ノンプログラミングのWebアプリを無料で作るサービスがあったら知りたい
ソースコードを記述しなくてもITコンテンツを開発できる手法を、ノンプログラミングと言います。Webアプリを作れるノンプログラミングのサービスには、フリーのプランやトライアルがあって無料で利用できるものも。
そこでこの記事では、ノンプログラミングでWebアプリを作れるサービスのうち無料で利用可能なものを紹介し、さらにノンプログラミングでWebアプリを作成する仕組みをわかりやすく解説します。はじめてノンプログラミングのサービスを使ってみるなら、まずは無料で利用できるサービスで試してみましょう。
- 「Glide」や「Adalo」を使えば誰でも簡単にモバイルアプリが開発できる
- SNSといったWebアプリの作成には「Bubble」がおすすめ
- 業務管理アプリの開発には「AppSheet」や「kintone」がおすすめ
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
【無料】ノンプログラミングでWebアプリが作れるサービス5選
ここでは、ノンプログラミングでWebアプリが作れるサービスのなかで、フリーのプランやトライアル期間が設けられているものを紹介します。
- Glide(グライド)
- Adalo(アダロ)
- Bubble(バブル)
- AppSheet(アップシート)
- kintone(キントーン)
作成したWebアプリを運用するには有料のプランを利用する必要がありますが、お試しや練習が無料でできるのは嬉しいですよね。サービスの特徴を一つひとつ見ていきましょう。
【サービス1】Glide(グライド)
Googleスプレッドシートと連携させたモバイル向けのPWA(プログレッシブウェブアプリ)を作成するWebサービスです。
PWAはモバイル端末にプッシュ通知を送ったり、フルスクリーン表示できるWebアプリで、ネイティブアプリ(普通のモバイルアプリのこと)に近い機能のWebアプリ(Webブラウザ上で動作するアプリ)という位置付けになっています。作成できるのはリスト表示アプリで、検索、地図の埋め込み、動画の埋め込み、コメント機能などを実装できます。
Googleスプレッドシートが作成できれば、誰でも簡単に利用可能。料金プランにフリープランがあり、100MBまでのファイルストレージであれば無料で利用できます。
【サービス2】Adalo(アダロ)
Webアプリやモバイルアプリ(iOS、Android)をノンプログラミングの操作で開発できるWebサービス。UIパーツをドラッグ&ドロップ操作で画面に配置するなどして作成していきます。
直感的な操作でシステム開発できるため、はじめてノンプログラミングツールを利用する方でも心配いりません。素早く開発できることから製品のプロトタイプなどにも活用されています。
料金プランのExplore Planが無料で利用できますが、モバイルアプリの公開はできずAdaloドメインのWebアプリのみ公開できます。また、データ量にも制限があります。
【サービス3】Bubble(バブル)
Webアプリのフロントエンド、バックエンド、データベースをそれぞれノンプログラミングで構築できるWebサービスです。SNSアプリなど幅広い種類のWebサービスを作成できます。
コードを記述する必要はありませんが、柔軟性が高いため操作は複雑です。公式のチュートリアルがありますが、英語のみの解説なので初心者向きではありません。
料金プランでHobbyを選択すれば無料で利用でき、練習するだけでなく公開もできます。無料のプランでは独自ドメインが使用できなかったり機能やストレージに制限があるので、本格的に運用するには有料のプランを利用しましょう。
【サービス4】AppSheet(アップシート)
Googleが買収したノンプログラミングのアプリ開発プラットフォーム。さまざまな業務システムをアプリとして開発し、Google Cloudで運用できます。
AppSheetではデータベースを構築せずに、既存のデータソースと連携してデータ管理を行ないます。データソースとして連携できるのは、以下の4つ。
- Googleスプレッドシート
- Excel
- Salesforce
- MySQLなどのデータベース
AppSheetでアプリを開発して運用していくには、データやデータ処理関数についての知識が必要です。使い方については日本語版チュートリアルも用意されており、無料トライアルでアプリを作成して公開できますが、ユーザーサインイン機能やオフライン作業ができないなどの制限があります。
【サービス5】kintone(キントーン)
100種類以上のサンプルアプリをもとに業務管理アプリを作成でき、進捗状況管理やコミュニケーション機能を組み込むことも可能です。ExcelファイルやCSVファイルを読み込んめるので、既存のデータを活用できます。
サンプルアプリを利用したりGUIの操作で簡単にアプリを作成して、用途別のアプリを必要なだけ運用できます。特に学習しなくても利用は可能。1人のユーザーあたり1,500円/月のスタンダードコースを30日間、無料でお試し利用できます。
ノンプログラミングでWebアプリを作る仕組みは?
業務アプリには顧客や製品、社員などに関するデータを保存して操作するデータベースが必要です。また、アプリを操作する画面にはUI(ユーザーインターフェース)を配置してデザインしなければいけません。
通常のアプリではサーバーにデータベースを構築して、問い合わせ言語のSQLでデータベースの操作を行ないます。WebアプリのUIは通常、フロントエンジニアがJavaScriptでプログラミングして作成します。
Webアプリをノンプログラミングで作成する際には、SQLもJavaScriptも使用せずにデータベースと画面のUIを構築します。その仕組を具体的に見ていきましょう。
【仕組み1】Excelをデータベースに見立てて、データベースが作れる
業務にデータベースを導入していない場合、顧客や製品などのデータはExcelのシートで管理されていることが多いです。ノンプログラミングでアプリを作成する際には、多くのサービスでExcelファイルなどのデータを読み込んでデータベース化してくれたり、Excelと連携した業務アプリを運用できます。
Excelは高機能な表計算ソフトですが、膨大なデータを検索したり操作するのには適していません。業務データが多くなってきたときに、それまで管理に使用していたExcelファイルを読み込んでデータベースにできるサービスは非常に便利です。
【仕組み2】アプリ画面などをツールを使って簡単に作れる
ノンプログラミングでアプリを作成するツールでは、GUI(グラフィックユーザーインターフェース)によるドラッグ&ドロップ操作で、アプリの画面に表示する内容やボタンなどのUIを設定できます。基本的にはツールによって用意されているパーツを組み合わせて構築していくので、アプリ開発の専門的な知識がなくてもデバイスごとの画面デザインが可能です。
一方で、アプリ作成ツールに用意されている機能やパーツ以外のものを実装することはできません。つまり、機能や画面に配置するパーツはサービスによって異なるので、目的に適したサービスを選択する必要があります。
まとめ
業務管理に使用するWebアプリをノンプログラミングで作れるサービスのうち、練習やトライアルとして無料で利用できるものを紹介し、さらにWebアプリを作成する仕組みについて解説しました。Excelファイルを読み込むだけでデータベースとして運用できる簡単なものから、機能が豊富でカスタマイズの自由度も高いが操作には習熟を要するものまで、さまざまなサービスがあります。
業務でExcelをデータ管理に使用していると、データの共有や担当の引き継ぎなどの面で問題があることを認識されているのではないでしょうか?利用するサービスによりますが、Excelからノンプログラミングで作成できるアプリに移行するのは、比較的手間もかからず抵抗なく運用できます。
是非、無料で試せるサービスで検討してみてください。