この記事では、受講生の年収変化や目的の達成度なども交え、プログラミングスクール卒業後の実態をわかりやすく解説します。
プログラミングスクールを卒業して年収が上がった人はどれくらいいるの?
スクールの卒業生が実際に成果を上げているのか確かめたい…
国内におけるIT人材不足の深刻化を背景に、ITエンジニアといったプログラミングスキルがある人材の需要は増し、他の職種に比べ高い報酬を設けるケースが増えてきました。
そんななか、転職や副業での収入獲得に向けたリスキリングを目的に、スクールでプログラミングを学ぼうと考えている人は多いですよね。
とはいえ、貴重なお金や時間をかけてプログラミングスクールに通うなら年収UPや副業での案件獲得など、理想は実現したいもの。ただ、スクールの公式サイトを見ても実際に卒業生が成果を上げているのか確認できないため、通うべきか迷っている人もいるはず。
そこで、今回はSAMURAI ENGINEERが実施した「プログラミングスクール卒業生への意識調査」をもとに、スクール卒業後のリアルな実態を紹介します。この記事を読めば、プログラミングスクールに通うべきなのか判断できますよ。
- プログラミングスクール卒業後の年収変化
- プログラミングスクールに通えば就職や転職できるのか
- プログラミングスクールに通えば副業やフリーランスで案件獲得できるのか
- 卒業生が感じたプログラミングスクールに通うメリット
- 卒業生が感じたプログラミングスクールへの不満点
なお、上記の意識調査に回答した卒業生の詳細は下記にまとめているので、本記事の一読前に参考にしてください。
卒業生の性別比 | 67%:男性 33%:女性 |
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
プログラミングスクール卒業後の年収変化
プログラミングスクールの卒業生に「受講前後での年収変化」を聞いたところ、2021年に実施した調査では47%、2023年には74%が「受講前より卒業後の年収が上がった」と回答しました。
受講前より上がった | 2021年:47%(91名中43名) 2023年:74%(100名中74名) |
受講前より下がった | 2021年:2%(91名中2名) 2023年:6%(100名中6名) |
受講前と変わらなかった | 2021年:51%(91名中46名) 2023年:20%(100名中20名) |
また「受講前より年収が上がった」と回答した卒業生の年収増加における内訳は次のとおりです。
~10万円 | 14%(100名中14名) |
10~20万円 | 6%(100名中6名) |
20~30万円 | 12%(100名中12名) |
30~40万円 | 15%(100名中15名) |
40~50万円 | 36%(100名中36名) |
50万円以上 | 17%(100名中17名) |
上記から、2021年・2023年と2つの調査を経てスクールでの受講を機に年収UPを果たした卒業生の比率は増えているのがわかります。2023年の調査では36%が「40~50万円増えた」と回答するなど、スクール受講を通じた年収の増加幅も大きく増しているのがうかがえます。年収ベースで40~50万円UPということは、1ヶ月あたり約3~4万円月収が増えている計算になります。
正社員として働いていても昇給しにくい現代で、この結果は上々だといえるでしょう。
なお、2021年に実施した調査は11月から12月にかけて行われました。通常、企業の昇給は4月に行われることが多いため、まだ給与改定の時期を迎えていない点から「年収が増加した」と回答した人が減少したのではないかと考えられます。そのような「潜在的な年収アップ層」を加えると、さらに高い確率で年収が上がったと想定されるでしょう。
また、2021年に比べ2023年の調査で「受講前より年収が下がった」と回答している卒業生の比率が増しているのは、異業種・未経験からIT企業やエンジニアへ転職したことで、転身直後の年収が前職より低くなったのが主な理由と考えられます。
上の調査結果から、プログラミングスクールを卒業することで年収を上げるのは可能といえます。
プログラミングスクールに通えば目的を果たせるのか
プログラミングスクールの卒業生に「目的の達成度」を聞いたところ、2021年に実施した調査では76%、2023年には86%が「受講を通して目的が達成できた」と回答しました。
受講を通じて目的を達成できた | 86%(100名中86名) |
受講を通じて目的は達成できなかった | 3%(100名中3名) |
どちらとも言えない | 11%(100名中11名) |
上記から、2021年・2023年と2つの調査を経て、目的が達成できた卒業生の割合は増し、未達で受講を終えた割合は減少しているのがわかります。なお、2023年の調査において卒業生が達成できた目的の内訳は次のとおりです。
達成できた目的 | 36%:就業(就職・転職) 25%:教養やキャリアアップを見据えたスキル習得 24%:副業での収入獲得 9%:フリーランスへの独立 6%:資格取得 |
上の調査から、目的を達成した卒業生は就業や副業・独立などの多岐にわたる目標を果たしたのが目的を実現できているのがうかがえます。2021年の調査で75%・2023年には85%と、受講満足度が高水準で上昇している点からも、スクールは目的を実現しやすい環境だといえるでしょう。
満足できた | 85%(100名中85名) |
満足できなかった | 5%(100名中5名) |
どちらとも言えない | 10%(100名中10名) |
プログラミングの学習は、常に面白いこと、楽しいことばかりではありません。不明点やエラーに悩まされることもありますし、学習のモチベーションが上がらない時期もあります。
しかし、スクールで着実にスキルを身につければ、目的を実現できる可能性は高くなるといえますね。
卒業生が感じたプログラミングスクールに通うメリット
卒業生に「(目的が実現できたことを除く)プログラミングスクールに通って良かったこと・得られたこと」を聞いたところ、
- 効率的かつ効果的な学習方法を知れた(25%)
- 学ぶ習慣が身についた(22%)
- 不明点や疑問点を調べる癖がついた(21%)
など「学習に関するスキルが身についた」といった回答が多くを占めました。
スクールでの受講を通じて得られたもの | 25%:効率的かつ効果的な学習方法を知れた 22%:学ぶ習慣が身についた 21%:不明点や疑問点を調べる癖がついた 15%:計画的に学ぶ癖がついた 13%:物事を順序立てて考えるようになった(論理的思考力が身についた) 4%:受講を通じて交友関係(人脈)が広がった |
多くの回答を占めた上記の3点は、プログラミング学習に限らず、新たなスキルの習得やキャリアを築くうえで重要なスキルです。特に「わからないことを調べる力」は、学習効率や理想の成果を上げる際に欠かせない能力といえます。
前述した目的が実現できるだけでなく、受講を通じて今後のキャリアアップに重宝できる学習スキルが身につく点は、スクールに通う大きなメリットといえます。
なお、プログラミングは独学でも習得可能です。ただし、不明点やエラーが発生した場合は自力で解決まで導く必要があります。
そして、多くの人は不明点やエラーの解消に大きな時間を費やしてしまいがちです。こういった状況が頻発すると、学習ペースも落ち、モチベーションの維持も難しくなってしまうでしょう。
多くのプログラミングスクールは受講料金を支払う必要がありますが、スクールに通うことで学習時間を短縮できます。学習時間のコストを考えれば、スクールでの受講は十分に価値がある自己投資といえます。
なお、次の記事ではプログラミングスクールに通うメリットを、デメリットや受講時の注意点も交え詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
→ プログラミングスクールに通うメリットは?デメリットや受講時の注意点も解説
卒業生が感じたプログラミングスクールへの不満点
卒業生に「プログラミングスクールに通って不満だったこと」を聞いたところ、
- 質問可能な時間の短さ(25%)
- 目的実現へのサポート内容(23%)
- カリキュラムへのも足りなさ(21%)
など「サポート内容への不満が募った」との回答が多くを占めました。
スクールへ通うということは、金銭的にも時間的にも大きな負担が伴います。それでも将来なりたい自分に近づいたり、スキルアップやキャリアチェンジを実現したいとスクールへの受講を決断した人が多いはずです。にもかかわららず、受講前に期待していたものと実際のサポート内容が異なれば、不満が募ってしまうのは無理もありません。
ただし大前提、自身が学習できる時間帯や受講を通じて実現したい目的があいまいな状態で通うところを選んでは、いくら評判の良いスクールへ通学しても「他のところにすればよかった…」と後悔する可能性は高くなります。
事実、同調査では多くの卒業生が「スクールでの目的実現において重要なこと」として「学習時間の確保」や「スクールに通う目的の明確さ」をあげています。
スクールでの目的実現において重要なこと | 25%:(自身の)学習時間の確保 23%:(自身が)スクールに通う目的の明確さ 21%:(スクールの)目的実現への支援の期間・頻度 19%:(レッスン外の)自習時に質問・相談できるか/対応時間の長さ 12%:事前に少しでもプログラミングに触れておく |
契約後に後悔しないよう、受講目的や確保できる学習時間などを明確にしたうえで、自分にあうスクールを選びましょう。下記に、卒業生が「プログラミングスクールを選ぶ際に重視したこと」の調査結果をまとめましたので、スクール選びの参考にご活用ください。
スクールを選ぶ際に重視したこと | 34%:目的の学習内容やスキルが習得できるか 23%:(給付金や割引制度等の活用有無を含む)費用・料金の安さ 20%:受講形式(教室への通学かオンラインか) 12%:指導形式(個別か集団指導か) 4%:レッスンの有無やその頻度・回数 3%:受講生/卒業生からの評判・口コミ 2%:自習時の質問対応時間の長さ 2%:(就業や副業・独立などの)目的実現へのサポート内容 |
また、次の記事では事前に知っておくべき前知識も交え、プログラミングスクールの選び方を7つの観点で解説しているので、あわせて参考にしてください。
プログラミングスクール卒業生のその後
ここまで、独自に調査したアンケート結果をもとに、プログラミングスクール卒業生のその後を紹介してきました。
ただ、全体的な結果だけではイメージが湧かない方もいますよね。そこで、ここからは侍エンジニアがブログにて掲載している「卒業生インタビュー」をもとに、卒業後の変化を詳しく紹介します。
【介護職からエンジニア転職に成功した40代男性】
「40代からのエンジニア転職は難しい」と感じている人も多くいますよね。しかし、SAMURAI ENGINEERのAIコースを卒業した日下さんは、40代で介護職からエンジニア転職に成功。現在はエンジニアとして活躍しています。
また、「行動力と熱意」が転職活動のカギになったと述べている日下さん。たとえ採用条件に当てはまらなくても、
- 興味がある企業を見つけたら思い切って応募してみる
- 面談では成果物やこれまでの勉強量を武器に「未経験でもこれだけできる」という旨を伝える
のが重要だと述べています。
日下さんのインタビュー内容を詳しく知りたい方はこちらからご一読ください。
【副業をはじめ収入が2倍に増えた30代男性】
入籍を機に、本業と並行しながら副業で稼ごうとプログラミングスクールの活用を決めた涌井さん。スクールでの受講を通じて、副業で稼げるプログラミングスキルをマスターし、収入を2倍に増やすことに成功しました
本業と並行しながらであっても、すきま時間に副業で稼ぐのは可能です。大事なのは老若男女問わず、目の前にチャンスがあれば挑戦してみること。涌井さんのように、プログラミングスクールで学び、卒業することによって、副業成功への近道ができますよ。
涌井さんのインタビュー内容を詳しく知りたい方はこちらからご一読ください。
【活動期間ゼロで転職に成功した30代男性】
転職に興味はあるけど、現在の仕事が忙し過ぎて時間がとれないと諦めている人もいますよね。ですが、活動をまったくしないにもかかわらず、転職に成功する方法があります。
その方法とは、成果物やポートフォリオの作成および公開です。成果物やポートフォリオを公開すると、企業側から転職のオファーを出してくれることも少なくありません。
岸さんも、転職活動をすることなく、公開したポートフォリオのみで転職を勝ち取りました。エンジニアとしての業務実績がない初心者でも、デザイン力や技術力など光るものがあれば、内定獲得や転職成功の成功率は高まります。
なお、ポートフォリオの作成に自信がない人は、オリジナルのポートフォリオ作成を支援してくれるプログラミングスクールを選ぶと良いですよ。
岸さんのインタビュー内容を詳しく知りたい人は、こちらからご一読ください。
プログラミングスクール卒業後の転職先
先ほど紹介した卒業生に限らず、プログラミングスクールの卒業生は、多数の優良企業や自社開発企業への転職に成功しています。
ここでは、それぞれのプログラミングスクールを卒業した人が、どのような企業へ転職したのかを一覧にまとめました。スクール選びの参考にしてくださいね。
なお、次の記事ではプログラミングスクール卒業生の就職・転職先を、就業後の年収や離職率も交え詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
プログラミングスクールに関する疑問や悩みは無料カウンセリングで相談しよう
ここまで記事を読んできて、プログラミングスクールを活用したい気持ちが芽生えたものの、受講に関して悩みや疑問を抱えている人もいますよね。
そんな人は、各プログラミングスクールが実施する無料カウンセリングで相談してみましょう。無料カウンセリングでは、プロのカウンセラーに些細な疑問や悩みを相談できます。
直接質問すれば、スクールに関することはもちろん、業界の動向や学ぶべきプログラミング言語など、適切なアドバイスをもらえます。また、未経験からエンジニアに転職する方法など、キャリアアップに必要な知識など、ためになる情報も教えてくれますよ。
SAMURAI ENGINEERも、オンラインで無料カウンセリングを実施しています。同社の無料カウンセリングをうけた人の99%が、「学習のイメージがわいた」と回答しています。
スケジュールによっては当日の予約も可能です。気軽に利用してみてください。
無料カウンセリングの詳細を見るまとめ
今回は、独自アンケートの調査結果をもとに、プログラミングスクール卒業後のリアルな実態を紹介しました。
スクールで学ぶには、高いお金がかかったり、プライベートな時間を割いたりする必要があります。そのため、スクールへの入校を迷っている人も多いですよね。しかし、今回解説したようにスクールを卒業することで、受講料や学習にかけた時間を簡単にペイさせられるリターンを期待できます。
事実として、多くのスクール卒業生が年収アップや優良企業への転職、フリーランスへの独立に成功しているのです。こうした背景もあってか、前述した同調査では95%が「プログラミングスクールへ通うことはおすすめできる」と回答しています。
ただし、情報を集めずてきとうに通うスクールを選んでは後悔のもと。インターネット上では「プログラミングスクールでは就職できないから、意味がない・やめとけ」などといった噂もみられます。噂を鵜呑みにしないよう気をつけつつ、次の記事も良ければ参考にしてください。
この記事の監修者
株式会社SAMURAI
【プロフィール】 DX認定取得事業者に選定されている 株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。 「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。 累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、 累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、 2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
日下さん
介護職からエンジニア転職に成功