仕事を辞めるのにちょうどいいタイミングってあるの?
入社のことはわかるけど、退職するとなると戸惑うことありませんか? 筆者も退職経験がありますが、辞めるのを伝えるタイミングに頭を悩ませた時がありました。
「業務が滞るけど自身のスキルアップには退職しかない」と考え、勇気を出して上司に伝えた覚えがあります。あなたも同じように悩んでいるのではないでしょうか。
本記事では、筆者の経験から辞めるのにベストなタイミング、伝え方、引き留められた時の対応についてまとめています。
仕事を辞めるタイミングで悩んでいる方の参考となる記事となっています。ぜひ最後までご覧ください。
仕事を辞めるタイミングはいつ?
一口に仕事を辞めるといっても、ベストなタイミングは人それぞれです。繁忙期以外がよいという話が多いですが、それだけではありません。
仕事を辞めるタイミングとして考えられるのは次の通りです。
- 繁忙期以外
- ボーナスを貰ってから
- 転職先の都合に合わせて
- 独立なら準備が整ってから
- 結婚
- 職場環境がよくないなら早期
それぞれのタイミングについて詳しく紹介します。
繁忙期以外
辞めるタイミングで一番最適な時期は繁忙期以外です。なぜなら、繁忙期だと引き留めに合う可能性が高いからです。
さらに繁忙期は上司も忙しいことが多く、場合によってはまともに取り合ってもらえないこともあります。「こんな時期に辞めるなんて」と思われ、予想外に悪評となってしまったという話も聞きます。
どこかでまた一緒に仕事をする可能性もあるため、なるべくなら円満に辞めたいですよね。そのためにも、できる限り繁忙期をさけたタイミングで辞めるといいでしょう。
ボーナスを貰ってから
続いてのタイミングは、ボーナス支給後です。会社にもよりますが、半年に1度や決算でボーナスが支給されますよね。辞めるとしても、籍があればボーナスの支給対象になります。
環境がわるいといったマイナスな要因でなければ、働いた評価としてボーナスを貰ってからのタイミングの方が得です。また、在籍期間も伸びますしボーナスと退職金の両方を受け取ることができる場合もあります。
辞めた後というのは、これまでの生活が変わる時期でもあるため、お金に余裕があると精神的な安心感が違います。ですので、ボーナス支給後というのは仕事を辞めるタイミングとして検討してもいいでしょう。
転職先の都合に合わせて
みっつめのタイミングは、転職先の都合にあわせることです。このタイミングには、在籍期間中に転職活動を行い、次の就職先が見つかった場合が該当します。経済的な安心をもとめて、在籍期間中に転職活動することはよくある話です。
転職活動中に、ある程度の時期は伝えていると思います。けれど、実際に就職するとなったら転職先とよく話し合って決めることが大切です。
あなたが入社することを見越してプロジェクトを結成してる可能性もあるでしょう。また、前任者との引継ぎを考えている場合もあります。
転職先の都合にあわせることで、入社時に好印象を残すこともできます。円満に辞めることも大切ですが、それ以上に、今後のあなたのキャリアに影響する就職先を意識すると良いでしょう。
独立なら準備が整ってから
独立を考えて会社を辞めるなら、準備が整ってからが良いです。会社員と違い、独立すると収入が不安定になります。
ある程度の収入が見込める状態でなければ、収入が途絶え生活に影響がでるでしょう。さらに、収入がないことはストレスとなり精神衛生上もよくありません。
独立を考えているなら、収入が見込めるようになってから辞めるとよいです。
結婚
女性の場合は、結婚が仕事を辞めるタイミングとなる方もいるでしょう。結婚して旦那さんの勤務地に引っ越す等がその例です。転職と同じように、辞める時期等を決めてしっかりと伝えましょう。
企業によっては営業所や支店への異動を提案されることもあります。応じられるかどうかも含めて、自身の考えをまとめておくと良いです。
すぐに答えが出ないこともあるでしょう。その時は、考える時間をくださいと伝え、その場の雰囲気だけで回答しないよう気をつけてくださいね。
その場の雰囲気で回答すると後悔も生まれやすいです。生活に関わることだからこそ、しっかりと考えることが大切です。
職場環境がよくないなら早期退職
もし職場環境がよくないと感じて辞めたいと考えているなら、今すぐにでも辞めましょう。これまで紹介してきたタイミングは関係ありません。心身の健康が一番大切です。
生活を維持すること、仕事をすること、すべて心身共に健康だからこそできることです。職場環境によって体調を崩してしまったら、元も子もありません。
特に心の病は一度かかると、長い間付き合っていくことになります。あなたに合う職場は必ず見つかります。環境がよくないなら、今すぐ辞めて心身の健康を守りましょう。
仕事を辞める前に知っておきたい年金・税金の知識
仕事を辞めるなら、年金・税金がどうなるかを知っておくことが大切です。在職中は、年金・税金共に会社が手続きしてくれていたため、労働者側が何かすることはありませんでした。
しかし、再就職するまでに期間がある場合や独立後は、自分で行わなければなりません。次の4つは日本で生活する上で欠かせないものですので、しっかりと理解しておきましょう。
- 年金
- 住民税
- 所得税
- 社会保険
それぞれについて解説します。
年金
日本では、国民全てが年金制度に加入して年金の給付を受ける「国民皆年金」の原則があります。そのため、失業期間中や独立していても年金に加入しなければなりません。
そして、年金には3つの種類があり、会社員とフリーランス、失業者では区分が変わります。会社員の場合、第2号被保険者ですが、フリーランス・失業者は第1号被保険者に該当します。
退職後14日以内に市区町村役所・役場の国民年金窓口へ行き、変更手続きを行いましょう。
住民税
住民税は、1月~12月までの1年間の所得に対し、翌年6月~翌々年5月までに後払いしています。会社員であれば、給与から天引きされることもありますが、退職後は給与天引きができないため、自分で納める必要があります。
そして、退職する時期によって納税方法が異なるため、しっかり確認しておきましょう。簡単にまとめます。
【6月~12月に退職した場合】
翌年5月までに納める残額の支払いを、一括にするか分割にするか選び、会社に伝えます。一括の場合、最終付きの給与や退職金から天引きすることもできるため相談してみると良いでしょう。
【1月~5月に退職した場合】
5月までに納めるべき残額を、一括で支払います。
所得税
所得税は住民税と異なり、1年の総収入を想定した額が月割りで源泉徴収されています。退職後1ヶ月以上の失業期間がある場合など、所得税を多く納めていることになるため確定申告が必要になってきます。
また、年内に再就職するかしないかでも手続きが変わってきます。
【年内に再就職した場合】
就職先の会社で年末調整を行います。源泉徴収票を提出し手続きしてもらえば大丈夫です。
【年内に再就職しなかった場合】
管轄の税務署で確定申告を行います。確定申告書とともに、源泉徴収票や控除証明書等を準備しておきましょう。
なお、12月に就職が決まっても、年末調整に間に合わなかった場合は確定申告を行いますので注意しましょう。
社会保険
最後は社会保険です。日本国民である以上、国民健康保険または社会保険に加入する必要があります。たとえ失業期間が1日だけだとしても、無保険になることはできません。
退職後の働き方によって社会保険も変わってきます。すぐに就職する場合、期間があく場合、家族の扶養に入る場合で手続きがかわります。
【すぐに再就職する場合】
すぐに就職する場合は、自身で直接手続きすることはありません。必要書類を転職先に提出すれば、あとは担当者が行ってくれます。
入社後、1週間程度で新しい健康保険証をもらうことができるでしょう。
【期間があく場合】
次の就職までに期間があく場合や独立する場合は、国民保険に切り替える必要があります。使っていた保険証を会社に返却した後、14日以内に自治体の窓口で国民保険の加入手続きを済ませましょう。
【家族の扶養になる場合】
家族の扶養に入る場合には、扶養者の勤務先に届け出を行います。扶養にはいるためには細かい条件があるため、扶養になれるかどうか一度、扶養者の会社に問い合わせることをおすすめします。
上司に仕事を辞めることを伝える前にやっておきたいこと
上司に仕事を辞めることを伝える前に、次のことをしっかりやっておきましょう。
- 仕事を辞める理由を明確にする
- 希望の退職時期や次の職についてもまとめる
それぞれ理由を解説します。
仕事を辞める理由を明確にする
まず辞める理由を明確にすることです。これは、上司から必ず聞かれることなので、スムーズに伝えるためにも今一度振り返ってみましょう。
見つめなおすことで、角を立てずに伝えられるようになります。例えば、「業務をやっている中でもっと伸ばしたいところが見つかったので、転職してスキルアップすることに決めました。」などです。
辞める理由がマイナスだったとしても、一度はお世話になった場所です。少なからず成長に繋がった瞬間はありますよね。
言葉ひとつで印象は大きく変わります。穏便に伝えることで残りの日数をお互い気持ちよく過ごせるようになります。
また、この先どこかでまた仕事をすることもあるかもしれません。なので穏便に伝えられるよう辞める理由を明確にしましょう。
希望の退職時期や次の職についてもまとめる
ふたつめは退職の希望時期や次の職についてまとめることです。こちらも辞めることを伝えたタイミングで必ず聞かれます。とくに退職の希望時期については、ズラせる許容範囲まで考えておきましょう。
希望がすんなり受け入れられればいいですが、業務との兼ね合いで時期の調整を打診されることもあります。ですので、退職時期が調整できるかも考えておく必要があります。
もちろん次の会社から早く来てほしいと言われていて厳しいならそれを素直に伝えれば良いです。ただ一方的に自分の要望を押し付けるのではなく、受け入れる柔らかさも持っておけると後腐れなく退職できますよ。
仕事を辞める中で、事前準備が一番大切です。ここがはっきりしてないと、すべてがズルズルと進んでいきます。辞めると決めてからも実際に退職するまでは仕事が続きます。
残る日数をお互いに気持ちよく過ごすためにも、理由、希望時期、次の職はしっかりとまとめて伝えられるようにしておきましょう。まとまったら、いよいよ上司に伝える時です。
続いては伝えるタイミングや伝え方を紹介します。
仕事を辞めることを伝えるタイミングと伝え方
仕事を辞めるということは、自身にとってはもちろんのこと上司や会社にとっても大きな影響があります。ここでは、仕事を辞めることを伝える際のタイミングと伝え方についてコツをご紹介していきます。
事前にアポイントを取って対面で伝える
まずは伝え方ですが、対面が基本です。メールやチャットではなく面と向かってしっかりと伝えるようにしましょう。対面だとしても、事前にアポイントを取ることをお忘れなく。
具体的には、上司のスケジュールを考慮し「お話したいことがあるので、どこかのタイミングで30分程お時間いただけますか?」とお伺いを立てます。
この際に気を付けなければいけないのは、上司より先に同僚に話さないことです。上司からしてみれば、自分が知らない部下の大事な報告を周りから聞くことほどつらいものはありません。
見方を変えると、上司を信頼していなかったとも言えます。なので、退職を決めたなら、正式なルートで伝える必要があります。
日程調整をした上でシンプルに伝える
伺いを立てたら、あとは日程調整です。ここは個別面談等と同じ流れになるでしょう。
会議室やミーティングスペースなど、2人で対面できる場所で話すことになります。実際に私が辞めることを伝える際も、ミーティングスペースでかしこまって伝えました。
普段からコミュニケーションをとっている上司であっても、仕事を辞めると伝える時は緊張するものです。面談当日は、ひと呼吸おいてから「会社を辞めます。」と言えばOKです。あとは、上司から自然と質問がきます。
理由や時期など、事前にしっかりとまとめておいたことを答えるだけでスムーズに終わりますよ。伝えた後は、通常の業務に戻りましょう。
上司側でいろいろやることが終わってから、改めて話す機会が設けられます。そこで今後についての指示がきますので、対応して業務をこなしてください。
時間を作り対面でシンプルに「会社を辞めます」と伝えればOKです。
女性ならではの仕事を辞めるタイミング
仕事を辞める理由の中には、女性特有のものもあります。特に女性は仕事の選択肢が複数になりやすいです。
ここでは、女性がよく仕事を辞めるタイミングと伝え方についてかんたんに紹介します。
妊娠
まずは、妊娠です。子どもを授かることはおめでたいことです。
業務を考えると伝えることをためらう場合もあるでしょう。けれど、妊娠中は何が起きるかわかりません。仕事も大切ですが、それ以上に自分のからだを優先してください。
時として命に関わる体調不良も起きますので、妊娠をきっかけに辞めるのであれば、包み隠さず「妊娠しました。子育てに専念したいので仕事を辞めることを考えています。」と伝えましょう。
すでにかかりつけの医療機関から何かしらの指示があるなら、そのことも添えてください。
子育て
子育ても女性が辞める理由でよくあがります。仕事と子育ての両立は本当に大変です。育児休業からの復帰ももちろんですが、時短が終了するタイミングで辞める方もいらっしゃいます。
子育てで辞めるタイミングは大きく2回あります。
ひとつは育休終了時です。想像していた以上に子育てが大変だったり、地域によっては、保育園に入れず待機児童になってしまい働きたくても働けない場合もあります。
ふたつめは時短勤務が終わる時です。時短勤務が終わるということは、勤務時間が延び子育ての時間が減るということです。子育ての時間を減らしてまで働きたいのかという悩みを抱えやすい時期になります。
どちらの場合であっても、辞めるという決断を下す前に、育休や時短勤務の延長を交渉してみるのもひとつです。もし、できなくて辞めるとしても、次が見つかってから辞めるほうが良いです。
女性ならではのタイミングについて紹介しました。どの理由であっても包み隠さず伝えることが誠意につながります。事前にまとめてから伝えるようにしましょう。
仕事を辞めるタイミングによっては引き留められることも
どれほど時期を気にしたとしても、タイミングによっては引き止められることもあります。後任の人を探したり、人事異動の調整が入ったりなど、自分にはコントロールできない要因で引き留められることも少なくありません。
会社としては業務を続けていく必要があるので、引継ぐ人がいるかいないかは時に死活問題になったりもします。もし引き留められたとしたら、その場ですぐに回答するのではなく、一度持ち帰りしっかりと検討しましょう。
辞めるタイミングを調整できるのか、調整できるならいつまで残れるのかなど自分なりの答えをだしてから交渉することが大切です。筆者自身も引き留めにあって、退職時期をずらしたことがあります。
しかし、辞めると決めたら仕事に実が入らなかったので、安易に応じるのは辞めておくことをおすすめします。また、引き留められたからといって退職を辞めることは好ましくありません。
一度辞めると言った以上、引き留められても残る選択肢はないと思っておいたほうが良いでしょう。
仕事を辞めるタイミングを見極めて気持ちよく退職しよう
仕事を辞めるタイミング次第で、あなたへの印象は大きく変わります。円満に気持ちよく退職するためにも、伝えるタイミングや伝え方に配慮しましょう。
一度はお世話になった会社です。誠意を持って退職するのが社会人としてのマナーでもあります。そして、会社で得られた人脈が今後の仕事に繋がることもあります。
本記事を参考にしながら、辞めるタイミングと伝え方をまとめてみてくださいね。本記事があなたのステップアップをサポートできればうれしい限りです。