仕事にやりがいを感じない
同じ業務の繰り返しで辛い
キャリアアップできるか不安
公務員の方でこのような悩みを抱えている人の中には、「自分は公務員に向いていないのかも?」と感じる方もいることでしょう。公務員は安定した収入が得られる、社会的信用が高いなどのメリットがありますが、仕事にやりがいを感じにくい職種であるといえます。
公務員に向いていないと感じ仕事を続けるのが辛い方は、転職するのも1つの手段です。やりがいを感じない状態で仕事を続けてもモチベーションを維持するのが辛く、心身ともに負担をかけてしまいます。
本記事では公務員に向いていないと思った時の対処法やおすすめの業界などを解説します。公務員として悩みを抱えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
公務員に向いていないと感じる3つの要因
公務員の仕事は事務的な業務が多いため、やりがいを感じにくい傾向にあります。そのため、仕事で新しいことに挑戦したい方やスキルアップしたい方の場合、「公務員は向いていないから辞めたい」「ストレスを感じる」と思うかもしれません。
公務員が向いていないと感じる要因は大きく分けて以下の3つが挙げられるため、自分が該当していないか確認しましょう。
やりがいを感じられない
公務員の仕事は事務的な作業が多いため、やりがいを感じられないという方も多い傾向にあります。基本的にはデスクワークが多く同じ作業を繰り返すことも多いため、仕事にやりがいを感じられない場面もあります。
また公務員は人事異動が多いため、専門性が身に付きづらい点もやりがいを感じられない要因の1つです。職場によって業務内容も異なるので、異動先で常にやりがいを感じる仕事ができるとは限りません。
職場の人間関係が原因で心身ともに疲れている
公務員の職場は閉鎖的であることが多いため、人間関係が悪化すると仕事にも支障をきたします。そのため人間関係が原因で仕事がうまくできず、心身ともに疲れてしまう方もいるのではないでしょうか。
公務員の場合数年で職場が変わるため、人間関係に悩んでいても数年我慢すればよい場合もあります。一方で公務員には逆のパターンもあり、職場が変わったことで「雰囲気が合わない」と感じるケースもあります。
職場が定期的に変わるからこそ公務員には人間関係の問題が付いて回るので、人付き合いが苦手な人は公務員に向いていないと感じるでしょう。
キャリアアップの道筋が見えない
職場にもよりますが公務員は基本的にデスクワークであり、事務的な業務が多いため専門的な知識や技術が身に付きづらい傾向にあります。また数年で職場が変わるため、何か特化した技術を身に付けることも難しいです。
そのため転職を考えた際にも、秀でたスキルを持ち合わせていないことが多く、キャリアアップの道筋が見えないと感じる方もいるのではないでしょうか。
さらに公務員の給与体系は年功序列制度となっているため、仕事で成績や実績を上げても給与が格段に上がるケースはあまりありません。若いうちから実績を残してキャリアアップを目指したい方の中には、「公務員は向いていないかも」と感じる方もいるのではないでしょうか。
公務員に向いていない人が仕事を続ける3つのメリット
「公務員に向いていない」と感じてすぐに仕事をやめたくなる方もいるのではないでしょうか。確かに公務員に向いていないと感じながら仕事を続けるのは辛いかもしれませんが、メリットもあります。公務員を続ける具体的なメリットは以下の3つです。
安定した収入が得られること
民間企業の場合、経済の影響や企業の業績によって収入は変化します。一方で公務員の場合、経済の影響を受けにくいため、毎年安定した収入を得られます。
人事院の「令和4年国家公務員給与等実態調査の結果」によると、国家公務員の平均年収は約670万円です。一方で総務省の「令和4年地方公務員給与実態調査結果」によると、地方公務員の年収は地域や職種にもよりますが、約630〜670万円です。
また公務員の給与体系が年功序列になっている点もメリットの1つです。年を重ねるごとに自動的に給料も上がるため、ライフプランに合わせた資産形成もしやすいです。
充実した福利厚生を受けられる
充実した福利厚生を受けられる点も公務員のメリットです。公務員の福利厚生には扶養手当や通勤手当、住宅手当、児童手当などさまざまな種類があります。
<公務員の福利厚生一例>
- 扶養手当
- 地域手当
- 通勤手当
- 住宅手当
- 児童手当
- 退職手当
福利厚生が充実しているため生活に応じて給与以外の支給もあり、安定した生活を実現できます。また有給制度も整っているため休暇を取りやすく、ワークライフバランスを実現しやすい点も公務員の強みです。
社会的信用が高い
公務員は職業が安定しているため社会的信用が高くなります。社会的な信用が高いと、車や家のローンが組みやすい、クレジットカードの審査に通りやすいなど多くのメリットがあります。
特に車や家といった高額なローンを組む場合は、ある程度の社会的信用が必要です。そのため「若いうちから車が欲しい」「マイホームを早く建てたい」という方は、公務員を続けるべきでしょう。
公務員に向いていない人が仕事を辞める3つのメリット
公務員の方の中には「公務員を辞めても大丈夫かな?」と不安に感じてしまう方もいるのではないでしょうか。公務員を辞めると安定した収入や社会的信用を手放してしまう可能性もありますが、メリットも多くあります。具体的なメリットは以下の3つです。
キャリアアップができる可能性が高くなる
例えば、研究職や設計職、エンジニアなど専門的な知識が求められる職種に就くことで自分の専門性を高められます。自分の専門性を高めることで、仕事の選択肢が増えキャリアアップもしやすくなるでしょう。
また企業によっては資格取得を手助けする制度を導入したり、勉強会や講演会の参加費を負担したりするケースもあります。キャリアアップしやすい環境で働きたい方、自分の就きたい仕事や挑戦したいことが明確に決まっている方は、公務員以外の仕事に就くのも1つの手段です。
給与水準を上げることができる
公務員を辞めて企業に勤めることで、給与が大幅に上がる可能性もあります。公務員の場合は年功序列のため、仕事の実績に関係なく年を重ねるごとに給与が上がりますが、大幅に上がることはほとんどありません。
一方で企業の場合、仕事の実績に応じて給与が上がるケースがあります。そのため能力次第では大幅な昇給もありえるため、公務員よりも給与水準を上げられます。しかし、企業の中にも年功序列を採用しているところもあるため、転職活動の際には給与体系についての調査を忘れずに行いましょう。
副業に取り組めるようになる
公務員の場合、副業が原則禁止されています。そのため公務員として勤める限り、興味のある副業があっても始められません。
一方で企業の場合、近年では副業を解禁している企業も多いため、企業に勤めながら副業に取り組めます。副業を始めることで収入が増えるのはもちろんのこと、自身のスキルアップにつながるケースもあります。
「挑戦したい副業がある」「自分の特技を副業で活かしたい」という方は転職を視野に入れ、副業を始めてはいかがでしょうか。
公務員に向いていないと思った時の対処法5選を徹底解説
公務員に向いていないと思った時、どのように対処すればいいのか分からないという方もいるかと思います。
対処法が分からない状態で公務員として働き続けると、心身ともに負担がかかってしまうので注意が必要です。公務員に向いていないと感じた方は、以下の5つの方法を実践しましょう。
自分自身の強みや価値を再確認する
公務員に向いていないと思った時は、自己分析を行い自分自身の強みや価値を再確認しましょう。同じ業務の繰り返しに思える公務員の仕事の中にも、自分の強みを活かせる場面があるかもしれません。
仕事を行いながら「自分の強みを活かせる業務はないだろうか」と常に考えることで、仕事に対して目的意識を持つことができ、モチベーションの向上にもつながります。もし自分の強みや価値を再確認したうえで、他の職種に就きたいと思った場合は転職するのも1つの手段です。
スキル・資格を習得するため勉強する
キャリアアップのために転職を視野に入れている方は、スキルや資格を習得するために勉強するとよいでしょう。専門的なスキルや資格を習得すると市場価値も上がり転職も有利になります。また転職に有利になる以外にも、公務員の業務にも活かせるケースもあるので、積極的にスキルや資格を習得しましょう。
公務員の場合福利厚生が充実しているため有給休暇などを有効活用することで、スキルや資格を習得するための勉強時間を確保できます。
公務員以外のコミュニティに参加し刺激を受ける
公務員以外のコミュニティに参加することで、まったく別職種の話を聞けるためよい刺激になるためおすすめです。別職種の話を聞くことで、「自分もこんな仕事をしたい」など明確なキャリアプランを描くきっかけにもなります。
またコミュニティに参加することで、退屈だと思っていた公務員の仕事が誰かの役に立っていると感じる場面もあるかもしれません。自分の仕事が誰かの役に立っていると思うと、自然と仕事に対してやりがいを感じるでしょう。
キャリアアドバイザーに相談する
キャリアアドバイザーとは、相談者のキャリアに対するサポートやアドバイスなどを行う職業です。公務員が向いていないと思ったときは、一度キャリアアドバイザーに相談するのも1つの手段です。
キャリアアドバイザーに相談するときには、なぜ公務員に向いていないと思うのか、どんな仕事をしたいかなど、自分の考えを明確に伝えましょう。自分の考えを明確に伝えることで、最適なキャリアプランなどを提示してくれます。
転職をする
公務員が向いていないと感じた場合、公務員を辞めて転職することも視野に入れましょう。人によって得意なこと、不得意なことはさまざまです。同じ業務の繰り返しが苦手な方の場合、公務員として働き続けると仕事のモチベーションが上がらずストレスを感じるケースもあります。
明確にやりたい仕事が決まっている場合は、なるべく早く行動に移しましょう。「転職したいけど何をすればいいのか分からない」という方は、キャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。
公務員に向いていない人におすすめな3つの業界
「転職したいけど、どんな業界がいいのか分からない」「転職で失敗したくない」と悩んでいる方もいるかと思います。
公務員を辞めて転職するのであれば、なるべくやりがいのある仕事やキャリアアップを目指せる業界に転職したいですよね。転職先の業界で悩んでいる方は以下の3つの業界を参考にしてください。
IT業界
IT業界とは情報技術(Information Technology)を活用してサービスを提供する業界です。IT業界にはソフトウェア業界やハードウェア業界、インターネット業界、Web業界などさまざまな種類があります。
各業界で活躍するためには、専門的な知識や技術が必要です。専門的な知識などを身につけるためには自主的に勉強する必要がありますが、それだけ仕事に対してやりがいも生まれます。またIT業界は実力主義の傾向があるため、仕事で成果を残すと給与や役職も上がりやすい傾向にあります。
コンサルティング業界
コンサルティング業界とは、中小企業や大企業といったさまざまな企業が抱える問題を解決するための業界です。企業は経営や戦略、会計、人事などさまざまな問題を抱えています。コンサルティング業界では、各問題の専門家が企業からの相談を受け、問題解決へ向けサポートを行い企業の成長の手助けをします。
企業の問題解決が主な業務なので仕事の責任も大きく、専門的な知識が必要です。しかし仕事の成果を直に感じられ、やりがいがある業界なので、「仕事にやりがいを感じたい」「大きなプロジェクトに携わりたい」と考えている方にはおすすめです。
マーケティング業界
マーケティング業界とは、市場で求められているものを調査し顧客の要求を満たすような商品やサービスを提供するための業界です。
マーケティングには商品企画や販売促進、市場調査などさまざまな業務があります。業務ごとに専門的な知識や経験が必要になりますが、商品やサービス作りに1から携われる、分析力やリサーチ力がつくなど、非常にやりがいの大きい業界です。
仕事で実績を残すことで昇級もでき、事業企画や新規事業の立ち上げといった大きなプロジェクトに参加することも可能です。
公務員を辞めるときの注意点
公務員の場合、在職期間中の転職活動や失業保険に対して規制をかけられるケースがあるので注意が必要です。以下で解説する注意点を知らない状態で転職活動をしたり、公務員を辞めたりすると思わぬトラブルに発展する可能性もあります。
在職期間中や退職後のトラブルを未然に防ぐためにも、以下で解説する注意点をしっかりと確認しましょう。
在職期間中の転職活動が可能か確認する
公務員が在職期間中に転職活動を行う場合、役職によっては規制がかかるため注意が必要です。役職が課長補佐に満たない場合は規制がないため、在職期間中に転職活動をしても問題ありません。
しかし役職が課長補佐以上の場合、転職先の企業によっては内閣府の承認が必要になるケースがあるので注意しましょう。国家公務員の方で転職を考えている方は、内閣人事局のHPも確認することをおすすめします。地方公務員の場合、条例などで転職に関する規定がなされている場合もあるので、所属する自治体の条例を確認しましょう。
失業保険がない
公務員は雇用保険法の適用の対象外となっているため、失業保険による失業給付を原則受けられません。ただし、失業給付の代わりに条件を満たすことで、退職手当を受給することが可能です。
<退職手当の支給要件>
- 原則として、勤続期間が12月以上で退職した職員であること。
- 退職手当の額が、雇用保険法の失業等給付相当額に満たないこと。
- 原則として、退職の日の翌日から起算して1年の期間内に失業していること。
- 待期日数を超えて失業していること。
転職を考えている方は、自分が上記条件に当てはまっているかを忘れずに確認してください。支給要件を満たしている場合は、退職手当の申請を行いましょう。
まとめ
公務員の仕事は同じ業務の繰り返しであるため、「自分には向いていない」と感じる方もいるかもしれません。公務員が向いていないと感じた時はスキルや資格を習得するために勉強する、キャリアアドバイザーに相談するなどの対処法を実践してください。
公務員を続けるのが辛いと感じたときには転職するのも1つの手段です。特にやりたい仕事が明確に決まっている方や、仕事にやりがいを求める方はなるべく早く行動しましょう。もし転職したい業界に悩んでいる方は、本記事で紹介した3つの業界を参考にしてくださいね。