AWSエンジニアの年収は実際どれぐらいなんだろう?
AWSエンジニアに就職・転職したい方にとって、年収はとくに気になるポイントですよね。
AWSを導入する企業は増えていますが、実際の年収や今後の需要がどうなのかは知っておきたいところです。
そこで今回は、AWSエンジニアの年収や今後の需要、さらにAWSエンジニアとして働くための必要なスキルを紹介します。AWSエンジニアの仕事内容や、他のエンジニアとの年収の違いについて、よく調べてから転職を決めましょう。
AWSとは?
AWS(Amazon Web Services)とは、通販サイト大手のAmazonが提供するクラウドサービスの総称です。
Webサービスなどを動かすサーバー環境の貸出や画像認識など、インターネットを経由したサービスを幅広く展開しています。
AWSには、次のようなメリットがあります。
- 初期導入コスト不要。使った分だけ請求される
- ブラウザからの申し込み一つでサービスが利用できる
- 利用するサービスやリソースは必要なときに必要な分を追加できる
AWSは初期導入コストが不要で、必要な分だけ利用して使った分だけ請求するため、採用する企業が増えています。
AWSを詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
AWSエンジニアの仕事とは?
AWSのサービスは多岐に渡りますが、AWSエンジニアの主な仕事はAWS環境の設計・構築・運用です。
具体的には、次のような内容です。
- WebシステムやWebサイトの稼働環境の設計・構築
- 災害対策などのためのバックアップサービスなどの選定・設定
- Web環境の運用
- ビッグデータを蓄積する仕組みを構築
- ビッグデータの分析・運用
このようにAWSというクラウドサービスの特性を理解したうえで、いつでも安全に利用できる環境を提供することが求められます。
インフラエンジニアとの仕事の違い
環境の設計・構築・運用を行うエンジニアには、インフラエンジニアという職種もあります。
AWSエンジニアとの違いは、AWSのスキルを使って仕事をしているかの違いです。
実際のところ、AWSエンジニアを採用していない企業では、インフラエンジニアやネットワークエンジニアが案件単位で、お客様が使うAWS環境の設計や構築を担当する場合も多いです。
求人サイトからわかるAWSエンジニアの年収
まず弊社がエンジニア100名を対象に行った「現役エンジニアの年収に関するアンケート」の結果は次のとおりです。
アンケート調査によると、年収が400万以上の割合が最も多く、次いで300万以上となります。
ちなみにAWSエンジニアの年収は、約600万円が相場といわれています。
転職サイト大手「doda」の情報を見ると300~1000万円程とレンジは広いですが、平均すると年収600万円前後になります。
ITエンジニア向け転職サイト「プロエンジニア」のデータによると、AWSエンジニアで正社員の平均年収は580万円です。また「indeed」の情報を見ると、AWSエンジニアの平均年収は702万円(2021年6月時点)となります。
このことから、平均すると500~600万円程がAWSエンジニアの平均年収と考えて良いでしょう。
ただAWSでは幅広いサービスを提供しているため、人工知能や機械学習など、今後の需要が伸びそうな専門スキルを身につければ高い年収も狙える職種といえます。
AWSエンジニアと他エンジニアとの年収の違い
AWSエンジニアと他のエンジニアとの年収の違いを解説します。
AWSエンジニアと仕事内容が近い職種の「クラウドエンジニア」「インフラエンジニア」と、Webアプリケーション開発に携わるエンジニアの例として「Webエンジニア」の平均年収を「求人ボックス」で調べて、前述の「プロエンジニア」のAWSエンジニアのデータと比較しました。
エンジニア名 | 平均年収 |
AWSエンジニア | 580万円 |
クラウドエンジニア | 594万円 |
インフラエンジニア | 545万円 |
Webエンジニア | 598万円 |
クラウドエンジニアの年収
プロエンジニアの「AWSエンジニア」平均年収データと求人ボックスの「クラウドエンジニア」平均年収データを比較すると、次のとおりです。
- AWSエンジニア:年収580万円
- クラウドエンジニア:年収594万円
上記のようになっており、クラウドエンジニアが14万円高いです。両者の違いは、クラウドエンジニアの方が求められる知識が多いことが挙げられます。
AWSエンジニアは、AWSとインフラの知識が求められます。一方でクラウドエンジニアはAWSとインフラの知識にくわえて、「Microsoftが運営するAzure」や「Googleが運営するGCP(Google Cloud Platform)」などの知識が求められます。
クラウドエンジニアに興味がある方は、こちらの記事を参考にしてください。
インフラエンジニアの年収
プロエンジニアの「AWSエンジニア」平均年収データと求人ボックスの「インフラエンジニア」平均年収データを比較すると、次のとおりです。
- AWSエンジニア:年収580万円
- インフラエンジニア:年収545万円
上記のようになっており、AWSエンジニアが35万円高いです。AWSエンジニアの方がインフラエンジニアとしての給与に、プラスαでAWSのスキル分が給与に反映されている場合が多いのが理由です。
インフラエンジニアに興味がある方はこちらの記事を参考にしてください。
Webエンジニアの年収
プロエンジニアの「AWSエンジニア」平均年収データと求人ボックスの「Webエンジニア」の平均年収データを比較すると、次のとおりです。
- AWSエンジニア:年収580万円
- Webエンジニア:年収598万円
上記のようになっており、Webエンジニアが18万円高いです。両者の違いは、平均年齢の違いによるものと考えられます。
求人ボックスによるとWebエンジニアの平均年齢は38.5歳ですが、IT求人ナビによるとAWSエンジニアの平均年齢は35.7歳と若いです。
日本企業はまだまだ年功賃金を採用している企業が多いため、平均年齢が高いWebエンジニアの平均年収が高いでしょう。
高年収のAWSエンジニアに必要とされるスキル
AWSエンジニアとして仕事をするために、必要なスキルを紹介します。AWSで提供されているサービスから、必要なものを選んで学習しましょう。
- クラウドサービス(AWS)の知識
- ネットワーク構築のスキル
- プログラミングスキル
AWSエンジニアになるために必要なスキルを詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
クラウドサービス(AWS)知識
まずはAWSをはじめ、クラウドサービスに関する知識は必須です。
AWSは多くのサービスを提供しているためすべてのサービスの知識を網羅するのは難しいですが、インフラに必要な部分を学習する必要はあります。
とくに利用することが多いのは、次のサービスです。
- EC2
- S3
- RDS
- CloudWatch
- Lambda
これらのサービスを学びながら、AWSやクラウドサービスの基礎、AWSを使ったインフラの構築・設計・運用についてのスキルを身に着けましょう。
AWSについては深く学ぶ必要があり、どのサービスを使うのか適切に見極めるのも重要です。
ネットワーク構築のスキル
AWSエンジニアの仕事でも、サーバーやネットワークの構築といったインフラエンジニアのスキルが必要です。
クラウド上にインフラを構築するにもネットワーク概念の理解が必要であり、従来のオンプレミスで使われてきた技術との共通点も多くあります。
これまでオンプレミスであったハードウェアでの物理的な構築・管理が不要になった分、AWS上のソフトウェアでの構築スキルが必要です。
プログラミングスキル
クラウド上で環境を構築しているため、プログラミングによって管理ができます。とくにPythonはインフラの運用などの自動化のほか、人工知能や機械学習でも使われていて需要が高い言語です。
またIT業界の人手不足から、フルスタックエンジニアを求める企業も増えています。開発の視点とインフラの視点、それぞれの観点からシステム全体を考えられる能力は、需要が高いです。
そのため、プログラミングスキルを身につければより市場価値の高い人材になれるでしょう。
下記の記事では、クラウドエンジニアの需要や将来性、必要なスキルを紹介しているのであわせて読んでみてください。
【高需要】AWSエンジニアの年収が上がりやすい3つの理由
クラウドサービスの利用が増えるにつれ、AWSエンジニアの需要は今後も伸びていくでしょう。
それに伴い、年収も上がっていくことが考えられます。ここでは、その要因について3つご紹介します。
現場はクラウド化が進む
ここ数年で、多くの企業がクラウドサービスを活用するようになりました。そのなかでもAWSは、とくに利用されています。
AWSを利用すれば自社でインフラ環境を用意する必要がなく、手軽にAmazonが用意する質の高いリソースを利用できます。自らインフラ環境を管理・運営する必要もありません。
これにより企業は、イニシャルコストを抑えられます。さらにセキュリティに関しても、Amazonの強力なインフラ環境を利用できるのは安心です。
AWSを利用するのは多くのメリットがあるので、導入する企業も増えていくでしょう。
将来性が高く需要は伸びていく
PayPayやファミペイなど多くのサービスがインフラ環境にAWSを利用していることから、クラウド技術の需要は増えていくことでしょう。
さらにAWSは世界の通販最大手Amazonのインフラ環境ということもあり、AWSへの信頼度が高く、AWSエンジニアの需要が安定して伸びていくことが見込めます。
AWSエンジニアの将来性を深く知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
求人数も増加する
日本でも多くのサービスがインフラ環境にAWSを利用しており、今後の需要が安定して伸びることから求人数も安定して増加する可能性が高いでしょう。
またAWSはサービスの大きなカテゴリだけでも26以上あり、今現在も増え続けているため、AWSのサービス領域が拡大することが考えられます。サービスの拡大に伴い、求人数の増加が見込まれます。
AWSエンジニアの求人に興味がある方は、こちらの記事を参考にしてください。
未経験からAWSエンジニアに転職するには
AWSやインフラの高度な知見が必要で、他の職種に比べて求人数が少ないことから、未経験者を採用する求人は少なめです。
しかし、数は少ないながらも未経験研修制度などが充実している企業もあります。そういった企業に転職するには、以下の4つのステップを踏むことをおすすめします。
- プログラミングの知識を積む
- インフラ関連の知識を積む
- AWS認定の資格取得で専門性をアピール
- クラウドソーシングサイトより案件を探す
詳しいステップを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
まとめ
今回は、AWSエンジニアの年収や必要スキル、需要について紹介しました。
AWSエンジニアの年収は500万円~600万円ほどで、インフラエンジニアと兼任している場合も多くあります。
それに加えてAWSのスキルが必要になるので、年収もエンジニアのなかでは高い傾向にあります。今後の需要が伸びそうな専門分野もあわせて勉強すれば、さらに高い年収も狙えるでしょう。
ぜひAWSを学習して、高年収のAWSエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。
この記事のおさらい
複数の求人サイトの情報から、500~600万円が平均年収となります。
主にお客様が使うAWS環境の設計・構築・運用です。
クラウドサービス(AWS)知識、ネットワーク構築のスキル、プログラミングスキルです。