この記事では、CCNAの取得に向けたおすすめの勉強方法を解説します。
CCNAを取得するにはどんな勉強をすればいいのかな?
できるだけ効率よく勉強したい…
インフラ系エンジニアへの就業を見据え、CCNAを取得しようと考えている人は多いですよね。ただ、CCNAの取得に向け、何をどう勉強すればいいのかイメージが湧かない人もいるはず。
年々、CCNAの取得試験は難易度が増しているため、合格には相応の準備や対策が不可欠です。
そこで、今回は学習手順も交え、初心者が独学でCCNAを取得するおすすめの勉強方法を解説します。合格するコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
CCNAとは、シスコシステムズ社が実施しているネットワーク関連の資格です。ネットワークの世界共通資格で、基礎的なネットワーク知識が問われます。
シスコシステムズ社は世界最大手のネットワーク関連機器メーカーであるため、CCNAを取得することは、Ciscoルータやスイッチに関する技術力の証明にもなっています。
シスコシステムズ社のネットワーク資格はグレードが5つに分けられており、CCNAはその中でも下から2番目の難易度という位置づけです。
難易度的には下から2番目といっても、CCNA試験は決して簡単ではありません。年々試験範囲が広くなり、内容も濃くなっており、難易度が上がっている傾向にあります。
- CCNAはシスコシステムズ社が実施する有認定資格試験
- CCNAの取得にはネットワークやセキュリティなどへの幅広い知識が求められる
- CCNAの試験対策には問題集の反復が効果的
初心者が独学でCCNAの取得を目指す勉強方法
ここからは、初心者が独学でCCNAの取得を目指すおすすめの勉強方法を、2つにまとめて紹介します。
参考書で学習する
まずは、参考書を使った勉強方法についてご説明します。CCNA資格試験の勉強方法として参考書を利用する際のメリットは、
- 正確な情報が手に入る
- 直接マーカーやメモなどが記入できるので自分好みに見やすくできる
- 公式が出している本などもあるので、対策しやすい
個人的には2つ目に紹介した「自分好みに見やすくできる」という点が非常におすすめ。勉強するにあたって、モチベーションが非常に大切です。自分好みにアレンジしたり、見やすくできる点は自身のやる気が上がる要素にも繋がり、勉強効率も上がります。
また、正確な情報が手に入る点においては、公式のシスコシステムズ株式会社が出版している本があるので安心。信頼できる情報を手に入れることができます。
では数あるCCNAの勉強ができる参考書の中から厳選した、CCNA資格試験対策におすすめの参考書をご紹介します。
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 (日本語)
まず初めに紹介するのは、「シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 (日本語)」。CCNA資格試験は2020年から新試験に変更されたのですが、その新試験にも対応している一冊です。IT技術の専門スクールの講師陣が書き下ろしており、信頼性の高い情報に加えより実戦に近い方法や知識を身に付けることができます。
この参考書は日本語で記載されている中では一番のおすすめなので、気になる方は是非試してみてください。もし、英語ができる方は次に紹介するシスコシステムズ公式の参考書を試してみると良いでしょう。
なお、IT企業への就職やエンジニア転職を見据え、CCNAを取得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
侍エンジニアでは、現役エンジニアから指導を受けつつ、資格取得+就業活動のサポートが受けられます。
「累計受講者数4万5,000名以上」「転職成功率99%」を誇る侍エンジニアなら、未経験からでも挫折なくIT企業への就業が実現できますよ。
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CCNA 200-301 Official Cert Guide Library (英語)
こちらは、公式ガイドブックである参考書。600以上の模擬試験の質問に加えて2時間以上のビデオトレーニングが収録されており、ネットワークシミュレータも無料でダウンロードできたりと、非常にお得な一冊です。
Cisco Pressが出版している公式ガイドブックということもあり、信頼できる本ですが、英語で書かれているのが唯一の欠点と言えるでしょう。
なお、ITの仕事に興味はあるものの、どの職種が自分にあうのかわからない人もいますよね。そんな人は「ITキャリア診断」をお試しください。
かかる時間はたったの1分。5つの質問に答えるだけで、自分にあうIT職種を診断してもらえます。
自身に適した職種が知りたい人は、手軽に試してみると良いですよ。
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1週間でCCNAの基礎が学べる本
「1週間でCCNAの基礎が学べる本」は、ネットワーク初心者がスムーズに試験対策できるように作られた入門書です。
図を用いた説明も多く、イメージしにくいネットワークについて丁寧に解説された構成となっています。IT用語やIT基礎知識に自信がない人やCCNAの試験概要を知りたい人におすすめです。
また、CCNAの受験を見据えて、試験に関する情報が散りばめられており、模擬問題も掲載されています。
徹底攻略 Cisco CCENT/CCNA Routing & Switching
「徹底攻略 Cisco CCENT/CCNA Routing & Switching」は、試験実績No.1といわれる徹底攻略シリーズの黒本です。CCNAの試験対策に必要な知識が、網羅されています。
試験対策本であるため、暗記しておくべき箇所が分かりやすくまとまっています。
読者限定の無料特典として、スマホなどで勉強できる「徹底攻略スマホ問題集」がついているため、通勤・通学のスキマ時間に勉強したい人におすすめです。
学習サイトで勉強する
次に、CCNAの試験対策におすすめなサイトをご紹介します。
場所を選ばずにネット環境があればどこでも学習可能で、隙間時間を有効に活用できたり、サイトによってはわからないことを質問できたりと、Webサイトの魅力は豊富。もしCCNA資格の勉強をするのであれば、メリットがたくさんある学習サイトを積極的に利用していきましょう。
ここでは、数あるCCNA学習サイトの中から特におすすめする学習サイトを2つご紹介します。
Ping-t
「Ping-t」は国内でも有名なCCNA学習サイトで、10万人を超えるユーザーが登録しているポータルサイト。
「豊富な問題集」と「助け合いのフォーラム」という、困っている方とその疑問を解決できる方が助け合ってみんなでレベルアップできる、ポータルサイトならではの特徴が最大の強みでありポイントです。
基本的に無料で登録をすることが可能ですが、もっと深い学習をしたい方は月額2400円でプレミアムコンテンツを登録することも可能。とりあえず無料登録して、気に入れば月額課金してさらなる技術向上を目指すと良いでしょう。
@network Cisco
次に紹介するサイトは「@network Cisco」。豊富な問題集だけではなく実機を使って実践できるという、他にはない最大の特徴を持っているのがポイントです。また、シスコの資格試験関連の様々な情報が網羅的に集約されているのでわかりやすく、初心者でも簡単に学習できます。
個人の方が運営しているサイトなのですが、「ネットワーク学習をもっとお手軽に」をモットーに運営されており、全て無料で利用できる非常に太っ腹なサイト。CCNA試験の受験を検討している方は、一度目を通しておくことをおすすめします。
初心者が独学でCCNA試験に合格する勉強のコツ
ここからは、初心者が独学でCCNA試験に合格する勉強のコツを、4つにまとめて紹介します。
コツ1:合格ラインを把握する
まず、CCNAに合格するための合格ラインを把握します。
合格ラインを把握することで目指すべき得点が分かり、試験範囲をどの程度勉強すべきかの目安となります。
また、自分が理解している範囲と合格ラインと比較し、足りない知識を棚卸しすることが合格への近道です。そこから苦手分野を中心に重点的な勉強ができ、試験に向けた戦略を立てやすくなります。
現在のCCNA試験の合格ラインは、1,000点満点中800点から850点程度が目安とされていますが、最新の情報を確認しましょう。
コツ2:試験範囲を把握する
資格試験の勉強を始める際には、かならず試験にどの範囲が含まれているかを確認します。試験範囲の把握には、公式の試験ガイドを確認し、試験範囲を明確に把握しましょう。
また、Ciscoの公式ページで提供されている試験ガイドや、公式認定のトレーニングコースを利用して、試験範囲をカバーすることが大切です。
2024年現在のCCNA試験では、ネットワークの基本構造やセキュリティ、IPアドレッシング、ルーティング、スイッチングなど、幅広い分野の知識が求められます。
コツ3:CCNAのWEB問題集をやり込む
CCNA試験対策には、問題集の活用が非常に効果的です。特に、Ping-Tなどオンライン上で提供されているCCNAの模擬試験や問題集を繰り返し解くことで、問題の傾向を把握し、解答のスピードや精度を高められます。
繰り返し問題集を解くことで、自分が理解していない箇所や苦手な分野を見つけることができるでしょう。
また、時間制限のある模擬試験も利用すると、本番の試験に備えてタイムマネジメントの練習もできるためおすすめです。
コツ4:人前で発信して宣言する
友人やSNSなどで「CCNA資格取得を目指している」ことを宣言する方法は効果的です。
次のように、目標を公言することで、勉強に対する意識が高まり、途中で挫折しにくくなります。
また、学習状況を共有することで他の受験者との情報交換や刺激を受けることもできます。
ただし、SNSは不特定多数の人の目に触れるため、個人が特定されるような書き込みには注意が必要です。他にも、自身の学習状況と他人を比較して、落ち込むなど、のめりこみ過ぎないように気をつけましょう。
CCNAの取得試験にまつわる基礎知識
ここからは、次のトピック別にCCNAの取得試験にまつわる基礎知識を解説します。
必要な勉強時間
少し前までは、IT企業の未経験者向けの研修期間の3ヶ月の間にネットワークの勉強をして、研修期間を卒業するタイミングでCCNA試験の取得を目指す企業なども見られましたが、CCNA試験は年々アップデートされて難易度が非常に高くなっているので、未経験者が3ヶ月で取得するのも難しいのが現状です。
現在は、現役のネットワークエンジニアの方でも数ヶ月かかる程難しくなっています。CCNA試験は好きな時に受験でき、受験料も決して安くないので、1回で合格できるようにしっかり勉強しておきましょう。
求められる知識
CCNAの取得試験では、次の知識が求められます。
- ネットワークの基礎:大きく分けるとLANやWAN、インターネットの3種類に分類されるもののこと
- セキュリティの基礎:情報漏洩の危険性を0にするため、最大限考慮すべき事柄
- IPサービスの知識:TCP/IP通信、IPアドレスを利用した通信「ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト」を理解
- ネットワーク管理の自動化に関する知識:対応頻度の大小やリスクの高さなどを踏まえたネットワークの運用から構築・設計業務への理解
ネットワークを自動化する際には設計から運用までの全工程を把握する必要があるので、そこを前提に考えて学習するのがおすすめです。
合格ライン
具体的な合格ラインは公式で発表されていないため、ハッキリとした数値は明かされていないのですが、一般的に8〜9割の正答率が必要で、合格率は半分もないと言われています。ネットワーク系の技術は年々アップデートされており、さらに難易度は上がっているので、試験には万全の準備をしてから受験しましょう。
受験方法
CCNA試験は、オンラインまたは全国の指定試験センターで受験ができます。試験名は「200-301 CCNA」で、出題形式はCBT(Computer Based Testing)になります。
試験を受けるにはアカウントが必要になるので「シスコシステムズ社のアカウント作成画面」よりアカウントの作成を行ってください。
その後、「監督付き試験」というボタンをクリックすると色々な試験の名前が表示されますので、該当試験を選択しましょう。その後は、画面の指示通りに操作すれば試験の申し込みができます。
試験当日は下記の流れで進めます。
- 試験の当日は予約した日時に遅れずに行く
- 免許証などの身分証を提示
- デジタル写真を撮影し、署名確認
- 持っている電子機器の電源を全て切り、全ての私物をロッカーなどに保管(※待ち時間に問題集や参考書を読むのは禁止されています)
- 名前が呼ばれたら持ち物検査をして試験会場に入室
- 試験が終了したら試験管に従い退出
- 退出後にスコアレポートを受け取る
試験の合格後約1ヶ月で、合格証書が到着します。もし会社などに合格したことを合格証書到着前に証明したい場合には、トラッキングシステムなどもあるので公式サイトで確認してみてください。
オンラインで受験する場合、受験環境が要件を満たしているか事前に確認してください。試験後、結果はすぐに通知されます。
CCNA取得後に目指せるキャリアパス
ここからは、CCNA取得後に目指せるキャリアを3つ紹介します。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、ネットワークインフラの設計や構築、運用を担当するITエンジニアです。
CCNA資格を取得すると、ネットワーク設計やルーティング、スイッチングの基本知識を持つことが証明され、ネットワークエンジニアとしてのスタートラインに立つことができます。
なぜなら、ネットワークエンジニアにとって、シスコシステムズ社の製品を中心としたネットワーク機器の設定やトラブルシューティングが重要なスキルだからです。
ネットワークエンジニアの仕事内容をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、ネットワークだけでなくサーバーやストレージ、クラウドを含むインフラの構築や運用を担当します。
ネットワークの知識が欠かせない環境において、ルーティングやスイッチングのスキルは非常に重要であるため、CCNAの知識は役立ちます。
インフラエンジニアの仕事内容や年収、キャリアパスについて詳しく知りたい人は、次の記事で紹介しているのでぜひ参考にしてください。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、組織の情報システムをサイバー攻撃から守るITエンジニアです。
ネットワーク上でのセキュリティを確保するセキュリティエンジニアにとって、CCNAの知識は基礎知識として知っておくべきものです。
セキュリティエンジニアの仕事内容や年収、必要なスキルについて詳しく知りたい人は、次の記事で紹介しているのでぜひ参考にしてください。
CCNA資格の注意点
先ほども述べましたが、CCNA資格は有効期限や更新が必要です。注意点を簡単にみていきましょう。
CCNA資格には有効期限がある
CCNA資格には有効期限があり、その期限は「3年」。一般的な資格は1度取ってしまえばOKですが、ネットワークエンジニアという職種は他のエンジニア職と比べても特にトレンドや技術の移り変わりが激しいため、資格に有効期限が設定されています。
3年毎に資格を更新して、自身の技術や知識も最新だという証明を行うようにしましょう。
CCNA資格の更新方法は?
CCNA資格の更新方法は実にシンプルで、以下の2つ。
- CCNA試験を再度受けて合格する
- CCNA資格の上位資格CCNPの試験に合格する
このように、再度同じCCNA試験を受験するか上位資格のCCNPを受験するかです。しかし実際には、CCNA資格を更新するために再受験する方は稀。ネットワークエンジニアとしてCCNAを取得し、その後3年間実務に就けば否が応でも技術や知識は向上するので、上位資格であるCCNPの取得を目指すのがおすすめです。
CCNA取得後のキャリアアップを考えていてCCNA上位資格の「CCNP」についてもっと知りたい方は、こちらの公式サイトから詳細を確認してみてください。
まとめ
今回は、CCNA資格試験の勉強法や合格するためのポイントなどを紹介しました。
CCNAを取得すると、ネットワークエンジニア以外にもインフラエンジニアやセキュリティエンジニアへのキャリアパスが広がるため、取得を迷っている人には取得をおすすめします。
なにから手をつけたらいいか分からない人は、侍エンジニアの無料カウンセリングにぜひご相談ください。侍エンジニアでは、専門の講師によるレッスンを行っているため、効率的にCCNAの取得ができます。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
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