ChatGPTを使うと、どんなことができるの?
無料版と有料版ではどれくらいできることに差があるの?
話題になっていることから「ChatGPT」という名前は聞いたことがあるものの、実際何ができるのか理解があいまいな人も多いですよね。
なかには、できることを把握してから利用するかを決めたい人もいるはず。
そこで、この記事ではChatGPTでできること、できないことを、一覧にまとめて紹介します。ChatGPTに危険性はないのか、使ったほうがいいのかなどの疑問にもお答えするので、ぜひ参考にしてください。
なお、次の記事ではそもそもChatGPTとは何なのか、その特徴をサービスの仕組みや料金なども踏まえ詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
→ ChatGPTとは何かをわかりやすく解説!仕組みやできることも簡単に紹介
ChatGPTでできること一覧
はじめに、ChatGPTでできることを一覧にまとめて紹介します。なお、ChatGPTでできることはAPIやプラグインを活用するかどうかでも異なるため、それぞれ一覧表を分けて紹介しています。
できること | 使用例 |
テキストでの質問応答 | 知りたい情報の提供、お問い合わせへの応答 など |
テキストの生成 | 記事執筆、レポート・メール文・企画書の作成、作詞 など |
文章の校正/校閲 | 作成した文章の誤字・脱字修正 など |
データの分析/解析 | テキストデータの解析、特定の情報抽出 など |
情報の整理 | 文章の要約、テキストデータを表形式でまとめる など |
言語の翻訳 | 英文の日本語翻訳 など |
コードの生成/添削 | プログラミング言語を用いたコーディング、記述したコードの添削 など |
ChatGPTでできることは日々増えている
2022年11月の公開から、日々ChatGPTでできることは増えています。
基本的にChatGPTでできることは人間らしいテキストの生成や対話です。例えば、次のような対話ができます。
人間と話しているような感覚で、質問に回答してもらうことや雑談に応じてもらうことが可能です。
ただし、テキストの生成や対話はあくまでも基本の機能であり、ChatGPTでできることは日々増え続けています。
ChatGPTでできることが増えている理由には、「code interpreter」をはじめとしたプラグインの登場や、APIの一般公開などがあげられます。プラグインを利用することで機能を拡張するとともに、APIの一般公開によってChatGPTを外部のツールに組み込んで利用することが可能となりました。
プラグインもAPIを活用したツールも、一般の企業やユーザーが開発をすることができます。多くのエンジニアがChatGPTを活用するための拡張機能やツールを開発しているため、日々できることが増え続けているのです。
ChatGPTでできることが増している背景3つ
ここからは、ChatGPTでできることが増えている背景を、3つにまとめて解説します。
GPT4へのバージョンアップ
ChatGPTでできることが増えた理由のひとつが、GPT4へのバージョンアップです。
ChatGPTは2022年に公開されましたが、このときのバージョンはGPT3.5でした。その後、2023年3月にGPT4が発表されています。
GPT3.5では自然言語を利用して対話をする機能しかありませんでした。しかしGPT4では、自然言語を利用した文章の生成以外に、画像入力を利用した文章生成や画像・音楽・動画の生成も可能となりました。
GPT3.5とGTP4の違いは次のとおりです。
このように、バージョンアップによってChatGPTでできることが増加しています。
なお、下の記事ではChatGPT4とは何なのか、その特徴を料金や「ChatGPT3.5」との違いも交え詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
プラグイン機能の登場
プラグイン機能の登場も、ChatGPTでできることが増えている理由の1つです。
プラグインとは、ソフトウェアなどに機能を追加できる「拡張機能」のことを指します。2023年5月以降、ChatGPTでもプラグインが利用可能となりました。
プラグインには、ChatGPT内で公開されている公式プラグインと、Chrome拡張機能として公開されている非公式プラグインがあります。
プラグインの種類とできることの例は次のとおりです。
Link Reader | 特定のWebページにアクセスし内容を要約する |
ImageSearch | 文章にあったフリー画像を選ぶ |
Zapier | 他のアプリケーションと連携しタスクを自動化 |
新しいプラグインが開発されれば、その分だけできることも増えます。現在は次々とプラグインが開発されているため、その分できることも大幅に増加しているのです。
なお、次の記事ではおすすめのChatGPTプラグインをできることも交え詳しく紹介しているので、良ければ参考にしてください。
APIの一般公開
ChatGPT APIの一般公開も、ChatGPTでできることが増加している理由のひとつです。
APIとは、アプリケーションとプログラムを繋ぐための窓口のようなものです。APIを公開することで、外部のアプリケーションと接続できるようになります。
例えば、公開されているLINEのAPIを活用すると、自動で返信するBotを作成できます。
ChatGPTのAPIを利用すると、外部のソフトウェアやアプリケーションからChatGPTとの連携が可能になります。これにより、自社が開発しているサービスにChatGPTを組み込むといった使い方ができるようになりました。
例えば、ChatGPTのAPIを活用すると、次のようなサービスを提供可能です。
- 新商品のアイディアを自動生成するツール
- フリーワードに対応可能なチャットボット
- メールの文章を校正するツール
APIが公開されたことで、多くのエンジニアがChatGPT APIを活用したサービスを考えていることも、できることが増加する要因のひとつです。
ChatGPTのAPIに関して詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
ChatGPTでできること6つ
ここからは、プラグインやAPIを使わずChat GPT自体でできることを、6つにまとめて紹介します。
テキストでの質問応答
ChatGPTを利用すると、テキストでの質問応答が可能です。
ChatGPTは、ユーザーが入力した質問の意図を文章から解析し、質問に合わせた内容で返信してくれます。何か疑問を感じたときには、ChatGPTに質問してみるのもよいでしょう。
例えば上記の画像のように「プログラミングを習得するコツを教えてください。」と入力すると、簡単に情報を得られます。
ただし、ChatGPTの回答は、必ず正解だとはいえません。あくまでも、質問に対して違和感のない言葉をつなぎ合わせて返信ができるツールです。
そのため、正確な回答を求めるような質問をするのにはあまり向いていません。何かのアイデアを出してもらうような、正解のない質問をするのに適しています。
テキストの生成
ChatGPTを使うと、さまざまなテキストを生成できます。
書くべき内容と用途を指定すれば、条件に合った文章の生成が可能です。例えば「腹痛で欠勤したいとき、上司に送るメールを作成してください」といったようなプロンプトが考えられます。
文章にはさまざまなルールがあります。ルールを守るとともに、読む相手に合った言葉づかいを選びながら文章を作成するのには時間がかかってしまうこともあるでしょう。
ChatGPTを利用すれば、プロンプトを入力するだけで文章を作成できます。完成した文章のチェックは必要ですが、さまざまなテキスト考えながら作成することにかかる時間を短縮できる可能性があります。
文章の校正/校閲
ChatGPTでは、文章の校正や校閲も可能です。
自分が書いた文章に文法の誤りがないか、もっと読みやすくする方法がないかと悩むこともあるでしょう。そんなときには、ChatGPTを使えば文法的に正しく読みやすい文章を作成できます。
例えば、自社のWebサイト上で公開する文章を校正・校閲してもらってから公開するといった使い方が考えられます。
文章の校正や校閲には、長い時間と知識が必要です。また、校正や校閲作業の中で見落としが発生してしまうこともあるでしょう。
ChatGPTを活用すると、短時間で読みやすい文章を作成できます。
情報の整理
ChatGPTを使うと、表などを使って情報の整理が可能です。
何かの情報を得るときに、表形式で示してもらえると便利だと感じることもあるでしょう。そんなときにはプロンプトに「表形式で回答してください」と追加するだけで、整理された表が出力されます。
出力された表は、ワードやエクセル、パワーポイントなどにそのまま貼り付けが可能です。ChatGPTを使うことで情報が見やすくまとまるだけでなく、資料作成の時間を短縮できます。
言語の翻訳
ChatGPTは、言語の翻訳も可能です。
ChatGPTは、さまざまな言語を学習しています。そのため、言語間の翻訳も可能なのです。
翻訳をしたいだけであれば、自動翻訳ツールを利用するだけでも問題ありません。しかしChatGPTを使えば、翻訳した後にその文章を要約したり、書かれたデータを整理したりといったことも可能です。
例えば海外製のツールを使う場合、使い方のテキストを読み込ませて翻訳することができます。さらに、具体的な使い方を質問することで、翻訳された文章を全部読まなくてもツールの使い方を知ることができます。
海外の文章や論文などを読んで活用することが多い人なら、作業効率を大幅に向上できる可能性があります。
なお、次の記事ではChatGPTで活用できるおすすめのプロンプトを、質問結果の画像付きで詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
コードの生成/添削
ChtGPTは、コードの生成や添削も可能です。
ChtGPTは、自然言語だけでなくPythonのデータも学習しています。そのため、Pythonを用いたプログラミングや、コードの添削ができるのです。
例えば上記のように、仕事の一部を自動化するようなツールの作成ができます。
人間が書いたコードを添削してもらい、どこが間違っているのかを確認することも可能です。さらに、ChatGPTが書いたコードが上手く動かない場合には、どんなエラーが出たか入力すれば修正後のコードも生成できるのです。
なお、次の記事ではChatGPTでプログラミングの作業を効率化する方法を、言語別のコード例も交え詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
ChatGPTでできないこと3つ
非常に便利なChatGPTですが、万能なわけではありません。ここからは、ChatGPTでできないことを、3つにまとめて紹介します。
2021年9月以降の情報収集
ChatGPTは、2021年9月以降の情報収集はできません。
なぜなら、ChatGPTは訓練されたデータに基づいてテキストを生成しているためです。訓練されたのが2021年9月であるため、それ以降のデータは入力されていないのです。
また、訓練に活用されたのは一般に公開されたデータのみです。そのため、2021年時点でWeb上に公開されていない情報や機密情報は回答に反映されません。
人間の深層心理の分析
ChatGPTはさまざまなデータを解析できますが、人間の深層心理は分析できません。
あくまでChatGPTはAIです。まるで感情を持っているようなテキストを生成することもありますが、言葉を理解しているわけではなく、自然な会話に見えるようなテキストを生成できるだけです。
そのため、深い意味で言葉を理解することや、意識的な思考はできません。言葉から読み取れる情報は分析できても、深く理解しての分析はできないのです。
画像や音声データの解析
基本的なChatGPTの機能はテキスト情報の処理能力です。
そのため、現状では直接画像や音声などのデータを処理できません。音声や画像を入力して活用することだけでなく、入力したテキストから画像を生成するといった作業も不可能です。
画像や音声を利用したい場合には、APIやプラグインを用いて別のソフトやアプリと連携させる必要があります。
ChatGPTのAPI公開でできるようになったこと
ChatGPTのAPIが公開されたことで、できることは飛躍的に増加しました。ここからは、ChatGPTのAPI公開でできるようになったことを、3つにまとめて紹介します。
既存アプリ/サービスでのChatGPT利用
ChatGPTのAPIを活用すれば、既存のアプリやサービスとChatGPTを組み合わせて利用可能です。
例えば、Googleスプレッドシートと連携すれば、シート上にQ&Aのリストを作成できます。また、特定のセルに入力した文章を、別のセルに要約して出力することもできるのです。
テキストを利用して使うようなアプリやサービスはChatGPTとの相性がよく、連携して使いやすい傾向があります。
既存アプリ/サービスの機能拡張
ChatGPTのAPIを活用すると、既存アプリやサービスの機能を拡張できます。
既存アプリではできなかったことも、ChatGPTと組み合わせることによりできるようになる場合があります。これまで業務で活用していた既存アプリも、ChatGPTで機能を拡張すればさらに便利になる可能性があるのです。
例えば、業務の自動化や音声データの文字起こし等ができます。
詳しくは「ChatGPTのプラグイン機能でできること」の項目で解説します。
ChatGPTを搭載したアプリ/サービス開発
ChatGPTのAPIを使えば、ChatGPTを搭載した新たなアプリやサービスの開発も可能です。
例えば、商品の情報やマニュアルを参照しながら、問い合わせに回答するチャットボットなどの例が考えられます。また、何らかのデータ収集ツールと組み合わせれば、自動的にデータを解析し、改善点を表示してくれるようなアプリの作成も可能です。
ChatGPTの機能を前提としてアプリやサービスを構築できるため、これまでになかったようなアプリやサービスが登場する可能性もあります。
ChatGPTのプラグイン機能で実現できること
ここからは、ChatGPTのプラグイン機能で実現できることの例を、6つ紹介します。
業務の自動化/効率化
ChatGPT APIを活用すると業務の自動化や効率化が可能です。
例えば、Zapier ChatGPT Pluginを活用すると、ChatGPT経由で多くのワークフローを自動化できます。受信したメールから自動的にイベントの情報を抽出してカレンダーに登録する、問い合わせフォームに入力された多くの質問内容を要約・分析しレポートを作成するといった作業を自動化できるのです。
また、Code Interpreterを活用すればスライド資料の作成もできます。例えば収集したデータをChatGPTで分析し、その内容を元にプレゼン資料を作成するといったことも可能です。
なお、次の記事ではChatGPTを活用した業務効率化の方法を詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
最新情報の収集
ChatGPTの本体では2021年9月以降の情報は収集できませんが、プラグインを使えば最新情報の収集も可能です。
例えばWorld News Pluginを使うと、最新のニュースにアクセスしてそれに基づいた回答を生成できます。また、特定のトピックに関連する最新ニュースを紹介してもらうこともできるため、情報収集の時間を短縮できるのです。
いくつものニュースサイトを巡回する必要がなくなるため、最新の情報を常に集めておく必要がある人には特に便利です。
データの分析/解析
ChatGPTを活用すれば、データの分析や解析ができます。
Code Interpreterを活用してデータを読み込ませ「このデータからわかることは?」といったような問いかけをすると、データからわかることが示されます。さらに具体的に質問を進めれば、データの解析も可能です。
これまで、データの分析や解析には専門的な知識が欠かせませんでした。しかしChatGPTを活用すれば、多くのデータを短時間で解析し、必要な情報を得られます。
音声データの文字起こし
ChatGPTは、音声データの文字起こしにも使えます。
VoxScript Pluginを使うと、音声認識により音声入力をテキストに変換できます。例えば会議中の音声を録音しておいて、議事録を作成することも可能なのです。
さらにChatGPTを使えば、文字起こしで生成されたテキストの要約も可能。要点を絞ってまとめ、参加者以外の人に配布する資料としても活用できます。
飲食店/宿泊施設/フライトの予約
各種予約サービスと連携して、予約も可能です。
例えば食べログのプラグインでは、ChatGPTに入力した条件に合った店舗を抽出できます。「明日19時に2人で入れる、渋谷周辺のイタリアンレストランを教えてください」といったプロンプトを入力すれば、そのとおりのお店がリストで表示されるのです。
表示される予約リンクをクリックすれば、そこから予約が可能です。
また、Kayak ChatGPT Pluginでは、参加人数や目的地・予算などを入力すると希望に合った旅行プランが提示されます。表示されたリンクから、交通機関や宿泊施設を予約できます。
画像の編集/処理
画像の編集や処理が可能なプラグインもあります。
Code Interpreterを使えば、読み込んだ画像のサイズ調整や拡張子の変換が可能です。さらに、指定した形で切り抜くこともできるため、デザインなどにも活用しやすいでしょう。
複数枚の画像がある場合には、zipにまとめて処理もできます。多数の画像を用意し、スタイルをそろえて活用したいときには特に便利です。
なお、下の記事ではChatGPTのビジネス活用例を、利用する際の注意点も交え詳しく解説しているのであわせて参考にしてください。
ChatGPTにまつわるFAQ
最後に、ChatGPTによくある質問へまとめて回答します。
ChatGPTを始めるにはどうすればいいの?
ChatGPTを始めるには、公式サイトにアクセスして「Sing up」をクリックしてください。必要な情報を入力し、指示通り手続きを進めればChatGPTが使えるようになります。
なお、下の記事ではChatGPTの始め方や使い方を活用するコツも交え詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
情報漏洩の心配はないの?
ChatGPTは、入力された情報を学習元として使用することはありません。ただしインターネットに接続されているため、ネットワークや端末から情報が漏洩する可能性はあります。
個人情報や機密情報の入力は避けた方がよいでしょう。
まとめ
この記事では、ChatGPTでできることを解説しました。
ChatGPTだけでも質問への応答やテキストの要約などさまざまなことが可能です。プラグインやAPIを活用すれば、さらにできることの幅は広がります。
ChatGPTは自然言語を処理するAIですが、プログラミングスキルがあるとより便利に利用できます。本格的にChatGPTでの業務効率化に取り組みたい人は「業務改善AI活用コース」もぜひご覧ください。