文章が自動で文章が作成できるAIサービスってどれだろう?
文字起こしや要約などにも活用できるのかな?
AIが作成してくれる文章の品質はどれくらいなんだろう?
ChatGPTの登場を機に、AIを使った文章作成サービスが増えています。好奇心や作業を効率化したいという気持ちから使ってみたいと考えているものの、どのサービスを選べばいいのかわからない人は多いですよね。
また、作成してくれる文章の品質を確認してから活用するかを判断したい人もいるはず。
そこで、今回はおすすめの文章作成AIサービスを、選び方も交えて紹介します。文章を作成してくれるAI(文章生成AI)のメリット・デメリット、活用例や利用時の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
AIが作成した文章は一定の品質を担保できる
近年のAI技術の進歩により、AIは十分に実用的な文章を作成できるようになりました。使い方によっては、人が書いた文章と見分けがつかないほど高品質なものを作成できます。
とはいえ、「常に完璧な文章を作成できる」というレベルではないため、使い方には注意が必要です。
文章作成の「補助」として活用するのがおすすめ
AIが作成した文章は、「補助」として活用することをおすすめします。「補助」として活用するとは、「代わりに書いてもらう」のではなく、「書くのを手伝ってもらう」という意識で利用するということです。
具体的には、AIを使って下書きを作成し、それを修正したり追記したりして文章を作成していきます。こうすることで、質の高い文章を短時間で作成できるようになります。
また、アイデア出しにAIを使うのも有効です。例えば「○○というテーマのキャッチコピーを10通り考えて」という指示を出すと、自分では思いつかないようなアイデアを得られる可能性があります。
作成した文章をそのまま活用するのはNG
AIを文章作成の「補助」として使うことは効果的ですが、AIが作成した文章をそのまま活用することは避けるべきです。
AIは大量のデータやルールに基づいて文章を作成しており、時には誤った情報や矛盾した内容を含むことがあります。また、文法的には正しい文章でも、違和感のある表現や不自然な言葉遣いになっているかもしれません。
そのため、AIが作成した文章を使用する際には、人の目でチェックし修正や補完を行うことが重要です。
例えば、
- AIが作成した文章内で使われているデータは必ず真偽を確認する
- 不自然な部分は適切に修正する
といった対応が必要になります。
手軽に文章が作成できる「文章生成AI」とは?
ここまでで解説してきた「文章を作成するAI」は「文章生成AI」と呼ばれています。
文章生成AIには、機械学習や自然言語処理の技術が活用されています。AIに大量の文章データを与え、文章の構造や特徴を学習させることで、AI自身が文章を生成できるという仕組みです。
すでに文章生成AIは幅広い業界や分野で活用されています。それに伴い、文章生成AIを使いこなせるスキルへの需要も高まりつつあります。まだ使ったことがないという人は、無料のサービスからでも十分なので、ぜひ試してみてください。
文章生成AIの種類
一口に文章生成AIといっても、その種類はさまざまです。そこで、ここからは文章生成AIの主な種類を、4つにまとめて解説します。
ルールべース型AI
ルールベース型AIは、あらかじめ設定されたルールやパターンに基づいて文章を生成します。状況に応じた柔軟な対応はできませんが、生成される文章には正確性と一貫性があります。
統計ベース型AI
統計ベース型AIは、大量のテキストデータから統計的なパターンを学習し、それに基づいて文章を生成します。人が作成したものに近い、自然な文章を生成できるのが特徴です。
ただし、新しい情報や珍しい言葉にはうまく対応できないこともあります。
ニューラル型AI
ニューラル型AIは、人の脳の仕組みを参考に作られた「ニューラルネットワーク」を使用して文章を生成します。深層学習(ディープラーニング)によって文章の特徴を学習し、統計ベース型よりもさらに精度の高い自然な文章を生成します。
変換ベース型AI
変換ベース型AIは、元の文章を別の形式に変換することで文章を生成します。文脈を理解する能力が高いため、長く複雑な文章にも対応できるのが特徴です。
具体的には、ニュース記事の要約、話し言葉からビジネス文書への変換などに使われます。
文章生成AIの活用例
次のように、文章生成AIは仕事や日常生活などのさまざまな場面で活用できます。
場面 | 概要 |
記事の作成 | ブログやソーシャルメディアなどの記事を作成する |
メール文の作成 | ビジネスシーンに応じて適切なメール文を作成する |
SNS投稿文の作成 | SNSプラットフォームに応じて適切な表現やハッシュタグを作成する |
広告文の作成 | 商品やサービスのキャッチコピーを作成する |
プレゼン資料の作成 | テキスト形式だけでなく、スライド資料も作成可能 |
議事録/レポート作成 | 音声を文字起こしして、自動で議事録を作成する |
質問への返答 | チャットボットなどで、ユーザーからの質問に適切な回答を返す |
動画の文字起こし | 動画データから文字起こしを行い、字幕を簡単に作成できる |
会議内容の要約 | テキストで会議内容を入力すると、要点のみを整理してくれる |
翻訳文の作成 | 特定の言語から別の言語への翻訳文を作成する |
論文の作成 | 特定のテーマに関する論文作成に使用されることもある |
文章の校正/校閲 | 誤字脱字や不自然な表現を自動で修正する |
小説の作成 | ストーリーのアイデアやキャラクター設定をもとに小説を作成する |
詩/歌詞の作成 | テーマを与えて、詩や歌詞を作成する |
ここでは、上表から代表的な文章生成AIの活用例を8つピックアップして紹介します。
記事作成
記事作成とは、ブログ、ニュース、SNS、商品説明などの文章を作成することです。活用シーンはタイトル作成、見出し作成、本文の下書きなど多岐にわたります。
例えば、ChatGPTに「おすすめの温泉を紹介する記事のタイトルを10通り考えてください」と指示すると、ある程度参考にできそうな案を複数得られました。記事のより詳細な内容を与えれば、さらに精度の高い回答になるでしょう。
資料作成
文章生成AIを使うと、資料を自動で作成することもできます。ここでの資料とは、プレゼンなどに使われるスライド形式のものです。
例えばイルシルというサービスの場合、タイトルや見出しを入力すると、それをもとに文章とスライドを生成します。デザインもさまざまなテンプレートから選択できるため、見やすいスライドを誰でも簡単に作れそうです。
テキストでの自動対話
テキストでの自動対話は、チャットボットやカスタマーサポートに利用されています。ユーザーの質問に対して適切な回答を自動で作成するので、ユーザーの待ち時間短縮や人件費削減といった効果が得られます。
また、いつでも気軽に相談できるアシスタントとしての役割も果たします。例えば「AIチャットくん」というサービスでは、LINEでメッセージを送るだけでAIと対話できます。
文字起こし
文字起こしとは音声をテキストに変換することです。文章生成AIと音声認識技術の組み合わせで実現されています。具体的な活用方法は、会議の議事録作成、インタビューの文字起こしなどです。
文字起こしは、人が行うと時間がかかる上にミスも発生しやすい作業です。これを文字起こしツールに任せれば、よりクリエイティブな作業に集中できるようになります。
議事録作成に特化したサービスとしてはNottaやAI GIJIROKUなどが挙げられます。Zoomと連携することで会議での発言をリアルタイムにテキスト化可能です。
要約
文章生成AIは要約に使うのも効果的です。数千文字の長文でも、数百文字にすっきり整理してくれます。これは、ニュース記事、学術論文、書籍などの長いドキュメントを短時間で理解するのに役立ちます。
文章の要約では、Notion (ノーション) AIが有名です。文字で短くまとめるだけでなく、指示内容によっては表形式で整理することもできます。そのほか、議事録からやることリストを生成したり、重要ポイントのみ箇条書きで抽出したりといった機能もあります。
翻訳
翻訳サービスにも文章生成AIが活用されています。文章生成AIはさまざまな言語のテキストデータを学習しているので、翻訳作業との相性がよいためです。ただ単語を置き換えるだけでなく、前後の文脈を捉えて自然な翻訳をしてくれます。
翻訳サービスでは、DeepLが有名です。例えば、英語のことわざは直訳してもわかりにくい日本語になりがちですが、DeepLを使うと対応する日本のことわざに変換してくれます。
校正/校閲
校正/校閲とは、誤字脱字や表記ゆれなど、文章中の誤りを訂正する作業です。文章生成AIは校正/校閲の役割も果たすことができます。
例えばChatGPTの場合、「この文章を校正してください」というメッセージとともに誤字脱字等のミスを含む文章を読み込ませると、正しく修正された文章を返してくれます。
小説や歌詞の創作
小説や歌詞といったクリエイティブな領域ではAIは利用できないと思われがちです。しかし、アイデア出しの段階であれば、十分実用的な文章を生成してくれます。
例えば、
- キーワードを入力して、あらすじを複数パターン考えてもらう
- テーマやタイトルを入力して、内容を考えてもらう
- 冒頭部分は自分で記載し、続きを考えてもらう
といった活用方法が考えられます。
ChatGPTの場合、「秋をテーマにしたラブソングの歌詞のワンフレーズを10通り考えてください」という指示に対して、次のように返してきました。そのまま使うことは難しそうですが、何かのヒントくらいは得られることがあるかもしれません。
AIで文章を作成する3つのメリット
ここからは、AIで文章を作成するメリットを3つにまとめて紹介します。
短時間で大量の文章を生成できる
AIは、手作業に比べ高速に文章を作成できます。例えばChatGPTであれば、1000文字程度の文章作成にかかる時間はわずか1分前後です。
また、AIは人間のように疲れることはないので、24時間365日動作し続けられます。このような特徴によって、短時間で効率よく文章を作成できるのです。
文章の作成コストを削減できる
文章作成を人間に依頼する場合、さまざまなコストがかかります。執筆そのものだけでなく、執筆内容の調査や事実確認などに対しても、時間や人件費が必要です。
一方で、AIに文章作成を任せればこれらのコストを削減できます。AIの利用費がかかる場合もありますが、人件費と比較すると微々たるものです。
属人的な作業が減る
ある仕事を同じ人に繰り返し依頼すると、徐々にその人しか知らない知識や経験が蓄積されていきます。それにより作業効率は上がるものの、もしその人が休職や退職などでいなくなると一気に仕事が回らなくなるため、リスクが高い状態です。
このように、個人の能力や経験に依存している状態を「属人化」といいます。
AIの利用は、属人化を避ける上でも効果的です。AIに文章作成を任せれば、その分人間に依頼する作業は減るため、属人的な作業を減らせます。また、人とは違いAIが休職や退職するということもありません。
AIで文章を作成する3つのデメリット
メリットに続き、ここからはAIで文章を作成するデメリットを、3つにまとめて紹介します。
複雑かつあいまいな要求には応えられない
AIは複雑であいまいな要求には適切に対応できません。これは、AIは一定のルールやパターンに基づいて文章を作成するからです。
複雑であいまいな要求とは、例えば「今までにない感動的な物語を作成してください」といったものです。この要求に応えるには、「感動的な物語」について自分なりに解釈したり、過去の経験と照らし合わせたりといった人間独自の思考が必要になります。
生成文章の品質にムラがある
AIが作成した文章はそのときどきによって品質が異なります。ここでの品質とは、正確さや信憑性、文章としての自然さなどのことです。
高度な専門知識が必要な分野については、AIが作成した文章は正確でない場合があります。これは、AIに学習させるデータが十分に揃っていないからです。
また、文脈に応じた適切な対応はAIの苦手分野なので、言葉遣いや表現が不自然な文章になることもしばしばあります。
経験談や体験談は生成できない
当然ながら、AIが直接何かを経験、体験することはできないので、経験談や体験談は作成できません。
例えば「富士山に登頂した感想」を書く場合、道中でどんな苦労があったか、山頂にたどり着いたときどんな気持ちになったか、といったことが主な内容になります。これが書けるのは実際に登頂した本人だけです。
おすすめのAI文章作成サービス6選
ここまでの内容で、自分でもAI文章作成を利用してみたくなった人もいるでしょう。そこで、ここからはおすすめのAI文章作成サービスを6つピックアップして紹介します。
なお、簡単に各サービスの特徴を知りたい人は次の表を参考にしてください。
SAKUBUN
ブログ記事を効率的に作成したい人は、SAKUBUNを利用してみてください。
SAKUBUNは、ブログ記事やSNS投稿など、ジャンルごとに豊富なテンプレートが用意されている点が特徴です。テンプレートを選択していくだけで記事の下書きができていくので、今までより格段に早く記事作成を進められるようになります。
Canva
Canvaの「Magic Write」は、一言程度のテキスト入力で記事執筆や営業メール、アイデア出しなどに活用できる文章を作成してもらえます。
また、作成した文章は要約や言い換えといった校正が可能な点も大きな魅力。普段からCanvaを活用している人はもちろん、画像と文章と並行して作成したい人にもおすすめの文章作成サービスです。
ChatGPT
幅広い用途にAIを使いたい人や、具体的な用途のイメージが固まっていない人は、とりあえずChatGPTを利用してみましょう。プロンプトに自由に質問や要求を入力する方式なので、他のツールで実現できることのほとんどは、Chat GPTでも実現可能です。
無料で利用できる「GPT-3.5」でも必要十分な機能は備えていますが、さらにこだわりたい人は有料の「GPT-4.0」を利用しましょう。画像ファイルの認識や、生成される文章の品質向上といったメリットがあります。
NotionAI
文章作成に特化したサービスを利用したい人には、Notion (ノーション) AIがおすすめです。Notion AIとは、オールインワンビジネスツールの「Notion」上で動作するAIです。
誤字脱字の自動修正、翻訳、要約、アイデア出しなど、文章作成にかかわる機能のほとんどが揃っています。特に要約機能が強力で、議事録からやることリストを自動で作ったり、箇条書きで要点のみを整理したりできます。
個人利用ではあまり強みを活かせないかもしれませんが、チーム全体でNotion AIを使うように徹底すると、大きく生産性を上げることも可能です。
Perplexity AI
Perplexity AIは、AIを使った検索エンジンです。他の検索エンジンは、検索結果をそのまま表示するのが一般的ですが、Perplexity AIは検索結果を自分で巡回して、ユーザーが必要としている回答だけを提供してくれます。
さらに、Perplexity AIが作成する文章には出典元リンクが記載されているので、事実確認もすぐに行えます。情報の正確性/信憑性に難があるという、従来のAIサービスの弱点をカバーするような仕組みです。
AI GIJIROKU
議事録作成に特化したサービスを利用したい人には、AI GIJIROKUがおすすめです。音声ファイルや動画ファイル、マイク入力を文字起こしする機能を備えています。
そして最大の特徴は、Zoomと連携することでオンライン会議の議事録をリアルタイムに作成できることです。これにより、議事録作成にかかる時間が大幅に短縮されることでしょう。
AIで文章を作成する際の注意点
最後に、AIで文章を作成する際の注意点を3つにまとめて解説します。
生成文章の品質は逐一チェックする
AIが生成した文章の品質にはムラがあるため、品質チェックは必ず行いましょう。特に正確性や信憑性については注意深く確認する必要があります。
具体的なチェックポイントとしては、情報の出典や根拠を別途調査する、数値データが正確か確認する、断定的な表現はほかの可能性がないか確認するなどが挙げられます。
具体的かつわかりやすい言葉で要求する
AIは複雑であいまいな要求には対応できないという特徴があります。そこで、具体的かつわかりやすい言葉で要求すると的確な返答を得られやすいです。
例えば「商品Aの特徴を500文字程度で説明してください」というように、具体的な対象や数字を明確に示すとよいでしょう。
一方で、ただアイデアやヒントがほしいというだけであれば抽象的な要求で十分な場合もあります。例えば「商品Aを思わず買いたくなるようなキャッチコピーを10通り挙げてください」と指示すれば、そのまま使える品質ではないにせよ、何か参考になるようなアイデアを得られるかもしれません。
個人情報や機密情報は入力しない
文章作成AIを利用する際、個人情報や機密情報を入力しないように注意が必要です。その理由は、AIは入力されたデータを学習して今後の文章作成に利用する性質があり、情報流出のリスクがあるからです。
実際、個人情報保護委員会は、2023年6月にChatGPTを開発・提供しているOpenAI社に注意喚起を行っています。
個人情報や機密情報は一般的な名詞に置き換えてからAIを利用するか、そもそもAIを使わないようにしましょう。
まとめ
今回は、おすすめの文章作成AIサービスや、AIを使って文章作成するメリット、注意点について解説しました。
AIを使えば誰でもあっという間に文章を作成できると思ってしまいがちですが、実際には情報の真偽確認や具体的な指示入力など、気を付けるべきことがいくつかあることをおわかりいただけたかと思います。
使いこなせれば、文章作成AIが非常に便利だということも事実です。この記事を参考にしつつ、文章作成AIの使い方を身に着けてください。