Bing AI ChatとChatGPTは何が違うの?
どっちを使うのがいいんだろう?
デジタルデータの急増やコンピューターにおける処理性能の飛躍的向上から、昨今は第3次AIブームに位置付けられています。
そんななか、代表的なAIツールともいえる、Bing AI ChatやChatGPTを活用しようとしている人は多いですよね。
違いがわからず、どちらを使えばいいのか、判断できない人もいるはず。
そこで、この記事ではできることや回答の精度などといった9つの観点から、Bing AI ChatとChatGPTの違いをわかりやすく解説します。Bing AI ChatとChatGPTそれぞれにしかない特徴や有効活用するコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、Bing AI Chatは2023年11月に「Microsoft Copilot」へ正式名称が変更されています。本記事では、わかりやすいよう旧名称の「Bing AI Chat」と記載しています。ご了承ください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
Bing AI ChatとChatGPTは用途で使い分ける
結論からいうと、Bing AI ChatとChatGPTはどちらか一方ではなく、用途で使い分けるのがおすすめです。
Bing AI Chatは、インターネット上にある最新情報やWebサイトの検索に向いています。反対にChatGPTは、既存の情報をもとに知識やアイデアを深堀りするのが得意です。
もし片方しか利用しない場合、不得意な処理に利用して希望の出力結果が得られない可能性も。それぞれ特徴が異なるため、優劣をつけ片方のみ利用するより、状況に合わせて使い分けるほうがメリットを多く受けられます。
以降では、Bing AI ChatとChatGPT双方をどのように使い分ければいいのか、詳しく解説します。
最新情報・Webサイトの収集/特定には「Bing AI Chat」
最新情報やWebサイトの収集・特定には、Bing AI Chatがおすすめです。
Bing AI Chatは検索ブラウザのBingと連携しているため、最新情報が収集できます。インターネット上にある最新ニュースや流行情報など、現在の状態やニーズを探せるのは魅力です。
実際に2024年の干支について質問した結果、辰年という最新情報が出力されました。Bing AI Chatは最新情報が文章で生成されるだけでなく、参考にしたWebサイトも記載される点が特徴です。
各文章ごとに根拠となるWebサイトが記載されており、整合性を確認するときに別途検索する手間がかかりません。
一方、ChatGPTの場合は無料で使えるのはGPT-3.5まで。出力される情報は古い情報が多く、2023年4月までしか情報がアップデートされていません。また、参考にしているWebサイトも、無料版では教えてくれません。
別途Google Chromeの拡張機能「WebChatGPT」を導入すれば、インターネット上の最新情報を扱えるようになります。ただし、利用するにはChromeブラウザの導入と拡張機能の追加が必要です。
総合的に考えると、手軽に最新情報や参考にしたWebサイトの把握・収集をできるBing AI Chatのほうがおすすめです。
知識・アイデアの深掘りには「ChatGPT」
知識やアイデアの深掘りには、ChatGPTが向いています。
現在、ChatGPTは2023年4月までの情報しか提供できないものの、普遍的な情報の整理や深掘りは得意です。たとえば次のように、時代問わず有効なビジネスアイデアや企画など、自分では思いつかないアイデアを生成できます。
ChatGPTは、端的にわかりやすくアイデアをまとめる傾向があります。質問を繰り返すことで、アイデアの深掘りが可能です。大量のアイデアを一瞬で生成してくれるため、作業効率をアップできます。
一方、Bing AI Chatはアイデア出しができるものの、回答が長くわかりにくいケースも。追加で質問をして箇条書きで解説するように指示しましたが、あまり変わりませんでした。
Bing AI ChatはGPT-4を検索向けにカスタマイズしているため、アイデア出しに関してはChatGPTのほうが使いやすいです。最新情報が必要なアイデア出しには有料版を使うべきですが、それ以外であれば無料版ChatGPTでも十分活用できます。
なお、ChatGPTの特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
Bing AI ChatとChatGPTの違い
ここからは、Bing AI ChatとChatGPTに違いはあるのか、下記9つの観点で双方の特徴を比較しながら解説します。
なお、本解説は公式サイトならびに実際に使用した結果をもとに記載しています。実行タイミングや条件により結果は変わるため、あくまで参考程度にしてください。
利用料金
基本、Bing AI ChatとChatGPTはともに無料で利用可能です。ただ、有料版の利用料金はBing AI ChatがChatGPTに比べ、数百円ほど高く設定されています。
Bing AI Chatの有料版は機能が充実するだけでなく、Microsoft 365のアプリと連携して使用できます。個人利用も可能ですが、ビジネスの業務効率化に利用するケースが多いでしょう。
一方、ChatGPTの有料版はGPT-4の機能が使えるため、無料版に比べて文字数制限や回答の正確性が向上します。また、混雑時の利用しやすさも有料版が優れています。
料金に関しては、どちらも大きな差はありません。以降で説明する特徴を踏まえ、自分に合うほうを選択すると良いでしょう。
できること
無料版の場合 | できること |
Bing AI Chat | ・質問への回答 ・テキストの生成 ・コードの作成 ・テキストから画像生成 ・画像を使用した質問応答 ・新しいアイデア出し ・最新情報の提供 など |
ChatGPT | ・質問への回答 ・テキストの生成 ・コードの作成 ・新しいアイデア出し など |
※ChatGPTはプラグイン機能を考慮しない場合を前提に記載しています。
Bing AI ChatとChatGPTの双方ができることとして共通しているのは、次の4点です。
- 質問への回答
- テキスト生成
- 新しいアイデア出し
- コードの作成
Bing AI Chatは答えとなる情報提供に加え、自分で検索するときに参考になるWebサイト情報も記載する傾向が強いです。ChatGPTは、端的に質問に対する答えを記載してくれます。
どちらも会話を楽しんだり、新しい企画案を考えたりとプライベート・ビジネス問わず活用できる点が魅力です。
次のようにコード作成も可能で、プログラミングやコーディング作業にも活用できます。
両方の生成AIを比較して、大きく異なるのはテキストからの画像生成機能の有無です。
Bing AI Chatはテキストから画像を生成できます。たとえば、「かわいいネコの画像を生成して。」と指示を出すと、次のような絵画風の画像が生成されました。
さらに、画像を使用して質問ができます。画像の対象物を検索したいものの、名前がわからず検索できないときに便利です。
一方、ChatGPTの無料版にはテキストでの画像生成や、画像検索機能はありません。有料版であれば画像生成は利用できます。
また、テキスト生成に使用される情報の新しさも違いがあります。Bing AI ChatはBingと連携しており、最新の情報にアクセスしながら生成できます。
反対にChatGPTは、プラグインもしくは有料版を使用しない限り最新情報にアクセスできません。2022年1月までの情報しか反映できないため、新しい情報を含むテキストの生成は不可能です。
このように、Bing AI ChatとChatGPTは基本機能が類似しています。一方で、画像認識機能や最新情報を利用できるかに差があります。
なお、下の記事ではChatGPTでできることを詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
対応言語
Bing AI ChatとChatGPTの対応言語に大きな違いはなく、双方ともに日本語を含む100以上の言語に対応しています。
- 日本語
- 英語
- ドイツ語
- フランス語
- イタリア語
- ポルトガル語
- スペイン語
- 韓国語
- 中国語 など
利用者が多い言語はほとんど網羅されているため、言語が使えずに困るケースは少ないでしょう。
繋がりやすさ
Bing AI ChatとChatGPTでは繋がりやすさに違いはなく、どちらもスムーズにアクセスできます。ただし、利用者が多い時間帯ではサーバに負担がかかりアクセスしにくい場合もあります。
公開当初に比べると利用者数の増加に対応している分、アクセスがしにくい状況は改善されつつあります。しかし、タイミングによってはサイトへアクセスできない。チャットの応答に時間がかかるなど、スムーズに利用できない可能性があるのです。
つながりにくさは有料版のほうが改善されているものの、無料・有料問わず起こるため、開発者の改善を期待するしかありません。ビジネスで利用するときは、遅延やアクセスしにくい状況が発生することも想定し、余裕を持って利用しましょう。
回答の精度
無料版で比べたところ、回答精度はChatGPTに比べ、Bing AI Chatが優れている傾向にありました。
無料版の場合 | 回答の精度 |
Bing AI Chat | ・インターネット上の情報が多く周知の事実である事柄については精度が高い ・最新情報を含む場合に不正確な回答がある |
ChatGPT | ・一問一答や単純な質問への回答は正確性が高い ・日本語で質問した場合に精度が低いケースがある ・間違いや空想の内容が含まれるケースがある |
Bing AI ChatはGPT-4を採用しているため、ChatGPTのGPT-3.5に比べて正確性が高いです。
大前提として、GPT-4は言語処理能力が高いため、正確性の高い回答を得られます。事実、GPT-4はアメリカの司法試験で上位10%の成績を納める回答を出しているのです。同試験におけるGPT-3.5の成績は下位10%にとどまっている点からも、GPT-4の回答制度の高さがうかがえます。
また実際に同条件で検索した結果、Bing AI Chatは正確な情報を出力しましたが、ChatGPTは全く該当しない回答でした。
Bing AI Chatは最新情報を含めて最適な回答ができるため、精度に関してはChatGPTより優秀といえます。
ChatGPTは日本語での質問より、英語での質問のほうが精度は高い傾向にあります。日本語で質問した場合、意図しない回答や実在しない情報が含まれる事例もあるようです。
ChatGPTは世界の言語を学習中であり、表現や意味の理解が不十分な点もあります。そのため、開発された英語圏以外の言語で、精度が低下するケースもあるのです。
Bing AI Chatの場合、最新情報を含む回答では不正確な情報を出力することがありました。Bing AI ChatはBing内のWebサイト情報を参考に回答しているため、情報が少ないときは精度が高くありません。
上記の質問では、2024年に開催されているアジアカップサッカー日本代表の試合日程について聞いています。しかし、回答は2024年に開催されるワールドカップアジア予選の日程が出力されました。
このように、結果により変更が加わる情報や最新情報に関する質問の場合、Bing AI Chatでも正しくない情報を出力する可能性があるのです。
なお、Bing AI ChatとChatGPTは現在も開発が続けられており、回答の精度は改善されつつあります。正確性を確認したい人は、実際に利用して把握するのがおすすめです。
さらに、ChatGPTの有料版なら無料版より精度の高い回答を得られます。有料版であれば、Bing AI Chatと性能の差はありません。正確性が求められる作業に利用したい人は、有料版も検討してください。
回答速度
無料版で比べたところ、回答速度はBing AI Chatに比べ、ChatGPTが早い傾向にありました。
無料版の場合 | 回答速度 |
Bing AI Chat | ・ChatGPTに比べると遅い ・回答が長文になると遅延が発生する |
ChatGPT | ・混雑時以外はスムーズに生成される ・複雑な質問や長文作成の場合は速度が遅くなる |
前提として条件や混雑状況で結果が変わるため、具体的な数字で回答速度を比較することはできません。Bing AI Chatは常にインターネットに接続して利用するため、通信環境の影響を受けやすいです。
一方、ChatGPTはプラグイン利用時以外はインターネットにアクセスしないため、通信環境の影響は受けにくいといえます。しかし、どちらも利用者数には影響を受けるため、混雑時には回答速度が低下する傾向があるのです。
この点を踏まえたうえで回答速度を比べると、あくまで体感にはなりますが、ChatGPTは回答がスムーズに出力されるのに対しBing AI Chatは1文あたりの出力時間が長い印象です。
なお、混雑時はどちらの生成AIも遅延が発生します。Bing AI Chatで回答が停止した経験はありません。しかし、ChatGPTでは回答が一時停止し、出力に時間がかかるケースもありました。
また、ChatGPTの有料版は無料版より遅延が発生しにくいです。有料版はサーバが優先的に割り当てられるため、遅延の少ないチャット機能を利用できます。
1日での利用可能数
1日での利用回数は、Bing AI ChatとChatGPTの双方とも制限はありません。
ただし、Bing AI Chatは1チャットあたりの応答回数に制限があります。Microsoftアカウントにログインせず利用する場合は1チャット5回、ログインして利用する場合は1チャット30回までやり取りできます。
回数は質問+回答でカウントされるため、回答のみで考えると半分の回数しか出力できません。チャットを新しく立ち上げるとリセットされるため、上限以上利用したい人はチャットを分割すると良いでしょう。
質問/生成可能な文字数
Bing AI ChatとChatGPTでは、質問・生成可能な文字数に以下のような違いがあります。
Bing AI Chatで質問可能な文字数は、会話スタイルにより異なります。「より創造的に」「よりバランスよく」で2,000文字。「より厳密に」で4,000文字まで入力可能です。生成可能な文字数は、明確な上限がありません。
ChatGPTは質問・生成可能な文字数の上限は公表されていませんが、参考となるトークン数を確認できます。質問・生成可能なトークン数は、どちらも4096トークンといわれています。1トークン=1文字というわけではなく、言語により割り当てられるトークン数が異なるようです。
実際に入力してみた結果、質問可能な文字数は4,000~5,000文字ほどではないかと推測できました。5,000文字のひらがなを入力した結果、文字数を減らすように次の指示が出力されました。
一方、生成可能な文字数はわかりません。しかし、同じトークン数が上限であると仮定すると、質問可能な文字数と同程度と考えられます。
このように、Bing AI ChatとChatGPTには質問・生成可能な文字数に上限があります。とはいえ、質問を分割するなど工夫すれば問題なく利用可能です。
なお、ChatGPTの有料版では、質問・生成可能な文字数の上限が増加します。ただし、具体的な文字数は公表されておらず不明です。文字数の多いテキスト生成や要約を行う場合、有料版の利用を検討すると良いでしょう。
安全性
Bing AI ChatとChatGPTの安全性に大きな違いはなく、どちらも運営会社がセキュリティに配慮した運営を実施しています。
たとえば、利用時の登録情報やチャットでの入力内容など、プライバシーや権利を保護するために情報が漏洩しないシステムを構築しているのです。
また、次のように生成AIが出力した内容で著作権を侵害したり、利用者の悪影響となる情報が含まれたりしないように出力内容に制限をかけています。
- 人を傷付けてしまう回答
- 性的あるいは暴力的な回答
- 核兵器や生物兵器などの軍事的分野に対する回答
- 個人情報に関する回答
- 犯罪を助長する回答 など
現状でできる範囲の配慮がされており、利用者は安心して利用できるツールになりつつあるのです。具体的な安全性に関する取り組みについて、それぞれの公式サイトに記載されています。
ただし、Bing AI ChatとChatGPTが完全に安全かというと注意点もあります。運営企業が改善を実施しているとはいえ、情報漏洩やトラブルが発生するリスクはゼロではありません。
2024年現在、生成AIツールを利用するときは個人情報やプライベートが特定できる情報を入力するのは控えるほうが良いでしょう。
ChatGPTにはないBing AI Chatの特徴
ここからは、ChatGPTにはないBing AI Chatの特徴を、3つにまとめて紹介します。
GPT-4が無料で活用できる
前述したとおり、Bing AI Chatは無料でGPT-4が活用できます。
GPT-4は、ChatGPTを運営するOpen AI社が開発する大規模言語処理モデルです。処理能力がGPT-3.5に比べて高いため、チャットの回答精度や速度が優れています。ChatGPTは有料版しかGPT-4が使えません。その点、Bing AI Chatは誰でも手軽に利用可能です。
文字数制限など有料版のChatGPTに劣る部分もありますが、GPT-4を試せるのは魅力といえます。
回答の形式を選択できる
Bing AI Chatには回答の形式が次の3種類あり、出力したい内容に合わせて選択できます。
- より創造的に
- よりバランスよく
- より厳密に
「より創造的に」は、自由度が高く独創的・創造的なテキスト・画像が生成されます。次の画像のように、話し言葉や絵文字など会話するようなテキストが生成されやすい点も特徴です。また、生成された画像もこちらに目線を向けたかわいい画像が生成されました。
おもに会話を楽しみたいときや、会話のなかでアイデアを見つけたいときにおすすめです。
「よりバランスよく」は、文字どおり創造性と事実に基づいた内容のバランスが取れた出力を行います。平均的で特徴はあまりありませんが、バランスの取れた回答を得られるため、会話やアイデア出しなど幅広い場面で利用できます。
「より創造的に」と同条件で画像を生成した結果、幅広いニーズに答えるため、たくさんのネコ画像が生成されました。「より創造的に」に比べ会話の丁寧さが増した印象です。
くせがなく使いやすいスタイルのため、どれを選ぶか悩んだら「よりバランスよく」を選択すると良いでしょう。
「より厳密に」は、参考資料や根拠を重視します。わかりやすさを意識しつつ堅めの印象で、質問に対して忠実に答えてくれます。
先ほど同様、ネコの画像を生成した結果、3つのなかで最もリアリティのある画像が出力されました。また、回答の文章も端的に記載されています。
「より厳密に」は、厳密性を求める調査や信頼性の高い情報を入手したいときにおすすめです。
このように、Bing AI Chatは3つの回答形式を使い分けられる点が魅力です。
動画の内容を自動で要約してくれる
Bing AI Chatでは、YouTube動画の自動要約機能が利用できます。
作業方法は簡単で、要約したいYouTube動画を開きBing AI Chatにアクセス。「ページの概要を生成する」をクリックするだけです。
生成された要約を見ると、動画内容と異なる部分もあるものの、全体の流れはしっかり要約されています。あとで見直しは必要ですが、動画内容をブログやメディア記事で再利用する作業を効率化できるのです。
Bing AI ChatにはないChatGPTの特徴
ここからは、Bing AI ChatにはないChatGPTの特徴を、3つにまとめて紹介します。
自分好みに回答形式をカスタマイズできる
ChatGPTでは、回答形式をカスタマイズできます。
「Custom instructions」機能を利用すれば、回答の口調や出力形式(箇条書きなど)をカスタマイズ可能です。設定すれば毎回チャットで条件を指定する手間が省けるため、作業効率が高まります。特定のフォーマットで情報をまとめたいときや、アイデアを条件つきで出力したいときに便利です。
Custom instructionsは上段と下段にわかれており、それぞれ次のような情報を入力します。
- 上段:入力者のプロフィールや想定する条件など
- 下段:ChatGPTに希望する回答内容や応答など
設定しておけば、以降は条件どおりの回答が得られます。再設定も自由に可能なため、作業に合わせて設定を変更するのも良いでしょう。
有料版では「GPTs 」を利用して回答がカスタマイズできます。特定のキャラクターになりきった回答作成や、自分で用意したデータを使用した回答システムも構築可能です。
加えて、豊富に用意されているプラグインを活用すれば、次のような機能が利用できます。
- PDFをChatGPTに読み込ませる
- PythonのコードをChatGPT内で実行する
- 動画の要約
- 旅行サイトと連携してプランを作成
- インターネット上の情報を取得できる など
なお、インターネット上の情報が取得できる「KeyMate.AI Search」を利用すれば、2021年9月以降の新しい情報が使えます。
ChatGPTは有料版で機能が充実しており、プラグインを活用すれば幅広いカスタマイズが可能です。ChatGPTのプラグインについては次の記事で詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
質問をテンプレートとして保存できる
ChatGPTでは、チャットをテンプレートとして保存できます。
あとで確認したいチャットを保存することで、過去の質問や回答がいつでも閲覧可能です。作業を一時中断し、再スタートするときにも役立ちます。
該当のチャットにカーソルを合わせ、保存マークを押すだけで保存は完了です。
保存したチャット履歴は、「Settings」から「Archivrd chats」 に進むことで閲覧できます。
重要なチャットや質問内容を保存できるのは、ChatGPTにしかない魅力です。
外部のサービスと連携して活用できる
有料版のChatGPTは外部サービスと連携し、機能を追加できる点が魅力です。
次のような外部サービスが提供するプラグインを導入すれば、ChatGPTに機能を追加して利便性が高められます。
たとえば、食べログのプラグインを導入した場合、ChatGPT内で飲食店情報を検索できます。また、Expediaでは、旅行プランの作成や宿泊先情報の抽出などが可能です。
プラグインを活用すれば、ChatGPT内で使える機能が増えるため、作業効率がアップします。ビジネスはもちろん、プライベートでも役立つ機能です。
なお、次の記事ではChatGPTの無料版と有料版の違いを詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
Bing AI ChatとChatGPTを有効活用するコツ
ここからは、Bing AI ChatとChatGPTを有効活用するコツを、2つにまとめて紹介します。
具体的かつ明確に質問する
Bing AI ChatとChatGPTでの質問は具体的かつ明確にしましょう。
質問の内容があいまいだと、回答の精度は下がりやすいです。条件や定義があいまいな場合、人間でも解釈がわかれることもあります。ChatGPTも同様で、複数の意味合いや条件が考えられる場合、求める内容とずれた回答が出力される可能性もあるのです。
そのため、ChatGPTで質問するときは具体的かつ明確な指示が重要になります。とはいえ、どのように質問すればいいかわからない人もいるはず。安定した回答を得るには、質問の型どおりに入力するのがおすすめです。
質問のことを専門用語でプロンプトと呼びますが、ChatGPTをうまく活用する人はプロンプトの型に従って入力しています。
たとえば、プロンプトの型には次のような例があります。
- あなたは「気象予報士」です。「雷が落ちる場所の特定が難しい理由」を教えてください。
- 「プログラミングを学ぶメリット」を箇条書きで「3つ」にまとめて教えてください。
- 「データサイエンティスト」と「データアナリスト」の違いを先生と生徒の対話形式で教えてください。
ポイントは、ChatGPTのキャラクター設定や回答様式などを具体的に指定することです。具体的であるほど、回答のブレがなくなるため希望どおりの出力を得られます。Bing AI ChatとChatGPTを最大限活用するには、プロンプトの型を意識しながら明確な指示を出しましょう。
なお、下の記事ではChatGPTで活用できるプロンプトの型を詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
画像を添付しながら質問する
Bing AI ChatとChatGPTを利用するときは、画像添付機能を使いながら質問しましょう。
Bing AI Chatは無料版、ChatGPTは有料版で画像添付機能が利用できます。この機能を活用すれば、次のような仕事の業務を効率化できます。
- 画像内のテキスト資料を要約
- 画像のテキスト化
- 画像に含まれる対象物の分類 など
とくに画像内のテキスト資料の要約機能は便利です。会議中に撮影したホワイトボードの要約やテキスト化など、手作業だと手間のかかる業務を効率化できます。他にも場所が明記されていない風景から、観光地を特定するなど仕事以外でも便利です。
すべての作業で画像認識機能を使うわけではありませんが、必要に応じて活用できれば作業を効率化できるでしょう。
Bing AI ChatとChatGPTの始め方
ここからは、Bing AI ChatとChatGPTの始め方を、ブラウザ・アプリ別に紹介します。
ブラウザ版
ここでは、ブラウザ版Bing AI ChatとChatGPTそれぞれの始め方を解説します。
ブラウザ版Bing AI Chatの始め方
ブラウザ版Bing AI Chatの始め方は、次のとおりです。
- 1.Bingブラウザへアクセス
- 2.Microsoftアカウントがある人はログイン
- 3.チャットへ遷移
- 4.チャット利用をスタート
まずは、Bingブラウザにアクセスしてチャットボタンをクリックしましょう。
チャットボタンをクリックすると、チャット画面へ遷移します。あとは入力欄に質問を記載して確定ボタンを押せば、Bing AI Chatの回答が出力されます。
回答に不満がある場合、同じチャット内で再度質問すれば修正が可能です。「新しいトピック」をクリックすると、新しいチャットが立ち上がります。
ブラウザ版ChatGPTの始め方
ブラウザ版ChatGPTの始め方は、次のとおりです。
- 1.ChatGPT公式サイトにアクセス
- 2.Webサイト版ページへ遷移
- 3.Sign upを選択
- 4.ログイン方法を選択
- 5.氏名/誕生日/メールアドレス/電話番号など必要事項を入力
- 6.登録完了
- 7.チャット利用をスタート
まずはChatGPT公式サイトにアクセスし、「Try on web」からWeb版のログインページに遷移しましょう。
次はアカウント登録済みの人は「Log in」、未登録の人は「Sign up」をクリックします。
メールアドレスもしくは各種サービスのアカウント情報を使い、サインアップを行いましょう。メールアドレスを登録した場合、登録したアドレスにChatGPTからメールが届きます。記載されている指示に従い、登録画面へ遷移してください。
各種サービスによるサインアップを選択した場合、名前と誕生日を入力する画面に遷移します。必要事項を入力し、Agreeをクリックしてください。
以上の工程が終われば、登録完了です。
アプリ版
ここでは、アプリ版Bing AI ChatとChatGPTそれぞれの始め方を解説します。
アプリ版Bing AI Chatの始め方
アプリ版Bing AI Chatの始め方は、次のとおりです。
- 1.App Store/Google Playからアプリをインストール
- 2.アプリを開き「続きへ」をクリック
- 3.必要に応じてMicrosoftアカウントでログイン
- 4.利用開始
まずは、App Store/Google Playからcopilotアプリをインストールしましょう。
アプリを開くと次のような画面が表示されるため、「続ける」をクリックします。
チャット画面に遷移できれば、利用を開始できます。Microsoftアカウントを登録済みであれば、利用回数を増やすためにログインしましょう。
アプリ版ChatGPTの始め方
アプリ版ChatGPTの始め方は、次のとおりです。
- 1.App Store/Google Playからアプリをインストール
- 2.アプリを開き登録した方法でログイン/パソコンと同様の手順でサインアップ
- 3.利用開始
まずは、App Store/Google Playからアプリをインストールしてください。アプリを開くと、画像のとおりサインアップとログイン画面が表示されます。
登録済みの人は必要事項を入力してログイン、未登録の人はブラウザでのやり方を参考に登録作業を進めてください。
サインインもしくはログインが完了すると、チャット機能が使えます。
なお、次の記事でもChatGPTの始め方を詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
より効果的にAIツールを活用するなら
より効果的にAIツールを活用したい人は、プログラミングスキルの習得も検討しましょう。
特別なスキルがなくてもAIツールは利用できますが、プログラミングスキルもあればさらに効果を高められます。
たとえば、Pythonを習得すれば、AIツールでの業務効率化に加えデータ分析や業務の自動化を実現できます。ChatGPTで要約した資料をPythonで開発した分析システムに活用するなど、組み合わせ次第でさらなる効率化が実現できるのです。
とはいえ、AIツールの使い方からプログラミングスキルまで独学するのは難しい人も多いはず。そのような人には、侍エンジニアの「業務改善AI活用コース」がおすすめです。
このコースでは、ChatGPTとPythonの組み合わせで業務を効率化する手法や、AIに適切な処理方法の指示を出すプロンプトエンジニアリングのスキルが学べます。
ChatGPTやPythonで開発したシステムの活用事例まで学べるため、卒業時してからビジネスに活かせるノウハウが身につきます。また、次のように学習サポートやカリキュラムが充実しており、未経験者でも挫折しにくいです。
- 4万5,000人の指導から導き出されたオリジナルカリキュラム
- 現役エンジニアのマンツーマンサポート
- 講師/学習コーチ/Q&A掲示板のトリプルサポート など
無料カウンセリングも実施しているので、AIツールやプログラミングを活用してビジネスで活躍したい人。データ分析や業務効率化に興味がある人は、お気軽にご参加ください。
公式サイトで詳細を見るまとめ
今回は、Bing AI ChatとChatGPTの違いや活用法を紹介しました。
どちらの生成AIも無料版で利用できる機能が多く、すぐに試すべきツールです。テキスト生成機能やAIとの会話、画像認識機能などビジネスだけでなくプライベートでも活用できます。生成AIについて興味はあるけど使う方法がわからない人は、記事の内容を参考に活用をはじめてください。
Xより引用