PHPは、世界中で愛用されている人気の高いプログラミング言語ですが、頻繁にバージョンアップが行われています。
最新の「PHP7.1」は、機能面で何が変わったのでしょうか?
この記事では、
・PHPとは
・PHP7の新機能
・PHP7のインストール方法
などについて詳しく解説していきます。
ここでは、PHPの最新版における新機能やリリース方法などについて紹介していきます。
PHPとは
PHPは人気の高いスプリクト型のサーバーサイドプログラミング言語で、世界中で使用されています。
PHPは主に動的なウェブページを作成することを目的としており、企業のコーポレートサイトやショッピングサイト、Webアプリケーション開発など、さまざまなWebサービスを開発することが可能です。
TIOBEが公開している人気プログラミング言語の指標では、2017/5時点でPHPは数あるプログラミング言語の中でも6位となっています。
画像出典:https://www.tiobe.com/tiobe-index/
PHPのバージョン7は、約10年ぶりのメジャーバージョンアップと言われています。
PHP7は従来のPHPの特性を維持しつつも、PHP5と比べて2倍以上の性能向上及びメモリ使用量の低減など、機能面で大きな改善が実現されました。
また、PHPはバージョン7.X.Xのように細かくバージョンアップしており、仕様の変更や、新機能、セキュリティ面の強化などをバージョンが変わるたびに追加されています。
そのため、PHPは常に最新のバージョンについて、把握しておいたほうが良いといえるでしょう。
2017/5時点の最新版は「PHP7.1.4」となります。
リリースノート:http://jp2.php.net/ChangeLog-7.php#7.1.4
PHP7の新機能
ここではPHP7.1で追加された新機能について、いくつか紹介します。
nullable指定
nullableとは、関数の引数や戻り値に指定した型以外にNULLを許容することができる機能です。
関数の宣言時にnullable型を指定することで、指定した型以外にも戻り値にNULLを渡せるようになりました。
nullable型を使用するためには、型の前に?(クエスチョンマーク)を指定します。
function val(int $num1, int $num2): ?int { return $num1 + $num2; }
上の関数で戻り値に何も値を設定しないと、nullを返してしまいますが、nullableを指定しておくことによってNULLも許容されるため、NULLを渡されたことによる予期せぬエラーも発生しません。
void型の指定
PHP7.1では、戻り値にvoidが導入されました。void型を指定した関数は、関数内での戻り値でreturnを省略または、引数を指定しない空のreturnを指定することができます。
function val(int $num1, int $num2): void { if ($num1 == $num2){ return; } $sum = $num1 + $num2; }
配列の短縮構文([])による分割代入
配列の短縮構文([])を使用することにより、配列の値を別の変数に代入するときにlist関数よりも簡単に配列の値を代入できるようになりました。
以下に短縮構文([])を使用した代入方法を記述します。
<?php $fruits = ['apple', 'orange', 'banana']; //配列の分割代入 [$fruits1, $fruits2] = $fruits; echo 'fruits1 = '.$fruits1; echo '<br>'; echo 'fruits2 = '.$fruits2; ?>
実行結果 fruits1 = apple fruits2 = orange
Iterable型
Iterableとは、配列またはTraversable(foreachを使用してたどれるか検知する機能)インターフェースを実装したオブジェクトを受け付けるようにした機能です。
使用時は関数の引数にiterable型を指定します。
function val(iterable $itr) { foreach ($itr as $value) { //処理・・・ } }
複数の例外指定
例外指定時にcatch文で複数のタイプの例外を指定できるようになりました。
catch文で複数の例外を指定するときは、引数にパイプ(|)を指定します。
try{ // 処理・・・ }catch(ExceptionNumber1 | ExceptionNumber2){ //ExceptionNumber1とExceptionNumber2の2つの例外を指定 }
PHP7.1のインストール
PHPのインストールは、各種プラットフォームにより方法が異なります。
以下にOSごとにPHPをインストールする方法について記述します。
Windows
下記のPHPの公式サイトの「VC14 x86 Non Thread Safe (2017-Apr-12 02:22:48)」よりzipファイルをダウンロードします。
2017/4時点ではバージョンはPHP 7.1 (7.1.4)です。
http://windows.php.net/download/
Unix系
LinuxやCentOSなどのUnix系のシステムのPHPのインストールは、以下のPHPの公式サイト「Unix システムへのインストール 」より、手順に従ってインストールする必要があります。
http://php.net/manual/ja/install.unix.php
Mac
下記のPHPの公式サイト「Mac OS X へのインストール」より手順に従ってインストールします。
コンパイルの手順はUnix系と同様です。
http://php.net/manual/ja/install.macosx.php
まとめ
ここでは、PHP7.1の各種新機能の紹介やプラットフォームごとのインストール方法について紹介しました。
今回のPHP7は10年ぶりのメジャーバージョンアップと言われ、性能向上やさまざまな機能が追加されています。
もし、PHP7の新機能ってなんだっけ?となったらこの記事を思い出してくださいね!