この記事では、Webアプリ開発におすすめの統合開発環境を紹介します。
Webアプリケーションを開発するうえで大切なのが、開発環境の選定。開発環境を整えることで、生産性のアップやコーディングミスを減らし、快適な開発を行えるようになります。
とはいえ開発環境にはさまざまな種類があり、それぞれに異なった特徴があるため、どの開発環境を使えばいいか迷ってしまう方も多いでしょう。
本記事ではそのような方に向けて、開発環境の選び方や各開発環境の特長を解説します。これからWebアプリケーションを開発しようと思っている方や、開発用ツールの乗り換えを検討している方は必見です!
また、次の記事ではPythonを使ったWebアプリの開発手順を、開発例やPythonを活用するメリットも交えて紹介しているので良ければ参考にしてください。
- 便利な拡張機能が豊富「Visual Studio Code」
- 高機能かつ軽快な動作が魅力「Sublime Text」
- Javaでのアプリ開発におすすめ「Eclipse」
Webアプリ開発における開発環境の重要性
webアプリケーションを開発するうえで、開発環境選びは非常に重要です。
例えばHTMLやCSSのみであれば、実際のところはメモ帳のような簡易的なエディタでも記述できます。しかし高機能なエディタをインストールして開発環境を整えれば、コードが勝手に整形されたり、記述が間違っている箇所を教えてくれたりと、さまざまなお役立ち機能の恩恵を受けることができます。
また、高度な開発になると専用の環境を用意しなければビルドやデバッグができない場合もあります。開発環境を整えることは生産性の向上にもつながるので、目的に合った開発環境を用意するようにしましょう。
Webアプリの開発環境を選ぶポイント
開発環境の選定を間違えると、思ったように開発が進まなかったり、実現したいことができなかったりと後々つまずいてしまう可能性があります。そういった事態を防ぐために、ここで開発環境を選ぶためのポイントを3つ見ていきましょう!
言語に合わせて選ぶ
開発環境を選ぶポイントの一つめは、自分が使用する言語に合っているかどうかです。開発環境には大きく分けて、エディタと統合開発環境(IDE)の2種類があり、それぞれ以下のような違いがあります。
フロントエンド開発(HTML・CSS・JavaScript)は比較的動作が軽く必要な機能はエディタ、バックエンド開発(Java)では動作は重めで高機能な統合開発環境(IDE)が用いられることが多いです。
しかし、現在では高機能なエディタが登場し、拡張機能を利用することでバックエンド開発にも対応できるエディタも存在します。
このように高機能なエディタが出始めたことで、エディタと統合開発環境の境目が曖昧になっている面もありますが、それぞれ動作の軽快さや機能面で一長一短です。事前に目的に合った開発環境を調べておきましょう。
機能面で選ぶ
開発環境を選ぶポイントの二つめは、どのような機能が備わっているかです。統合開発環境にはコンパイラ、デバッガなど高度な機能が備わっているものが多いですが、エディタは動作が軽いため統合開発環境で行うような重い処理には向いていない場合があります。
また、基本的にエディタや統合開発環境には、自分の目的に合わせて拡張機能を追加できるものも存在します。拡張機能には言語ごとのコード補完機能や、自動でコードを整形してくれる機能などさまざまものが存在するので、自分の使うエディタにどのような拡張機能を導入できるか把握しておくと、後々開発環境を構築しやすくなるでしょう。
費用面で選ぶ
開発環境を選ぶポイントの三つめは、費用面です。現在ほとんどの開発環境が無償で使えますが、中には有料のものも存在します。
特別な目的がない場合や、webアプリ開発初心者の方は無料のもので十分なケースがほとんどですが、開発に慣れてきたら有料の開発環境にきりかえて使い心地を比較してみるのも良いでしょう。
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Webアプリ開発におすすめのエディタ・統合開発環境
ここまでは、webアプリ開発を始めるための開発環境の選び方について解説してきました。ここからは、実際に筆者がおすすめの開発環境を6つご紹介します。それぞれの特長を見て、自身に合った開発環境を見つけてください。
Visual Studio Code
- 種類:エディタ
- 向いている言語:HTML・CSS・JavaScript・Pythonなど
- 費用:無料
Visual Studio Codeは、マイクロソフトによって開発されているエディタです。Windows、MacOS、Linuxに対応しており、非常に高機能かつ軽快な動作が特長です。便利なショートカットキーがたくさん存在し、ファイルの差分比較なども簡単に行うことができます。
また、豊富な拡張機能が存在するのもおすすめポイントです。コード補完やGitとの連携はもちろん、拡張機能を使うことでPythonやPHP、Javaなどの開発環境を構築することが可能。
HTMLやCSSのコード補完機能が備わっており、コーダーやWebのフロントエンド開発に関わる方におすすめです。以下の記事もあわせてご覧ください。
Sublime Text
- 種類:エディタ
- 向いている言語:HTML・CSS・Javascript
- 費用:無料
Sublime Textは、オーストラリアのJon Skinnerさんによって開発されたエディタで、高機能かつ軽快な動作が特長です。初心者から現役の開発者まで幅広い層の開発者に利用されており、初心者がコーディングを始める場合にはVisual Studio Codeと並んで候補に挙がるエディタでしょう。パッケージをインストールすることで機能を拡張することもできるので、欲しい機能は必要に応じて補うことができます。
無料で使えるのも大きなポイント。まれに「寄付をしますか?」といった内容のポップアップが表示されますが、あくまで寄付なので無視したからといってエディタを使えなくなることはありません。
動作が非常に軽快であるため、本格的な開発はしないけれどたまにHTMLやCSSを触る機会があるという方にもおすすめしたいエディタです。以下の記事もあわせてご覧ください。
Eclipse
- 種類:統合開発環境(IDE)
- 向いている言語:Java
- 費用:無料
Eclipseは、Javaを初めとしたさまざまな開発に用いられる統合開発環境(IDE)です。標準でJavaの開発機能が備わっているため、インストールしてすぐにJavaの開発を始められるのが特長。開発する状況によっては別途JDKのインストールなどが必要ですが、個人で開発を始めてみる場合などは特に気にする必要はありません。
デメリットは、やや動作が重い・開発中に予期せぬトラブルが起きやすいという点です。先ほど紹介したVisual Studio Codeと比べると起動に時間が掛かったり、長い間開発していると開発環境が壊れてエラーが発生する場面に出くわしたりとやや手こずることが多いです。
とはいえ非常に高機能かつJavaを用いた開発に非常に向いているため、バックエンドをJavaで構築する場合などはEclipseを選ぶと間違いないでしょう。以下の記事もあわせてご覧ください。
PhpStorm
- 種類:統合開発環境(IDE)
- 向いている言語:HTML・Javascript・PHP
- 費用:有料
PhpStormは、チェコのJetBrains社が開発しているPHP向け統合開発環境(IDE)です。
PHP向けではありあますが、HTMLやJavaScriptの開発環境も備わっているため、バックエンドにPHPを使う場合のWeb開発にはもってこいの統合開発環境です。また動作が軽快な点や、エディタの見た目がかっこいいという点もPhpStormが愛される理由のひとつ。
デメリットは、利用料が発生するという点です。公式で購入する場合には、個人利用の場合で1,030円、年額払いの場合で1年目が10,300円かかります。ただし、継続して利用することで2年目、3年目の利用料が安くなります。(2020/09/08時点)
実際に使って見ないと魅力が分からないという方は、30日間無料で利用できるのでそちらを試してみるのがおすすめです。詳しいインストール方法はこちらのサイトに記載しているので、気になった方は参考にしてみてはいかがでしょうか。以下の記事もあわせてご覧ください。
NetBeans
- 種類:統合開発環境(IDE)
- 向いている言語:Java・JavaScript・PHP
- 費用:無料
Oracleを中心としたコミュニティにより開発されている、Java向け統合開発環境(IDE)です。Oracleが開発に関わっているため、Javaのアップデートにいち早く対応してくれるのが大きなメリット。Javaの統合開発環境として作られたNetBeansですが、現在ではJavaScriptやPHP、C言語など多くの言語での開発に対応しています。
またNetBeansがデフォルトで日本語に対応しており、公式サイトには日本語対応のチュートリアルも用意されているため比較的簡単に始められます。
WebStorm
- 種類:統合開発環境(IDE)
- 向いている言語:HTML・CSS・JavaScript
- 費用:有料
WebStormはPhpStormと同様に、チェコのJetBrains社が開発しているJavaScript向け統合開発環境(IDE)です。
WebStormの特長は、HTMLやCSS、JavaScriptといったWebフロントエンド開発に向いている点。JavaScriptのコード補完機能や、変数定義元へのジャンプ機能などが搭載されており、JavaScriptでの開発をより快適に行うことができます。比較的新しいJavaScriptフレームワークであるAngular、React、Vue.js、Meteorでの開発に対応しているほか、Node.jsを使ったサーバーサイド開発を行うことも可能です。
一方で、WebStormは利用料が発生する点がややデメリットです。個人利用の場合は月額680円、年額払いの場合は1年目が6,800円、2年目は5,400円、3年目は4,800円と継続して利用することで料金が安くなります。(2020/09/08時点)こちらもPhpStorm同様30日間のお試しライセンスが利用可能なので、気になった方はこちらのサイトをチェックしてみてください!
現役エンジニアおすすめのWebアプリ開発環境
ここまで開発環境について解説してましたが、初心者の方であればどの開発環境が自分に向いているかを見極めるのは非常に難しいでしょう。
そのような方に、現役でWebエンジニアの筆者が特におすすめしたい開発環境は、Visual Studio Codeです!フロントエンド開発ではHTML・CSS・JavaScript(jQuery)・Vue.jsといった技術を用いて開発を行ってきましたが、どれもVisual Studio Codeのみで快適に開発することができました。またVisual Studio CodeのプラグインにはSassをCSSに自動コンパイルしてくれるプラグインがあるため、Sassを利用する方には非常におすすめです。
バックエンド開発でJavaを選ぶのであれば、Eclipseを使用するのが良いでしょう。動作はやや重いですが、デバッグやデータベースとの連携といった高機能な開発環境を用意することができます。EclipseはWebのみでなくJavaを用いたAndroid開発にも向いている上、利用者が多く信頼できるエディタです。
まとめ
開発環境についての知識は深まりましたか?
Webアプリケーションを開発するにあたって、開発環境選びは重要です。今回紹介した開発環境の中で気になったものがあればぜひ一度使ってみてください!