こんにちは。ハナキ(@novl_h)です。
今回、侍エンジニアマンツーマンレッスン(以下マンツーマン)の卒業生で、株式会社YOUTURN 代表取締役 中村義之さんにインタビューをさせていただきました。
株式会社DeNAから分社化した『株式会社みんなのウェディング』取締役に就任後、上場を経て退職。そして起業に至った経緯から、なぜプログラミングを学ぶ必要があったか、学んで得られたこと、そして今後のビジョンまで幅広くお聞きしました。
DeNA新卒入社、みんなのウェディング役員を経て起業するまで
ハナキ:中村さん、本日はよろしくお願い致します。まず最初に、これまでのキャリアについてお伺いさせていただければと思います。
中村:大学在学中から、「将来起業する」という目標を持っていて、3年生の夏からEC系のベンチャー企業で1年半ほど長期インターンとして働いたのが最初のキャリアです。
就活の時には、このECの経験を活かせる会社が成果を出しやすいだろうなと思ったし、あとは若手に新規事業を任せてくれる会社を探しました。
インターンでビジネスの基本の「き」くらいはわかったつもりだけど、もっと、ビジネスの立ち上げに関わることで起業の疑似体験のような経験をしたいなあ、新規事業をやりたいなと思って、そういう企業を探していたらDeNAが見つかったんですよ。
当時DeNAってまだモバゲータウンがそんなに有名じゃない時代で、どちらかというと、創業当時からのオークションやショッピングが事業の柱でした。また、当時から新規事業に積極的で、若手に裁量権のある仕事をどんどん任せてくれる会社で、「なんか良さそうだな」と思ってDeNAに入ったんですね。
ハナキ:DeNAには新卒で入られたんですか?
中村:はい。2008年に入社して、最初の2年間はショッピングの事業部にいて、営業をやってたんですけど、ずっと新規事業をやりたいってことは言っていたので、それを人事の方が汲み取ってくれたのか、3年目に新規事業部に配属してもらって、そこで携わったのが「みんなのウェディング(※1)」でした。
みんなのウェディングは当時のDeNAの一新規事業でした。新規事業はずっとやりたかったし、「みんなのウェディング」はすごくいいサービスだと思えたので、配属になったときは嬉しかったです。その辺の経緯はブログに書いてあるんですけど。笑
配属になって半年後に分社独立することになったんです。会社をゼロから作って「株式会社みんなのウェディング」としてDeNAから独立することに。
新しい会社をゼロから作る体験っていうのは自分にすごく貴重だなと思ったので、DeNAを退職して「株式会社みんなのウェディング」の設立に参画することに決めました。「新しい会社をつくって大きくするぞ」って。
会社設立から4年間、一生懸命頑張って上場を果たし、そのあと体を壊して2年間療養しました。
- ※1 株式会社みんなのウェディング
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起業したきっかけ「IT人材、東京集中しすぎ」
ハナキ:辞める前、起業する形は考えていましたか?
中村:いいえ。次のキャリアのことは全く考えてなかったですね。
ハナキ:なるほど。
中村:そもそも地元に帰るという選択肢が今までなかったんですね。やっぱり地元よりも東京の方が、優秀な人が集まっているので、東京で自分が行けるとこまで行くぞみたいな感じでしたね。
だけど、病気という形でキャリアを断絶することになって、じっくりと腰を据えて自分のやりたいこととか今後の生き方について考えた時に、やっぱり「次も挑戦したい」と思ったんです。
病気という一時的なイベントで自分が大学生の時に志した生き方をあきらめる、っていうのは嫌だなって。ここでチャレンジをやめたら一生後悔するなって思って。
だから、またチャレンジしたい。次も起業したい。って強く思いました。
だけど、以前のままの働き方では次も「継続できない」っていうのはわかってたんです。笑
ハナキ:そうですよね。
中村:はい。笑
多分、「みんなのウェディング」時代での働き方じゃだめなんだなって考えて。でも、ずっと自分がIT業界に関わってきたから、ITっていう武器は使うんだろうなって。
そう考えた時に本来インターネットって、「どこでもいいはずだよな」ってふと思ったんですよ。
これからの人生で大事にしたいこととして、家族とか自分の健康とか仕事のバランスをしっかり取りたいなっていうのがまずあって。東京だったらどういう働き方だろう、とかいろいろ模索してみて、自分が住んだことある東京か地元の福岡かあとは大学時代のつくばの3箇所に絞りました。
そこでまず福岡について調べてみると、スタートアップ支援を行政も民間も盛り上げようとしているのをいろんなメディアで見て、なんかやれそうだな。面白そうだな。って思ったんですよ。
福岡市は国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」として選定されており、規制緩和を活用し民間の活力を引き出す施策を推進している
中村:起業コストも低いし行政的なバックアップもあるしやれそうだなって思って、福岡に帰って色んな人に「福岡どうですか?」て聞いたら、「いいですよ。起業しやすい環境が整ってきてますね」とか多くの前向きな発言を聞けたんです。
ただ、僕が知りたかったのは福岡のネックになるところなんですよ。
できそうな感じはなんとなくわかったので、「一番のボトルネックはなんですか?」と色んな経営者の方とかに聞くと、「人材採用」だって言うんですよ。
地方でチャレンジする人材を応援するメディア「YOUTURN! Fukuoka」
中村:IT産業ってどうしても人材が東京に集中しています。福岡でも起業したい人はいるし、IT企業やスタートアップもあるんだけど、そこからスケールアップしていく時にどうしても人材採用に課題があるってことがわかったんです。それを聞いて「もっともだなあ」と思ったんですね。そりゃそうだと。
一方で、自分はどうかって考えた時に自分が福岡でいざ起業するぞって考えても一緒に福岡に誘える友人・知人がいないなって。笑
自分は社会人としてのキャリアを東京で築いてきたし、地元にいる友達でIT企業やベンチャーで働いている友達もいないし、今の自分の人脈で「一緒にやろうよ」って言っても来てくれる人、今のところゼロみたいな。笑
これは僕だけじゃなくて、U・Iターン起業する誰しもが抱える問題なのかなと。これからUターンして起業していく人も同じような課題に直面するだろうし、実際、すでにその課題に直面している会社もあるんだから、まずはここからやろう。と思ったんですよ。
ハナキ:そこに問題意識を感じたと?
中村:はい。東京に集中しすぎてるんですよ。スタートアップ人材、エンジニア人材、東京に集中しすぎ。
本来、Web業界の会社は、場所を選ばないはずだし、むしろオフィスとか人件費、生活費が低い方が絶対良いのに、本来あるべき姿と現実とのギャップがものすごくあるなと思って。
自分が病気になった経験から東京みたいな街でやるより地方でやった方が健康だし人生楽しそうっていう考えがあって、そういう人間の生き方とか幸福度みたいな観点で言っても地方でみんなやった方が絶対いいよなっていうのを強く思ったんです。
だからまずは人材を突破口として自分の事業の柱にしようと思ったんですよ。
ハナキ:なるほど。
中村:まずは人材を集めることだってなったときにどうやって集めればいいかわからなくて悩んだんですね。人材紹介しようにも、福岡に住みたい・帰りたいっていう人に効率的にリーチする術がない。自分の知り合い経由だとしてもなかなか広がりがないな、限界あるなと。
やっぱりメディアとかWebで自分のネットワーク以上にリーチできる手段を作るのは絶対に必要だと思いました。
「Webのプロダクトは必要不可欠」プログラミングを学んだワケ
ハナキ:それで、プログラミングを学習しようと思ったんですか?
中村:そうですね。自分がやるプロジェクトの中でWebのプロダクトは必要不可欠でした。じゃあ、誰が作るかってなった時に、自分しかいなかったんです。
最初から高いコストはかけられないし、うまくいくかもわからない。誰かに作ってもらってそれを納品してもらったとしても、自分で運用できなければいけないし、そもそもエンジニアを抱えることができるほどの余裕ができるまでに時間がかかるだろうし。だったら自分でやったほうがいいのかなって。
ハナキ:弊社にはどういった経緯で入塾されたんですか?
中村:色々なプログラミングスクールとか、有益な教材って最近増えてきたじゃないですか。でもそういうの地道に勉強したり、スクールに通うっていうのもなんかなー。
って思ってたら、木内くんと恵比寿でたまたますれ違ったんですよ。
それで「木内くん何してるの?」って聞いたら「こういうプログラミングスクールやってまして」って返ってきたので「マジで?!詳しく聞かせて!」って。笑
それが侍エンジニアに出会った経緯ですね。
ハナキ:木内の教育理念や、メソッドには具体的にどういった印象をお持ちでしたか?また、数あるスクールの中でもなぜ弊社を選んだのかお聞きしたいです。
中村:明確には覚えていないのですが、強く印象に残ってるのが「挫折率がめっちゃ高いよ」ってことです。
あとは一人でやったり本から入るとよくないってところ、すぐに聞ける人がそばにいたほうがいいとか、座学から入ってもダメだと、とりあえず作ってみたらわかることなんだってところですかね。
そんな話しを聞いていくと、確かにそんなものかなって思えて腹落ちしました。そこまで考え込んだサービスを提供しているなら、木内くんのところで学んだほうが全然いいなって。
最初は「スクールに通う」というイメージだったんですけど、実際は全く違いましたね。
ハナキ:と、言いますと?
中村:スクールに通うっていうと、学校に通ったり、ある特定の場所に行ったりして、先生がいて教えてもらうって感じじゃないですか?
でも実際には、がっつり自分で手を動かして、つまづいたりわからないところを、一対一で指導してくれる。あらかじめ用意された教科書をやるというより、より実践的な形式で学ぶ感じです。
これは、すごく良いなと思いました。自分のレベルやペースに合わせて色々教えてくれるし。これはいい学習スタイルだなって思いましたね。
他のスクールとそんなに比較してないんですけど、木内くんの事業を応援したかったし、あと木内くんが話すメソッドが全く違和感なく理解できたので、選びました。
これからの起業家にプログラミングが必須な理由「最速でPDCAを回せる」
ハナキ:これから起業する人に求められるスキルとしてプログラミングは必要だと思いますか?
中村:ないよりあった方が絶対いいと思いますね。当然ですが。
やってみてわかったことなんですけど、僕はプログラミングに没頭することはできなくはない、嫌いじゃないなと思ったんですよ。 プログラミングって動いたらすごく嬉しいですし、ロジックを考えていく工程ってすごく好きだなって。自分の性に合ってるとは思いました。
中村さんが開発したRailsアプリ。会員登録機能が実装された「地域特化型の求人サイト」
ただ、自分の中にもっと得意なことはあるなと思いました。なので、それに気づくことができたという意味ではすごくよかったなと思います。
ハナキ:やらないとわからないですよね。
中村:はい。やらないとわからない。これからチームで仕事をする時に、やらなきゃいけないタスクが幾つかある場合、自分がアサインされるべきはエンジニアじゃないと思いますね。
だけど、起業して何でもかんでも自分でやらなきゃいけないって時は絶対持っておいた方がいいスキルです。仮に誰かに納品してもらった時に、ちょっとした修正は自分でできるとか。LPのキャッチコピーや画像を一枚差し替えるって時にそれすら誰かに任せなきゃいけないってなるとすごいスピードが落ちる。
ハナキ:間違いないです。かなり遅くなりますよね。
中村:はい。プログラミングを学べば、PDCAサイクルを最速で回せるじゃないですか。そういう意味でも絶対やれた方がいいです。
あと納品物の品質とか金額面もチェックできるじゃないですか。自分ならどれくらいでできるだろうだなっていうのが考えられるし。ぼられないって大事じゃないですか。(笑)
ハナキ:めちゃめちゃ大事ですよね。悪い会社に捕まったら、簡単にぼられちゃいますもんね。
中村:はい。そういう意味でも大事です。
あと、仮に会社を大きくしていってチームでやっていくってなった時にエンジニアが自分のチームにいて、どういう風に仕事を振っていくかとかどういう風にコミュニケーションしていくかとか、いつできるのかとかってやっぱり自分で作った経験がないとわからないじゃないですか。
僕も100%理解できているわけじゃないけど、前よりは絶対に進化できたと思うので、絶対あった方がいいですよ。
ハナキ:どれくらい難しいかってわかんないですもんね。
中村:絶対わからないです。やってみないと。
それこそ自分でRailsデバイス(※2)とか使ったら会員機能とか一瞬でできるじゃないですか。そういうのってやってみないとどれが難しくてどれが簡単にできるかってわからないです。
- ※2 Railsデバイス
- Ruby on Railsのライブラリ。認証系アプリに必要な機能を簡単に追加できる便利なライブラリのこと。
ハナキ:「すげー。意外と簡単なんだ」みたいな。笑
中村:そうそう。笑 Railsがめちゃくちゃすごいっていうのとかも。笑
ハナキ:それすらもわからないっていう経営者さんも中にはいますもんね。
中村:絶対いると思います。
あと、ある程度のレベルのWebサイトって基本的にWordPressでまかなえるじゃないですか。カート機能とかも色んなサービスが出てて、ほぼ無料に近い形で使える。そういうのを知らないで外注とかに出しちゃったらすごくもったいないですよ。下手したら何百万とかコストがかかるのに。
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