未経験からゲームプログラマーになるにはどうすればいいんだろう?
ゲームプログラマーになるにはどんなスキルが必要なの?
ゲームプログラマーは、自分が開発したゲームで多くの人を楽しませられる、やりがいのある仕事です。これからプログラマーを目指す人の中には、ゲームプログラマーを志望している人も多いですよね。
しかし、ゲームプログラマーになるためにどんな勉強をすればよいかは、なかなかイメージしにくいものです。ゲームプログラマーの詳しい仕事内容や待遇について気になっている人もいるはず。
そこで、この記事では未経験からゲームプログラマーになるにはどうすればいいのか、その方法を具体的な手順も交えわかりやすく解説します。ゲームプログラマーの内情や求められるスキルも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
未経験からゲームプログラマーになる4つの方法
さっそく、未経験からゲームプログラマーになる方法を、4つにまとめて紹介します。
なお、簡単にそれぞれの概要を知りたい人は次の一覧表を参考にしてください。
情報系の学部がある大学に進学する
情報系の学部がある大学への進学は、ITに関する幅広い内容を学びたい人におすすめの方法です。情報系の学部ではIT全般の広範な内容を学べます。
ゲームプログラマーになるのに適した大学の例
さらに大学によってはゲーム開発に関する専門的な内容も学べます。特に私立大学の場合、特色豊かなカリキュラムが用意されており、ゲーム開発に特化した学習が可能な大学も多くあります。
しかし、卒業までに4~6年かかる点は大きなデメリットに感じる人も多いでしょう。また、学費も高額です。4年間在学する場合、国公立では約250万円、私立では約400~550万円かかるといわれています。
専門学校に通う
ゲーム開発に集中した勉強をしたい人には、専門学校がおすすめです。カリキュラムがゲーム開発に特化しているため、大学と比較して短期間でスキルを身につけられます。
ゲームプログラマーになるのに適した専門学校の例
とはいえ卒業までに2~4年は必要なので、今すぐ就職したい人には適していません。学費も約250~550万円程度で、大学と同水準となっています。
独学でスキルを習得し就業活動する
独学でスキルを習得する方法もあります。独学であれば費用はほとんどかかりませんし、自分のペースで進められる点もメリットです。
インターネット上には無料または低コストで学べる教材や動画があります。また、書籍を利用すれば専門的な内容を体系的に学習可能です。
しかし独学の場合、疑問点やエラーをすべて自力で解決しなければならない点がデメリットです。事実、弊社の調査では
- 不明点を聞ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
などの理由から、87.5%がプログラミングの学習途中で「挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。
学習が非効率になり挫折してしまう可能性がある点は独学のデメリットといえます。
プログラミングスクール経由で就業する
効率よく学習したい人には、プログラミングスクールの利用がおすすめです。数か月~1年という短い期間で、実践的なスキルを身につけられます。
また就職支援も充実しており、業界に精通したキャリアアドバイザーによる書類作成や面接対策といったサポートを得られます。ただし、学習内容が実務で役立つ内容に絞られているため、IT全般の広範な内容を学びたい人には適していません。
なお、侍エンジニアの「オーダーメイドコース」ではゲームエンジニアへの就業を見据えたカリキュラムで、ゲーム開発に必要なスキルを集中的に学習できます。
- 一人ひとりに合わせたカリキュラムを完全オーダーメイドで作成
- プロの現役エンジニアがマンツーマン指導
- 現役エンジニアにいつでも質問可能
実際、侍エンジニアにはオーダーメイドコースでゲーム制作を学習した卒業生もいます。
学習サポートが手厚い侍エンジニアなら、未経験からでも安心してゲームエンジニアへの就業が実現できますよ。
ゲームプログラマーに求められる4つの知識・スキル
ここからは、ゲームプログラマーに求められる知識・スキルを、4つにまとめて解説します。
プログラミングスキル
ゲームプログラマーにとって最も基本的で重要なスキルは、プログラミングスキルです。プログラミング言語を駆使して、仕様書や設計書どおりにゲームが動作するようコーディングします。
ゲーム開発によく使われるプログラミング言語は、C++・C#・Pythonなどです。これらの言語をすべてマスターする必要はありませんが、それぞれ最低限の基礎知識はおさえておきましょう。そのうえでどれか一つの言語を深く学習しておくと、その言語で開発している案件にアサインしてもらえる可能性を高められます。
なお、以下の記事ではゲーム開発におすすめのプログラミング言語を5つにまとめて紹介しています。ゲーム開発プログラミングを学ぶ方法も解説しているので、よろしければ参考にしてください。
ゲームエンジンを扱うスキル
現代のゲーム開発では、Unityなどのゲームエンジンの使用が一般的なので、これらについても学習しておく必要があります。ゲームエンジンとは、ライブラリや素材などゲーム開発に必要なものをまとめた開発環境のことです。
ゲームエンジンを使いこなすことで、ゲームのグラフィックや物理演算、音響などを効率的に扱えるようになります。
ゲームエンジンを扱うスキルを習得するには、実際に使ってみるのがおすすめです。チュートリアルやドキュメントを参照しつつ、基礎的な操作から覚えていきましょう。
数学・物理学の知識
ゲームプログラマーには、数学や物理学の知識も求められます。一見ゲーム開発には無関係に思えるかもしれませんが、3Dグラフィックの生成や物理エンジンの実装には、数学・物理学が密接に関係しています。
例えば、3D空間でオブジェクトの動きを制御するためにはベクトル計算や行列演算が必要です。また、物理学の原理を理解していると、キャラクターやアイテムにリアルな動きをつけられます。
コミュニケーションスキル
ゲーム開発はチームで行われるプロジェクトが多いため、コミュニケーションスキルも重要です。しっかりコミュニケーションを取れれば、作業の進行がスムーズになり、誤解や伝達ミスを防げます。
ここでのコミュニケーションスキルは、人と楽しく会話するスキルのことではありません。報告・連絡・相談を的確に行う能力や、議論の要点を整理する能力などを指します。
未経験から独学でゲームプログラマーになる4STEP
ここからは、未経験から独学でゲームプログラマーになる具体的な手順を、4ステップにまとめて解説します。
- STEP1:必要なプログラミング言語を身につける
- STEP2:実際にゲームを開発してみる
- STEP3:ポートフォリオを作成する
- STEP4:プログラマーになる準備を進める
STEP1:必要なプログラミング言語を身につける
まずは、ゲームプログラマーに必要な次のプログラミング言語を身につけましょう。
なお、上記はどの言語から学んでも問題はありません。各言語の特徴を踏まえ、着手しやすいものから学びましょう。
ではそれぞれを詳しく解説します。
C#の基礎を身につける
C#(シーシャープ)は、ゲーム開発で広く使用されるプログラミング言語の一つです。
特にUnityエンジンでの開発でよく用いられます。比較的初心者にも理解しやすい構文で、オブジェクト指向プログラミングについても理解できるので、最初に学習することをおすすめします。
C++の基礎を身につける
C++は、処理速度が非常に速いプログラミング言語なので、リソースを多く消費する大規模なゲームやリアルタイム処理が必要なゲームでよく採用されます。
ハードウェアに近いレベルでの操作が可能であり、メモリ管理やオブジェクトのライフサイクル制御など、細かい部分の最適化が行えます。しかし、構文が難解だったり、メモリ操作ミスによるエラーが発生しやすかったりと、難易度が高い言語であるのも事実です。
細かい部分は実際の開発の中で身につけるとして、ここでは最低限の基礎的な構文をおさえておきましょう。
Pythonの基礎を身につける
Pythonは、小規模なゲームや開発プロセスを自動化するスクリプトの作成に使用されます。
Pythonは構文がシンプルなので、初心者に学びやすい言語とされています。またゲーム開発だけでなく、データ分析や作業の自動化にも使えるので、覚えておくとさまざまな場面に役立つでしょう。
なお、以下の記事では独学でゲームプログラミングを学べるツールについて紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
STEP2:実際にゲームを開発してみる
プログラミングの基礎をひと通り身につけたら、実際にゲームを開発してみましょう。いきなり複雑なゲームを作ろうとするのではなく、まずはシンプルなゲームからスタートして徐々に機能を増やしていくやり方がおすすめです。
またUnityなどのゲームエンジンを使用すると、プログラミングだけでなくゲームデザインやアセット管理など、ゲーム開発の他の側面も学ぶことができます。
なお、以下の記事ではゲーム開発に必要な情報を初心者向けに解説しています。こちらも参考にしてみてください。
STEP3:ポートフォリオを作成する
ポートフォリオとは、ゲームプログラマーとしてのスキルを証明するための作品のことです。ポートフォリオを持っておくと、就職活動の際に効果的に自己アピールできるようになります。
STEP4で作成したゲームそのものをポートフォリオとして流用可能です。就職活動に使えるよう、細かい部分を手直ししたり処理を最適化したりしておきましょう。
なお、以下の記事ではエンジニアのポートフォリオについて役割や重要性を作品例も交えて解説しています。ポートフォリオについて詳しく知りたい人はこちらもご覧ください。
STEP4:プログラマーになる準備を進める
ここまでできたら、ゲームプログラマーになるための就職活動を本格的に始めます。履歴書の作成、面接の準備、求人の検索などを行いましょう。
自分が今までに行ってきた勉強や身につけたスキルを整理して、履歴書に記載しておくことが重要です。また、ゲーム業界の動向についても調査しておき、どのような企業やプロジェクトに入りたいか考えておきましょう。
これらの準備を効率よく行いたい場合、転職エージェントの活用をおすすめします。転職エージェントとは、求職者と企業の間を取り持ち、求人情報の紹介や面接対策などの就職支援を行うサービスです。
目指す前におさえておきたいゲームプログラマーの内情
仕事内容や年収など、ゲームプログラマーの内情を知らないまま目指しては、いざなってから「もっと事前に調べておけばよかった」と後悔しかねません。
そこで、ここからは下記のトピック別にゲームプログラマーの内情を紹介します。
仕事内容
ゲームプログラマーの主な仕事は、仕様書や設計書に沿ってゲームを開発することです。プログラミング言語やゲームエンジンを活用して、キャラクターや環境の動き、ゲームロジックなどを実装します。
また、プログラム作成後のデバッグ・動作確認もゲームプログラマーの重要な仕事です。これらのテスト段階でいかにバグを解消できたかが、ゲームの品質を大きく左右します。
作業の際はゲームデザイナーやディレクターといった他職種の人とも連携する必要があります。例えば、ゲーム内の細かい仕様の確認や、進捗状況の報告などです。このような際にはコミュニケーションスキルも必要です。
初任給
ゲームプログラマーの初任給は23万円が相場とされています。また、正社員の平均年収は約431万円です。
他の職種と比較すると、ゲームプログラマーの給料は他の職種と同程度もしくはやや低い水準といえます。ただし、実際の給与は所属企業や個人のスキルによって大きく異なるため注意してください。
働きがい
ゲームプログラマーとしての働きがいは、自分の手がけたゲームが世界中の人々に楽しまれることにあります。苦労して作り上げたゲームを、多くの人が手に取り楽しんでくれれば、大きなやりがいや達成感を感じられるでしょう。
しかし、締め切りのプレッシャーや長時間労働など、厳しい側面も存在します。特に、ゲームのリリース前には過密なスケジュールでの作業が求められることもあります。
決して楽な仕事とはいえませんが、プログラミングやゲーム制作が好きな人、新しいスキルを身につけて成長したい人にとっては非常に魅力的な仕事です。
将来性
ゲームプログラマーの将来性は高いといえます。その根拠は、近年ゲーム市場が拡大していることやVR・AR技術が進歩していることです。
ゲームプログラマーが開発するゲームの種類は、コンシューマー向け・PC向け・スマートフォンアプリ向けなどです。かつてはコンシューマーゲームが主流でしたが、オンラインゲームやスマホゲームの普及により、ゲーム市場は拡大傾向にあります。
また、近年はVR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術が進歩してきており、これらのプラットフォームでゲーム開発できる技術者の需要が高まっています。
このような背景によりゲームプログラマーとしてのキャリアパスが多様化しており、労働市場も求職者が有利な状況です。今後も当面はこの状況が続くとみてよいでしょう。
まとめ
今回は、未経験からゲームプログラマーになる方法やゲームプログラマーの仕事内容について解説しました。
ゲームプログラマーになるまでの道のりは簡単ではありません。プログラミング言語やゲームエンジンについて勉強する必要があります。技術力だけではなく、数学・物理学の知識やコミュニケーションスキルも重要です。
また、ゲームのリリース前には長時間労働をせざるを得ないこともあります。しかし、ゲームを完成させてユーザーに喜んでもらえたときの達成感は他では得がたいものです。また、ゲームプログラマーとしてのキャリアパスも充実しています。
やりがいと将来性のある魅力的な仕事なので、この記事を読んで興味を持った人はぜひゲームプログラマーとしての一歩を踏み出してみてください。