この記事では、おすすめの制作ツールも交え、プログラミングゲームの作り方を解説します。
この記事では、「プログラミングを活用してゲームを作ってみたい」という方向けに、プログラミングを使ってゲームを制作する手順や必要な言語、ゲーム開発ツールなどを紹介します。
近年ではノンプログラミングでゲームを開発できるツールもありますが、よりこだわって自由に作ろうと思うと、プログラミングスキルが必要になるでしょう。
ゲームのジャンルや公開するプラットフォームによって必要なツールや言語が変わるので、自分の作りたいゲームを想定して選んでみてください。
- ゲームは「設計→ツール決め→プログラミング→検証」の順で作成する
- ゲーム開発にはcore i5及びメモリ8GB以上のPCが必要
- UnityやUnreal Engineを活用すれば効率的に3Dゲームが作れる
プログラミングを使ったゲームの作り方・6つの手順
プログラミングを使った、ゲームを作るための手順は次のとおりです。
- 必要なものを準備する
- 仕様書を作る
- ツールを決めて準備する
- 音声や画像などの素材を用意する
- プログラムを書く
- テストプレイ・デバッグをする
ゲームを作るためには、プログラミング以外にもやらなければいけないことが多くあります。モチベーションが落ちないように、計画を立てて取り組みましょう。
1.必要なものを準備する
ゲームを作るために最低限必要なのは、
- パソコン
- ゲーム開発ツール
- ネット環境
上記3点です。
ゲーム開発ツールは無料で使えるものも多いため、パソコンとネット環境さえあればすぐに始められます。
販売する場合は、売り上げに応じてロイヤリティが発生するものもあるので確認しておきましょう。
パソコンは、下記のスペック以上が目安です。
- CPU/core i5
- メモリ/8GB
- ストレージ/256GB
ただし3Dの本格的なゲームを作るなら、さらにハイスペックなパソコンが必要です。
プログラミングにおすすめのパソコンはこちらの記事でも紹介しています。参考にしてください。
2.仕様書を作る
仕様書とは、ゲームを作るための設計図のようなものです。ゲームの設定やシステムなど、必要な要素を細かく決めていきます。
- キャラクターの設定
- 必要な場面の数
- 画面のボタン配置
- BGMや効果音のタイミング
- イベントなどを処理する順番
他にもさまざまなゲームの仕様を書き出して、どんな作業が必要かをはっきりさせます。仕様書を見ただけでどんなゲームかわかるように、細かく設計してください。
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ツールを決めて準備する
ゲーム開発ツールを選んでインストールします。
どのツールを使うかはゲームのジャンルや公開するプラットフォームによって変わるので、自分の作りたいゲームに合わせて選びましょう。最初は無料のツールを使ってみるのがおすすめです。
ゲーム開発ツールについては、後ほど詳しく紹介するので参考にしてください。
こちらの記事でもゲーム開発に使われるツールを紹介していますので、あわせてお読みください。
音声や画像などの素材を用意する
ゲーム内で使用する画像やBGMなどの素材を用意します。ツールによっては素材を同梱しているものもあるので、はじめは付属の素材で作っていくと良いでしょう。
自分で制作しても良いですが、完成までに時間がかかりすぎると挫折してしまうかもしれないので、はじめはフリー素材を使うのもおすすめです。
プログラムを書く
ここまでの準備が完了したら、実際にプログラムを書いて制作していきます。
仕様書の内容に沿って、キャラクターの動きや処理などを組み込んでいきましょう。
ツールによっては高度なプログラムが必要ないものもあれば、ノンプログラミングで制作できるものもあります。どのプログラミング言語をどの程度習得する必要があるかは、ツールによっても変わります。
テストプレイ・デバッグをする
一通り完成したら、不具合などを見つけるためにテストプレイが必要です。テストプレイをしてバグを見つける作業を、デバッグといいます。
想定とは違う動きをしたり、途中で止まったりすることがないように、細かく見ていかなければいけません。
デバッグで見つかったバグへの対応が終われば完成です。
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ゲームを作るための主なプログラミング言語
ゲーム制作で使われている言語は次の通りです。
- C++
- C#
- JavaScript
- Swift
- Java
- Kotlin
初心者でも比較的覚えやすいのは、SwiftやJavaScriptです。SwiftはiOSアプリやMac用アプリなどに使われているので、iPhone用のアプリなどを作りたい方におすすめです。
反対に、習得難易度が高いのはC++やC#です。ただしC++やC#を習得すれば、本格的なゲームエンジンを使ってより高度な表現ができます。
ゲーム開発向けのプログラミング言語については、こちらの記事でも紹介しています。
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本格的な3Dゲームも作れるゲームエンジン
ゲームエンジンとは、ゲーム内でよく利用される処理などをあらかじめ組み込んだソフトウェアです。
現在はUnityとUnreal Engineの2つが主流として使われています。どちらも一定以上の収益が出るまでは無料で利用可能です。
Unity
「Unity」は全世界で使われている代表的なゲームエンジンです。プロレベルのゲームが制作可能であり、プログラミングを学びながら制作したい方に向いています。
マルチプラットフォームに対応しており、スマホアプリやPS5・ニンテンドースイッチなどの家庭用ゲーム機、Windows・Mac向けのアプリまで、さまざまなゲームを制作可能です。
ポケモンGOやスーパーマリオランなどの有名タイトルも、Unityで開発されています。
Unityで開発するなら、言語はC#を学びましょう。
Unityの学習方法などはこちらの記事でも紹介しています。
Unreal Engine
Unreal Engineは、ハイクオリティなグラフィック表現が特徴のゲームエンジンです。プログラミングスキルがなくても、感覚的な操作で組み込みができるのが特徴です。
WindowsやMac、家庭用ゲーム機、AR/VR/MR機器まで、さまざまなプラットフォームに対応しています。
美しいグラフィック描写ができることから、ファイナルファンタジーⅦリメイクやエースコンバット7など、PSシリーズやXBOXシリーズなどの家庭用ゲーム機のタイトルに多く利用されています。
Unreal Engineで開発するなら、言語はC++を学びましょう。
初心者でもはじめやすい2Dゲーム制作ツール
2Dのゲームを制作するツールは、本格的なゲームエンジンよりも初心者の方には取り組みやすいでしょう。同人ゲームなどの制作に使うアマチュアの方も多くいます。
Cocos2d-x
Cocos2d-xは、2Dゲームの開発に特化したフレームワークです。
オープンソースでのためコードを見られるため、これからプログラミングを学びたい方におすすめです。開発するゲームに最適化できます。
また、Cocos2d-xは軽量で動作が速いのが特徴です。開発においてストレスなく扱えるのも魅力ですね。
Cocos2d-xを利用するなら、言語はC++かJavaScriptを学びましょう。
RPGツクール
RPGツクールは、プログラミングスキルがなくてもRPGゲームを制作できるツールです。もちろん、プログラミングができれば、より高度で自由度の高いゲームを作れます。
ゲームに必要なグラフィックやBGM、キャラクター生成のためのデータ、エフェクトなどが同梱されているので、初心者でもすぐに制作をはじめられるのが魅力です。
RPGツクールを利用するなら、言語はJavaScriptを学びましょう。
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効率よくプログラミングを学習したい人は、ぜひ一度お試しください。
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WOLF RPGエディター
WOLF RPGエディターもRPGゲームを制作するためのツールです。ただし組み方によっては、アクションやレースなど他のジャンルのゲームも制作できます。
見下ろし型2DRPGのサンプルデータが同梱されているため、このデータを使えば初心者でもすぐにゲームを作ることができます。
TYRANO SCRIPT
TYRANO SCRIPTは、ノベルゲームの制作に特化したツールです。WindowsやMac、iOS・Android対応のスマホゲーム、ブラウザゲームなど、幅広いプラットフォームに対応しています。
TYRANO SCRIPTはプログラムを書いて制作しますが、別バージョンのTYRANO BUILDERはプログラミング不要で制作できます。
まずはTYRANO BUILDERでプログラミング的思考を覚えながら制作して、その後TYRANO SCRIPTでプログラミングを学ぶといった方法もおすすめです。
TYRANO SCRIPTを利用するなら、言語はJavaScriptを学びましょう。
簡単にゲームを作れるビジュアルプログラミングツール
ビジュアルプログラミングとは、あらかじめプログラムが組まれたブロックなどを並べて処理を実行する方法のプログラミングです。
コードをかく必要がなく視覚的に組めるので、子どものプログラミング学習の教材としても取り入れられています。
Scratch
Scratchはマサチューセッツ工科大学で生み出された、8歳からでも使える代表的なビジュアルプログラミング言語です。ドラッグ&ドロップの簡単なマウス操作で組むことができ、その結果もすぐに見られるので直感的に扱えます。
小学校~大学、プログラミング教室など、多くの教育機関に導入されている信頼性の高さもポイント。作成したゲームは、Scratchのサイト上で公開できます。
Scratchについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
Viscuit
Viscuitの特徴は、自分で描いた絵をプログラムして動かすところです。描いた絵に前後の動きを指示することで、簡単にアニメーションを作れます。
スマホやタブレットからでも利用できる、使い勝手の良さも魅力。手軽にプログラミング的思考を学びながら、簡単なゲームが作れます。
プログラミングで作ったゲームを公開・販売できるサイト
作ったゲームを一般公開できるプラットフォームを紹介します。
Google Play Store
Google Play Storeは、Googleが提供しているゲーム・映画・音楽などを配信しているサービスです。AndroidやChromebook端末向けのアプリを主に販売しています。
Androidスマホ・タブレット用のゲームを開発する場合は、主にGoogle Play Storeを使うことになるでしょう。
App Store
App Storeは、macOSやiOS、iPadOSなどを搭載したApple製品用のアプリを販売しているストアです。iPhoneやiPad向けのアプリを開発した場合は、App Storeで公開します。
Steam
Steamは、PCゲームを販売しているプラットフォームです。2020年末時点で、月間アクティブユーザーは1億2千万人を超えるほどで、世界中のゲーマーが利用しています。
itch.io
itch.ioは、インディーズゲームを中心に販売しているサイトです。販売するのに審査や登録料がかからないため、SteamやApp Store、Google Play Storeに比べると、初心者でも販売しやすいですね。
Unityroom
Unityroomは、Unityで制作したゲームを無料で投稿できるサイトです。他のサイトのような販売のためのプラットフォームではないので、初心者でも気軽に投稿して楽しめます。
プログラミングでゲームを作るときの注意点
ゲームを制作するときは、次のポイントに注意しましょう。
- 最初は簡単な作品から作る
- BGMやイラストの著作権に注意
- はじめから稼ごうとしない
ゲームを作るためには、プログラミング以外にもやらなければいけないことは多くあります。
最初は簡単な作品から作る
ゲーム制作をはじめたばかりのうちは、シンプルで簡単なゲームから作るようにしましょう。
大規模なゲームを作ろうと思うと時間がかかるので、途中で挫折してしまう可能性が高くなります。
また、細かい部分にこだわりすぎるのもエネルギーや時間を消費してしまう原因です。こだわって作りたくなるかもしれませんが、まずは完成を目指して取り組んでください。
BGMやイラストの著作権に注意
イラストやBGMなどの素材を探す場合、著作権に気を付けましょう。
ネット上に上げられている制作物は、プロではない個人・素人が作ったものでも勝手に利用するのはNGです。最初のうちは、フリー素材などを使うのが無難です。
ただしフリー素材は自由に使えますが、商用利用は禁止しているものやジャンルによっては使えないものもあるので、ゲームを一般公開する場合は規約を確認しておきましょう。
はじめから稼ごうとしない
有料で販売したり課金要素を作った場合、顧客へのサポートなどを考えなければいけません。また、バグや不具合が発生した場合、金銭的なトラブルに発展することも考えられます。
初心者がそこまでするのはリスクがあるので、まずは無料で公開するところからはじめましょう。
ゲーム作るためのプログラミング学習方法
プログラミング学習は簡単ではないので、独学だけでは難しい場合もあります。自分がモチベーションを保てそうな方法を選ぶことが大切です。
書籍や動画教材で独学
独学でプログラミングを学ぶのであれば、書籍や動画教材が中心になるでしょう。
プログラミングを学べる学習サイトはありますが、ゲーム制作のためのプログラミングを一貫して学べるサイトは多くありません。そのためゲーム制作の書籍を探すか、Udemyなどの動画教材を探すのがおすすめです。
こちらの記事では、ゲームプログラミングにおすすめの学習本を紹介しています。
勉強会やコミュニティに参加する
独学で勉強していると、どうしてもモチベーションが下がってしまいます。
そんなときは、勉強会やコミュニティに参加するのがおすすめ。人と一緒に勉強することで、モチベーションがアップします。
また独学だとコードが自己流になってしまうので、コミュニティなどに参加して学ぶのはキレイなコードを書く助けにもなるでしょう。
専門学校やスクールで学ぶ
本格的にゲーム制作を学んで転職したい・効率よく学びたい、などの目的があるなら、専門学校やプログラミングスクールを受講するのがおすすめです。
ゲーム系の専門学校であれば、プログラミングだけでなくその他のゲーム制作に必要な知識も学べます。
プログラミングスクールは、専門学校に比べて料金や受講期間が少なく済む場合が多いので、専門学校ほどコストをかけたくない方におすすめです。
まとめ
ゲーム開発ツールにはノンプログラミングで使えるものもありますが、プログラミングができればさらに高度で自由な開発ができます。
簡単なスマホゲームや2Dゲーム、ノベルゲームなどであれば比較的簡単なので、まずはシンプルなゲームから作ってみましょう。
この記事のおさらい
ゲーム開発ツールは下記のようなものがよく使われています。
・Unity
・Unreal Engine
・Cocos2d-x
・RPGツクール
・WOLF RPGエディター
・TYRANO SCRIPT
・Scratch
・Viscuit
ゲーム開発には主に次のプログラミング言語が使われています。
・C++
・C#
・JavaScript
・Swift
・Java
・Kotlin
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
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