CADとプログラミングの違いを解説-将来性や役割を徹底比較

CADとプログラミング、どちらの道を選ぶべきか悩んでいる…
どちらが自分に合っているのだろうか?
CADエンジニアとプログラマーの違いは?

そんな疑問や悩みをもっていませんか?

どちらも将来性があり、幅広い業界で活躍できるため、ITやデザイン分野に関心がある人にとって魅力的な職業です。一方で技術的な知識やスキルが求められる職種であり、それぞれの役割やスキルセット、活動範囲などにも違いがあります。

そこで本記事では、CADとプログラミングの特徴やできることの違いを紹介します。

CADとプログラミングの違いを知ると、どちらの道に進むべきか明確になります。ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

目次

CADとプログラミングの特徴やできることの違い

CADとプログラミングは、どちらも技術的なスキルを必要とする分野ですが、その特徴やできることは大きく異なります。どちらの分野を学ぶか検討している人にとって、両者の違いを理解することは重要です。

この章では、それぞれの特徴とできることについて詳しく解説します。CADとプログラミングの違いを把握し、自分の適性に合った分野を選択しましょう。

CADの特徴

CADは、コンピュータを利用して設計や図面作成を行うスキルです。建築、機械、電気・電子、土木などの分野で高い評価を受け、専門性を生かして活躍できます。

プログラミングの特徴

プログラミングは、Web開発、アプリ開発、データ分析など多岐にわたる分野で活躍できるスキルです。コンピュータに命令を与える「プログラミング言語」を用いて、さまざまなソフトウェアやアプリケーションを開発します。

Web開発やAI技術、IoTなど幅広い分野で活用しており、社会や産業の発展に大きく貢献しています。初心者には難しい部分はありますが、継続的な学習で習得可能です。

CADができること

CADを使ってできることは以下のとおりです。

2D・3Dの図面作成・編集建築物や機械部品の2D平面図や3D立体図を作成・編集できます。
設計データの管理設計データを一元管理し、バージョン管理や履歴の確認ができます。
シミュレーションと検証製品の強度や耐久性、熱伝導性などの性能をシミュレーションできます。
製品の組立や動作確認3D CADを用いると、製品の組立手順や動作を仮想的に確認できます。
カラーや素材の適用製品の色や素材を変更して、外観や質感をリアルに再現できます。

CAD技術は、特定の分野で高い専門性を発揮できるため、高度なスキルを持つことで市場価値も向上するでしょう。

プログラミングでできること

プログラミングでできることは以下のとおりです。

Webサイトやアプリケーションの開発HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を使って、Webサイトやスマートフォン向けアプリケーションを開発できます。
システム開発C++やJavaなどの言語を使用して、企業向けの情報システムや業務システムの開発ができます。
データベース管理SQLなどの言語を用いて、データベースの設計・構築・管理ができます。
ゲーム開発C#やUnityなどの言語・ツールを利用して、コンピューターゲームやスマートフォンゲームの開発ができます。
自動化・効率化PythonやRubyなどの言語を使用して、繰り返しの作業や手間のかかる作業を自動化できます。

プログラミングスキルは、デジタル化が進む現代社会において重要性が高まっており、高いスキルを持つプログラマーは市場価値が高まるでしょう。幅広い分野で活躍が期待できるプログラマーとして、スキルアップを目指しましょう。

CADエンジニアとプログラマーの10個の違い

どちらの分野を学ぶか検討している人にとって、両者の違いを理解することは重要です。ここからはCADエンジニアとプログラマーの違いを10個紹介します。

両者の違いがわかると、自分の興味やスキルに合った業界で活躍できる可能性が高まります。

役割の違い

CADエンジニアは、製品や建築物の設計・図面作成を行う専門家です。CADソフトウェアを使用して、2D平面図や3D立体図を作成・編集し、設計データを管理・検証します。

また、シミュレーションを行い、製品や建築物の性能や耐久性を評価することも役割の一部です。

一方、プログラマーは、コンピューターやスマートフォンなどのデバイス上で動作する、ソフトウェアやアプリケーションを開発・運用する専門家です。プログラミング言語(例:Python、Java、C++など)を用いて、ソフトウェアの機能やアルゴリズムを実装し、データベースやネットワークと連携させます。

必要なスキルの違い

CADエンジニアとプログラマーの必要なスキルの違いは以下のとおりです。

CADエンジニアプログラマー
AutoCAD、SOLIDWORKS、CATIAなどのCADソフトウェアのスキルPython、Java、C++などのプログラミング言語のスキル
製品や建築物の設計図を作成するための基本的な設計・描画スキルプログラムのエラーやバグを見つけ出し、修正するスキル
建築、機械、電気・電子、土木などの分野に関するスキルデータベースやネットワークと連携するための基本的なスキル
立体的な形状や構造を理解し、設計に反映させるスキルアルゴリズムやデータ構造に関するスキル

これらのスキルの違いからわかるように、CADエンジニアは設計や描画に関連する技術や専門知識が重要で、特定の業界や分野に特化して活躍することが多いです。一方で、プログラマーはプログラミング言語やデータ構造など、幅広い分野で応用できる基本的なスキルが求められます。

活動範囲

活動範囲
活動範囲

CADエンジニアとプログラマーの活動範囲は以下のとおりです。

CADエンジニアプログラマー
活動範囲・製造業
・建設業
・自動車業界
・航空宇宙産業 など
・IT企業
・インターネットサービス企業
・ゲーム業界
・金融業界官公庁 など
業務内容・2D・3Dの図面作成・編集
・設計データの管理
・シミュレーションと検証
・製品の組立や動作確認
・カラーや素材の適用
・Webサイトやアプリケーションの開発
・システム開発
・データベース管理
・ゲーム開発自動化・効率化

CADエンジニアは製品や建築物の設計・開発に関わる仕事が中心となります。一方、プログラマーはシステムやアプリケーションの開発・運用が主な仕事内容です。

プロジェクト規模の違い

CADエンジニアとプログラマーのプロジェクト規模の違いは以下のとおりです。

CADエンジニアプログラマー
・自動車部品の設計
・家具の設計
・ビル
・橋梁
・工場設備 など
個人開発の小規模なアプリケーションから大規模なシステム開発まで幅広い

CADエンジニアのプロジェクト規模は製品や建築物の大きさ、複雑さによって異なります。プログラマーも個人開発の小規模なアプリケーションから企業向けの大規模なシステム開発まで、幅広いプロジェクトに取り組めます。

どちらの分野でもプロジェクトの規模やチームの大きさ、開発期間など、さまざまな状況に対応する柔軟性が求められるのです。

開発スピードの違い

CADエンジニアの開発スピードは、CADソフトウェアの使いこなしや、設計に関する知識や経験が開発スピードに大きく影響するため、熟練度が高いほど効率的に開発を進められます。

簡単な製品設計であれば、数日から数週間で設計図を完成できます。しかし、大規模な建築プロジェクトや複雑な機械設計の場合、数ヶ月から数年かかるでしょう。

プログラマーの開発スピードは、プログラミングスキルや開発環境の整備、効率的なプロジェクト管理が開発スピードに大きく影響するため、こちらも熟練度が高いほどスムーズに開発を進められます。

小規模なアプリケーションやWebサイトであれば、数日から数週間で開発が完了するでしょう。しかし、大規模なシステム開発や複雑なアプリケーションの場合、数ヶ月から数年かかることもあります。

待遇面の違い

待遇面の違い
待遇面の違い

CADエンジニアの待遇は、業界や企業、経験やスキルによって異なりますが、ハローワーク求人統計データによると、求人賃金は24,9万円、有効求人倍率は0.98となっています。

経験やスキルが向上すると、年収はアップする傾向にあります。また、専門性が高い分野や大手企業で働くことで、より高い報酬が得られるでしょう。

また、雇用形態には、正社員の他に、人材派遣会社に登録し、派遣労働者として働く人もいます。CADオペレーターの仕事は設計に関わるため、納期を守る必要があり、時には残業も発生します。また、一日中画面を見続けることが多いのも特徴です。

プログラマーの待遇も、業界や企業、経験やスキルによって異なりますが、ハローワーク求人統計データによると、求人賃金は32.1万円、有効求人倍率は1.54となっています。

IT業界は需要が高く、プログラマー不足が問題となっているため、スキルが高いプログラマーほど報酬は高くなる傾向にあります。また、フリーランスとして働くことで、独自のスキルを活かして高い報酬を得られるでしょう。

プログラマーは、主に東京、大阪、名古屋などの大都市やその周辺で働くことが多く、IT企業や製造業、金融・保険業、建設業などの企業や研究機関での就業が一般的です。男性が多く、20代後半から40代の就業者は多い傾向にあります。

コンピューターがあればプログラム作成は可能ですが、セキュリティの観点からインターネットを遮断した環境で開発を行うことも多く、リモートワークは少ないです。労働条件は勤務先によりますが、開発期限が迫っている場合や問題が発生した場合は、休日や夜間に働くこともあります。

将来性の違い

CADエンジニアは、製造業や建築業など、幅広い業界で需要があります。これらの業界は、技術革新や需要の変化によって進化し続けており、CADエンジニアとしての専門性や技術力が高まることで、将来性が向上します。

一方、プログラマーは、IT業界だけでなく、金融、医療、教育などさまざまな業界で需要が高まっており、将来性は非常に高いです。情報技術の発展やAIやIoTの普及に伴い、プログラミングスキルが求められる場面は増え続けています。

両職種ともに、将来性は高いと言われていますが、その将来性を活かすためには、技術革新に対応できる柔軟性や継続的なスキルアップが求められます。自分が興味を持つ分野や技術を追求し、業界の動向を把握しておくことが、将来性を確保する上で重要となるでしょう。

求人数の違い

求人数の違いから言えば、プログラマーの方が明らかに多くの求人があり、幅広い業界で活躍できるチャンスがあります。しかし、CADエンジニアも専門性が高い分野での需要があるため、自分のスキルや興味に合った職種を選ぶことが大切です。

ハローワークインターネットサービスによると、CADエンジニアの求人数は6069件、プログラマーの求人数は15959件(記事執筆時)となっており、CADエンジニアと比べてプログラマーの求人数はより多いことがわかります。

役立つ資格の違い

役立つ資格の違い
役立つ資格の違い

CADエンジニアとプログラマーでは、役立つ資格が異なります。どちらの職種でも、資格を取得すると自分のスキルを証明し、就職や転職に有利に働きます。自分が目指す職種に合わせて、適切な資格を取得してスキルアップを図りましょう。

CADエンジニアに役立つ資格プログラマーに役立つ資格
・CAD利用技術者試験
・建築CAD検定試験
・Vectorworks操作技能認定試験
・ITパスポート基本情報技術者試験
・Oracle認定
・Javaプログラマ

初心者からの学習しやすさの違い

CADの学習は、直感的な操作や視覚的な理解が中心となるため、初心者でも比較的取り組みやすいです。CADソフトウェアの基本操作を覚えることから始め、徐々に複雑な図面やモデリングの作成に挑戦できます。

また、インターネット上には無料の学習教材やチュートリアルが豊富にあるため、自宅で独学も可能です。さらに、通信講座や専門学校などの教育機関を活用することで、より専門的な知識や技術を身に付けられます。

プログラミングの学習は、初心者にとって最初は難しいと感じるかもしれませんが、一度基本的な概念や文法を理解すれば、徐々に学習が進めやすくなります。まずは、初心者にやさしい言語(Pythonなど)から始めるのがおすすめです。

インターネット上には無料の学習教材やチュートリアルが豊富にあり、自宅で独学できます。また、プログラミングスクールや専門学校などの教育機関で、より専門的な知識や技術を身に付けることもできます。

CADとプログラミングの違いに関するよくある質問

ここまで、CADとプログラミングの違いについて説明してきました。しかし、まだ疑問や不安が残っている人もいるのではないでしょうか。

最後にCADとプログラミングの違いに関する、よくある質問を紹介します。

CADオペレーターとCAD技術者の違いは?

CADオペレーターとCAD技術者は、どちらもCADソフトウェアを使用して図面やモデルを作成する仕事ですが、役割やスキルレベルに違いがあります。

CADオペレーターは、主に既存の図面やデータをもとに、CADソフトウェアを使って図面の作成や修正、変換などを行う仕事です。設計や解析などの高度な技術は求められないため、基本的なCAD操作ができれば仕事をこなせます。

一方、CAD技術者は、設計者と連携しながら新しい製品や建築物の設計や解析を行う仕事です。CADオペレーターに比べて、より高度なCADスキルや専門知識が求められ、設計や解析に関する判断や意思決定も必要とされます。

CADエンジニアとプログラマー、どちらがより創造性を必要とする仕事ですか?

CADエンジニアは、製品や建築物の設計や解析を行うため、形状や構造を独創的に考える創造性が求められます。また、実用性や美観性を両立させるためのアイデアや発想力も重要です。

一方、プログラマーは、ソフトウェアやアプリケーションの開発を行うため、効率的で独創的なアルゴリズムや機能を考案する創造性が求められます。また、ユーザーエクスペリエンスやデザインに関する発想力も重要です。

どちらの職種も創造性が必要とされます。CADエンジニアは物理的な形状や構造に関する創造性が重要であり、プログラマーはアルゴリズムや機能に関する創造性が重要です。自分の興味や適性に合わせて、どちらの職種を選ぶか検討してみてください。

まとめ

この記事で紹介したCADとプログラミングの違いを理解すると、どちらの職種を選ぶべきか明確になります。

最後にもう一度内容を確認しましょう。

次のステップとして、より具体的なスキルや資格を調べたり、実際にCADやプログラミングの学習を始めてみたり、自分に合った分野を見つけてください。どちらの道を選んでも、確かな技術力を身につければ、将来的には幅広い業界で活躍できることでしょう。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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