この記事では、無料版ChatGPTと有料版(ChatGPT Plus)の違いをわかりやすく解説します。
ChatGPTの有料版と無料版って何が違うの?
どっちを使うのがいいんだろう…
無料版のChatGPTを利用している人のなかには、有料版の「ChatGPT Plus」がどのようなものなのか、気になる人も多いですよね。
ただ使い勝手や機能など、有料版と無料版の違いがわからず、試してみようか悩んでいる人もいるはず。
そこで、今回は8つの観点でChatGPTの有料版と無料版の違いをわかりやすく解説します。ChatGPTの無料版と有料版のどちらを活用すべきなのか、といった疑問にもお答えするので、ぜひ参考にしてください。
なお、次の記事ではそもそもChatGPTとは何なのか、その特徴をサービスの仕組みやできること、料金なども踏まえ詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
- ChatGPTの有料版は無料版に比べて回答制度が高い
- ChatGPTの有料版のほうがプログインなど使える機能が多い
- 利便性を重視しつつビジネスで利用したいなら有料版がおすすめ
有料版(ChatGPT Plus)の精度は無料版の推定57倍
有料版(ChatGPT Plus)の回答精度は、無料版の約57倍に達しているといわれています。
無料版と有料版の違いの1つにあげられるのが、パラメータ数です。パラメータ数は言語モデルの精度に直結する値であり、パラメータ数が多いほど回答精度が高いといわれています。
ChatGPTを開発したOpenAI社の公式情報ではないため、あくまでも推定となりますが下記の情報によれば無料版であるGPT-3のパラメーターは約1,750億個程度とのことです。一方で、有料版であるGPT-4のパラメーターは100兆個にものぼるといわれています。
また、ChatGPTに日本の医師国家試験を解かせたところ、無料版であるGPT-3は287点だったことに対して、有料版であるGPT-4は392点という結果だったとのことです。当テストの合格ラインは371点のため、有料版のGPT-4は医師国家試験をクリアする能力を持っているといえるでしょう。
このように有料版(ChatGPT Plus)は回答精度はもちろん、利便性やできることなどあらゆる面で無料版を上回っているのです。
なお、下の記事ではChatGPT4とは何なのか、その特徴を料金や「ChatGPT3.5」との違いも交え詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
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無料版と有料版(ChatGPT Plus)の違い
ここからは、下記8つの観点で無料版ChatGPTと有料版(ChatGPT Plus)の違いを詳しく解説します。
料金
無料版と有料版の違いの1つに、料金体系があげられます。
無料版はその名前のとおり利用時に費用は発生しませんが、有料版は月額20$(約2,800円)の利用料が必要となります。
なお、ChatGPTはWebブラウザやアプリだけではなく、API経由でも利用可能です。それぞれの利用料金は次のとおりです。
英語の場合は1単語が1トークンにあたりますが、日本語の場合は1文字で2〜3トークン程度といわれています。
参考までに、GPT-3.5 Turbo(4K context)にて100文字を入力して500文字の回答を得た場合の料金は、下記のとおりです。
- 入力:100文字×2トークン×0.0015$/1,000=0.0003$
- 出力:500文字×2トークン×0.002$/1,000=0.002$
- 合計:0.0003$+0.002$=0.0023$(1$140円換算で約0.322円)
また、GPT-4(8K context)にて100文字を入力して500文字の回答を得た場合の料金は下記のとおりです。
- 入力:100文字×2トークン×0.03$/1,000=0.006
- 出力:500文字×2トークン×0.06$/1,000=0.06$
- 合計:0.006$+0.06$=0.066$(1$140円換算で約9.24円)
Webブラウザやスマートフォンアプリはもちろん、API利用料も有料版で利用されているGPT-4が割高であるといえます。
対応言語
無料版と有料版について、対応言語に違いはありません。
ChatGPTは50以上の言語に対応しているといわれています。主な対応言語は次のとおりです。
- 英語
- スペイン語
- フランス語
- ドイツ語
- ポルトガル語
- イタリア語
- オランダ語
- ロシア語
- 中国語 など
もちろん無料版、有料版問わず日本語にも対応しているため、日本語で質問すれば日本語で回答を生成してくれます。さらに、方言やアクセントが異なる言語なども識別可能であるため、普段の会話と同じ言葉でやり取りができるのが特徴です。
アクセス繋がりやすさ
無料版と有料版は、アクセスのしやすさ(つながりやすさ)が異なります。
ChatGPTなどのWebサービスは、利用者が多くなるほどつながりにくい状況に陥ります。時間帯によってもつながりやすさは変化します。とくに新規機能リリース直後やメディアで特集されたときなどは、アクセス数が跳ね上がるため、つながりにくくなってしまいます。
無料版の場合、そのようなタイミングではChatGPTを利用できずエラーになることもあります。一方で有料版の場合は優先的にChatGPTへアクセスできるようになっているため、通常時と変わらず利用可能です。
なお実際に試してみたところ、無料版では質問を送信したときエラーになるケースがたびたびありました。一方、有料版は比較的快適に利用できました。ただし、時間帯によっては稀にエラーの発生が見受けられました。
安全性
無料版と有料版は、安全性も違いの1つです。
ChatGPTは質問した内容を理解して、最適と考えた回答を返してくれます。ただし、無料版の場合、倫理感が不足している回答を返す可能性が高かったのです。具体的には下記のとおりです。
- 人を傷付けてしまう回答
- 性的あるいは暴力的な回答
- 核兵器や生物兵器などの軍事的分野に対する回答
- 個人情報に関する回答
- 犯罪を助長する回答
有料版では、アルゴリズムの改良などにより、安全性が大きく強化されました。その結果、上記に該当するような質問はChatGPTが回答を拒絶する確率が向上しています。
これにより、回答の安全性が高まっており、安心して使えるようになっているのです。
回答の精度
無料版と有料版では、回答の精度も異なります。
ChatGPTの無料版は「GPT-3.5」、有料版は「GPT-4.0」という言語モデルが利用されています。GPT-3.5を飛躍的に進化させたものが最新版のGPT-4.0というわけです。
その1つが前述したパラメータ数です。それぞれのモデルにおけるパラメータ数は次のとおりです。
モデル | パラメータ数 |
無料版(GPT-3.5) | 1,750億個 |
有料版(GPT-4.0) | 5,000億~100兆個 |
また、有料版のGPT-4.0ではユーザーからのフィードバックについても改善されているため、質問に対する回答の精度が向上しており、正確な回答を短時間で得られるようになりました。
なお、実際に無料版(GPT-3.5)に「プログラミングとは何か」を質問した場合の回答は次のとおりです。
一方で有料版(GPT-4.0)に同様の質問をした場合の回答は次のとおりです。
無料版の回答は「ソフトウェアを開発」や「システムの開発」というように説明が重複している箇所が見受けられます。また「技術やクリエイティビティを組み合わせた〜」という部分は、やや抽象的な表現です。
有料版の回答は「Python」や「Java」といったプログラミング言語の名前がでてきており、プログラムの実行される流れや開発対象などにも触れています。
この回答をみても、有料版のほうが回答精度が高いといえるでしょう。
回答速度
回答速度も、無料版と有料版で異なる点の1つです。
「有料版のほうが回答速度は速いだろう」とイメージしている人もいますよね。しかし、実際には無料版の方が有料版よりも回答速度は速いケースが多いのです。事実、無料版と有料版ChatGPTの回答速度を比較してみたところ、無料版では約4秒で回答が生成されたのに対し、有料版では回答完了までに約10秒かかりました。
なお、有料版であるGPT-4.0の回答が遅い理由としては、下記の要因が関係しているといわれています。
- 扱える文字量が増加したため
- 複雑な処理が増加したため
- 画像処理が可能となったため
有料版の利用を検討している人は、この回答速度の差はおさえておきたいポイントといえるでしょう。
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利用可能数(リクエスト数)
次のように、無料版と有料版では利用可能数(リクエスト数)も異なります。
モデル | 利用可能数 |
無料版(GPT-3.5) | 要確認 |
有料版(GPT-4.0) | 50回/3時間 |
有料版(GPT-4.0)は、つい先日までメッセージ送信数の上限回数が25回/3時間となっていましたが、7/19のOpenAI社によるインタビューにて50回/3時間に変更することが発表されました。
なお、利用可能回数はChatGPTのアクセス数などを受けて、今後も逐次変更される可能性があります。
実際に有料版(GPT-4.0)を確認すると、メッセージ入力欄上部に下記メッセージが表示されていることを確認できます。
有料版は回答精度などが高くなっていたり、画像を扱えるようになっていたりなど、機能が向上しているのが特徴です。しかし、その影響もありサーバー側のリソース消費量もアップしていると予想されます。
そのため、有料版における利用回数制限はしばらく継続的に実施されるといえそうです。
質問/生成可能な文字数
質問/生成可能な文字数も、無料版と有料版で異なります。
ChatGPTでは「文字数」ではなく「トークン数」で上限が定められています。各モデルのトークン数および文字数の制約は次のとおりです。
モデルの種類にもよりますが、有料版は無料版と比較すると質問と回答ともに、約2倍の文字量を扱えます。そのため、一度に長文で質問も可能であり、網羅性がある回答を期待できるでしょう。
無料版にはない有料版(ChatGPT Plus)の特徴3つ
双方の違いをおさえたところで、ここからは無料版にはない有料版(ChatGPT Plus)の特徴を、3つにまとめて紹介します。
プラグイン機能が活用できる
有料版(ChatGPT Plus)は、プラグイン機能を利用可能です。
プラグインとは、ChatGPT自体に機能を追加できるツールを指します。プラグインをインストールすることで、ChatGPTができることが増え、利便性が向上するのです。
すでに2023年7月時点で約600個のプラグインが登録されており、現在も増え続けています。ChatGPTの主なプラグインは次のとおりです。
プラグイン名 | 概要 |
食べログ | レストラン情報を検索できる |
Kakaku.com | さまざまな分野の商品について価格を比較できる |
LIFULL HOME’S | 不動産情報の検索ができる |
Expedia | 旅行予約サイトと連携ができる |
Now | GoogleやTwitterのトレンド情報を取得できる |
ただ質問するだけではなく「グルメ情報が知りたい」あるいは「トレンド情報を活用したい」など、特定の利用目的をもつ場合は活用したい機能といえるでしょう。
このプラグインの利用は、簡単です。まず、ChatGPTのトップページから「GPT-4」「Plugins」の順にクリックします。
その後、Plugin store画面が表示されるため、任意のプラグインについて「Install」ボタンをクリックすれば完了です。
実際にExpediaが提供しているプラグインを利用した場合の回答は次のとおりです。
宿泊先として3つの候補を提案してくれました。ホテルの特徴をはじめ、評価や平均価格など詳細な情報を回答として生成していることがわかります。もちろん「心斎橋」というリクエストにもしっかりと答えてくれています。
このようにプラグインを利用すれば、より信頼性が高い回答を得られるでしょう。
なお、下の記事ではChatGPTプラグイン機能の特徴を使い方やおすすめも交え詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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「Code interpreter」を利用できる
有料版(ChatGPT Plus)は「Code interpreter」を利用可能です。
Code interpreterも前述したプラグインの1つですが、ChatGPT上でPythonのコードを実行できるという強力な機能を有しています。無料版でもPythonのコード生成は可能ですが、Code interpreterは下記のような作業も実現できます。
- Pythonによるプログラムの生成および実行
- 各種ファイルのアップロードおよび編集
- データ分析やグラフ生成
- 画像処理
- プレゼン資料などの作成(Pythonのpptxライブラリを使用) など
このCode interpreterを活用すれば、ChatGPTだけではできなかったさまざまな作業の自動化や効率化が可能となるでしょう。
なお、Code interpreterもすぐに利用可能です。
ChatGPTへログイン後、画面左下の「・・・」をクリックし「Settings」 を選択します。
次に「Beta features」を選択し「Code interpreter」をONにします。
その後、ChatGPTのトップページから「GPT-4」「Code interpreter」の順にクリックしましょう。
Code interpreter機能を利用し、アップロードしたファイルの詳細を質問してみました。
実際にアップロードしたファイルのフォーマットやサイズなどを回答してくれたようです。この機能を使えばテキストファイルの要約をChatGPTに対応してもらったり、各種データファイルからグラフなどの作成も依頼できたりします。
Code interpreterは、ただのテキスト操作だけではなく大きな可能性を秘めた機能といえるでしょう。
新機能を優先的に体験できる
有料版(ChatGPT Plus)は、新機能を優先的に体験可能です。
ChatGPTは、日々さまざまな機能をリリースしています。前述した「プラグイン」は2023年5月に、「Code interpreter」は2023年7月に追加された機能です。また、プラグインと同時期に公開された「Webブラウジング」という機能は、インターネット上の最新情報を元に回答を作成してくれます。
これらの機能がリリースされたとき、利用できるのは有料版(ChatGPT Plus)ユーザーのみとなっているのです。
この点は無料版にはない有料版(ChatGPT Plus)の特徴といえるでしょう。
なお、次の記事ではChatGPTでできることを、できないことも交え一覧で詳しく解説しているのでよければ参考にしてください。
有料版(ChatGPT Plus)はこんな人におすすめ
なかには、有料版(ChatGPT Plus)を活用しようか判断できない人もいますよね。
そこで、ここからは有料版(ChatGPT Plus)の活用が適している人の特徴を、3つにまとめて紹介します。
ChatGPTの利便性を重視する人
ChatGPTの利便性を重視する人には、有料版(ChatGPT Plus)がおすすめです。
有料版(ChatGPT Plus)は回答の精度が高く、より安全な回答を生成してくれます。また、さまざまな新機能を優先的に利用できるため、目的に沿った最適な活用方法を実現可能です。
そのため、利便性を重視する人は有料版(ChatGPT Plus)の利用を検討しましょう。
自分好みにChatGPTをカスタマイズしたい人
自分好みにChatGPTをカスタマイズしたい人も、有料版(ChatGPT Plus)がおすすめです。
有料版(ChatGPT Plus)はプラグイン機能を利用可能です。自分が使いたいプラグインをインストールすれば、ChatGPTを自分好みにカスタマイズできます。
ビジネスにChatGPTを活用したい人
ビジネスにChatGPTを活用したい人は、有料版(ChatGPT Plus)の利用を検討しましょう。
無料版はアクセス数が多い時間帯などはつながりにくくなりがちです。一方で有料版(ChatGPT Plus)は、優先的にChatGPTへアクセスできるようになっています。ビジネスにChatGPTを活用したい人は、常にアクセスできることが大前提となるため、有料版を利用すべきです。
また、回答精度や質問/生成可能な文字数も有料版(ChatGPT Plus)が優れています。
趣味の範囲ではなくビジネスシーンでの利用を検討しているのであれば、有料版(ChatGPT Plus)がおすすめです。
なお、下の記事ではChatGPTのビジネス活用例を、注意点も交え詳しく解説しているのであわせて参考にしてください。
なお、ChatGPTといったAIツールを活用して業務や作業を効率化できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
侍エンジニアでは、現役エンジニアと学習コーチの2名体制で学習をサポートしてもらえます。また、AIツールとプログラミングを掛け合わせた作業の効率化スキルも習得可能。
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無料版から有料版(ChatGPT Plus)への切り替え方法
無料版から有料版(ChatGPT Plus)へは簡単に切り替え可能です。
無料版のChatGPTを起動し、画面上部の「GPT-4」あるいは画面左下部の「Upgrade to Plus」をクリックします。
その後、表示される画面で「Upgrade to Plus」ボタンをクリックしましょう。
最後に有料版(ChatGPT Plus)の料金などを確認した上で、クレジットカード情報や住所などを入力して「申し込む」をクリックすれば切り替えは完了です。
なお、次の記事ではChatGPTの使い方を活用するコツも交え詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
まとめ
今回はChatGPTの無料版と有料版の違いを紹介しました。
ChatGPTは強力な言語理解力を有したAIツールです。人間相手に会話するような文章でもその内容を理解し、適切な回答を生成してくれます。
無料版でもその効果を体感できますが、有料版(ChatGPT Plus)を利用すれば、プラグインやCode interpreterなどさらに利便性を向上する機能を利用可能です。また、回答精度や扱える文字数も無料版より有料版が優れているのが特徴です。
ChatGPTにより高い利便性を求める人、ビジネスへの活用を検討している人は有料版(ChatGPT Plus)の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
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Twitterより引用