いきなり正社員で働くのは自信がないから、派遣から始めようかな…
インフラエンジニアが派遣で働くのに、メリット・デメリットはある?
未経験からインフラエンジニアを目指すとき、正社員ではなく派遣社員からスタートしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、正社員と派遣社員の違い、派遣社員として働くことのメリット・デメリット、未経験から派遣社員としてインフラエンジニアになる方法を解説します。
- 仕事内容や働く時間・場所を選べるのは派遣勤務の大きな利点
- 派遣勤務には契約期間の縛りがある
- 未経験から派遣インフラエンジニアになるには基礎学習が必須
インフラエンジニアの仕事内容
エンジニアには大きく分けて、以下の3つの職種があります。
- インフラエンジニア
- 開発エンジニア(オープン系)
- 開発エンジニア(汎用系)
インフラエンジニアは、ITシステムの導入や運用を担います。通信ネットワーク用の機器や情報システムなどのITインフラを構成するコンピュータの導入から運用、保守、管理、更新を実施します。また、新たなシステムの導入時のシステムの検討や機器の選定・配置まですることもあります。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をぜひチェックしてみてください!
そもそも派遣社員とは?正社員との違いは?
上のグラフは、ユーザー企業がIT人材を獲得・確保した方法を示したものです。新卒採用や中途採用(キャリア採用)といった正社員雇用も多いのですが、社員規模が1,001名を超える規模が大きな企業ほど、協力企業・派遣企業等の外部人材が多く活用されているのがわかります。
正社員・契約社員との違い
実際に働く企業と直接雇用契約を結ぶ正社員や契約社員とは異なり、人材派遣の場合、人材派遣会社と派遣先企業という二つの会社が登場します。派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業は実際に仕事する勤務先になります。
派遣社員の種類は、一般派遣と紹介予定派遣の2種類。
一般派遣とは
通常「派遣社員」とは、一般派遣のことを指します。上で説明したように、派遣会社と雇用契約を結んで派遣先企業で働く形。働く人の希望や条件に合った仕事を選べるので、自由度が高い働き方ができるのが特徴です。
紹介予定派遣とは
派遣先企業に正社員や契約社員として直接雇用されることを前提として一定期間働く派遣社員を、「紹介予定派遣」と呼びます。派遣期間終了時に派遣社員と派遣先企業が合意すれば、直接雇用となる働き方です。
自分に合った働き方をしたい求職者とより良い人材を採用したい企業が、お互いを見極められるのがポイント。仕事内容はもちろん、職場環境や人間関係など入社後に生じやすいギャップを減らせるので、安定した雇用関係を築けるというメリットがあります。
例えば、以下のような方でも派遣会社のバックアップがあるので、効率よく就・転職活動ができるのが強み。
- 経験が浅く転職活動に不安がある
- 自己アピールに自信がなく面接が苦手
自分にとって働きやすかったり、自分に合ってると感じる会社の正社員になれる可能性が高まるのも魅力的です。
派遣で働くメリット5つ
ここでは、派遣で働くことのメリットを5つピックアップしてご紹介します。
自分に合った仕事を紹介してもらえる
仕事を選ぶとき誰もが「せっかく働くなら、自分に合った仕事がいい」と一度は思うのではないでしょうか。派遣会社の仕事は、人と仕事とつなぐことです。どんな仕事をしたいのか、どんな働き方をしたいのか、目指す将来の理想像や目標を伝えればあなたに合った仕事や派遣先をピックアップしてくれます。
実際に就業した後には、業務や働くことに対する不安や悩みを相談しやすいのもメリット。上司や同僚に話しにくいような内容でも、派遣会社なら話す相手は雇用元である派遣会社のスタッフですから、気軽に伝えやすい面があります。
勤務時間や勤務地など条件を選べる
- 自分が住んでいるエリアから○分以内に通勤できる
- △△駅の周辺にある会社がいい
- 朝のスタートが遅い会社で働きたい
- 子どもがまだ小さいから時短勤務したい
こんな風に、働く場所や時間を選べるのも派遣社員として働くメリットの1つ。正社員のように会社都合による部署の異動や転勤がないので、途中で業務内容が大きく変化したり勤務地が変わることはありません。
就業チャンスが多い
先にご紹介したIT人材白書のグラフからわかるように、就労人数が多い規模の大きな会社ほど、派遣社員をはじめとした外部人材を活用しています。
今のスキルや経験では正社員や契約社員として中途採用されるのはちょっと難しいかも…という方や、未経験だけど意欲はあるという方にとっては、規模の大きな会社で働ける可能性が大きくなります。質の高い仕事に携われる環境で経験を積みスキルを磨けるので、ステップアップの大きな足がかりになるはずです。
経験を積める
数カ月〜数年で契約満了となる派遣社員はさまざまな企業で働けますし、より多くのプロジェクトを経験できます。インフラエンジニアと言っても、事業所やプロジェクトの内容によって業務内容は大きく変わります。多種多様なプロジェクトに関わり、さまざまな経験を積めるのも、派遣社員として働く大きな魅力といえるでしょう。
時給が高い
派遣・求人のJOBNETによる「【2020年最新版】派遣社員の時給相場はごれくらい?業種ごとの時給と仕事内容を比較」によると、IT業界の派遣社員の時給は2,200〜2,400円。一覧にある他職種に比べダントツで高い時給となっています。
派遣社員の時給はアルバイトやパートに比べると時給が高い上、業界的により高い時給を得られます。比較的高い収入を得られるのもメリットと言えるでしょう。
派遣で働くデメリット3つ
一方で、派遣で働くことのデメリットもあります。
希望する仕事が常にあるわけではない
仕事内容や勤務地、勤務先など、自分の希望にマッチする仕事や会社からの求人が派遣会社にいつもあるわけではないので、希望する仕事がすぐに見つからないということが生じます。また、時給が高い上に交通費全額支給のような厚待遇な仕事は人気が高く倍率が高いため、応募しても採用されずなかなか仕事が決まらない、ということもあり得ます。
契約期間が決まっている
労働者派遣法では、日雇いの派遣契約は原則禁止。最短期間は31日と定められています。多くの場合、3ヶ月単位で上限3年までの有期契約が基本。契約更新がなければそこで契約終了となります。その仕事がどんなに面白くても、自分は続けたいと願っても、次の仕事を探さなければなりません。
正社員にはあるボーナスがない
賞与や特別手当と呼ばれることもあるボーナスは、定期的に支給される給与とは別に支払われます。ボーナスには、社員個人の業績に対して支給する業績賞与や、決算時に社員への利益配分のために臨時支給する決算賞与があります。
派遣社員は企業と直接雇用されている立場ではないので、ボーナスの支給対象になりません。ボーナス時期、月給の数ヶ月分をもらって浮き足立つ正社員を見ると何だか損しているような気になりますが、派遣社員の給与にはボーナスの分があらかじめ組み込まれているケースがあるため、派遣社員は正社員に比べて損していると一概に判断できないという側面も。
求人情報・転職サイトdoda調べのIT業界全体の平均年収は457万円。派遣社員として時給2,400円で、1日8時間、月20日勤務すると、年収は460万円強。派遣社員の年収と正社員の平均年収に、大きな差がないのがわかります。
当然ですが、高いスキルがあれば当然時給が高くなります。場合によっては、正社員よりも高い年収を得ることも可能なのです。
未経験から派遣社員としてインフラエンジニアになる方法
派遣社員として働くメリット・デメリットを理解したうえで、未経験から派遣社員としてインフラエンジニアになるためのプロセスをご紹介します。
基礎学習に取り組む
未経験とはいえ、情報工学系の学部をはじめ、理系の学部学科を卒業しているというような強みが欲しいところ。そういった基礎知識がない状態で転職活動をスタートするのは、正直リスクが高いです。
転職活動を始める前に、基礎的な部分を学習しておくことをおすすめします。インフラエンジニアに必要なサーバーやデータベースについての基本的な知識を学び、Progateのような無料で学べるサイトを活用してプログラミング言語を身につけておきましょう。
エンジニアは、常に新しい知識を仕入れることが求められる職業です。自分にインフラエンジニアとしての適性があるかどうか、こうした日々の学習ができるかどうか見極められます。
プログラミングスクールで学ぶ
時間と資金に余裕があるならプログラミングスクールを利用して、インフラエンジニアに必要なスキルを学ぶという手もあります。
私たち「侍エンジニア」では、エンジニアとして転職・独立を支援するカリキュラムをご用意しております。無料での体験やキャリア相談もできるので、気になったらぜひチェックしてみてください!
派遣会社・転職サイトに登録する
派遣社員として働きたいなら、まずは派遣会社や転職サイトへの登録が必要です。登録時の面談で、未経験であることを伝えれば、未経験者がエントリーできる案件を紹介してくれます。効率よく仕事を探したいなら、複数の派遣会社に登録するのもおすすめです。
ここでいくつか、派遣会社を紹介します。
夢テクノロジーは充実した研修制度が魅力的な派遣会社です。AWS、Salesforce、LPICなどのインフラエンジニア向けの資格取得を前提とした実践的なプログラムになっています。
その上で専任担当がつき一人一人に合った配属先を一緒に探してくれますので、IT未経験者でも安心です。
旧インテリジェンスの派遣と旧テンプスタッフ・テクノロジーが事業統合してできたパーソナルテクノロジースタッフは、エンジニアの派遣に強いのが特徴。優良企業の求人が多く、ITエンジニアを目指すなら、真っ先に登録しておきたい派遣会社です。
リクルートのグループ企業である派遣会社。IT派遣とエンジニア派遣に特化し、コーディネーターがスキルやキャリアにマッチした派遣先を紹介してくれると評判です。
オフィス職やクリエイティブ職に強いマイナビスタッフですが、大手優良企業の求人を多数扱っている点にも定評があります。高時給、短期、紹介予定派遣といった求人も豊富。自分に合った働き方ができる派遣先を見つけやすい派遣会社です。
関東圏のITエンジニアとクリエイター職の派遣求人に特化しているTypeのIT派遣。各種保険制度をはじめ、年次有給休暇、育休など福利厚生が充実しています。コーディネーター自身がIT業界に詳しいため、細かい条件をすぐに理解してもらえるのもポイントです。
就職活動する
未経験でもインフラエンジニアとして働ける派遣先企業を見つけたら、採用に向けて積極的に活動してきましょう。選考で落ちてしまうことがあっても諦めず、トライすることが肝心です。
職場見学は1回というケースがほとんどです。機会を逃さず肩の力を抜いて自分の持ち味を伝えられるよう、コーディネーターに相談しながら面接対策していきましょう!
派遣社員でもスキルアップできる!
2015年9月施行された改正労働者派遣法では、派遣社員として働くすべての労働者に教育訓練を受ける権利があるとし、特に入社後3年間は年間8時間以上の研修が必須となりました。派遣社員のキャリアアップを目的としており、以下のような内容が盛り込まれています。
- 雇用しているすべての労働者を対象に教育を行う
- 内容が労働者のキャリアアップにつながること
- 入植時の教育訓練は必須
- 無期雇用の労働者の場合は長期的なキャリアアップを考慮する
派遣社員であっても、段階的かつ体系的に教育訓練を受けられ、適切な派遣先を選んだり必要な資格取得について知られるようになりました。
派遣会社主催の研修やセミナーなどを受講できる
職種に応じたスキルを身につけられるよう、eラーニングやオンラインセミナーを用意している派遣会社が多くあります。また、キャリア形成やビジネススキルにまつわる研修も用意されていることがあり、キャリアアップが見込めます。
ちなみに先ほど紹介した夢テクノロジー社では研修に力を入れており、満足度4.3(5段階中)の評価を受けています。
派遣会社独自の資格取得支援制度を利用できる
各派遣会社は、実際の業務に役立つ資格取得に向けた支援プログラムを用意しています。指定する資格を取得した際に報奨金や一時金、お祝い金の支払いや資格手当の支給があるなど、派遣会社によって内容が異なります。
派遣会社に登録する際には、どんな資格取得制度があるのか調べておくことも大切です。特に資格取得にかかる受験料といった費用は、取得後に申請して受け取ることがほどんどです。事前に自己負担が必要なことは覚えておきましょう。
キャリアを積んで正社員を目指せる
企業のITインフラを支えるインフラエンジニアは、ニーズが高い職種。さらに、電気やガス、鉄道のように止めてはいけないインフラを扱う仕事なので不景気に強く、求人が常に出ています。
派遣から正社員を目指すには、自分で求人を探して転職活動をする方法と紹介予定派遣制度を利用する方法、派遣先で正社員登用される方法の3つがあります。実際のところ、紹介予定派遣の数や派遣先での正社員登用のチャンスはそう多くありませんが、能動的に働いてスキルアップし、実現した先輩たちはゼロではありません。
派遣社員としてキャリアを積んでスキルが身についていれば、自分で率先してする転職活動でも採用されやすいでしょう。紹介予定派遣制度を利用すれば派遣会社のサポートを受けられ、自分で転職活動をするよりもスムーズです。
最もハードルが高いのは、自ら転職活動をすること。とはいえ、派遣先企業で十分にスキルを身につけておけば、正社員雇用への近道になるはずです。派遣社員として、幅広い就業チャンスとキャリアアップ支援を活かし、スキルアップをしていきましょう!
派遣社員からステップアップするには?
未経験からインフラエンジニアになるには、まず本物の「未経験歓迎の求人」を見分けてエントリーし、狭い業務範囲のなかで仕事を覚えていきましょう。ネットワークエンジニアとして運用監視が主な仕事なら、未経験でもOK。インフラの中に含まれるネットワークエンジニアの求人なら業務範囲が狭いので、仕事を覚えやすいというメリットがあるからです。
インフラの中の一部であるネットワークを運用監視なら、トラブルがあったときにもマニュアルに従って対応を行うため、マニュアル外の対応を求められる保守よりも難易度は低くなります。
スキルを身につけて対応できる領域を広げていけば、派遣社員から正社員や契約社員へステップアップできる可能性が広がっていきます。
あると役立つ資格
初心者でも勉強しやすい比較的難易度の低い資格を、4つ紹介します。受験勉強を通じてインフラエンジニアが扱う機器の名前や役割を覚えられるため、資格を取得するのはおすすめです。
それぞれ上級資格があるので、取得後はさらに上の資格取得にチャレンジしましょう。
まとめ
需要が途切れることがない安定感があり、景気に左右されにくいインフラエンジニアは、未経験者がこれから目指すのにおすすめの職種。未経験からインフラエンジニアになるには、正社員のほかに派遣社員として働くという選択肢があります。
派遣社員なら企業の選択肢が広がって多くの経験ができるので、スピーディにスキルアップしていけます。意欲的に前向きにインフラエンジニアとして成長したい方に、おすすめの働き方です。