この記事では、年収アップに必要なスキルも交え、インフラエンジニアの需要を解説します。
インフラエンジニアは、企業のデジタル化が進んでいるため需要が高まっているITエンジニア職です。
IT技術の基盤を支える重要な役割を担っています。さらに、近年のクラウドサービスの普及やセキュリティ対策の重要性が増していることから、インフラエンジニアの必要性が再評価されています。
この記事では、インフラエンジニアの需要について詳しく解説します。
インフラエンジニアの魅力については次の記事で詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアの需要
インフラエンジニアに興味がある人にとって、現在・今後の需要は気になりますよね。では、現時点での需要と今後の需要予測を紹介します。
次の記事でインフラエンジニアの需要や将来性を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
現時点でのインフラエンジニアの需要は高い
2024年8月時点でインフラエンジニアの需要は高いです。
インフラエンジニアは、企業などがWebサービスを運営するうえで必要なサーバーやネットワーク環境などのインフラ部分を構築します。
サーバーやネットワークなどのインフラ環境は、サービスの基礎部分であり必要不可欠です。
求人サイトindeedの求人数を検索すると、2024年8月現在で203,000件以上の求人募集があります。
2021年12月時点では58,077件の求人があったため、求人数が3倍以上増加していることがわかります。
インフラエンジニアの今後の需要予測
インフラエンジニアの需要は、今後さらに高まると予測されています。
経済産業省の調査によれば、IT人材の不足が深刻化しており、2030年までに約45万人のIT人材が不足する可能性があるとされています。
インフラエンジニアは、Webサイトやアプリなどの基盤部分を担う必要不可欠なITエンジニア職であるため、需要が高く、多くの企業が求めるIT人材です。
とくに、AWSやAzureなどのクラウドサービスの台頭に伴い、クラウドに関する知識を有しているインフラエンジニアの需要が高くなることが予想されます。
また、従来のハードウェアやネットワークの管理に加え、ソフトウェア定義インフラストラクチャ(SDI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった最新の技術トレンドに対応できる能力が必要となるでしょう。
今後も多くの技術革新が期待されているため、インフラエンジニアの活躍の場は広がり続けると予想されます。
需要のあるインフラエンジニアになった3つの例
インフラエンジニアとして活躍するようになった3人の例を紹介します。
出版社の編集者からインフラエンジニアに転職した小山さん
小山さんは、29歳で出版社の編集者からインフラエンジニアに転身しました。もともとITエンジニアに憧れを抱いていた彼女が転職を決意したきっかけは、友人の転職です。
彼女は侍エンジニアのクラウドエンジニア転職保証コースを受講して、AWSやSQLなどを学習し、AWSの認定資格「クラウドプラクティショナー」や「ソリューションアーキテクト」を取得した結果、転職活動を成功させました。
小山さんは、スクールでの学びを通じて技術だけでなく、エンジニアとしての思考法や問題解決能力を身につけました。また、小山さんは転職に際し、給与よりも成長できる環境を重視して転職先を選び、ITエンジニアとしてのキャリアを築いています。
次の記事に小山さんのインタビューが載っていますのでぜひ参考にしてください。
工場勤務から年収を100万以上あげた内藤さん
内藤さんは、もともと電子工作に興味を持ち、独学でプログラミングを学び始めました。
しかし、独学では限界を感じ、侍エンジニアのプログラミング教養コースを受けることを決意したといいます。
この指導を通じて、未経験から医療システムのインフラエンジニアに転職し、年収を100万円以上上げることに成功しました。
次の記事に内藤さんのインタビューが載っていますのでぜひ参考にしてください。
事務職からインフラエンジニアに転職した渡辺さん
渡辺さんは、30代で事務職からインフラエンジニアに転職しました。
自身のスキルアップを図るため、侍エンジニアでオーダーメイドコースを受講し、AWSの資格を取得したうえでインフラエンジニアとして転職を果たしました。
次の記事に渡辺さんのインタビューが載っていますので、ぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアの年収相場
インフラエンジニアの年収相場を紹介します。
会社員の場合
転職サイトdodaの2023年調査によると、インフラエンジニアの平均年収は454万円です。
ITエンジニア全体の平均年収が452万円であるため、インフラエンジニアの年収は平均的といえます。
しかし、平均以上の年収をもらうインフラエンジニアもいます。
高い年収を得るためには、インフラエンジニアとしての技術的な知識の深さはもちろん、先端技術の習得が重要です。
フリーランスの場合
会社員や派遣社員としてある程度経験を積んだら、フリーランスのエンジニアとして独立することもおすすめです。
フリーランスエンジニア向けIT求人・案件サイト「フリーランススタート」の2023年11月時点の調査では、フリーランスのインフラエンジニアの月額相場単価は約68.6万円でした。
データベースやクラウドなど技術に知見や経験があり、開発言語やフレームワークについても必要とされる分野で活かせられれば、より多くの月額相場単価で働くことが可能です。
インフラエンジニアが年収アップするのに必要な4つのスキル
インフラエンジニアとして年収をアップするために必要なスキルを4つ紹介します。
仮想化技術に対応できる
1つ目は仮想化技術についての知識です。仮想化技術は、近年主流となりつつある必須のスキルです。
仮想化により、物理サーバーのリソースを効率的に活用できるため、企業はコスト削減と運用効率の向上を実現できます。そのため、インフラエンジニアはVMwareやHyper-V、KVMなどのプラットフォームの導入や管理が求められます。
とくに、クラウドサービスは、仮想化技術を駆使することで柔軟なインフラ設計が可能となります。そのため、企業ニーズに合わせた迅速な対応が求められることが多いです。
仮想化技術を習得するためには、基本的な概念を理解した上で具体的なサービスについて学んでみましょう。仮想化技術は常に進化しているため、最新の技術動向を追い続けることも大切です。
マネジメントスキル
2つ目はマネジメントスキルです。インフラエンジニアが技術的なスキルに加え、マネジメントスキルを持つことは非常に重要です。
実際のプロジェクトでの役割がプロジェクトマネジャーでなくとも、インフラチームのタスク管理やリーダーシップを取れることで円滑なプロジェクト推進に貢献できます。また、社内での役割が拡大し、より高い報酬を得やすくなるでしょう。
大規模なプロジェクトでは、スケジュール管理やリスク管理、コスト管理など、さまざまなマネジメント能力が求められます。
マネジメントスキルを向上させるためには、まずはインフラメンバーに対してマネジメントを実施しましょう。マネジメントに関する専門書を読んだり、外部セミナーに参加したりする方法も有効です。
IaCへの対応ができる
3つ目はIaCへの対応ができることです。IaC(Infrastructure as Code)は、近年注目されているインフラの管理をプログラムコードで行う手法です。
IaCを導入すると、インフラの構築や変更が迅速かつ正確に行えるため、企業の運用効率を大幅に向上できます。ツールはTerraformやAnsible、Chefなどが有名です。
IaCを学ぶには、基本的なプログラミングスキルが必要で、TerraformやAnsibleなどのツールの操作方法を学び、実際のプロジェクトで応用する経験を積むことをおすすめします。
セキュリティスキル
4つ目はセキュリティスキルです。
インフラエンジニアにとって、インフラの設計や運用を行う上でセキュリティ対策は欠かせません。
特に、近年のサイバー攻撃の多様化でセキュリティスキルの重要性はますます高まっています。セキュリティエンジニアが対応する範囲は、ネットワークセキュリティやデータ保護、アクセス管理など、幅広い知識が求められます。
セキュリティスキルがあれば社内のセキュリティ体制を見直し、脆弱性を早期に発見・修正すれば、重大なセキュリティインシデントを未然に防げます。
セキュリティスキルを向上させるためには、まずは基本的なセキュリティの概念を理解し、実践的なトレーニングを積むことが重要です。また、最新のセキュリティトレンドや事例を常に把握し、新しい脅威に対する対策を学ぶ必要があります。
需要が高いインフラエンジニアになるために重要な4つのこと
需要が高いインフラエンジニアになるために重要なことを4つ紹介します。
スペシャリストを目指す
需要が高いインフラエンジニアになるためには、インフラ分野のスペシャリストを目指しましょう。
インフラエンジニアの場合、ネットワークやサーバ、ストレージなどに精通している必要があります。他にもAWSやAzureをはじめとするクラウドサービスなども挙げられます。
「まずはネットワークから」などインフラの特定範囲から学習をはじめ、理解に応じて学ぶ範囲を広げていくと関連性も理解できておすすめです。
また、資格の勉強を通して知識や資格の習得ができるため、転職に有利にはたらきます。
インフラエンジニアにおすすめの資格を次の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ゼネラリストを目指す
インフラ分野でのゼネラリストを目指すと需要の高いインフラエンジニアになれるでしょう。
インフラ分野で広範囲な知識をもつと、セキュリティを考慮しながら、ネットワークからデータベースといった、すべてのインフラ構築に携わることが可能です。
近年では、オンプレからクラウドサービスへの移行プロジェクトなども多くみられます。そのため、インフラへの全般的な知識を持つインフラエンジニアは重宝されます。
また、IT人材の減少に伴い、企業が確保できるエンジニアも少なくなるため、インフラ全般がみられるゼネラリストのインフラエンジニアは高い年収を得られます。
資格を取得する
インフラエンジニアとしての知識やスキルを証明するには、資格を取得する方法も有効です。
資格の取得はエンジニアの知識やスキルを客観的に証明できる有効な手段です。転職時の募集要項にも資格取得者を優遇する傾向があり、資格の難易度に応じた高い報酬が設定されています。
まずは、自分の得意な分野にどのような資格があるか調べて、チャレンジすることをおすすめします。
インフラエンジニア向けにおすすめの本を分野別に21冊紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
新しい情報を逃さない
インフラエンジニアに限らず、IT業界は常に進化しています。
インフラエンジニアとしてプロジェクトに参画した際に、自分が適用した技術が古い場合はセキュリティの抜け道になり、重要情報の流失につながる可能性があります。
そのため、最新のトレンドや技術を把握し、自ら勉強を行うことが重要です。
定期的に外部セミナーへの参加やIT業界の専門誌のチェックなど、新しい情報を積極的に収集する癖をつけましょう。
インフラエンジニアのキャリアパス
インフラエンジニアのキャリアパスを3つ紹介します。
次の記事でインフラエンジニアのキャリアパスを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネジャーはプロジェクトの計画や実行、管理を実施します。
インフラエンジニアとしてリーダーシップを発揮するなど、マネジメントスキルを磨き、プロジェクトマネジャーへのキャリアパスを描けます。
需要 | 高い |
専門性 | プロジェクト管理、コミュニケーションスキル、問題解決スキル等 |
平均年収※ | 645万円 |
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウドコンピューティングシステムの設計や実装、保守を担当します。
クラウドエンジニアはクラウド上に基盤構築を行うため、インフラエンジニアの経験を活かして転身できます。
需要 | 高い |
専門性 | AWSやAzureのクラウドサービス知識、ネットワーク、データベース等 |
平均年収※ | 447万円 |
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、セキュリティに特化したITエンジニア職です。
インフラエンジニアはネットワークなどのインフラを構築する際に、セキュリティに関する一定の知識をプロジェクトを通じて学べるため、セキュリティエンジニアにも転身できます。
需要 | 高い |
専門性 | ネットワークセキュリティ等の各種セキュリティ知識 |
平均年収 | 458万円 |
セキュリティエンジニアの仕事内容や年収やスキルについて、次の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアに関するよくある質問
インフラエンジニアに関するよくある質問を2つ紹介します。
インフラエンジニアになるための勉強方法を教えてください
インフラエンジニアになるためには、プロジェクトに適用できる知識を有する必要があります。
まずは、インフラエンジニアの範囲であるインフラに関する専門書で概要を確認します。その後、スクールやオンライン講座などを利用するかを検討してください。
より実践的な内容を学ぶためにはスクールをおすすめします。
次の記事でインフラエンジニアの勉強方法を初心者にも分かりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアになって後悔したことはありますか?
インフラエンジニアの業務内容や資質によります。IT業界に転職して後悔した一般的な内容としては、次が挙げられます。
- 技術の進化についていけない
- 障害対応によるストレス
インフラエンジニアになって後悔したことと、失敗しないコツを次の記事で紹介しているのでぜひ参考にしてください。
まとめ
インフラエンジニアは、現在も将来的にも需要の高いITエンジニア職です。
インフラエンジニアに限らず、IT業界は技術の進化が急速に進むため、日ごろから学ぶ姿勢が重要となります。
経験や知識、スキルを基に高い年収を得られるなど、さまざまなキャリアパスを描けるメリットがインフラエンジニアにあります。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。