この記事では、注目されている理由や活用例も交え、プロンプトとは何かをわかりやすく解説します。
プロンプトって言葉、よく聞くけどどういう意味なんだろう
プロンプトを理解できないと、生成AIは使えないの?
ChatGPTなどの生成AIで必須となるのが「プロンプト」です。ただし、プロンプトという言葉は聞いたことがあっても、いざ誰かに説明するとなるとはっきり説明できない人もいるのではないでしょうか。
この記事ではプロンプトの基礎知識からプロンプトの活用方法、プロンプトエンジニアについて解説します。簡単なプロンプトの作成事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- プロンプトとは「ユーザーがコンピュータに入力する命令や指示」
- ChatGPTといったAIツールの登場で、プロンプトに注目が集まった
- プロンプトを扱うにはツールへの理解や創造力が求められる
プロンプトとは
プロンプトとは、ユーザーがコンピュータに入力する命令や指示のことです。コンピュータに対する命令の入力を促すために表示される記号や文字列を指すこともあります。
プロンプトについての基礎知識を、下記の2つに分けて紹介します。
プロンプトの概要
先に軽く触れたとおり、プロンプトとはユーザーがコンピュータに入力する命令や指示のことです。例えば、AIやコンピューターに何か行わせたいときに、プロンプトで指示をします。
コマンドプロンプトでは、ユーザーがプログラムや操作システムに対して特定の動作を指示するためのコマンドをプロンプトと呼びます。
生成AIの場合には「今日の天気教えて」と入力した場合、それがプロンプトです。
また、プロンプトにはより複雑なタスクが用いられる場合もあります。文章の生成や画像の生成など、特定の目的に向けた出力をAIに指示する場合です。プロンプトには、具体的な指示や期待する結果を含んで指示を出します。
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コマンドプロンプトとAIプロンプトの違い
目的や操作の点で、コマンドプロンプトとAIプロンプトには違いがあります。
コマンドプロンプトはコンピューターに直接具体的な命令を与えるプログラムです。特定のコマンドを入力すると、コンピュータがその指示に従い動作します。
一方で、AIプロンプトはAIの学習モデルに対して予測や提案を行うための指示を与えるものです。AIはプロンプトに基づいた内容について、文章が画像などを生成します。
この違いを理解しておくことで、それぞれのプロンプトがどのような場面で使用されるのかが明確になります。
生成AIに対する指示を出す適切なプロンプトを開発・最適化するスキルをプロンプトエンジニアリングと呼びます。プロンプトエンジニアリングの詳細や学習方法については、下の記事でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
プロンプトが注目されている理由
ChatGPTをはじめとするさまざまな生成AIが登場している昨今、次の理由からプロンプトは注目されています。
- 1. AI技術の進歩により適切なプロンプトが必要となる
- 2. 多様な活用シーンが増えたため、的確なプロンプトの必要性
AI技術が進歩し、人間らしい文章生成が可能となりました。しかし望む回答を得るためには、適切なプロンプトが必要となります。
プロンプトがしっかりしたものでないと、想定外の答えが返ってきたり、イメージが伝わらなかったりします。正確に指示するうえでは、プロンプトの精度が重要というわけです。
また、情報収集やコンテンツ作成・営業業務の効率化など、多様な活用シーンが増えてきています。これらの場面で適切な結果を得るためには、的確なプロンプトが求められます。
プロンプトの具体的な活用法
ここからは、プロンプトの具体的な活用法を、5つにまとめて紹介します。
- 1. 情報収集の効率化
- 2. コンテンツ作成のサポート
- 3. ITリテラシーの強化
- 4. 営業業務の効率化
- 5. 新規事業の企画
活用法1.情報収集の効率化
生成AIのプロンプトの活用法のひとつに情報収集の効率化があります。インターネット上には、多くの情報が存在しますが、その中から目的の情報を探し出すのは大変です。
しかし、AIの導入によりプロンプトに応じて必要な情報を提示してくれるため、情報収集の時間を短縮することが可能です。
具体的には、例えば「最新のAI技術を教えて」とプロンプトを入力すれば、AIは関連する専門記事や論文、ニュース等から情報を抽出し、要約してくれます。
このように、プロンプトとAIを活用すれば、必要な情報だけを効率よく集めることが可能になります。ただし、プロンプトの精度によって集まってくる情報の精度が変わってくる点は注意しましょう。
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活用法2.コンテンツ作成のサポート
プロンプトはさまざまなコンテンツ制作に活用できます。特にAIプロンプトは、ブログ記事の作成やSNSの投稿文を自動作成できます。また、既存のテキストを構成したり改善したりすることも可能です。
例えば「健康的なレシピ」とプロンプトをAIに指示すると、健康志向の食事レシピの提案をしてくれます。
そのほかにも、まだ不十分な文章をAIに指示して完成させることもできます。これにより、短時間で効率的にコンテンツを作成することが可能です。
活用法3.ITリテラシーの強化
プロンプトは、プログラミングなどの知識を学ぶときなどのITリテラシー向上にも活用できます。
例えばExcelの関数を調べるときにプロンプトを活用してAIに依頼すれば、さまざまな関数の働きなどを学べます。また、PythonやJavaなどのプログラミング言語を学ぶ過程でも、AIプロンプトはコードの作成やエラーチェックに活用可能です。
ITリテラシーはインターネットの利用からデータ分析、プログラミングなど多岐にわたります。プロンプトを活用して、より高度なITリテラシーを習得できます。
活用法4.営業業務の効率化
プロンプトの活用は営業業務の効率化に役立ちます。情報収集という営業活動の一部をプロンプトを活用してAIに任せることで、必要な情報を効率よく得ることが可能です。例えば、顧客の事業内容や業界情報、過去の取引履歴などを把握することで、より具体的で効果的な提案ができます。
また、プロンプトを使ってAIに営業メールの作成依頼もできます。AIが提供する自然言語処理機能を使うことで、初回のメールやフォローアップのメールなど、営業シナリオに応じたテンプレートを生成可能です。これにより、営業担当者は時間を大幅に節約し、より多くの顧客に営業できます。
このようにプロンプトを活用してAIに指示を出すと、営業業務の効率化ができるようになります。
活用法5.新規事業の企画
新規事業の企画において、プロンプトはアイデアを得るための助けになります。プロンプトを活用してAIに指示すれば、特定のキーワードやテーマに基づいて関連情報を生成可能です。
広範囲で多様な視点からのインプットを供給できるため、新しいビジネスアイデアを探す際に新たな視点を得られます。
さらに、市場調査のフェーズでは、AIが集めたデータにもとづき、市場のトレンドやニーズがつかめます。この情報は新規事業の方向性を見つけるために大切です。
これらの活用方法を組みあわせて使うことで、新規事業のリスクを減らし、成功につながる事業開発を行えます。
ただし、AIを活用するためには、プロンプトの最適な設計や開発が必要です。次の章では、適切なプロンプトについて紹介します。
適切なプロンプトの作成方法
次の手順に沿えば、適切なプロンプトが作成できます。
- 1.具体的な指示があるか
- 2.役職指定(あなたはプロのライターですなど)があるか
- 3.アウトプットに関わる制約条件があるか
1つずつ具体的な例をもとに、プロンプトの作成方法を解説します。
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これらのポイントを踏まえながら、具体的なプロンプトに設計することで効果的にAIが活用できます。下記の記事では、ChatGPTで活用できるプロンプトのおすすめの型を紹介していますので、合わせてご覧ください。
プロンプトを扱うときに覚えておきたい用語
ここからは、プロンプトを扱うときに覚えておきたい用語を、5つにまとめて紹介します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
プロンプト生成
プロンプト生成とは、AIシステムにおけるコアなプロセスのひとつです。これは、AIがユーザーからの指示や要求を解析し、対応する適切な回答を生み出すために不可欠なプロセスです。
ユーザーから「明日の天気は?」というプロンプトの指示を受けた場合には、AIは解析を行い適切な情報源から天気予報を教えてくれます。
同じように「ミステリー小説の書き出しを作成して」とプロンプトの指示を受けると、AI自身が学習したミステリー小説の一般的なストーリーや語彙を用いて要求に対する生成結果が提供されます。
これらのプロンプト生成のステップは、下記の2つです。
- STEP1:ユーザーの入力を解析し、その意図を理解する
- STEP2:理解した内容を基に、最も適切な応答を生成する
これらのステップはAIの自然言語理解(NLU)および自然言語生成(NLG)技術によって可能となります。その流れは、下記の表のとおりです。
これが、プロンプト生成の基本的な概要です。このプロセスを通じて、AIはユーザーからのさまざまなプロンプトに対して適切な応答を生成し、ユーザーとの円滑なコミュニケーションを実現します。
プロンプトチューニング
「プロンプトチューニング」は、AIモデルが出力する結果を最適化するためのプロセスのひつです。具体的には、プロンプトの微調整や再入力を行い、特定のタスクに対するAIのパフォーマンスを向上させます。
プロンプトチューニングをうまく使用することで、AIの応答をより具体的、適切、効率的にできます。下記がプロンプトチューニングの一例です。
表1. プロンプトチューニングの例
チューニング前のプロンプト | “植物の生育に必要な要素は何ですか?” |
チューニング後のプロンプト | “光、水、栄養素等は植物の生育に必要な要素です。これらはどのような役割を果たしますか?” |
上記のように、プロンプトチューニングを行うことで、より具体的な情報を引き出すような質問に改めることが可能となります。
プロンプトモデリング
プロンプトモデリングとは、具体的な指示や質問を通じてAIの反応を学習させる手法です。この手法は、AIが理解しやすい特定の形でプロンプトを投げかけることで、AIの回答を予測し、結果を改善します。
例えば「天気予報を教えて」というプロンプトをAIに与えると、AIはそのプロンプトに対する適切な反応、すなわち天気情報をユーザーに提供するように学習します。
プロンプトモデリングの例
プロンプト | 天気予報を教えて |
AIからの回答 | 今日の天気は晴れ、最高気温は26度です |
これにより、AIは質問や指示に対する適切な応答を学ぶだけではなく、自然な会話を行う能力も向上します。
プロンプトインジェクション
「プロンプトインジェクション」とは、AIモデルに対する新たな指示を、既存のプロンプトに追加することです。これにより、AIの出力をより具体的かつ効果的に制御することが可能です。
具体的には、AIが文章を生成するタスクにおいては、「文章の先頭に特定のフレーズを挿入する」「特定のキーワードを文章中に多く含める」などという細かい指示が可能になります。
これらの指示を行う際には、元のプロンプトの意味や機能を保持しつつ、新たな指示を適切に組み込む技術が必要です。プロンプトインジェクションにより、AIの出力はより具体的かつ効果的なものになります。
プロンプトインジェクションの手法は、プログラムの動作を細かく制御したい際に非常に有用です。
プロンプトインジェクションについては、下記の記事でも詳しく紹介しています。
プロンプトプログラミング
プロンプトプログラミングは、人間がAIに対して特定の指示を出すために使用される方法のひとつです。特定の命令をAIに与えることで、手動での操作を大幅に削減します。具体的には、プロンプトと呼ばれる短い文や指示を用いてプログラムを実行します。
例えば、ファイルのコピーをする際に、ひとつずつ手動でコピーするのではなく、プロンプトプログラミングを用いて一括でコピーが可能です。
手動での操作 | ファイルをひとつずつ選択し、コピー |
プロンプトプログラミング | 一括でファイルを選択し、コピー |
プロンプトプログラミングは、AIが理解できる形式で問題を明確に表現する能力が求められます。これにより、AIは人間の意図を理解し、より正確な結果を提供することが可能です。
特に、複雑な問題を解決する場合や、特定の結果を得るためには、プロンプトプログラミングの技術が非常に重要です。プロンプトプログラミングについては、下記の記事でも詳しく紹介しています。
プロンプトエンジニアとは
プロンプトエンジニアの仕事は、AIと人間のコミュニケーションを円滑に行うためのプロンプトを生み出すことです。主に下記の仕事を行います。
- プロンプトの設計
- AIモデルの分析
- プロンプトの最適化
AIが理解しやすい形に言語化し、設計図をつくり、分析を行いながら、プロンプトの最適化を行います。
プロンプトエンジニアについて、下記の3つのポイントで紹介します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
求められるスキル
プロンプトエンジニアに求められるスキルは、下記の6つです。
- 1. AIツールの使い方に関する深い知識
- 2. 自然言語処理(NLP)への基礎知識
- 3. プログラミングスキル
- 4. 自然言語処理に用いるライブラリ/フレームワークを扱うスキル
- 5. 言語化力
- 6. 創造力
まずはChatGPTなどのチャットボットからはじめ、画像生成AIや動画生成AIなどできることの幅を増やす必要があります。
またプロンプトエンジニアはPythonなどのプログラミング言語を使って開発を行います。そのため、コードの読み書きなどプログラミングの知識が必要です。
下記の記事では、プロンプトエンジニアの仕事内容や年収について詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
なお、業務改善に必要なAIスキルを身につける方法として、侍エンジニアの「業務AI活用コース」の活用もおすすめです。AI活用について興味のある人は、お気軽に下記より詳細をご確認ください。
将来性
ITやAIの進歩で、今後もプロンプトエンジニアの需要は高まると予想されます。AI技術の進歩により、プロンプトを用いた生成AIの需要は高まっています。
また、ITやAIを活用した業務効率化は、労働人口が減少している日本にとっては課題です。人材不足解消のためにAI活用が広がれば、プロンプトエンジニアの需要も高まります。
企業では、日々の業務効率化だけではなく、新規事業の企画やマーケティング戦略など幅広い分野でAIの活用を進めています。専門的な知識をもったプロンプトエンジニアは、今後必要となる人材です。
さらにAIの技術が進歩するとともにプロンプトエンジニアの役割も多様化して、より高度な技術が求められる可能性もあります。今後も専門的なスキルが求められる場面が増えていくことも予想されます。
向いている人の特徴
注目されていて、将来性も望めるプロンプトエンジニアですが、どのような人が向いているのでしょうか。
ITリテラシーやAI・機械学習の知識を有している人が向いていると予想されます。ただし、これから勉強する人でも、下記の人が向いていると考えられます。
- 好奇心がある
- 新しい技術に抵抗がない
- 自分から積極的に学べる
どのようなプロンプトで、どのような反応があるかプロンプトエンジニアは常に実験しているようなものです。好奇心があって楽しく続けられる人が向いています。
プロンプトエンジニアの注目度は高まっているが、まだ比較的新しい職種なので学べる環境が整っていないのも現状です。そのため、自分で情報を取りに行き学べる人が向いていると考えられます。
プロンプトエンジニアになる具体的な手順は下の記事で詳しく紹介しているので、良ければ参考にしてください。
まとめ:プロンプトは生成AIにおいて重要な役割を果たす
プロンプトには、コマンドプロンプトとAIプロンプトの2種類があり、今回は主に注目されているAIプロンプトについて紹介しました。
プロンプトは生成AIを活用するうえで、重要な役割を果たしています。今後もプロンプトの重要性は高まり、プロンプトエンジニアの需要も増えると予想されます。
プロンプトエンジニアをはじめとするプログラミング学習は挫折しない環境が大切です。挫折しない環境とは、学習だけではなく、質問できる環境や実践的な経験を積める場所も含まれます。わからないところを、現役のエンジニア講師に質問しながら学べる侍エンジニアなら挫折しにくい環境が整っているのでおすすめです。
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本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。