Pythonのデータ分析でどのようなことができるのかわからない
どのようにしてPythonのデータ分析を学ぶべきか迷っている
どのようにすればPythonのデータ分析で成果を出せるのか知りたい
Python(パイソン)は、プログラミング言語の一つで、シンプルで読みやすい文法が特徴です。データ分析の分野では、多くのライブラリやツールが揃っているため、非常に人気があります。
そこでこの記事では、Pythonを使ったデータ分析の練習方法や、成果を出すためのコツを紹介していきます。
この記事を読み終えると、Pythonのデータ分析を始めるための具体的な方法や、成果を出すためのポイントが理解できます。ぜひ、参考にしてください。
pythonのデータ分析でできることとは?
まず、Pythonのデータ分析でできることについて見ていきましょう。この章では、データの収集からレポートの作成まで、Pythonを活用したデータ分析の一連の流れを解説していきます。
これらを理解すると、今後の学習においてどのようなスキルを身につけるべきか、明確になるでしょう。
また、次の記事ではPythonで行うデータ分析についてわかりやすく解説しています。併せて参考にしてください。
→ Pythonでデータ解析をするには!初心者向けにすっきり解説
データの収集
データ分析の第一歩は、データの収集です。Pythonを利用すると、WebサイトからWebスクレイピングを行ったり、APIを通じてデータを取得したりできます。
データ収集は分析の土台になるため、適切なデータを手に入れることは重要です。Pythonは、そのデータ収集に非常に役立ちます。
例えば、あるWebサイトから商品価格を収集して競合分析を行いたい場合、Pythonのライブラリを利用してWebスクレイピングができます。また、Twitterなどの公開APIを利用して、ツイートの内容を取得することも可能です。
ただし、Webスクレイピングを行う際には、Webサイトの利用規約やデータの著作権に抵触しないように注意しましょう。また、APIを利用する際には、アクセス制限や使用料が発生することもあるため、事前に確認が必要です。
前処理
収集したデータを分析に適した形に整理することを、前処理といいます。データ分析の質を高めるためには、前処理が欠かせません。
- 欠損値の補完
- 外れ値の除去
- カテゴリ変数の数値化など
前処理が不十分だと、分析結果の信頼性が低くなり、誤った判断をするリスクが高まります。Pythonでは、PandasやNumpyといったライブラリを使って効率的に前処理が行えます。データのノイズや欠損値を取り除き、分析に適した形に整えましょう。
データの分析
データ分析では、収集・前処理されたデータをもとに、データの特徴や傾向を調査し、ビジネス上の意思決定に役立てることが目的です。Pythonを利用してデータ分析を行う際には以下のライブラリが役立ちます。
- Pandas
- Numpy
- scikit-learn
- Matplotlib
各ライブラリの詳細については後述しますが、例えば、Pandasを使うと、データフレームという形式でデータを扱いやすくし、データの抽出や集計、結合などの操作が行えます。
データ分析を行う際には、まず目的や課題を明確にし、適切な手法やアプローチを選択することが重要です。
レポートの作成
最後に、分析結果をもとにレポートを作成します。Pythonでは、「Matplotlib」などの可視化ライブラリを活用して、わかりやすいグラフやチャートを作成可能です。
データ分析の成果をまとめたレポートは、意思決定やプレゼンテーションにおいて非常に重要です。Pythonを使って分析した結果を、効果的に伝えるレポートを作成するためには、以下のポイントを押さえましょう。
明確な目的と構成 | 導入部で目的や背景を説明し、その後に分析結果と考察、最後に結論を提示する |
分析結果の可視化 | 適切なグラフタイプを選択して、データの傾向やパターンを明確に示す |
アクションにつながる結論 | 分析結果をもとに、どのような施策が効果的であるかや、今後の改善点を示す |
Pythonのデータ分析を練習する方法5選
これらのステップを踏まえたうえで、次にデータ分析を練習する方法について見ていきましょう。以下の4つの方法がおすすめです。
これらの方法を活用して、Pythonのデータ分析を練習し、成果を出すためのコツを身につけましょう。
書籍で勉強する
Pythonのデータ分析に関する書籍は、初心者向けの入門書から、より専門的なテーマに特化した書籍までたくさんあります。自分のレベルや目的に合ったものを選んで学習を進めていきましょう。
データ分析を学べる書籍は、以下の2冊が特におすすめです。
また、次の記事では、Pythonの学習本を目的別に26冊ご紹介しています。併せて参考にしてください。
→2023年版!Pythonのおすすめ学習本ランキング【全26冊・目的別】
YouTubeで勉強する
You TubeにはPythonのデータ分析に関する動画が多数アップロードされています。動画では、視聴者が実際にコードを書く様子を見ながら学べるため、書籍で理解が難しかった人にも分かりやすいコンテンツが提供されています。
また、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却理論」によれば、人は文字を記憶しても、20分後には42%、1時間後には56%、1日後には74%を忘れてしまうそうです。しかし、映像と音声を組み合わせた動画は、文字に比べて「2倍」記憶に残りやすく、学習に適していると言われています。
Python3エンジニア認定データ分析試験を受ける
Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonを使ったデータ分析のスキルを証明する資格です。試験に向けて学習を進めることで、体系的に知識が身につきます。資格を取得すれば、就職や転職の際にアピールポイントにもなります。
スクールを受講して網羅的に学ぶ
スクールやオンラインコースを利用すると、網羅的にPythonのデータ分析を学べます。
例えば、「侍テラコヤ」では、回答率100%の「Q&A掲示板」でわからないことや悩みを解決しながらPython学習を進められます。
さらに、現役エンジニアとのマンツーマンレッスンも受けられるため、初心者でも挫折せずにPython言語の習得が可能です。
スクールやオンラインコースでは、講師から直接指導を受けられるため、質問や相談がしやすく、独学よりも効率的にスキルを身につけることが可能です。
オープンデータを活用して練習する
Pythonでデータ分析を練習する方法として、オープンデータを活用することは非常に効果的です。
オープンデータは、政府機関や企業、学術機関が公開しているデータセットで、無料で利用できます。これらのデータセットを使うことで、実際の社会やビジネスに関連する問題をシミュレーションしながらデータ分析のスキルを磨けます。
こうしたデータを活用して、PythonのPandasライブラリを使ったデータの整理や、MatplotlibやSeabornを用いた可視化を実践的に行うことが可能です。また、リアルなデータのため、欠損値やノイズの処理、データのクリーニングといった実務で必要となるスキルも自然と身に付きます。
オープンデータを使った練習は、データ分析を行う上での実践力を養うための優れた方法です。
pythonのデータ分析で成果を出すには?
前の章では、Pythonのデータ分析を学ぶ方法をご紹介しました。それぞれの方法で学んだ知識や技術を活かして、実際に成果を出すためにはどのようなステップが必要なのでしょうか。
この章では、Pythonのデータ分析で成果を出す具体的な手法について解説していきます。
Pythonの基本を徹底する
Pythonのデータ分析では、基本的な文法やデータ構造を理解していることが不可欠です。これらの基本を押さえたうえで、より高度な分析手法に取り組むことで、効率的に成果を上げられます。
というのも、基本的な文法やデータ構造を理解していないと、プログラムの理解が困難になったり、エラーやバグの発生の原因になったりします。Pythonの基本を徹底することで、データ分析の効率を上げ、成果を出すための基盤を構築できるのです。
統計的な基礎知識を頭に入れる
データ分析において、統計学の基本的な知識は大変重要です。例えば、「平均」はデータの中心傾向を示し、「標準偏差」はデータの散らばり具合を表します。これらの基本的な統計量を理解することはもちろん、さらに高度な手法についても学ぶことが大切です。
統計的な基礎知識を身に付けると、Pythonを使ったデータ分析の理解が深まり、より効果的な分析ができるようになります。
目標や課題を明確にする
データ分析の成果を上げるためには、明確な目標や課題を設定することが大切です。具体的な課題に対してどのような分析手法を用いるかを考え、分析プロセスを計画的に進めることで、効果的な成果を出せます。
例えば、気象データの分析を目標にする場合、過去の気象データから気温や降水量の傾向を調べることが課題です。この課題に対して、適切なデータ分析手法を用いて傾向を把握し、予測モデルを作成することで、目標達成に近づけるのです。
オープンデータの統計情報
実践的なデータ分析を行うためには、実際のデータを用いて練習することが大切です。オープンデータは、誰でも自由に利用できるデータです。オープンデータを利用すると、実際のデータ分析に近い状況で練習ができます。
例えば、人口統計データを利用して、都市や地域の人口増減を分析し、将来の人口推移の予測などに活用できます。オープンデータを利用すると、データ分析のスキルを向上させるだけでなく、実際の問題解決にも役に立つのです。
オープンデータの統計情報を取得できるサイト
オープンデータの統計情報を取得できるサイトは、データ分析の練習や研究に非常に有用です。
ここではオープンデータの統計情報を取得できるサイトを3つ紹介します。
e-Govデータポータル
e-Govデータポータルは、日本政府が提供するオープンデータプラットフォームで、統計情報や行政関連データを誰でも無料で利用することができます。
主な提供データには、人口、経済、環境、健康、教育など、幅広い分野にわたる統計が含まれ、政策や研究、ビジネスの分析に活用されています。データはCSVやJSONなど多様な形式でダウンロード可能で、Pythonなどのデータ分析ツールを使って容易に処理・解析することが可能です。
また、e-Govデータポータルは、データの検索機能が充実しており、キーワードや分野別にデータを簡単に見つけることができます。さらに、最新のデータが定期的に更新され、信頼性の高い情報をリアルタイムで入手できる点も大きな魅力です。
データ分析や統計学習において、日本国内の現実的なデータを使った実践的な演習を行うのに最適なリソースです。
情報学研究データリポジトリ
情報学研究データリポジトリは、日本の情報学に関する研究データを集積し、一般に公開しているデータベースです。
このリポジトリは、学術研究や技術開発に役立つデータを幅広く提供しており、オープンデータとして誰でもアクセス可能です。主に、情報学やデータサイエンスの分野での研究を支援するために設立されており、データセットは数値データ、テキスト、画像など多様な形式で提供されているのが特徴です。
利用者は、リポジトリに保存されているデータを活用して、AI、機械学習、ビッグデータ解析などの実験や分析を行うことができます。さらに、データのメタデータも整備されており、データの検索や利用が容易に行える設計になっています。
学術的なリサーチから実務的な分析まで幅広い用途に対応しており、データサイエンスや情報学を学ぶ学生や研究者にとって、貴重なリソースとなるでしょう。
e-Stat
e-Statは、日本の政府統計ポータルサイトで、総務省統計局が運営している公式データベースです。
このプラットフォームでは、人口、経済、労働、産業など多岐にわたる日本国内の統計情報を無料で提供しており、幅広い分野にわたる統計データを活用できます。日本の政府機関が発表するデータが集約されているため、信頼性が高く、最新の統計情報を手に入れることが可能です。
e-Statの特徴として、使いやすい検索機能や、さまざまな形式(CSV、Excelなど)でデータをダウンロードできる点が挙げられます。これにより、PythonやExcelを用いたデータ分析や、レポート作成にも容易に活用できます。
また、各種グラフや地図を用いたデータ可視化ツールも用意されており、視覚的にデータを把握することも可能です。
Pythonのデータ分析で使える4つのライブラリ
Pythonのデータ分析では、いくつかの便利なライブラリが使われています。ここでは、データ分析において重要な4つのライブラリについて解説します。
これらのライブラリを使いこなして、データ分析のスキルを向上させてください。
Pandas
Pandasはデータ操作・加工に最適なライブラリです。データフレームという表形式のデータ構造を提供し、データ抽出や結合、集計が容易に行えます。また、CSVやExcelファイルの入出力もサポートしているのです。
例えば、ある市の人口データをCSVファイルで入手した場合、Pandasを使ってデータを読み込み、「年代別」や「性別」別に人口を集計できます。さらに、その結果を新たなCSVファイルとして出力可能です。
ただし、データ操作の基本を理解していないと、思わぬエラーや誤った結果を生むことがあります。そのため、データ操作の基本は押さえておきましょう。
Numpy
Numpyは、データ分析で大量の数値データを高速に計算できる、数値計算に特化したライブラリです。多次元配列を扱え、線形代数などの高度な数学関数も提供されています。
例えば、ある企業の売上データがあり、過去12ヵ月分の売上の平均や分散を求めたい場合、Numpyを使って計算できます。さらに、線形代数の機能を使って、売上と広告費の相関係数を計算することも可能です。
ただし、数学的な知識が不足していると、適切な計算方法を選ぶことが難しいため、基本的な知識を身につけておきましょう。
scikit-learn
scikit-learnは機械学習用のライブラリです。分類や回帰、クラスタリングなど、さまざまなタスクを実行できます。また、データ前処理やモデル評価、パラメータチューニングなどの便利な機能も備えており、機械学習を効率的に行えるのです。
例えば、あるECサイトの商品レコメンデーションを行いたい場合、scikit-learnの機能を使うと顧客に合った商品を提案できます。
scikit-learnは機械学習を手軽に試せるライブラリですが、実際に利用する際には、機械学習の基本知識やアルゴリズムの理解が必要です。
Matplotlib
Matplotlibはデータの可視化を行うためのライブラリです。データ分析を可視化すると、データの傾向やパターンを把握しやすくなり、効果的な分析が可能になります。また、Matplotlibでは、折れ線グラフや棒グラフ、ヒストグラムなど、さまざまなグラフを描画できるのです。
例えば、株価の推移を折れ線グラフで表現したり、年齢別の人口分布をヒストグラムで可視化したりできます。Matplotlibは非常に便利なライブラリですが、グラフのカスタマイズには多くのオプションを理解する必要があるでしょう。
まとめ
この記事では、Pythonのデータ分析における練習方法と成果を出すためのコツを紹介しました。
これらの知識とスキルを身につけると、Pythonのデータ分析を効果的に行えるようになります。自分の興味や関心に沿ったテーマを選び、Pythonのデータ分析を活用して解決策を見つけ出していきましょう。
これからPythonのデータ分析を学ぶ方も、すでに学んでいる方も、ぜひ本記事の内容を参考にして、練習方法や成果を出すコツを活用してください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。