ChatGPTのプロンプトとは?用途別の例や作り方のコツも紹介

ChatGPTのプロンプトってなに?
プロンプト次第でChatGPTからの回答が変わるの?
どんなプロンプトを作ればいいのかな…

デジタルデータの急増やコンピューターにおける処理性能の飛躍的向上から、第3次AIブームに位置付けられている昨今。効率的に文章が生成できる利便性から、数多くのAIツールが登場しています。

なかでも、要望に適した文章を生成してくれるAIツール「ChatGPT」の日本における利用者は世界で3番目に位置するほど多く、1日あたり767万回ものアクセス数を記録しています。

そのようななか、プロンプトという言葉をChatGPTとセットで聞く機会は多いのではないでしょうか。ただ、実際にChatGPTにおいてプロンプトが何を示しているのかあいまいな人もいるはず。

そこで、この記事ではChatGPTのプロンプトとは何なのか、その概要を用途別の例も交え、わかりやすく解説します。プロンプトを作るコツやChatGPTの便利機能も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

本記事を読む前に、そもそもChatGPTとは何なのか、その特徴やできることをおさらいしておきたい人は次の記事を参考にしてください。

ChatGPTとは何かをわかりやすく解説!仕組みやできることも簡単に紹介

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。

また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。

参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました

記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。

目次

ChatGPTのプロンプトとは

ChatGPTにおける「プロンプト」とは、ユーザーがChatGPTに作業を依頼するための文章を指します。

もともと「プロンプト」とは「〜するように促す」という意味を持つ英単語のことです。一般的にChatGPTをはじめとする生成AIでは、AIに対して何らかの作業を促す文章を「プロンプト」と呼んでいます。

例えば、下図の例では「初心者におすすめのプログラミング言語は何?」という質問がプロンプトです。

ChatGPT
出典:ChatGPT

ChatGPTは、入力されたプロンプトに記載されている言葉を理解します。そのあと、膨大な学習データをもとにChatGPTが最適と考えた回答を出力してくれます。

ChatGPTからの回答はプロンプトの精度で決まる

ChatGPTからの回答はプロンプトの精度で決まります。

ChatGPTはプロンプトとして簡単な言葉を入力するだけで、回答が出力可能です。しかし、より精度が高い回答を出力するには、プロンプトに入力する指示文の内容を工夫する必要があります。

次世代のAIイノベーターやクリエイター育成活動を行っている「DAIR.AI」が発表したPrompt Engineering Guideは、プロンプトの重要性を下記のように説明しています。

You can achieve a lot with simple prompts, but the quality of results depends on how much information you provide it and how well-crafted the prompt is. 

(単純なプロンプトで多くのことを達成できますが、結果の品質は、提供する情報の量とプロンプトがどれほど巧妙に作成されているかによって決まります。)

引用:Prompt Engineering Guide

上記のとおり、ChatGPTに豊富な情報を与えると同時に、コツをおさえたプロンプトを作成すれば、さらに高品質な回答を出力してくれるようになるのです。

このように生成AIから適切な出力を得るために必要な命令や条件を開発・最適化するスキルを「プロンプトエンジニアリング」といいます。つまり、ChatGPTの回答精度を高めるには、プロンプトエンジニアリングスキルを磨くことが重要です。

プロンプトエンジニアリングの必要性や学習方法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

プロンプトエンジニアリングとは?必要性や出力例、学習方法も紹介
更新日:2024年11月14日

【用途別】ChatGPTのプロンプト例

【用途別】ChatGPTのプロンプト例

生成AIが誕生して以来、さまざまな人の試行錯誤により、質が高い回答を出力できるプロンプトのパターンが導き出されつつあります。

Note株式会社のCXO深津貴之氏が開発した「深津式プロンプト(下記)」もそのひとつといえます。

#命令書:
あなたは{text}です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。
#制約条件:
・文字数は{text}
・{text}
#入力文:
{text}
#出力文:

参考:note

ここでは上記プロンプトをもとに、次のトピック別でChatGPTプロンプト例を紹介します。

※1 Chief Experience Officer:会社における体験の最高責任者

必要な情報を集めてもらう

ChatGPT
出典:ChatGPT
#命令書:
あなたは経験豊富なITエンジニアです。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。
#制約条件:
・文字数は300文字としてください
・回答は箇条書きで3個にしてください
#入力文:
・プログラミングが上達するおすすめの書籍とその理由を教えてください
・日本で発売された書籍を対象としてください

#ChatGPTからの出力
・"Java言語で学ぶデザインパターン入門"(結城浩著): Javaの基本的なデザインパターンを学ぶことができます。実践的なコード例が豊富で、設計力やコーディングスキルの向上に役立ちます。
・"Effective Ruby: Rubyのエキスパートに学ぶテクニックとベストプラクティス"(Peter J. Jones著): Rubyの高度なテクニックやベストプラクティスを学ぶことができます。読みやすいスタイルで解説されており、Rubyの効率的な使用方法を身につけられます。
・"Pythonプログラミングの教科書"(マーク・ラッツ著): Pythonの基本から応用まで幅広くカバーした教科書です。実践的なプロジェクトを通じて学ぶことができ、Pythonのスキルを効果的に向上させることができます。

ChatGPTは、必要な情報を瞬時に集めてくれます。

ChatGPTにおすすめのプログラミング本の情報を質問すると、プロンプトに指定された入力情報や制約条件に沿ったうえで、上記の3冊を提案してくれました。

インターネットを利用した検索といえば、Googleなどの検索サイトが有名です。検索サイトは、膨大なWebサイトの中から、検索したワードに関連性が高いものを上位から表示してくれます。しかし、上位に表示されたWebサイトの内容が、本当に利用者が探している情報であるかは中身を確認するまでわかりません。

一方でプロンプトを工夫してChatGPTを活用すれば、必要な情報をわずか数秒で集めてくれます。そのため、検索サイトよりも効率的に欲しい情報を収集することが可能です。

文章を作成してもらう

ChatGPT
出典:ChatGPT
#命令書:
あなたはクレーム処理の専門家です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。
#制約条件:
・出力文字数は400文字程度してください
・お客様はお怒りなので、その気持ちを静めるような内容としてください。
#入力文:
・当店のミスにより美容室のカット予約がとれていませんでした。
・お客さまには本日の17時に予約をお取りした上で次回から利用できる50%クーポンを進呈します。
・上記内容を含む謝罪の文面を作成してください。

#ChatGPTからの出力
尊敬するお客様へ、

誠に申し訳ございません。当店のミスにより、ご希望の美容室のカット予約が確保できなかったこと、深くお詫び申し上げます。お客様の大切なお時間を失望させてしまい、心からお詫び申し上げます。

本日の17時に予約を取らせていただきました。さらに、次回ご来店いただく際には、50%のクーポンを進呈いたします。お客様に少しでもご満足いただけるよう、最善を尽くさせていただきます。

このような事態を招いてしまい、心よりお詫び申し上げます。今後このようなことがないよう、スタッフ一同再発防止に努めてまいります。

何かご不明点やご要望がございましたら、お気軽にお知らせください。お客様のご理解とご協力に深く感謝申し上げます。

敬具

文章作成もChatGPTを活用できます。

文章作成が苦手な人は、ちょっとした内容でも数時間考えてしまいがちです。その文章がお客様からのクレームに謝罪する内容となると、さらに神経を使わなければなりません。

このようなシーンでもプロンプトを工夫することで、ChatGPTから最良の回答を引き出すことが可能です。

ChatGPTは制約条件や入力文にそった回答を提示してくれました。上記のようなクレーム処理のメール検討などは、精神的にもダメージを受けるものです。しかし、ChatGPTを活用すれば、対応時間の短縮はもちろん、ダメージを受けることもないでしょう。

アイデアを出してもらう

ChatGPT
出典:ChatGPT
#命令書:
あなたはIT起業のプロフェッショナルです。
若者向けの動画配信サービス開発のためのアイデアを教えてください。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。
#制約条件:
・出力文の文字数は300文字
・これまでにない革新的なサービスであること
・出力文は箇条書きにまとめること
#入力文:
・最近はショート動画が流行しているので、ショート動画を主体とするアイデアを希望

#ChatGPTからの出力
・「YouthCine」というプラットフォームを提案します。これは、若者向けの新しいショート動画配信サービスです。
・ユーザーは10秒から1分のショート動画を作成、共有できます。短時間でありながら、クオリティの高いストーリーやエンターテイメントを提供します。
・AI技術を活用し、ユーザーの興味や嗜好に合った動画を推薦します。パーソナライズされたフィードを通じて、ユーザーエクスペリエンスをカスタマイズします。
・ユーザーは独自のフィルターやエフェクトを使って動画をカスタマイズできます。クリエイティブな表現を奨励し、個性豊かなコンテンツを作成します。
・コミュニティ機能を導入し、ユーザー同士の交流やコラボレーションを促進します。グループチャットや共同プロジェクトなどの機能を提供します。
・クリエイターには収益化の機会を提供し、広告収益やチップ収入などの収益モデルをサポートします。活動報酬プログラムや特典制度も導入します。

ChatGPTは、人間が思いつかないアイデアを瞬時に教えてくれます。

ChatGPTにIT起業のプロフェッショナルになりきってもらい、新しいWebサービスに関するアイデア出しを依頼すると「YouthCine」というショート動画配信サービスを提案してくれたようです。AI技術を活用したレコメンド機能やコミュニティ機能をはじめ、クリエイターを支援する制度など、実現性が高いアイデアを提案してくれました。

アイデアは、たくさん出そうとしても思いつくものではありません。しかし、プロンプトを工夫しながらChatGPTを活用すれば、人間には不可能なスピードでアイデアのヒントを量産してくれるでしょう。

文章を要約してもらう

ChatGPT
出典:ChatGPT
#命令書:
あなたは小学校1年生の先生です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。
#制約条件:
・文字数は300文字
・小学校1年生にも理解できるようにわかりやすい言葉で出力すること
#入力文:
・スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」の要約

#ChatGPTからの出力
「スティーブン・R・コヴィー博士の『7つの習慣』は、すごく大切な考え方なんだよ。まず、『自分の力を信じよう』っていうのがあるよ。自分で考えて、行動することが大切だよ。それから、『目標を持とう』っていうのもあるよ。自分が何を目指しているかを大事にしよう。次に、『大切なことを優先しよう』っていうのもあるんだ。大切なことを一番に考えると、いい結果が出るよ。それから、『みんなが幸せになれるようにしよう』っていうのもあるよ。みんなが喜ぶ解決策を考えようね。そして、『相手の気持ちを大事にしよう』っていうのも大切なんだ。仲間といい関係を築こうね。『一緒に協力しよう』っていうのもあるよ。みんなで力を合わせて、いい結果を作ろう。最後に、『いつも成長しよう』っていうのもあるんだ。自分を磨いて、いい人になろうね。この習慣を大事にすると、楽しい人生になるよ!」

文章の要約も、ChatGPTの得意分野です。

「7つの習慣」はビジネス書として、あるいは人生哲学書として定番の一冊です。全世界で4,000万部、国内でも250万部を突破しており、長きにわたり読み継がれてきた良書として現在もなお愛されています。しかし、小学生にとっては難解な内容であり、読み進めるのは困難といえます。

そこで、ChatGPTに「7つの習慣」を小学生にもわかりやすく要約してもらいました。ChatGPTは難解なテーマであるにも関わらず、難しい単語を一切つかわず、平易な文章でまとめてくれたようです。

このようにChatGPTに文章を要約させれば、理解に時間を要する文章や、難度が高い文章を短時間で理解することが可能です。

たくさんの文章を読まなければいけないとき、あるいは自分に難しい内容だと感じたとき、ChatGPTは大きな効力を発揮します。

悩みを相談する

ChatGPT
出典:ChatGPT
#命令書:
あなたは恋愛マスターです。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。

#制約条件:
・出力文字数は200文字程度してください
・私は傷つきやすいので優しい回答にしてください。
・出力は箇条書きで3つ回答してください

#入力文:
・私は3年間片思いしていた女性に告白しましたが振られました
・私が立ち直る方法を教えてください

#ChatGPTからの出力
自分を責めないでください。振られることは誰にでもあります。
時間をかけて悲しみを受け入れ、自分の感情を整理しましょう。
新しい興味や趣味に取り組むことで、心を癒して、新たな可能性を見つけましょう。

ChatGPTはどのような悩みにも相談にのってくれます。

人に悩みを打ち明けるのが苦手な人も多いですよね。とくにプライベートな内容の場合は、相手にも気を使ってしまうため、1人で悩みを抱えてしまいがちです。そのようなときもChatGPTを利用しましょう。

ChatGPTは失恋した私に「自分を責めるな」と優しい言葉をかけて慰めてくれました。また、失恋に向き合い時間をかけて整理すること、別の趣味などに取り組むこともアドバイスしてくれたようです。

このようにプロンプトを工夫すれば、どのようなテーマであっても素晴らしい回答を返してくれるのがChatGPTの特徴です。

なお、下の記事ではChatGPTで活用できるおすすめのプロンプトを紹介しているので、あわせて参考にしてください。

ChatGPTで活用できるプロンプトの型おすすめ3選!活用のコツも紹介
更新日:2024年11月22日

回答精度が高いChatGPTプロンプトの共通点

回答精度が高いChatGPTプロンプトの共通点

ChatGPTから適した回答が得られるプロンプトにはいくつかの共通点があります。

ここからは、回答精度が高いChatGPTプロンプトの共通点を、3つにまとめて紹介します。

指示内容を明確に記載している

精度が高い回答を出力できるプロンプトは、ChatGPTに対する指示内容が明確に記載されているという特徴があります。

例えば、プログラミング初心者がPythonについて調べるとき、ChatGPTにあいまいな質問をしてみます。ChatGPTは、Pythonの使い方や学習リソースについて回答してくれましたが、指示内容が不足しているために追加の情報を求めてきました。

ChatGPT
出典:ChatGPT

一方で下図は類似の質問ですが、Pythonのメリットとデメリットや需要に限定しています。その結果、わずか1回の質問で精度が高い回答を引き出すことに成功したのです。

ChatGPT
出典:ChatGPT

そのほかにも、次のポイントに気を付けてプロンプトを指定すれば、より精度が高い回答を出力できます。

  • 命令内容は箇条書きで記載する
  • 入力文から出力文を生成することを明確化する
  • マークアップ言語を用いて本文でない個所を明確化する など

私たち人間は、多少あいまいな質問であっても、前後の会話などから相手が欲している回答を推測することができます。一方で、あいまいな質問をしてしまうと、ChatGPTはどのような回答を欲しているかを判断できません。そのため、回答精度もあまり高くないものとなってしまうのです。

このように回答精度を高めるためには、プロンプトに対して指示内容を明確に入力することが重要です。

出力前に背景情報を読み込ませている

回答に必要な背景情報を読み込ませている点も、精度が高い回答を得られるプロンプトの共通点です。

ChatGPTは、私たちが普段の会話で利用しているような言葉で質問をしても、その意味を理解したうえで適切な回答を出力してくれます。しかし、背景情報などの追加情報を充てることで、さらに回答精度を引き上げることができます。

代表的な背景情報は次のとおりです。

ロール (役割)・小学校の先生として回答してください。
・経験豊富なエンジニアとして回答してください。 
条件・あなたは東京に住んでいます。
・あなたの前世は海を自由に泳ぐイルカでした。

まずはChatGPTに「友だちの大切さ」について、背景情報を指定せずに質問してみましょう。ChatGPTは、「友だちの大切さ」を5つにわけて説明してくれました。

ChatGPT
出典:ChatGPT

つぎにChatGPTには、背景情報として「小学1年生の先生であること」を与えて、同様の質問をしてみましょう。回答の本質に違いはありませんが、表現が小学生にもわかりやすい内容になっていることがわかります。

ChatGPT
出典:ChatGPT

このように、質問そのものだけではなく、さまざまな追加情報を与えることで回答の精度をあげることができるのです。

回答の出力形式を指定している

回答精度を高めるためには、プロンプトに回答形式を指定することも重要です。

前述したとおり、ChatGPTは人に質問するときと同様のテキストをプロンプトに指定すれば、適切な回答を出力してくれます。しかし、回答形式を指定しない場合、ただのテキストによる回答が多いという特徴をもっています。データを見やすくしたい場合、あるいはほかのシステムで利用する場合、ただのテキストを手動で加工する必要があるのです。

一方で、回答形式を指定すればユーザーが必要とする回答を出力することができます。

  • Yes/Noで回答してください
  • カンマ区切り(CSV形式)で回答してください
  • 箇条書きで回答してください
  • 表形式で回答してください
  • マークダウン形式で回答してください

具体例は次のとおりです。

ChatGPT
出典:ChatGPT

このようにプロンプトに出力形式を指定することで、都道府県名と人口がCSV形式で出力されていることがわかります。出力データを見やすくしたい、あるいは別のシステムで活用したい場合には、出力形式を指定することをおすすめします。

ChatGPTプロンプトの作り方

ChatGPTプロンプトの作り方

下記5つのステップに沿えば、回答精度が高いChatGPTプロンプトを作成できます。

  • STEP1:プロンプトに必要な要素を把握する
  • STEP2:出力したい内容を明確にする
  • STEP3:事前に読み込ませる情報を言語化する
  • STEP4:前提条件を決める
  • STEP5:出力形式を定める

まず、プロンプトに必要な要素を把握しましょう。必要な要素が分からないという人は「深津式プロンプト」を活用するのがおすすめです。深津式プロンプトを使えば、回答精度を高めるために必要な次の要素を網羅したプロンプトを作成可能です。

  • 役割
  • 制約条件
  • 背景情報
  • 出力形式

必要な要素を把握したら、出力したい内容は可能な限り明確にしましょう。ChatGPTは会話形式で質問可能ですが、あいまいな内容を含むプロンプトの場合は理想とする回答を引き出しづらくなります。

また、事前に読み込ませる情報や前提条件を指定することも重要です。未指定で回答を出力させるよりも、事前情報や前提条件を与えた方が精度が高い回答を出力可能です。

最後に出力形式の指定も行いましょう。文字数や形式(CSVや表形式など)を指定することで、出力情報の可視性があがったり出力内容を活用しやすくなります。

なお、次の記事ではChatGPTを含む生成AIに活用できるプロンプトの作り方を詳しく解説しているため、良ければ参考にしてください。

生成AIのプロンプトはどう作る?理想的な回答を引き出す3つのコツ
更新日:2024年11月29日

ChatGPTで効率的にプロンプトを入出力するなら「GPTs」機能を活用しよう

効率的にChatGPTでプロンプトを入出力したい人は「GPTs」機能の活用がおすすめです。

ChatGPT
出典:ChatGPT

GPTsはノーコード(プログラミングを一切使わない)で、ChatGPTをカスタマイズできます。通常のChatGPTでは、質問したい情報を都度プロンプトに入力しなければなりません。一方でGPTs機能でプロンプトをカスタマイズすれば、事前情報や前提条件をはじめ、出力形式などをあらかじめ登録しておくことが可能です。

そのほか、作成したプロンプトをほかのユーザーに共有したり、ほかのユーザーが作成したプロンプトも利用できます。また、カスタマイズしたChatGPTはGPT Storeで公開されるため、必要なものをすぐに見つけることができる点、自身が公開したGPTで報酬を得られる可能性がある点がメリットといえます。このようにGPTsを利用すれば、より効率的にChatGPTを活用できるでしょう。

注意点としては、GPTs機能はChatGPT PlusやChatGPT Enterpriseなどの有料プラン向けの機能である点です。無料版のChatGPSでは利用できないため、お気を付けください。

ChatGPTの無料版と有料版の違いは下の記事で詳しく解説しているため、良ければ参考にしてください。

ChatGPT無料版と有料版の違い!8つの観点でわかりやすく解説
更新日:2024年11月5日

より効果的にChatGPTを使いこなすなら

より効果的にChatGPTを活用したい人は、プログラミングスキルの習得を検討しましょう。特別なスキルがなくてもChatGPTは利用できますが、プログラミングスキルがあればさらに効果を高められます。

例えば、Pythonを習得すれば、ChatGPTで出力した分析結果を取り込むツールなどを開発可能です。また、ChatGPTで要約した資料をSNSに投稿するなど、組み合わせ次第でさらなる効率化を目指せます。

とはいえ、ChatGPTの使い方からプログラミングスキルまで独学するのは難しい人も多いはず。そのような人には、侍エンジニアの「業務改善AI活用コース」がおすすめです。

侍エンジニアの業務改善AI活用コース
侍エンジニアの「業務改善AI活用コース

本コースでは、ChatGPTとPythonの組み合わせで業務を効率化する手法や、AIに適切な処理方法の指示を出すプロンプトエンジニアリングのスキルが学べます。

ChatGPTやPythonで開発したシステムの活用事例まで学べるため、卒業時してからビジネスに活かせるノウハウが身につきます。また、次のように学習サポートやカリキュラムが充実しており、未経験者でも挫折しにくいです。

  • 4万5,000人の指導から導き出されたオリジナルカリキュラム
  • 現役エンジニアのマンツーマンサポート
  • 講師/学習コーチ/Q&A掲示板のトリプルサポート など

無料カウンセリングも実施しているので、ChatGPTやプログラミングを活用してビジネスで活躍したい人。データ分析や業務効率化に興味がある人は、お気軽にご参加ください。

公式サイトで詳細を見る

まとめ

今回はChatGPTプロンプトの概要や用途別のサンプルをはじめ、精度が高いプロンプトの共通点や作るコツを解説しました。

ChatGPTはITエンジニアはもちろん、エンジニアではない人にとっても活用すべきツールのひとつです。非常に便利なツールですが、効果的なプロンプトを作成すればさらに利便性が向上します。

「ChatGPTを触ってみたけど期待していた効果が得られなかった」という人は、この記事を参考に効果的なプロンプトの作成にチャレンジすることをおすすめします。

この記事を書いた人

【プロフィール】
Webライター8年目。IT企業でPM(プロジェクトマネージャー)として複数プロジェクトの管理を行う傍ら、2017年からWebライター活動を開始。IT分野を中心に、オウンドメディアの記事執筆を担当。2021年から侍エンジニアブログの記事制作を務めており、現役エンジニアならではの視点を意識し、読者に有益な情報提供を心掛けています。
【専門分野】
Web開発/プロジェクトマネジメント
【保有資格】
基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
AWS Certified Developer - Associate認定

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