CSS in JSとは何か知りたい
CSS in JSの基本的な使い方を知りたい
CSS in JSのメリットやデメリットについて知りたい
「CSS in JS」という単語を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
CSS in JSはオワコンと言われていますが、今でもさまざまな使い道のある手法です。
本記事では、CSS in JSの基本からメリット・デメリットについて解説します。
- CSS in JSのメリット
- CSS in JSの具体的な使い方
- CSS in JSのサンプルコード
CSS in JSとは
CSS in JSは、JavaScriptを使用してスタイルシートを書く手法です。
この方法では、従来のCSSファイルの代わりに、JavaScriptファイル内でスタイルを定義します。
これにより、コンポーネント指向のフレームワークやライブラリ(例えばReactやVue.js)との相性が良く、開発者はコンポーネントごとにスタイルを細かく制御できるようになります。
CSS in JSを採用することで、スタイルの管理がよりモジュラーで、再利用しやすい形になり、JavaScriptと密接に連携した動的なスタイリングが可能になります。
CSS in JSのメリット
CSS in JSの具体的なメリットは以下のとおりです。
- コンポーネント内で完結する
- コンポーネントにスタイルを含みやすい
- メンテナンスが簡単になる
- 疑似要素やmediaクエリを使用できる
それぞれ解説していきますので、参考にしてください。
コンポーネント内で完結する
CSS in JSの使用により、スタイルはコンポーネント内に完全にカプセル化されます。
この方法は、スタイルが誤って他のコンポーネントに適用されること(スタイルのリーク)や、異なるコンポーネント間でのスタイルの衝突を防ぎます。
結果として、コードベース全体での一貫性を保つことが可能になり、コードの整理整頓とメンテナンスが容易になります。
コンポーネントにスタイルを含みやすい
CSS in JSは、コンポーネントのロジックとスタイルを一つの場所に集中させることを可能にします。
これにより、関連するスタイルとロジックが一緒になり、開発プロセスがスムーズになります。
さらに、このアプローチはコンポーネントの再利用性を高め、開発者がコンポーネントをより簡単に管理できるようにします。
メンテナンスが簡単になる
CSS in JSによるスタイルのカプセル化は、プロジェクト全体のスタイルを管理しやすくする大きな利点を提供します。
各コンポーネントにスタイルが閉じ込められるため、コンポーネントが削除されると、関連するスタイルも自動的に削除されます。
これにより、未使用のCSSが蓄積するリスクを減少させ、プロジェクトの清潔さと整理整頓を保つことができます。
疑似要素やmediaクエリを使用できる
JavaScriptを活用するCSS in JSでは、疑似要素やmediaクエリなどの複雑なCSS機能を使うことが可能です。
レスポンシブデザインや動的なスタイル変更の実装を容易にし、より柔軟なデザインオプションを提供します。
これにより、開発者はユーザーの異なるデバイスや画面サイズに合わせて、よりカスタマイズされたユーザー体験を提供できるようになります。
CSS in JSのデメリット
CSS in JSのデメリットは以下のとおりです。
- 学習コストがかかる
- 可読性が悪くなる
それぞれのポイントについて解説していきますので、参考にしてください。
学習コストがかかる
CSS in JSを効果的に利用するためには、新しいパターンやライブラリの学習が必要です。
特に、従来のCSSの方法に慣れている開発者にとっては、この変更は一定の学習コストを伴うかもしれません。
CSS in JSには独自の構文や概念が含まれており、これらを理解し習得するためには時間と労力が必要になります。
可読性が悪くなる
CSS in JSのアプローチでは、スタイルがJavaScriptコードと混在することがあります。
場合によってはコードの可読性を低下させる原因となることがあります。
特に、大量のスタイル定義が一つのファイル内に存在する場合、コードの見通しが悪くなり、理解やメンテナンスが困難になる可能性があります。
CSS in JSの具体的な使い方
ここからは、CSS in JSの具体的な使い方について解説していきます。
- コンポーネントレベルでのスタイリング
- 動的なスタイリング
- テーマの統合
それぞれ具体的なポイントを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
コンポーネントレベルでのスタイリング
CSS in JSでは、各コンポーネントごとにスタイルを定義し、そのスコープをコンポーネント内に限定します。
これにより、他のコンポーネントにスタイルが漏れることなく、各コンポーネントが独立して機能します。
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Untitled by 田村大斗 (@ntxuvnvh-the-lessful)
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このアプローチにより、スタイルはコンポーネントに閉じ込められ、他のコンポーネントに影響を与えることがありません。
これにより、スタイルのカプセル化とコンポーネントの独立性が実現されます。
CSS in JSのスタイリングはスコープが限定されているため、グローバルなスタイルの衝突を避けることができます。
これにより、大規模なアプリケーションにおいても、スタイルの一貫性を保つことが容易になります。
動的なスタイリング
CSS in JSでは、JavaScriptの状態やプロパティに基づいてスタイルを動的に変更することができます。
これにより、ユーザーのアクションやアプリケーションの状態に応じたインタラクティブなUIを簡単に実装できます。
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このコードは、StyledButtonという名前のスタイル付きボタンコンポーネントを作成しています。
ボタンはprimaryというプロパティに基づいて背景色を変更します。primaryがtrueの場合は青色、falseの場合は灰色になります。
Appコンポーネント内で、useStateフックを使用してisPrimary状態を管理しています。
ボタンをクリックすると、この状態が反転し、それに応じてボタンの背景色とテキストが変更されます。
このサンプルコードは、CSS in JSを利用してユーザーのインタラクションに応じてスタイルを動的に変更する一例を示しています。
テーマの統合
CSS in JSは、アプリケーション全体のスタイリングやテーマを一元管理するのに適しています。
テーマに基づいたスタイリングを容易に切り替えることができ、プロジェクトの一貫性を保つのに役立ちます。
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このコードは、アプリケーションの色を定義するthemeオブジェクトを作成しています。
ThemeProviderを使用して、このテーマをアプリケーション全体で利用可能にします。
ThemedComponentは、このテーマから色を取得し、それをスタイリングに適用するのです。
この例では、CSS in JSとstyled-componentsのThemeProviderを使用して、アプリケーション全体のテーマを統合し、一貫性のあるスタイリングを実現しています。
テーマを中央で管理することにより、スタイルの変更や新しいテーマの導入が容易になります。
CSS in JSがオワコンと言われる理由
一部では、CSS in JSがオワコン(流行遅れ)と言われることがあります。
これは、パフォーマンスへの影響、学習コストの高さ、ソースコードの複雑化といった理由から、特に大規模プロジェクトやパフォーマンスが重視される環境では適さないという意見があるためです。
また、従来のCSSの方法論や新しいCSS技術の登場により、CSS in JSの必要性が低下していると考える開発者もいます。
CSS in JSの使用が適しているシーン
ここからは、具体的なCSS in JSを使用すべきシーンについて解説します。
- コンポーネントベースでの開発
- 大規模なプロジェクト
- 動的なスタイリング
- テーマやデザインシステムの統合
それぞれ解説しますので、ぜひ参考にしてください。
コンポーネントベースでの開発
ReactやVue.jsなどのコンポーネントベースのフレームワークで開発する際、CSS in JSはコンポーネントのスタイリングを効率的に管理できるため適しています。
コンポーネントベースの開発では、再利用可能なUI部品を作成します。
以下は、簡単なボタンコンポーネントの例です。
大規模なプロジェクト
CSS in JSは、特に大規模プロジェクトにおいてその真価を発揮します。
このアプローチは、スタイルの一貫性を保ちやすくし、多くの開発者が関与するプロジェクトのスタイリング管理を容易にします。
大規模なプロジェクトでは、スタイリングの整合性を保つことが特に重要であり、CSS in JSはその点で大きなメリットとなるでしょう。
動的なスタイリング
CSS in JSは、アプリケーションの状態やユーザーの行動に基づくスタイルの動的な変更に非常に適しています。
このアプローチは、その柔軟性と強力な機能により、動的なスタイリングのニーズに対応できます。
動的なスタイリングでは、要素のクラスを追加したり削除したりすることで、スタイルを効果的に変更できるでしょう。
テーマやデザインシステムの統合
CSS in JSは、テーマやデザインシステムをプロジェクト全体にわたって効率的に統合し、一貫性のあるスタイルを実現するのに最適なツールです。
これにより、プロジェクト全体でスタイリングを一元管理し、統一感のある外観を保つことが容易になります。次に示すのは、テーマクラスを利用してスタイルを適用する一例です。
まとめ
CSS in JSは、Web開発におけるスタイリング手法の一つで、JavaScriptを用いてCSSを記述する方法です。
このアプローチは、コンポーネントベースのフレームワークやライブラリと組み合わせて使用することが多く、Reactなどで人気があります。
CSS in JSが「オワコン」と言われることもありますが、これは技術の進化に伴うもので、新しいツールや手法が登場するたびに見直されます。
それでも、特定のシーンや要件には依然として適しているため、プロジェクトのニーズに応じて選択するのが賢明です。
総じて、CSS in JSは柔軟性と強力な機能を提供する一方で、適切なケースで使用することが重要です。
プロジェクトの規模やチームのスキルセット、特定の要件に基づいて、このスタイリング手法の採用を検討することが推奨されます。