプルなので、他のプログラミング言語よりも習得難易度が低いです。はじめて学ぶプログラミング言語として、Rubyは最適だと言えるでしょう。
Rubyの実例を参考にして活かしてみよう
今回は、Rubyで作られたサービスの国内外の実例を紹介していきました。
Rubyは開発効率がよく、スピードが重要なスタートアップ企業に適していることから、世界中の多くの有名なWebサービスやWebサイトの開発に利用されてきた実例を持つプログラミング言語です。
また、他のプログラミング言語と比較しても、初心者でも習得しやすいため、これからWebサービスやWebサイトを開発したいと考えている方は、ぜひRubyの実例を参考に開発してみてはいかがでしょうか。