この記事では、できることや将来性も交え、日本語でプログラミングできるおすすめ言語を紹介します。
日本語だけでプログラミングを学べないかな?
日本語のプログラミング言語って何があるの?
そんな風に考えている方はいませんか。プログラミングを勉強するとき、技術的な面が難しいと感じるだけでなく、アルファベットがたくさん出てくると覚えにくい、混乱してしまうという方も多いでしょう。
そんな方におすすめしたいのが、「日本語プログラミング言語」です。
この記事では、日本語プログラミング言語について、歴史やメリットデメリット、代表的な言語を解説します。興味がある方はぜひご覧ください。
- 日本語プログラミング言語とはひらがなやカタカナで開発できる言語
- 日本語プログラミング言語は学習コストが低く初心者にも習得しやすい
- 「なでしこ」「プロデル」「ドリトル」が代表的な日本語プログラミング言語
日本語プログラミング言語とは?
日本語プログラミング言語とは、日本語に使われるひらがなやカタカナなどの文字を使ってプログラミングができる言語です。
一般的に、プログラミング言語の多くは英語が使われていて、命令や動作の条件などを英単語を使って記述していきます。つまり英語を母語としない人にとっては、プログラミングを学ぶ前に「プログラミングに使われる英単語の意味を覚える」「覚えた単語の使い方を学ぶ」という2ステップの学習が必要になります。
日本語プログラミング言語では英単語の意味を覚える部分が不要になるため、プログラミングを学びやすくなるでしょう。
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日本語プログラミング言語の歴史
登場時期 | 言語名 |
1982年 | ぴゅう太 |
1983年 | 和漢、Mind |
2001年 | ひまわり |
2003年 | ドリトル |
2004年 | なでしこ |
2007年 | プロデル |
上記の表は、代表的な日本語プログラミング言語の登場時期を示したものです。パソコンの普及にともなって、1982年には「ぴゅう太」、1983年には「和漢」「Mind」といった日本語プログラミング言語が誕生しました。
これらの言語は現在ではほとんど使われることはありませんが、現在主流の日本語プログラミング言語のなかには、これらの言語の影響を受けたものも多くあります。
2000年代には、「ひまわり」「ドリトル」「なでしこ」「プロデル」など、現在でも使われる日本語プログラミング言語が誕生。
日本語プログラミング言語を作った経緯について、なでしこの開発者であるクジラ飛行机さんは「(技術者でなくても)プログラムを読んでその動作がわかるなら、修正して使ってもらえると考えた」と話しています。
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日本語プログラミング言語の将来性
日本語プログラミング言語は、英語がわからない子どもでも使いやすいことから、教育分野での活用が期待されています。実際に「なでしこ」は中学校の教科書に掲載された実績もあります。
これからプログラミング教育が本格化すると、日本語プログラミング言語がさらに普及する可能性が高いでしょう。
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日本語プログラミング言語のメリット・デメリット
日本語プログラミング言語には、メリットもあればデメリットもあります。ここでは、それぞれの項目について詳しく解説します。
メリット
日本語プログラミング言語のメリットは、次のとおりです。
- 学習コストが低い
- 初心者でもわかりやすい
ここまで解説してきた通り、日本語プログラミング言語は英語を覚える必要がないため、その分学習コストが低くなります。英語がわからない子供のプログラミング学習にも使いやすいでしょう。
日本語が使われていることで、どこに何が書かれているのか読めるのも、初心者にとってわかりやすいポイントです。すでにあるプログラムを自分用にわかりやすく書き換えたり、エラーを見つけたりするまでの時間を減らせるでしょう。
デメリット
日本語プログラミング言語のデメリットは、次のとおりです。
- 日本語がわからない人には使いにくい
- 日本語の文法との違いに慣れなければいけない
日本語プログラミング言語は日本語を使う人にとってはわかりやすいものですが、逆に日本語がわからない人にとっては英語でのプログラミング以上に難しいでしょう。さまざまな言葉を使う人が集まる場では、使いにくい言語だと言えます。
また日本語プログラミング言語は、日本語とは文法が違う部分もあります。日本語に慣れているからこそ、微妙な違いに注意する必要があるでしょう。
日本語でプログラミングができる言語3選
日本語プログラミング言語には、さまざまな種類があります。なかでも代表的な言語が次の3種類です。
- なでしこ
- プロデル
- ドリトル
ここでは、この3種類の言語について紹介します。
なでしこ
なでしこは、インタプリタ方式のスクリプト型言語。Windowsで使えるv1とWebブラウザで使えるv3の2種類があります。
インタプリタ方式とは、書かれた命令を1行ずつ読み込み、実行していく方式のこと。コードを書いてすぐに実行できるのがメリットです。
スクリプト型言語は比較的簡単にプログラムを作れるだけでなく、プログラミングのための環境を整えやすい傾向があります。
なでしこのキャッチフレーズは「日本語で誰でも簡単プログラマー」。日本語で使えるだけでなく、シンプルに使えることも特徴です。
なでしこでできることは次の通りです。
- バッチ処理
- Webアプリ開発
- ドローン制御
v1はWindowsに特化。Windowsでアプリを作りやすいことに加え、Windows用の命令が多数利用できます。
v3のダウンロード版は複数のOSに対応。さらにWebブラウザ版も用意されており、スマートフォンやタブレットでも動かせます。
なでしこでは、次のように書くと操作画面で「こんにちは」が表示されます。
「こんにちは」と表示。
ダウンロードはなでしこの公式HPからできます。
プロデル
プロデルは、オブジェクト指向のプログラミング言語です。
高速に動くことが特徴で、プラグインと呼ばれる機能拡張のためのソフトウェアを使えばFelicaのデータを読み取ったり、Twitterへ投稿したりすることもできるようになります。
オブジェクト指向とは、「モノ(オブジェクト)」のかたまりを組み合わせてプログラミングする考え方のこと。作業を分担しやすくなること、修正を行いやすいことなどがメリットです。
プロデルでは、次のようなことができます。
- 実用的なツールやゲームの開発
- GUIアプリの作成
GUIとはGraphical User Interfaceの略語で、ボタンやアイコンなどをマウスなどで操作する画面のことです。GUIアプリとはGUIによって操作できるアプリのことを指していて、普段目にするWebアプリやスマホアプリなどはほとんどがGUIアプリです。
プロデルで「こんにちは」を表示させるには次のように書きます。
「こんにちは」を表示する
ダウンロードはプロデルの公式HPからできます。
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ドリトル
ドリトルは、教育用に特化して作られた日本語プログラミング言語。プロトタイプベースのオブジェクト指向言語です。
オブジェクト指向の言語は、プロトタイプベースとプクラスベースの2種類に分けられます。プロトタイプベースとは、別のオブジェクトを元にして新しいオブジェクトを作る手法で、メモリの消費効率が良いことがメリットです。
ドリトルでは次のようなことができます。
- プログラミング教育
- タートル・グラフィックスによる描画
- 統計処理
ドリトルを学習する場合、最初に図形を描くケースが多くあります。タートルグラフィックスと呼ばれる、かめを動かした軌跡で図形を描く手法をとります。
ドリトルで正方形を描く方法は次のとおりです。ここでは「かめた」と名付けたかめを使います。
かめた=タートル!作る。 かめた!200 歩く 90 左回り。 かめた!200 歩く 90 左回り。 かめた!200 歩く 90 左回り。 かめた!200 歩く 90 左回り。
ダウンロードはドリトルの公式HPからできます。
まとめ
日本語プログラミング言語は、ひらがなやカタカナを使ってプログラミングができる言語です。使う文字は日本語と同じものですが、文法は少し違うので注意が必要です。
初心者でも挑戦しやすいので、これからプログラミング言語を学習する人、英語が苦手でプログラミングが難しいと感じている人は、日本語プログラミング言語を使ったプログラミングからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお、初心者向けの人気プログラミング言語については、次の記事で詳しく紹介しています。合わせてご覧ください。
この記事のおさらい
ひらがなやカタカナを使ったプログラミングが可能な言語です。
「学習コストが低い」「初心者でもわかりやすい」の2つです。