この記事では、データ分析の基礎工程・流れをわかりやすく解説します。
データ分析はどういう流れで進めればいいんだろう?
流れがイメージできない…
データ分析を活用してビジネスの課題解決につなげたいけれど、どう進めればいいかわからない人は多いのではないでしょうか。
適切な手順を踏まないと成功する可能性は低いでしょう。
そこで、本記事ではデータ分析の基本的な流れを、ステップ形式でわかりやすく解説します。データ分析で失敗しないポイントやおすすめのツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、データ分析とは何かをおさらいしておきたい人は、次の記事を参考にしてください。
データ分析の基本的な流れ【7ステップ】
さっそく、データ分析の基本的な流れを、7つのステップにまとめて解説します。
- ステップ1:目的や課題を明確にする
- ステップ2:仮説を立てる
- ステップ3:データ分析の手法を決定する
- ステップ4:データ収集・前処理を実施する
- ステップ5:データの分析を行う
- ステップ6:分析結果の整理をする
- ステップ7:施策を提案する
ステップ1:目的や課題を明確にする
データ分析の最初のステップでは、目的や課題を明確にします。
何のためにやるのかはっきりしていないと分析方法や扱うデータを間違えてしまい、正しい結果を得られません。さらにビジネスに落とし込めないため結果的に無駄になるかもしれません。
目的や課題が明確であれば、手順を進めるのもスムーズになるでしょう。
データ分析の方向性も変わってしまうため、まずは何を達成したいのかはっきりさせておくことが最重要です。
ステップ2:仮説を立てる
ステップ2では、最初に明確にした目的や課題を達成するために何が必要なのか洗い出して仮説を立てて検証します。仮説を立てていなければ、目的達成のために何をすればいいかわからなくなります。
仮説を立てるコツは、複数考えられる原因に優先順位をつけてから分析することです。
例えば、あるレストランチェーンが新規店舗を立ち上げる際には、どうすれば成功するかを検討するとしましょう。さまざまな要因が考えられますが、全ての仮説を検証するのは難しいため客単価や客数、立地など優先順位をつけることが重要です。
ステップ3:データ分析の手法を決定する
次に、立てた仮説が検証できるよう、データの分析手法を決めましょう。
代表的なデータ分析の手法には次のようなものがあります。
- クロス集計
- クラスター分析
- 主成分分析
- 回帰分析
- アソシエーション分析
- ロジスティック回帰分析
さまざまな分析手法があり、目的や仮説、収集したデータに応じて適切な方法は異なります。効率的にデータ分析をするためにも、適切な手法を選ぶようにしましょう。
なお、下の記事ではデータ分析の手法について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ステップ4:データ収集・前処理を実施する
4つ目のステップはデータ収集や前処理の実施です。
仮説を検証したり、分析したりするのにどのようなデータが必要か整理したうえで収集しましょう。データ分析をスムーズに行うためには、前処理をきちんと行っておくことが重要です。
また、データ分析における前処理とは収集したデータの加工を指します。データの前処理を行っていないと、分析が正しく機能せず誤った結果を出してしまう可能性があります。
データ分析を正しく行いビジネスを成功に導くためにも、前処理を行っておくことは重要でしょう。
ステップ5:データの分析を行う
5つ目のステップでは、集めたデータをもとに実際に分析を行います。
データの内容は一様ではないため、それぞれに合った分析手法を選びましょう。適切な分析方法でないと、効率よく行えなかったり正しい結果を得られなかったりする可能性があります。分析時には、全体の傾向や過去のデータにも着目すべきです。
またデータ分析では大量の情報を処理するため人間の手では扱いきれません。ツールを使うと、ミスもなくなり効率的に行えるためぜひ活用してください。
ステップ6:分析結果の整理をする
分析が終わったらデータの結果をまとめます。そのまま終わっていては、課題や問題の解決につながりません。
出てきた結果を整理して新しい施策を検討します。整理するときは、カテゴリーやグループに分けると整理しやすくなるでしょう。
また、新しい施策を作成した際はその効果を検証しておくことも重要です。考案した施策が成功する可能性を高めるためにも効果測定をしておきましょう。
ステップ7:施策を提案する
データ分析で新たなビジネス施策を考案したら、社内の上層部や顧客に提案して承認してもらう必要があります。どれだけすばらしい施策でも承認者の理解を得られなければ、打ちたい施策を実施できません。
対応すべき課題や事実などを共通認識として確認し、考案した施策がなぜ有効なのかを根拠をもとに提案しましょう。データ分析で得られた結果から、実現可能だと感じてもらうことが大切です。
具体的な数値を用いてさまざまなデータを比較しながら提案すると提案を受け入れてもらいやすいでしょう。
データ分析に役立つおすすめツール
データ分析を効率よく行うには、ツールの活用が欠かせません。
そこで、ここからはデータ分析に役立つおすすめツールを、厳選して5つ紹介します。
Tableau
Tableauは世界中で多くの企業が導入しているデータ分析ツールです。
全くの初心者でも使いやすいように、操作が簡単でデータの直感的なビジュアル化が強み。さまざまなデータをグラフやチャート化したり、特定の項目に条件を加えて比較したりできるなど、ユーザー目線で設計されています。
また、データをドラッグ&ドロップするだけで入れ替えや色分けができるなど、作業の効率化が期待できます。パソコンだけでなくスマートフォンからも閲覧できるため、社外からのデータ分析や比較も可能です。
金額については問い合わせてみる必要があります。
Microsoft Power BI
Microsoft Power BIは、Microsoftのデータ解析ツールです。
特にExcelとの相性がよく、日頃からExcelを使用している人は使いやすいでしょう。さまざまなデータや既存クエリ、レポートなどをすべてダッシュボードに統合し、わかりやすく表示してくれます。
データについて質問すると、AIが適切なデータを分析してレポートにまとめてくれる機能があります。無料プランもあるため気軽に使えるでしょう。
Domo
Domoは、自社のマーケティングデータを簡単に確認できる分析ツールです。ドロップ&ドラッグにより簡単かつスムーズに操作できます。
社内にいくつも点在しているデータを一元管理しているため、集計や分析に役立つでしょう。膨大なデータでも欲しい情報にすぐにたどり着けるため、無駄な時間を削減できます。
エンジニアがいなくてもローコードで簡単にデータ加工ができます。プログラミング知識がなくても、感覚的に操作できてSQLまで利用可能です。
また、豊富なテンプレートもあり30日間の無償トライアルも受けられるため、気軽に試してみましょう。
ONE
ONEは、デジタルマーケティングの知見やノウハウを豊富に持つREHATCH株式会社が提供するBIプラットフォームです。
広告運用データとSFA/CRMデータを統合して、LTVやCVを最適化することが可能です。
広告運用だけでなくクリエイティブ制作やデータ分析まで一気通貫でサポートしています。さまざまな事例やノウハウを集約し、各企業が追うべき指標に合わせて施策を提供してもらえます。
プロマーケターの知見から、シンプルで無駄のないダッシュボード画面を実現しています。企業の担当者が未経験でも使いやすいため、ぜひ導入を検討してみてください。
Looker Studio
Looker Studioは、Googleが提供する無料のデータ分析ツールです。Googleのサービスのためアナリティクスやスプレッドシートや広告など多様なデータソースに接続ができます。
クリックやドロップするだけで、チャートやグラフをカスタマイズできるためデータ分析の専門知識がない初心者でも扱えるでしょう。
また作成したダッシュボードのURLやデータの共有も簡単にできます。無料で使用できるため費用の負担もなく、プログラミングの知識もいらないためデータ分析初心者に向いているでしょう。
データ分析に失敗しない3つのポイント
ここからは、データを分析する際におさえておきたいポイントを、3つにまとめて解説します。
正しいデータを使用する
データ分析を行う際は、正しい情報を使用しましょう。
データ分析のステップを正しく進めても、もし間違ったものを使用していると効果的な施策を考案できないでしょう。
データの正確性は、分析の成功に大きく関わるため注意が必要です。
因果関係を正確に理解する
分析したデータの因果関係を正確に理解しておくのも重要です。
原因と結果の関係を正しく理解していないと、課題を解決するための施策も的外れなものになりかねません。物事の因果関係を正しく理解できれば、問題解決や改善提案においてもスムーズに行えるでしょう。
分析結果をビジネスに落とし込む
データ分析で得られた情報はビジネスに落とし込みましょう。
正しいデータや有効な施策があっても、実際にビジネスで活用しなければ目標達成することはありません。正確な情報収集と分析ができれば、具体的な施策を考え実行・検証を繰り返していきましょう。
データ分析の流れを学ぶ方法
ここからは、データ分析の流れを学ぶ方法を、2つにまとめて紹介します。
なお、データ分析の勉強方法をより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。
独学で学ぶ
データ分析を独学するなら以下の流れで学びましょう。
- 基礎知識を学ぶ
- 分析ツールを使ってみる
- さまざまな手法を実践する
最初はインターネット上にある無料教材や書籍を活用して基礎知識を学びましょう。次にデータ分析に必要なツールを選び、実際に使ってみることが必要です。
もしツール選びに迷ったら初心者はExcelでのデータ分析からでも十分でしょう。慣れてきたら少しずつ他の手法も試してみてスキルを体得していくのが良いです。
独学でもデータ分析を学べますが、一人だとモチベーションが下がったり質問ができなかったりして挫折しやすいでしょう。そのときは次で説明するスクールの活用もおすすめです。
なお、下の記事ではデータ分析の独学ステップを具体的に解説しているので、ぜひ参考にしてください。
スクールで体系的に学ぶ
データ分析を学ぶなら、独学でも可能ですがスクールを活用する方が効率的でおすすめです。
必要なスキルや知識を自身のレベルに合わせて体系的に学べます。わからない点はプロの講師に直接質問ができるため、独学と違って挫折しづらいでしょう。
また、就職や転職をサポートしてくれるスクールもあり、未経験からキャリアチェンジしたい人にもおすすめです。
現場で必要なことだけを学んでいくため無駄がなく、独学よりも効率的に身につけられます。
なお数あるスクールのなかでも、データサイエンティストへの転職を見据えて学習したい人は、受講料の最大70%が給付される侍エンジニアの「データサイエンスコース」がおすすめです。
金銭面での支援を受けつつ、データサイエンスやAIプログラミングの習得から転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。
※1:転職後の1年間、転職先での継続的な就業や転職に伴う賃金上昇などのフォローアップ
学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してデータサイエンティストに必要なスキルを習得できますよ。
まとめ
今回は、データ分析の基本的な流れを、下記7つのステップで解説しました。
- ステップ1:目的や課題を明確にする
- ステップ2:仮説を立てる
- ステップ3:データ分析の手法を決定する
- ステップ4:データ収集・前処理を実施する
- ステップ5:データの分析を行う
- ステップ6:分析結果の整理をする
- ステップ7:施策を提案する
本記事を参考に、ぜひデータ分析へ着手してみてください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。