この記事では、取得する利点や難易度も交え、オラクルマスターブロンズ資格の特徴を解説します。
オラクルマスターブロンズってどんな資格?
取得するとどんないいことがあるの?
未経験からでも取得できるのかな?
ITエンジニアとしてデータベースまわりの仕事をしていると「オラクルデータベース」を使う機会が多くあります。今後の就職や転職も見据えて、認定資格である「オラクルマスター」の取得を考える人も多いですよね。
ただ、オラクルマスターのなかでも下位にあたるオラクルマスターブロンズ(ORACLE MASTER Bronze DBA 2019)は「取得しても意味がない」といった意見も見かけます。そのため、取得を悩む人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではそもそもオラクルマスターブロンズとはどんな資格なのか、その概要を取得するメリットや難易度も交えわかりやすく解説します。オラクルマスターブロンズの取得に必要な勉強時間や試験対策の方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- オラクルマスターブロンズを取得するメリット
- オラクルマスターブロンズの試験の概要
- オラクルマスターブロンズに合格するための勉強法
本記事を読む前に、そもそもオラクルマスターとはどんな資格なのかをおさらいしておきたい人は次の記事を参考にしてください。
- オラクルマスターブロンズの取得試験ではオラクルDBの基礎知識が問われる
- 取得すれば就職・転職活動でのアピールや収入アップも期待できる
- 入門レベルの資格ではあるもののDB初心者は数ヶ月の学習が必要
オラクルマスターブロンズとは
「オラクルマスターブロンズ(ORACLE MASTER Bronze DBA 2019)」は、オラクルデータベースに関する基礎知識を認定する資格の1つです。
ここでは、そもそもオラクルマスターブロンズがどんな資格なのか、その概要をオラクルマスターの概要も交えて解説します。
オラクルマスターはオラクルDBの管理能力を証明する資格
そもそも「オラクルマスター(ORACLE MASTER/ORACLE MASTER DBA 2019)」とは、日本オラクル社が運営するITエンジニアおよびデータベースを管理するシステム管理者(DBA ※1)向けの専門資格です。
世界でもトップ3のシェア(※2)を誇るデータベース管理システム「オラクルデータベース(Oracle Database)」の管理能力や運用スキルを証明する資格として、これまでに27万人以上のITエンジニアが取得しています。
民間発行の資格ながら、上位グレードの「オラクルマスターシルバー(ORACLE MASTER Silver DBA 2019)」以上は世界基準の資格としても認められるなど、権威性の高さもあります。
オラクルマスターブロンズは「DBの基礎知識の習得」を証明する資格
「オラクルマスターブロンズ」は、難易度別に4つにわかれているグレードのなかでも、もっとも下位にあたる資格です。
証明するスキルは「全てのITエンジニアに必要となる、データベースの基礎知識を習得したこと」と定義されています。
グレード | 概要 |
Platinum(プラチナ) | 高可用性、性能管理(※2023年6月リリース予定) ※10g以降のGold資格が必要 |
Gold(ゴールド) | マルチテナント環境、バックアップ・リカバリ、インストール ※10g以降のSilver資格が必要 |
Silver(シルバー) | 日常の運用管理、基本的なSQL |
Bronze(ブロンズ) | DBの基礎知識 |
オラクルマスターブロンズは、上位グレード資格の必須条件ではありません。そのため、ブロンズを飛ばしてシルバーからの取得も可能です。
しかし、シルバーなどの上位グレード試験はブロンズレベルの知識を前提としています。もしあなたがデータベース初心者であり、今から基礎を学んでいく段階であれば、まずはブロンズを受験してオラクルデータベースを知るところからはじめるのをおすすめします。
次の記事では、オラクルマスターシルバーとはどんな資格なのか、その概要を取得するメリットや難易度も交えわかりやすく解説しているので良ければ参考にしてください。
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オラクルマスターブロンズを取得する3つのメリット
ここからは、オラクルマスターブロンズを取得するメリットを、3つにまとめて紹介します。
就職・転職活動で有利になる
メリットの1つ目は、ITエンジニアとして有利に就職・転職活動ができる点です。
冒頭でもお伝えしたように、データベース業界でオラクル製品はとても高いシェアを誇り、導入している企業も多いです。そのため、オラクルマスターの資格保有者は市場でも重宝される傾向があります。
実際に、エンジニアの求人情報を見てみると、上位資格である「プラチナ」や「ゴールド」ほどではないまでも「オラクルマスターブロンズ」の資格保有者を優遇する案件は多い(※1)です。
「一番レベルの低い資格だから取得しても無意味」ということはなく、十分に有益な資格だと言えるでしょう。
収入アップが期待できる
メリットの2つ目は、収入アップにもつながるところです。
上述したようにオラクルマスターの資格保有者は、ITエンジニアの求人市場で優遇されます。取得しておくことで、資格手当による給与アップのほか、より待遇条件の良い企業への転職や新しい業務委託の受注につながる可能性があります。
実際に、データベースエンジニアの平均年収は30代で467万円(※1)ほどですが、オラクルマスターの上位グレード資格保有者に対しては年収800〜900万の条件を提示している企業もあります。
オラクルマスターブロンズを足がかりに、上位グレードへとステップアップしていくことで、年収アップが期待できるでしょう。
業務効率化に必要なスキルが身につく
メリット3つ目は、日ごろの実務や業務効率化に役立つ知識・スキルが身につくところです。
たとえば、資格として認定されるレベルの知識を身につけておけば、自己流で都度検索しながらデータベースを触る人よりも効率的に業務をこなせます。
また、データベースの知識があることで、ITチーム内部または他の部署とのコミュニケーションがスムーズになり、プロジェクトの効率を高める効果も期待できます。
データベースエンジニアはもちろん、システムエンジニアやプログラマーも持っておいて損はない資格だといえるでしょう。
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オラクルマスターブロンズ資格試験の概要
ここからは次のトピック別に、オラクルマスターブロンズがどのような認定試験なのか、その概要を紹介します。
なお、簡単にオラクルマスターブロンズ資格試験の概要が知りたい人は、次の表を参考にしてください。
項目 | 概要 |
試験の正式名称 | Bronze DBA Oracle Database Fundamentals |
出題形式 | 選択問題 |
試験時間 | 120分 |
出題数 | 70問 |
合格ライン | 正答率65% |
試験日 | 通年・随時 |
受験料 | 3万730円 |
出題範囲
オラクルマスターブロンズの試験では「データベースの管理・運用の基礎知識」が問われます。
想定する対象者は「ITエンジニア層」で、データベース運用の実務や、DBA経験者レベルの知識やスキルまでは求められません。
具体的な範囲は下記のとおりです。
- Oracleデータベース管理の概要
- Oracleデータベースのインストールおよびデータベースの作成
- Oracle Enterprise Manager Database Express およびSQL管理ツールの使用
- Oracle Network環境の構成
- Oracleインスタンスの管理
- データベース記憶域構造の管理
- ユーザーおよびセキュリティの管理
- スキーマ・オブジェクトの管理
- データベースの監視およびアドバイザの使用
難易度・合格率
オラクルマスターブロンズの試験時間は120分です。時間内に、出題数70問のうち65%(=約46問)に正答できれば合格です。
受験数や合格者数は非公開につき、正しい情報はありませんが、
- 入門編にあたる資格であること
- 管理者レベルの技量は求められないこと
上記の前提を考えると、ある程度データベースに関する知識や経験があれば、決して難しい試験ではないと言えます。実際に、SNSやWebフォーラムの合格体験記でも「2〜3週間の勉強で合格できた」という声が複数見られます。
ただし、非ITエンジニアやデータベースを触ったことがない初心者が、簡単に合格できるほど甘くはありません。どのくらい勉強時間が取れるか次第ですが、完全未経験でも確実に合格したいのであれば、数ヶ月は見ておきましょう。
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受験方法
オラクルマスターブロンズの試験は、全国にあるピアソンVUE社テストセンターで随時行われています。いつでもオンラインから申し込めます。
項目 | 概要 |
申し込み方法 | Oracle Universityの申し込みページにて、受験チケットをオンライン購入し申し込みます |
申し込み締切り | 受験日の前日まで |
試験日時 | 随時開催されます。チケット購入後に Oracle CertViewで予約を取ります。予約の取り方は公式の資料を参照ください。 |
試験会場 | 全国のピアソンVUE公認試験会場 |
合格発表 | 即刻(試験終了と同時に結果がでます) |
支払い | オンライン決済/会場支払い |
不合格でもすぐに再受験ができるため、チャレンジしやすい資格です。ただし、同じ試験を年に5回以上受験することはできません。注意しましょう。
オラクルマスターブロンズの取得に向けたおすすめの勉強方法
ここからは、オラクルマスターブロンズ資格試験の合格に向けたおすすめの勉強方法を、3つにまとめて紹介します。
出題内容から習得すべき知識やスキルを明確にする
まずは、合格するために必要な知識や技術に対して、何がどのくらい足りていないのか「差分」を明らかにしましょう。
あらかじめ「自分は何がわかって、何がわからないのか」を把握しておけば、より効率的に学習を進められます。
オラクルマスターブロンズの試験範囲は申し込みサイトで公開されており、また後述する学習サイトや参考書を見れば、具体的にどんな問題がでるのかも把握できます。
出題範囲に一通り目を通し、何を重点的に学んでいくのが良いか、整理することからはじめましょう。
参考書・勉強サイトで取得に必要な知識/スキルを身につける
次に、参考書や学習サイトを使って知識やスキルを身につけます。
過去問題は非公開なので、参考書や勉強サイトで練習問題や模擬試験を繰り返し解いて学びましょう。
いろいろな本や学習サイトがあって、どれを選べばいいかわからないときは、下記を参考にしてください。オラクルマスターブロンズの受験生に人気の参考書と勉強サイトです。
オラクルマスター教科書 Bronze DBA Oracle Database Fundamentals(書籍)
日本オラクル社が直接監修した参考書で、通称「黒本」と呼ばれています。合格者の多くが利用しているとされる定番の一冊で、豊富な練習問題とあわせ、模擬試験も収録されています。
Ping-t(学習Webサイト)
Ping-t(ピングティー)は、登録ユーザー数25万人を超えるIT試験学習サイトです。オラクルマスターブロンズの問題336問(有料)を利用できます。
フォーラムも用意されているので、受験者同士でコミュニケーションが取れますし、合格体験記が読めるのも魅力です。
なお、オラクルマスター以外にもLPIC、CCNA/CCNPなど、ほかの資格の学習もできます。
公式研修「ラーニング・サブスクリプション」
ちなみに、オラクル公式の学習プログラムも用意されています。
通常料金48万9,300円(※2023年6月時点)と、他の学習方法と比べて手が出しづらいですが、公式の学習プログラムで勉強したいのであれば候補の1つに入ります。ブロンズ・シルバーの内容込みで、認定試験1回分の料金も含まれています。
不定期でラーニング・サブスクリプションのコンテンツが無償公開されています。気になる場合は、こまめに新着ニュースページを見ておくと良いでしょう。
なお、下の記事ではオラクルマスター取得におすすめの本を、本で学習するメリットやデメリットも交えて詳しく紹介しているのであわせて参考にしてください。
くじけそうならスクールを利用する
参考書やWebサイトを使っての独学は、費用を抑えたり自分のペースで進めたりできる一方で、学習に身が入らず途中で挫折してしまうリスクがあります。
また、自分なりに頑張ってやりきったはずだったのに理解が甘く、試験で失敗してしまったなんてことも少なくありません。
- なかなか自力で学ぶのが難しい、でも不合格になりたくない
- 何を勉強すべきなのか、優先度を決められない
- 勉強の仕方にメリハリがつけられない
そう感じたときは、スクールを利用するのも良いでしょう。
なお、IT企業やエンジニア転職を見据え、オラクルマスターブロンズの取得に向けたサポートの手厚さを重視するなら「侍エンジニア」をお試しください。
侍エンジニアでは、現役エンジニアと学習コーチの2名体制で、オラクルマスターブロンズ取得に向けた学習をサポートしてもらえます。
「受講生の学習完了率98%」「累計受講者数4万5,000名以上」という実績からも、侍エンジニアなら未経験からでも挫折なく転職を実現できますよ。
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オラクルマスターブロンズのよくある質問
最後にオラクルマスターブロンズの取得でよくある質問にお答えします。わからないことがあった際の参考にしてください。
未経験からでもオラクルマスターブロンズは取得できるの?
オラクルマスターブロンズは未経験からでも取得可能です。
ただし、非ITエンジニアやデータベースを触ったことがない完全な初心者が、勉強なしでいきなり合格できるほど簡単ではありません。
未経験でも確実に合格したいなら、数ヶ月単位での勉強時間を確保しつつ、適宜スクールを活用した学習を進めるのがおすすめです。
資格の有効期限はあるの?
オラクルマスターブロンズの資格に有効期限はありません。
ただし、過去に発行されていた10g/11g/12cの資格が、現在のDBA2019に統合されたように、今後もオラクルのバージョン更新とあわせて、資格もアップデートされる可能性があります。
なお、資格をアップデートするためには「移行パス試験」と呼ばれる更新用試験を受ける必要があります。詳しくは以下でご確認ください。
「オラクルマスターブロンズは意味ない」って本当?
オラクルマスターゴールドなど、上位グレードと比べればインパクトとして劣る部分はありますが、ブロンズでも下記のメリットを期待できます。
- 履歴書・経歴書に書くことで、転職や業務委託受注時のアピールになる
- 資格手当が受け取れる場合がある
- データベース管理の知識が身につき、職域を広げるチャンスになる
ITエンジニアとしての技量を高め、年収を高めていく第一歩として、ぜひ取得しておきたい資格だと言えるでしょう。
なお、次の記事ではオラクルマスターが「いらない」といわれる理由を、取得がおすすめな人も特徴も交え詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
オラクルマスターブロンズ合格後にシルバーは取得すべき?
データベースエンジニアとして活躍していきたいのであれば、ぜひシルバー、ゴールド…とステップアップして取得しておきたいところです。上述したような取得メリットがさらに大きくなります。
詳しくは以下の記事を一読ください。
オラクルマスターブロンズの再試験は可能か?
オラクルマスターブロンズ試験は、もし不合格になってもすぐに再受験ができますので、比較的チャレンジしやすい試験と言えます。ただし、同じ試験は年に5回以上受験することはできませんので注意してください。
オラクルマスターブロンズの他に取得すべき資格は?
データベース関連の資格を中心に検討しましょう。何の資格を取得するかは、ご自身のキャリアや目的次第です。明確に「これもセットで取るべき」というものはありません。
ただ、これからITエンジニアに必要なデータベースの基礎知識を身につけていく段階であれば、「OSS-DB Silver」の資格取得がおすすめです。
OSS-DB Silverは、PostgreSQLなどオープンソースDBの知識やスキルを証明する民間資格で、オラクルマスターと並行して取得されることが多いです。
両方の資格を持っておくと、あらゆるデータベースに対応できるITエンジニアとして見てもらえるため、よりキャリアアップや収入アップにつながりやすくなります。
まとめ:オラクルマスターブロンズに挑戦してみよう
以上、オラクルマスターブロンズの資格の概要から取得方法までを詳しく紹介してきました。
オラクルマスターブロンズは、ITエンジニアとしてのキャリアやスキルアップだけでなく、年収アップにもつながる有益な資格です。
- これからITエンジニアとしての技量を高めていきたい
- より市場価値のあるITエンジニアに成長していきたい
- データベースエンジニアとして活躍していきたい
こうした人は、まずはオラクルマスターブロンズの取得を目指してみてはいかがでしょうか。
なお、独学での学習には挫折がつきもの。「将来のために、しっかり資格を取得したい!」「絶対に合格したい!」なら、プログラミングスクール「侍エンジニア(SAMURAI ENGINEER)」をご検討ください。
侍エンジニアは、現役のITエンジニアがマンツーマンであなたを指導。自分に合ったカリキュラムで学習を進められ、いつでも質問可能です。
不明点を残したまま先に進むこともありませんので、未経験でこれから学習していきたい人にも自信をもっておすすめできます。
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侍エンジニアの詳細を見るこの記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
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